On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

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 2018年4月16日発売。税込価格「1,296円」。本誌のバックナンバーのレビューは「こちら」。

 前号は、2月26日に発売された「2017-2018シーズン終盤号」で、「絶対に買ってはいけない」と注意喚起をしました。なぜかというと、N杯練習中の羽生君の転倒写真を7ページにわたって掲載した、あまりに悪質な誌面が一部あったからです。

 ただ、アマゾンでその件を批判しているレビューも見かけましたし、その辺りを肝に命じて、「改心」してくれたのかどうか。以下、「目次」順に記述しておきます。

 (1)華麗なるエキシビション(8~31頁)

 まず、平昌スワンが14ページ。宇野選手を6ページ挟んだ後、EX出演者との記念撮影が4ページ。写真はアフロ中心で、画質が若干荒いです。平昌五輪のエキシビション狙いなら、「Memorial エキシビションSpecial」を購入すべきで、本誌はインパクトに欠けます。

 (2)平昌五輪の舞台裏(32~55頁)

 EX練習、フリー滑走順抽選プレカン、修造さんが司会をさせられた日本選手団帰国報告会などで構成。ここは、おそらく意図的に、羽生君と宇野選手が一緒に写っている写真を集めた作りです。

 私見ですけども、お花畑ファンを横に置いておくとして、ゆづファン的にも、おそらく宇野選手ファンにとっても、これはどちらも幸せになれない誌面ではないかと。

 ゆづファンはゆづを見たい。宇野ファンは宇野選手を見たい。

  二人がセットの写真は極力目にしたくない。

 そこを把握せずに、フィギュアスケート雑誌の編集をするなんて、致命的な鈍感さと言っていい。ミーシャやハビと写るショットもあるけど、他でも見られるしなぁ・・・。

 (3)YUZURU'S FASHION(56~91頁)

 2018年から2008年へと、羽生君の衣装を遡る企画です。CWWで、羽生君が過去の衣装を着て懐かしのプログラムを滑るというのは、公演初日の13日で明らかになったことなので、この企画は偶然の一致というやつですね。もちろん、黒パリ、旧ロミジュリ、悲愴、ツィゴイネの写真をカバーしてはいますが、決して大きい扱いではないので、これらの衣装の細かい部分を、いま改めてチェックするという意味では厳しいです。

 ただ、こちらの企画、昨年のFaOIオープニングなどのショー限定の衣装を着たショットもあり、そして、どちらかというと、ノービスやジュニア時代の写真の方が「主張」しているのかなという印象です。

 (4)結弦とフェルナンデス 真実の友情(92~98頁)

 「タイトルに偽りあり」とまでは言わないですが、基本的にはハビの紹介記事ですね。平昌五輪のプレカンで羽生君と並んだショット(96~97頁)以外は、ハビの写真のみ。冒頭のスーツ姿の写真がかっこいいんですが、右肩の所がページの谷間になっていて、もったいないです。

 (5)WORLD CHAMPIONSHIP(99~113頁)

 申し訳程度の、ミラノワールドのショット集。内訳は宇野選手5ページ、友野君2ページ、ネイサン4ページ、コリヤダ4ページ。簡単なテキストとスコアも添えられています。

 さて、ちょっと言いたいことがあります。この本の不可解な所は、例えば、平昌五輪EX練習時の羽生君の写真(36~37頁)に、「昔は『勝ちたい』とだけ考えていた。それは僕の向上心の源だから。大事にしつつも、試合では『勝ちたい』と『自分に集中』のバランスが大事。自分だけの方法を今回、確立し切れた」(Number 846号)と、引用元までわざわざデカい文字で載せているんですよね。

 「誰それの発言を、出版物から引用する」のは、二次引用や孫引きと言うんですが、それがジュエルズや蒼い炎のような独占インタ的なものから引用するのなら、分かります。

 ただ、本誌のように、そもそも写真重視系の雑誌ならば、巻末にまとめて引用元を明記すればいいだけの話だし、しかも、Numberのこの846号というのは、2014年1月30日に発売された、ソチ五輪前のものです。なぜ平昌で五輪連覇を達成して、安堵の表情でEXの練習をするショットに、ソチ前の発言を添えて「今回、確立し切れた」はないでしょう。

 羽生君は、平昌五輪の大会期間中の会見で様々な発言をしているのだから(YouTubeなどでナンボでも確認できます)、それを聞いて文字起こしすればいいだけだし、もちろん本人の発言なので引用元なんて明記する必要もない。プロの仕事としてどうなの?と言わざるをえません。

 とはいえ、前号のような「ゆづsage」記事は見当たらないし、昔の羽生君の衣装をすばやくチェックできる「YUZURU'S FASHION」はなかなか便利です。ただ、私には「いろんな部分で合わない」雑誌でした。

 明日は、一日遅れますが、仙台凱旋レポートの現地感想記をアップする予定です。お楽しみに。

 では、また明日!

 Jun

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 4月20日に、婦人画報の中谷ひろみさんの最新コラムがアップされました。バックナンバーのレビューについては「こちら」をどうぞ。

 私のような素人のブログの「感想」とは違った、プロの物書きの「着想」に感心しきりでした。

  「今回、どの演技にも漂うオーラがあった。何度も目にしているプログラムでも、明らかに込められた思いが強かったように感じた。メンバーひとりひとりが、羽生選手からのリスペクトを受け、それに応えようと最高のパフォーマンスを見せてくれたように思う

 その通りなんです。前人未到の五輪連覇を果たした、フィギュアスケート界の「生ける伝説」羽生結弦自らがオファーして、紹介VTRによって「絆」が紹介され、超満員の観衆が迎える。スケーターとして、燃えないわけがないですよね。

  
「人を知る者は智なり、自ら知る者は明なり。自ら勝つ者は強し。足るを知る者は富み、強めて行う者は志を有す。『足るを知る』という言葉で有名な一節が浮かんだ。自分を知り、自分に勝とうと努力をする羽生選手の本質的な強さがここにある。足るを知るというのは身の程をわきまえることではない。自分に足りないものはないと知り、そのことに感謝をしてさらに努力することで志が遂げられる――。まさに、彼の生き方を表しているように思う」

 老子ですね。格調高い話が出てきて、ビックリしました。「足るを知る」の後に続きがあるのは、比較的よく知られています。ググればけっこう出てきます。以前、加島祥造さんの一連の老子訳を集中的に読んだことがありますが。この思想の基本スタンスは、「『他人と比べて、自分はここが足りないから、自分はダメなんだ』という発想はやめなさい」というものでした。ここを押さえておかないと、意味がわからなくなります。

 だって、「足りないものがない状態」、つまり「満足している状態」を知っているなら、というか、もし現在そういう状態だったら、それ以上の努力をする必要がないじゃないですか。満腹状態なら食べる必要がないし、ガッツリ寝た後にまた寝る必要もない。

 したがって、老子が言っているのは、「足りない」の基準、「満足」の基準を、他人に求めずに、自分自身に求めて、それを得るために努力しなさい、というのが、私の理解です。

 では、羽生君自身が、自分の置かれている状況を「足りないものがない状態」であると、そのような主旨の発言をしたことがあるでしょうか?

 今回の通訳の新村香さんや、平昌五輪では田村明子さんに、深々と頭を下げて感謝している彼ですし、身の回りへの気づかい・気配りという面を見れば、「足るを知る」という状態なのでしょう。自分を取り巻く環境、そして「絆」につねに感謝する人です。

 でも、フィギュアスケーター羽生結弦を、彼はどう見ているか?

 例えば、かりに、「4Aを成功させるために、B級試合しか出ない」と彼が宣言したならば、それはもはや「趣味の世界」ですけど、CWWでテレ朝に恩義を感じて(?)、GPシリーズに出ると言っている。この世で最もリスペクトしているスケーターのプルさんから「北京もやるよね?」とハッパもかけられている。きっと「圧倒的に勝ってやる!」と燃えていると思います。

 さらなる周りの期待によって、自分自身にプレッシャーをかけていく。スケーター羽生結弦について、彼は決して満足はしていないでしょう。

 羽生結弦という人は、目標のために突っ走る爆発力がとにかく凄い。「明確な目標」を失った時、つまりスケーターとして「足るを知る」状態になった時の方が、個人的にはやや心配です。だからこそ、しっかり怪我を治して、はやくシーズンが始まってほしいと願っています。
 
 では、また明日!

 Jun

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 高山さん推奨の旧ロミジュリは、もちろん2012年のニースワールド。こちらはフジの放送で、本田武史さんと西岡アナですね。フジで放送があったことについて、本書で言及されています。

  「この年、シニアの世界選手権に初めて出場した羽生。フジテレビが夜9時台から試合を中継していましたので、『この大会で初めて羽生結弦の演技を見た』という方もかなりいらっしゃるのでは、と思います

  「(第2章で)私は『表現には、“物語世界を演じ、その物語の登場人物になりきってしまうようなプログラム”と“音楽そのものになりきってしまうようなプログラム”のふたつがある』と書きました。この章で取り上げている、2009~2010年シーズンからの演技の中で、羽生が明確に『登場人物』を演じた初めてのものが、『ロミオ+ジュリエット』だと思います

 (1)4T(+2.43)

  「最初の2~3漕ぎで、前シーズンまでとは比較にならないほどのスピードが出ている。そのスピードの中で跳ぶ、4回転トウの大きさ、高さ。そして、着氷後にもまったく落ちないスピードと見事なバックアウトエッジのフロー」

 →→その2~3漕ぎのスケーティングに入る前、最初の動き出しからして速いですよね。気合いが入っているのか、コンディションが良いのか、素人目には何と言えませんが、動き出しの違いがまず印象的。これでジャンプをミスるわけがないという、自信に満ちたスタートです。

 (2)3A(+2.14)

  「時計回りのターンも、よりシャープに、そして軸が確かになっている。そこから、『右足を先に前に出し、両足のエッジをつけた状態にする。そこから、どちらの足も氷をとらえたまま、バランスを変えていきアウトサイドのイーグルへ』というムーヴを見せ、ただちにトリプルアクセルへ」

  「私は、この非常に個性的な入り方、エッジのさばき方でおこなうイーグルを見た時点で、『これは面白い!』とは思いましたが、そこからまさかトリプルアクセルにつなげてくるとは思いもしませんでした

  「この冒頭のふたつのジャンプで、私は『何かとんでもないことが起こりつつある』と、ますます画面に釘付けになったのです」

 →→イーグル自体は、たとえばネイサン、あるいは須本君もキレイに滑りますが、CWWのコーナーで無良君も苦労していたように、イーグルからダイレクトで3Aを跳べる選手は、その後、なかなか続いてきませんね。

 (3)3F(+1.20)

  「コネクティングステップから跳んだトリプルフリップが、きちんとバックインサイドエッジで踏み切られていた。私が思わずテレビに向かって拍手をした部分です(冒頭ふたつのジャンプのときは、呆然としてしまって拍手するのも忘れていました)。長年にわたって体にしみついた『踏み切り時のエッジのクセ』を、きちんとゼロにしてから、構築する。それは本当に難しいことのはずです。羽生結弦が『大技』だけに取り組んでいたわけではないことが強く伝わってきました

 →→フリーの3Fのエラーは本当に克服しましたよね。いま、ジュエルズのフォトブック巻末のプロトコル(15-16、16-17)を見てみても、フリップはアテンションすらつかなくなりました。

 (4)FCSSp4(+1.00)

  「トリプルフリップの着氷からただちにおこなう、フライングで入る足替えのシットスピン。第1章(52~53頁)の、2017~2018年シーズンの『SEIMEI』(ロステレ杯)では、トリプルアクセルの着氷からこの動きをしていることを書いていますが、こうして振り返ると、跳ぶジャンプの難度が確実に上がってきているのがわかります

 →→少し補足します。ロステレ杯では4Lzを含む5クワドと2本の3Aで、最後に単発の3Aを跳んだので、直後にこのスピンという流れになりました。平昌五輪では、ルッツ・ループ回避の4クワド構成なので、最終ジャンプは3Lzで、その後にスピンが来ています。

 (5)3A+3T(+1.57)

  「本人もまったく予想していなかっただろう箇所(CiStの終了後)で転倒したせいで、左ひざをかなり強く打ちつけたにもかかわらず、そこからわずかな助走だけで、左足で踏み切るトリプルアクセル、そしてすぐにトリプルトウのコンビネーション。ここで私はテレビに向かって叫んでしまいましたが、会場の観客も気持ちは同じだったようで、聞こえてきた歓声は地鳴りのようでもあり、悲鳴のようでもありました

 →→このロミジュリが「伝説」と呼ばれる理由に、この転倒が生んだ「ドラマ」があったと私は思っています。これと似たケースで真っ先に私の頭に浮かぶのは、奇しくも同じ「フランス」ですが、16年マルセイユGPFの「Let's Go Crazy」ですね。



 あの演技が最高のライブ感を生んでいたのは、冒頭の4Loで「おっとっと!」という着氷で羽生君が苦笑いをした後、「もう、どうにでもなれ!ついてこいよ!」と彼が煽って、あの曲が本来持っている荒々しさがマックスまで増幅されていました。

 「ミスもエネルギーに変えてしまう!」というのは、ニースのロミジュリから始まったのかな・・・という気がします。

 (6)ChSt~FCCoSp

  「体内のエネルギーの最後の一滴まで絞り出すかのような、コレオシークエンスの激しさとパッション。前シーズンよりもはるかに上半身を大きく使い、ドラマティックなものになっていました。そこからさらにトリプルサルコー。よく着氷しました!」

  「最後の足替えのコンビネーションスピンのときは、テレビから伝わる会場の歓声があまりに大きくて、音楽がよく聞こえない状態でした。フィギュアスケートはルールにのっとったスポーツです。よって、この本では私の目に見えた『事実』だけを語っていきたいと思います。なので、こういう主観的な表現は可能な限り控えめにしていますが、この演技は『観客を引きずり込む力』が尋常ではなかったと思いますし、この演技を見た方(あるいはこれから見る方)も同じ感想を持ってくださるのではないかと思います

 →→興味深いのは、ロミジュリがどうしてここまでエネルギーに満ちているか?について、高山さんは、「体の動きや感情の表出の面で制約の多いクラシック音楽、パガニーニやツィゴイネにすでに挑戦していたから」と分析。クラシックバレエよりも、自由なダンスの方が感情表現をしやすいように、フィギュアスケートも選曲による「制約」を受けやすいのだと。羽生君が、若い頃にクラシック音楽で「努力」を積んだことで、キャッチーで華やかな映画音楽のロミジュリで「爆発するようなパッション」を出せたということです。

 さて、CWWのロミジュリと比べてみるとどうか。これは、すでに断片的に書いてきましたが、「上半身の振りの大きさとメリハリ、音をつかむタイミングのドンピシャぶり」が、はっきり見て取れる成長であると、感じました。

 競技プロで言うと4Tを跳んだ直後からの、右こぶしを握って、ドンドンと打ち付けるような振り付け。かつて、水泳の北島康介選手が五輪で金メダルを獲って、水面を何度も打ち付けて喜びを爆発させたことがありましたが、あれを思い出すような、感情の表出。「上下分割動画」でも、よく分かると思います。

 ところで、羽生君の演技とは関係ないですが、上下分割動画の「前半」ではさほど気にならなかったものの、「後半」の動画を見ていると、CWWのカメラアングルがいろいろひどい・・・。

 来年以降は、会場が大きくなる可能性がありますが、カメラ台数を増やして、カメラマンおよびスイッチャーを、しっかり熟練のスタッフで固めてほしいと思います。せっかくの名演がこれではもったいない!

 では、また明日!

 Jun

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