On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

 例年だと、羽生君もそろそろアイスショーに呼ばれて、新しいプログラムのお披露目となるんでしょうが、療養中のため、今年はちょっと状況が違いますね。

 新刊雑誌をチェックしたり、プロモーショングッズを収集するのもさすがに限界があるんで、こうなったら、老舗ブロガーの皆さんにとってみたら「何をいまさら・・・」というネタをこれでもかと掘り返してやろうと思います。

 「アイスジュエルズ Vol.1」の中で、「フィギュアスケート観戦の基礎知識&最新ルール解説」という企画があります。ISUジャッジの資格を持つ専門家監修の信頼できる内容で、「Vol.2」でも続編企画になっています。

 しかし、頭の悪い私には、この企画記事を読んでいるだけでは何のことだかさっぱりわかりません。こういう記事が分からないこと自体は別にいいとして、ただ、こに書いてあることが分からないと、肝心の羽生君の発言の意味が理解できないというのは悲しいです

 そこで今回は、フィギュアスケートの採点法について、そもそも私自身がどこまで分かっていて、どこから分からなくなっているのか、この辺りを明らかにするためのメモを残しておこうかと思います。

 教科書:「アイスジュエルズ Vol.1」82~89頁。



 題材:2015年12月10日 GPファイナル 羽生君の演技(SP「バラード第1番」)



 ※順位・結果
 ※採点詳細

 (1)ショートプログラムの概要

 ・ショートプログラム(SP)は、技術点(TES: Technical Element Score)と、演技構成点(PCS: Program Component Score)の採点(および減点)からなる合計点(TSS:Total Segment Score)で決まる。SPの演技時間は男女ともに2分50秒以内。

gpfinalsp1

→→→画像はクリックすると大きくなります。ここまではほとんどの方が大丈夫かと思われます。私もついていけてます。この赤枠の中を見ると、2位のハビエルとの差は、ほとんどがTESの差といってもいいですね。この差については、後日触れる予定です。

 (2)技術点(TES)って何?

 ・4つの要素で決まる。「ジャンプ」「スピン」「ステップ・シークエンス」「コレオグラフィック・シークエンス」です。脱線しますが、私が使っている「金フレ」というTOEICの単語集で、「choreographer・・・振付師」が「TOEICに出る主な職業」として収録されています。TOEICでは演劇や舞台の告知あるいは取材記事が長文読解でしばしば出題されます。ですが、約3年間勉強してきて、フィギュアスケートからの出題は、公開テストはもちろん市販の問題集でさえ私は一度も見たことがありません。ってことは、そろそろ来るのかも・・・。

 ・「ジャンプ」はSPの場合、3回跳ばなきゃいけません。しかも、その3回のジャンプの内訳は、(1)アクセルジャンプ、(2)ステップからの単独ジャンプ、(3)コンビネーションを入れたジャンプ(※(2)の単独ジャンプとは別の種類)であることが決められています。
 
jumpSP

→→→なぜ冒頭の4S(=4回転サルコウ)が(2)の「ステップからの単独ジャンプ」にカウントされるかというと、この表からは分かりませんが、ステップ関連の技の一種であるイーグル(スプレッドイーグル)から入って4S、そこからイーグルという形になっているからです。スケ連のリンクにもあるように、イーグル単体では基礎点は持たないようですね。



 この動画は羽生君の練習風景を個人で撮影したもののようですが、ちょうど、「イーグル→4S→イーグル」の部分のみが編集されていて、わかりやすいと思います。

 ここからが今日のメイン。ファンの間ではよく知られている話のようですが、15-16シーズンのSPのジャンプは、NHK杯以前だと、「3A→4T→3Lz+3T」だったのが、NHK杯からは、「4S→4T+3T→3A」と、4回転が2本組み込まれました。これが、NHK杯(106.33)、GPファイナル(110.95)、そしてワールド(110.56)とSPのスコアが跳ね上がった最大の要因と言われています。ぜひ上に貼ったGPファイナルのSP動画のジャンプの部分を確認してみてください(※ちなみに、このEUROSPORTの実況の男性は、「イーグル→4S→イーグル」に、恍惚とした声で、“Incredible”と言ってますね)。

stats

 「ISU」「skating」「stats」でググるとISUのサイトを経由して、フィギュアスケートの歴代記録関係のデータに行き当たります。これは男子シングルのSPの世界記録更新の変遷を示したものです(下から上へと順番に新記録が塗り替わっていきました)。羽生君がソチで勝った時の「パリの散歩道」(101.45)も素晴らしかったですが、そこからさらに急激に伸びているのが分かると思います。

 さて、採点法についてはここでいったん切ります。年季の入ったスケオタの皆様、超牛歩進行ですみません。というのも、羽生君が、なぜシーズン中にも関わらず、SPの技の難易度を上げるに至ったのか?、その背景をここで確認しておきたかったからです。

 当時の状況を整理しましょう。15-16シーズンの羽生君の初戦は、「オータム・クラシック」というトロント近郊の町で行われたローカルな大会でした。2015年10月14日にSPで93.14。翌日のFSでは転倒もあり、合計277.19で優勝。2位のナム君とは36点差の大勝でした。

 問題は次の試合です。GPシリーズ第2戦の「スケート・カナダ」。SPでまさかの73.25の6位と大爆死し、FSは186.29と追い上げ、結果2位(259.54)に。1位のパトリックは、SPが80.81、FSが190.33とこれまたイマイチな出来(総合271.14)でしたが、はっきり羽生君の完敗です。

 次戦はNHK杯で3週間後。普通に考えれば、スケート・カナダでは、以前できていたことさえできなかったので、「いつものレベルに戻す」ことを考えるはず。しかし、羽生君の発想はまるで違ったわけです。

 『王者のメソッド』をめくってみると、301頁以降にこの辺りの記述があります。



 ・GP2戦目のスケート・カナダでパトリックに負けた翌朝、エキシビションのための練習で、「イーグル→4S→イーグル」が成功し、手ごたえを感じた。元々「SPで4回転を2本」という野望はあったが、タイミング的に今だ!と考えた。

 ・そもそも、これまでのSP冒頭の「イーグル→3A→イーグル」でさえ他の選手には真似のできない高難度の技。ブライアンとしても「ショートは確実に点を取る場」というのが基本スタンス。当然ながら羽生君の提案には驚いたが、とにかくやらせてみたということです。



 「アイスジュエルズ Vol.2」の方でも該当箇所を調べてみたんですが、昨日の記事でも触れたSPの振付担当のジェフリー・バトルとの「相談」の中には、SP冒頭を「イーグル→4S→イーグル」でいくべきかどうかという件も含まれていて、しかも開幕前から行われていたようです。

 じゃ、なぜ開幕のオータム・クラシックから実戦投入しなかったのか・・・という所は、「ジュエルズ」のインタビュアーが訊いてくれていないので、疑問は残ります。

 なぜ開幕からトライして場数を踏むことを考えず、よりによってボロボロだったスケート・カナダ後に猛練習して、NHK杯に間に合わせようとしたのか?

 いやぁ、分かりません。我々凡人の常識で測れないから羽生君が天才スケーターであるゆえんなのかもしれません。この件について詳しい方がいたら、ぜひ教えてほしいです。

 ぜんぜん進みませんでしたが、新シーズン開幕まで時間もまだたっぷりありますし、単に採点法やルールを暗記するよりも、羽生君の試行錯誤と照合しながら、楽しく学べたらなと思います。

 では、また明日!

 Jun

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 さて、昨日のVol.1に続いてのVol.2です。

 これなら俺でもレジに!と、まるでアイドル雑誌ばりの表紙だったVol.1と比べると落ち着いた外観で、実際こちらの方が誌面の内容とも整合性が取れていると思います。だって、中身は正統派なんだから、表紙で釣るのは他の雑誌がやればいいでしょうに!って話なんです。

 内容について。昨日ご紹介したVol.1の奥付には「2015年10月21日発行」とあり、羽生君が登場したカナダGP(10月30日)よりも前。だから「SEIMEI」の制作秘話にフォーカスされたインタビューでした。

 Vol.2は、2016年2月19日発行。GPファイナルも全日本も終わり、残すはワールドのみという状況での羽生君の巻頭ロングインタビューから始まります。

 表紙にもあるように、たしかにGPファイナルでの330.43についてが中心。このハイスコアを生んだ様々な状況・心境について、詳しくは実際に読んでみてのお楽しみとして、個人的には、『王者のメソッド』のChapter8の発言と微妙に違う所が面白かったです。両方読まれた方は気づかれたと思いますが、

 『メソッド』:ノーミスを意識してミスした→「一つひとつの技に集中しなきゃいけない!」

 
『ジュエルズ』:ノーミス狙いでノーミスで終えられた→「やはりノーミスを狙っていくのは大切!」

 一見すると発言がブレてます。結局、あなたの「メソッド」ってどっちなんだよ?って話なんで、一貫性が無いっちゃないんですけど、ってことは、その時々のインタビューで嘘偽りなく正直に話してくれている証拠でもあります。

 口先だけの「一貫性」ってことなら、どこぞの知事の会見内容も形だけは「一貫」してるわけで、やっぱり、羽生君って誠実だと思いますね。
 
 揚げ足を取るような指摘で気分を悪くされた方はすみません。あくまでも私が期待するのは、羽生君自身がノーミスを狙いながら実際しっかりノーミスで滑りきれたという経験・自信を2018年の本番まで積んでいくこと、その一点なんです。

 他には、シーズンイン前後に、SPの振付をジェフリー・バトルとギリギリまで相談していたこと。シーズン始まってからも、FSについては、皆さんもご存じの野村萬斎さんとの対談後、さらには大会中にも振付に微調整を加えていったことなど、興味深い裏話が聞けます。

 フィギュアって毎試合同じ曲かけて同じことやってる。そんで、ミスしてる。だから、つ・ま・ら・ん。

 ってのはとんでもない話で、これは羽生君に限らず、その背景には試行錯誤と苦労があるんだな、やっぱスケーターすごいわ!と私なんか改めて彼らの凄さに感心したんですがね。

 ちなみに、SP絡みで言うと、羽生君が、「演奏が一番しっくりくる」ので「YouTubeでの映像を見て、どんな体勢・感情で弾いているのか研究している」と答えていたのが、クリスティアン・ツィマーマンのバラード第1番。

 羽生君が実際に見た動画が何かはさすがに分かりませんが、一応貼っておきます。



 巻頭インタビュー以外ですと、今季のGPシリーズの各大会を中心に、ジュニアの大会に至るまで、試合のレポート・総括および記録がきっちりまとまっており、資料的価値が高いです。

 他のジャンルのスポーツ雑誌なんかと比べたら、今回の誌面構成はぜんぜん「ゆづくん・ゆづくん」なんてしてませんよ。気持ち悪いぐらいのバルサ贔屓のサッカー誌、まともな活動をしているかどうかも怪しいのになぜか某バンドを表紙にする洋楽誌辺りと比べたら、良心的な作りです。

 『王者のメソッド』が、ややもすると文字情報でごり押しする内容なので、そこで、このような雑誌を手元に置いといて大会の雰囲気を思い出すと、『王者のメソッド』の行間を私なんかよりもより深く読み解けるのではないでしょうか。

 今回も振付師のインタビューが3名紹介されていて、羽生君絡みではないですが、いずれも興味深いです。特に、本田真凛選手のSPを担当したマリナ・ズエワさんのインタビューは、日本人にとってはちょっと嬉しい、個人的にホロっとくる内容でした。

 ルール解説のページも引き続きマニアックに攻めていて、とても私の頭では理解しきれませんが、辞書代わりに持っておいて、気になった時にパラパラめくってみると良いのかなと思います。

 どうですか?Vol.3の発売が楽しみになりましたか?5月30日って月曜日ですか。店頭だといつ並ぶんですかね・・・。 


 
 え?ゆづくん成分薄いならいらないって?そういう方は、「フィギュアスケートファン通信」からご購入ください。写真目当てならあちらは間違いないと思います。しかもバックナンバーも揃えれば、各年代の羽生君を網羅できますしね。

 写真ってファンの皆さんそれぞれに好みがあるはずなんで、あまり私は感想を述べたくないんですけど、Vol.2だと和装のショットは凛々しくていいと思いましたよ。

 では、また明日!

 Jun

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2016-05-25-20-18-17

2016-05-25-20-18-57


 
 もうね、男がレジに持っていくには若干抵抗のある表紙なんですけど、中身はいたってクソ真面目で硬派な作りです。

 数日前、「フィギュアスケートファン通信10」についての記事を書きましたが、「通信」はどちらかというと写真集的な構成。


 
 一方、今回ご紹介する「アイスジュエルズ」は写真だけでなく、インタビューも分厚く、しかも独自の視点の企画記事もあって、かなり読みごたえのある内容になっています。

 まもなく最新号のVol.3が発売されますが、


 
 バックナンバーのVol.1・Vol.2ともに新品で入手できますし、羽生君のファンならば全て揃えておくべきクオリティですので、今日と明日の2回に分けて、それぞれについて記事にしたいと思います。

 私がアイスショーを生で初めて観た時に、スポーツというよりはライブ(コンサート)に近いなぁと感じたんですが、この「アイスジュエルズ」の誌面構成を見ても、つくづくフィギュアスケートって単純にスポーツとして括れない面白いジャンルだなと思います。

 特に本誌は、音楽雑誌とか映画雑誌に近い雰囲気です。

 実は、巻頭の羽生君のロングインタビューを読んでいて、とても懐かしい気持ちになりました。というのも、かつて私は、「BURRN!」というハードロック・へヴィメタル専門誌を毎月購読していたんですが、あれを貪るように読み込んでいた頃をちょっと思い出してしまったんですね。
 えー、BURRN!で画像検索しなくていいですよ。しなくていいですからね。しちゃだめですよ!

 はああ?ヘビメタぁぁ?

 と、ゲンナリすることなかれ。どういうことかっていうと、洋楽雑誌のアーティストのインタビューは、ニューアルバムが出るか、来日公演があると掲載されるんですが、このVol.1で羽生君が「SEIMEI」(15-16FS)の裏話について語る部分は、まさにそれなんです。

 フィギュアスケートのプログラムって、特にそれが外人の振付師に依頼するなら、全部お任せの丸投げなんでしょ?

 と、私も思っていました。

 しかし、「SEIMEI」を担当したシェイリン・ボーンに対して、振付だけでなく曲の細かい部分にまで羽生君が口を出したと言ってます。「オペラ座の怪人」(14-15FS)では振付だけだったが、今回は曲についても色々と彼女に言ったった!と。

 そうなると、がぜん面白いのが、「氷上を彩る5人の振付師たち」という企画。この振付師インタビュー企画は、Vol.2でも継続されるんですが、「SEIMEI」に込められた様々な仕掛けを理解した後に、シェイリン自身のコメントが読めるのは有難い。他にも、「パリの散歩道」や「バラード第1番」を担当したジェフリー・バトルも登場しています。私は、女子のスケーターだと宮原知子選手が一番好きなので、ステファン・ランビエルのインタビューは嬉しかったです。

 なんかもう、バンドメンバーだけでなく、作曲に加わった外部ライターから、プロデューサーまで全部話を訊いてきましたよというような、総力特集です。「総力」とはいっても、くだらないQ&Aでお茶を濁そうとしない所が感じいいです。

 いわゆる、「ゆづくんLOVE!」的なノリじゃなくて、スケーター羽生結弦と新プログラム、彼が発表した「新作」をできる限り徹底解剖して、それをお届けしますという姿勢なんですね。
 
 他には、ルール解説の記事もありますけど、知識や理屈としては分かるんですが、やっぱり難しいですね。昨日動画も紹介しましたが、あーいうものと併せて徐々に勉強していきたいですね。

 んん?だったら、羽生君の16-17シーズンのプログラムが出てくるまで、この雑誌買わなくてよくね?なんて思うかもしれませんが、まぁまぁ、そう言わずに・・・。新プログラムを待つにあたって、15-16の演技映像を見つつ、こういう雑誌も読んで、歴史をおさらいしておくのも無駄じゃないと思うんです。

 あまり書きすぎると購入する前にお腹いっぱいになると思いますので、今日はこれぐらいで。次回は、Vol.2について触れます。

 では、また明日!

 Jun

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