On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

IMG_0741

IMG_0742

IMG_0743

 CWW愛蔵版ブックの感想の続きです。サラリと重要な記述が収められているので、油断できません(笑)。

 (1)「スペシャルインタビュー」&「いま、羽生結弦に聞きたいこと」から

 ・ジェフ

  「彼がクラシックを好きなのは知っていますけれど、今後はもうちょっと新しい世界、抽象的なものもいいんじゃないかなと思います。2度オリンピックで優勝したから、キャリアとしてはもう全部やったじゃん!って感じですよね(笑)。だからもういまや、彼が本当にやりたいものをすべてできる立場になりましたよね。ジャッジに向けた(競技で勝つための)曲を選ばなくても良いというか…冒険するのに、機は熟しました。やりたいものを滑ると、彼のもっと違う側面、より彼らしいものが見られるようになるかもしれないし、楽しみです

 次に紹介するシェイのコメントと、本質的には同じことを言っているようでいて、具体的にははっきり違う内容というのが興味深い。まず、ジェフは、「競技用プログラムの選曲を冒険してみよう」と言ってるわけです。

 選曲面では、「クラシック以外」を暗に提案しているようにも思えます。わざわざここまで具体的に言うならば、クラシック以外のアイデアがたくさんあるということ。それが「羽生君自身のやりたいこと」と一致しているのかどうか。ブライアンはそこにどう関わって、意見するのか。

 羽生君は、「やっぱり試合で勝ちたい」という考えに傾くのか。もし五輪を目指すなら、「勝てる曲」をまず1シーズンやって、つづく2・3シーズン目は冒険して、五輪シーズンは、その計3シーズンの中から「勝てるプログラム」を持ち越しするのか。ジェフのような、羽生君にきわめて近い場所で重要な仕事をする人が、こういう具体的な話をすると、想像がさらに膨らみますね。
 
 ・シェイ

  「最初に『SEIMEI』を作ったとき、映画の主人公の方(野村萬斎さん)に会ってみたらいいんじゃない、と伝えました。ユヅルにとって大きな体験になるし、何か特別なものが生まれると思ったから。実際に萬斎さんとお会いしているんですよね。とてもいいことですね。もちろんもともとストーリーはあるけれど、会う前よりプログラムに意味が加わって深みが増していくから。それがユヅルというスケーターにとって意味があるものになったからこそ、『SEIMEI』はユヅルのものになったんですよね」

  「いつかショーナンバーを作ってみたいです。競技プログラムだと、エレメンツとか体力、息継ぎ、ジャッジのことなどいろいろ考えなくてはいけないことがあるけど、ショーだったら楽しく無制限にできるから。やりたいことがなんでもできる。すごくおもしろいアイディアが生み出せるのではないかと、いずれそれができたらいいなと思います」

 萬斎さんと会うことを提案したのがシェイだったというのは、実は今回初めて知りました。ただ、このインタビューの中では、「会ったんですよね?」と確認しているので、じゃ、羽生君は、萬斎さんと会ったことをトロントに持ち帰ってシェイにフィードバックしたわけではなく、羽生君自身の中でそれを生かしていったということなんでしょうか?というか、萬斎さんの助言を英語で説明するのは至難の業かもしれません。

 前述のジェフとは違って、「(ゆづの)ショーナンバーを作りたい」とシェイは語っています。なぜ違うのか?その理由について、萬斎さんのスペシャルメッセージと「SEIMEI」を見た後に、考えてみることにします。

 ・ジョニー

  「たくさんの栄光を手にしたユヅルだからこそ、いろいろなことを言われるのかもしれない。ただ、人生では、自分が対応できることしか神様は与えない。だから、自分に関して何かを言われても、それを乗り越えてもっと僕たちは強くなれるんです。僕はそう思っています

 「試練はそれを乗り越えられる者だけにやってくる」というのは、少年マンガでもよく出てきそうなセリフですけど、それをここ日本では、「なんでも我慢して言うことを聞け」と、忍耐を強制する「ツール」として使われることもあります。

 ジョニーはもちろんそういうことを言ってるのではなく、何が起ころうとも必ず解決できるし、嵐はいずれ過ぎ去るというメッセージなんだと思います。

 彼は、それこそ羽生君がソチ五輪で金メダルを獲るずっと前から、つねに気づかってくれていました。それは、「周りから色々言われること」について、「無視しろ」とか「スルーしろ」というようなアドバイスではないんです。

 彼の発言を聞いていると、匿名のネットの意見だから、アンチの意見だから、「自動的に遮断する」という考え方じゃない。悪意のある部外者の意見だろうが、家族や恩人の意見だろうが、そこは関係ない。

 そう思える根拠は、ジョニーが、「強くあれ」ということを、WFSの対談で羽生君に語っていたことが、思い出されるからです。約7年前に行われた対談です。「自分のやりたいことは何か?」というのを常に問いかけて、それを貫きなさいと。それが「強くある」ということなんだと。

 逆に考えると、なぜ羽生君が、ネットや週刊誌・スポーツ紙の類の意見まで入念にチェックしつつも、自分を貫けているのかというのが見えてきます。「強くあれ」というジョニーの教えを守っているからだと、私は思うのです。

 (2)「野村萬斎 スペシャルメッセージ」

 萬斎さんの言わんとしていることを全て理解するのは難しいですが、いちばん具体的でイメージしやすかった部分は、「音に合わせず『音を纏え』」というくだりですね。

  「場を支配するために、天地人というすべての方向性に気を巡らせて『音を纏え』という話もしました。音に合わせにいくと絶対に遅れるから、自分が音を発しているように、と。対談のあと、リンクで練習を拝見したのですが、曲のとらえ方は大変よかったんだけれど、あの曲のたゆとうメロディには裏にもリズムがあるので、メロディに合わせたくなるところを我慢して裏のリズムに合わせた方がいいといった話はしましたね

  「具体的に言うと、冒頭部分だとか、後半のストレートラインステップ前の3つのジャンプのあたりだとかの、笛だけになっているところ。その裏にズンズン、ズンズン、ってリズムが入っていたと思うんですね。メロディに合わせて上半身は優雅に見せつつ裏にあるリズムが身体のなかで取れていると、単なる演技ではなくて、意識した演技になる。重層的な曲ですから、よく音を聞いて、本当によく構成されたと思います」



 萬斎さんが具体的に指摘していた部分に注目してみましたが、特に笛のメロディとリズムの関係を意識的に拾おうとすると、フィギュアスケートの競技用の曲としては、あまりに前衛的で挑戦的ですよね。後半の4S-3T以降の、勝敗を分ける重要なジャンプの部分は、ある意味でのどかな曲調ですしね。

 話をジェフとシェイに戻すならば、私見ですが、ジェフが「(競技用プロで)冒険したい」と言って、シェイが「ショーナンバーを作りたい」と言ったのは、シェイはすでに「やりきった」という達成感のようなものがあるからじゃないかと。「SEIMEI」もそうだし、「ホプレガ」だって難しい曲でした。しかも、両プログラムによって、記録も更新し、タイトルも獲ってしまった。

 「挑戦」はショーナンバーでいい。あるいは、ジェフに「競技プロにおける挑戦は譲る」と、シェイは考えているのかも・・・。

 なんだか、萬斎さんの「メッセージ」から、結局ジェフとシェイの話になってしまいましたが、いやいや、萬斎さんと羽生君がまた対談して、双方の見解をアップデートすべきだと思うんです。ぜひそれをテレビで報道してほしいですね。前回のように日テレか、あるいはテレ朝で。フジとNHKはダメです。

 萬斎さんは、9月に公演を控えていますし、チャンスがあれば羽生君も見れるといいですね。トロントメディアデーが8月ならば、お忍びで来れるかもしれません。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

IMG_0741

IMG_0742

IMG_0743

 すでに多くの方が入手&熟読されていると思いますので、個人的な印象をつらつら書いていきます。

 まず、ざっと見渡して、「羽生結弦写真集」的なものではなかったので、「期待はずれ感」があった方もおられるかもしれません。ただ、そういう雑誌は今後出てくると思いますので(例年通りなら、夏頃にジュエルズのシーズンフォトブック)、これはこれで楽しむのが一番だと思います。

 (1)ゆづの野望

 本書を、現地会場でも購入できた(白の)ガイドブックを読み、3日間の放送を堪能した上で楽しめた理由は、このショーを踏まえた、羽生君の最新のコメントが掲載されている点ですね。

  「今、滑りたい曲の候補がたくさんあります。だから近い将来には、それをジェフなどに作ってもらうことになると思いますし、最終的には、自分の経験とか知識とかを伝える立場になりたいなと考えています。そのときに言葉に説得力を持たせるためには、五輪の金メダル2個が必要で、さらに記憶に残ることをした人じゃないとだめだなと思っています。4回転アクセルはとてもインパクトがあるし、この先僕が伝えたいことや取り組みたいことに必要なものだから、絶対に成功させたいです

 新シーズン用の曲はすでに決めたということなんで、若干タイムラグはありますが、赤字にした部分は、ずいぶんと本音というか、踏み込んだ内容だなと、思わず身を乗り出して、色々と考えさせられました。

 羽生君はリアリストの部分の強いアスリートで、「オリンピックに出るからには金メダルを獲らないと話にならない」という意識を、決して日本のお家芸ではないフィギュアスケートの選手なのに、強く持っていました。水泳や体操や柔道の日本代表選手がそう言うのとでは、わけがちがうのです。

 しかも、すでに荒川さんが1つ獲っているし、自分は19歳で1つ目を獲ったのだから、2つ獲らないと、フィギュアスケートの第一人者とは言えない(と本人は思っているフシがある)。自分の発言を元にして物事を動かすこともできない。

 さらに、4Aを、「この先やりたいことのために必要なもの」というのは、私の知る限り、初めての発言ではないかと。もし囲み取材でここまで話すと、「伝えたいこと、取り組みたいこととは、何ですか?」といちいち聞かれて、それをアンチメディアに、「羽生、金儲けのために4回転アクセル挑戦」などと捏造されかねない。

 この愛蔵版ブックは、いわゆる受注生産品ですから、私たちを「本物のファン」であると信頼して、これだけ語ってくれたのでしょう。嬉しいですね。

 (2)白と黒で完成品

 ガイドブック(白)と同様に、本書(黒)でもゲストスケーターについてしっかりページが割かれていますが、「白」やショーでの紹介VTRが「ゆづからスケーターへのメッセージ」だとすると、「黒」の内容は「スケーターからゆづへのメッセージ」という形式になっていますね。二冊で一つ。両方を読むことで、出演スケーターとゆづの「絆」や「継承されたもの」が完璧に理解できる内容に仕上がっています。

  このショーは、様々な面で感心させられることばかりでした。グッズを後日通販で購入できることや(現地での販売開始時刻も早まったし)、ライブビューイング(映画館&テレビ)、テレ朝チャンネル2での完全版放送はもちろん、グッズ自体も、Tシャツのデザインもいいし、2冊のブックも、他のアイスショーや試合のプログラムとはクオリティが違います。

 おそらく、羽生結弦プロデュースのショーだからこそ、彼自身が、「自分だったら、こういうものが欲しい」というアイデアをこれでもかと詰め込めたんだと思います。それもこれも、上で引用したような「前人未到の実績」を打ち立てたからこそ、これだけの「わがまま」を実行できて、しかもこれだけ集客できる。すごいことです。

 バックステージの写真をチェックしていると、都築先生とゆづのツーショットの他に、無良パパも一緒に写っている記念ショットがありますね。無良君、稔先生、川口さん、羽生君と、あと二人知らない男性も写っていますが、どなたでしょうか?一人はなぜかFaOIのTシャツ(たぶん去年)を着ているので、音響・照明等の関係者かもしれません。

 明日は、野村萬斎さんのスペシャルメッセージと、ゲストスケーターからの「いま、羽生結弦に聞きたいこと」を見ていきます。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

IMG_0716

IMG_0717

IMG_0718



 キスクラレビューの最終回です。バックナンバーのレビューは「こちら」で。

 羽生君関連以外で、気になった記事をご紹介します。

 (1)友野君インタ

  「踊ることが好きなんです。会場を一つにできるような表現力を、自分でも少しは持っていると思いますし、今後もっと伸ばしていくべきポイントだと思っています

  「5コンポーネンツの底上げが、今いちばん取り組んでいる部分です。スケーティングスキルや演技力を上げて、もっと点数をもらえるように、毎日練習に励んでいます」

  「理想としては、4回転トウループも組み込んでいきたいんですが、まだ練習中で…。17-18シーズンは、ジャンプの安定感がとても良かったと思います。(4回転サルコウなどの)大技を決めた後に、ほかのジャンプでミスしないように練習しました。決まった大技をムダにしたくない。後半にミスのない滑りというのが、自分の武器だと思っています

 何度も書いていることなんですが、友野君は、いまの日本男子にいないタイプのスケーターだと思っています。会場を盛り上げられること。しかも、ジャンプのミスがあってもそれを忘れさせるようなエンターテイナーの素質を感じます。

 ただ、それは私の「印象」や「イメージ」だけでなく、実際に昨シーズンはミスを連発して崩れるケースがほとんど無かったですよね。このインタでの発言の通り、プログラムをトータルで安定して滑り切るためのトレーニングを積んでいたようですね。

 新ルールは、いわゆる「ジャンプ偏重」に歯止めをかける狙いがあると見られていますが、4回転に前のめりになっていないのは、ルールも踏まえつつ、冷静に自己分析が出来ているのでしょうね。ミーシャ振付のプログラムも楽しみですし、今季はさらに「名前を売る」チャンスになるはず。頑張ってもらいたいです。

 (2)刑事君インタ

  「(昨季は)体が思うように動かない時期もあった。つらかったことが報われて良かった」

  「(2019年さいたま世界選手権の)代表争いは厳しい。オリンピックの切符を取りにいくくらいのつもりで戦う」

 平昌五輪は18位、ミラノワールドは13位と、靴のトラブルもあって大変でした。ただ、まだまだスケートに対する情熱と、この段階で、さいたまワールド代表入りを目標に掲げているというのは、素晴らしいと思います。

 おそらく今月発売の「クワドラプル」でロングインタが読めると思いますが、羽生君がまだやるのだから、刑事君&龍樹君にもまだまだやってもらわないと困ります。一昨年のNHK杯のように、今年は全日本で3人の共演を見てみたいですね。

 (3)まっちーの書き下ろし連載

 14-15シーズンの彼のフリーの「交響曲第九番」(ベートーベン)を、自ら解説する内容です。いかにも大学院生の書く文章だなぁ・・・としみじみ感じつつ、ただ、こういうスタイルのフィギュアスケート評論って、ジュエルズの「舞台芸術としてのフィギュアスケート」ぐらいしか無いので、これはこれで新鮮だと思います。



 私自身、このフリーはまったく覚えていなかったので、先にプログラム制作の背景の部分だけを読んで、「プログラム自体の解説」を読む前に、動画で演技の方を確認してみました。するとまず、冒頭、なかなか動き始めないのが面白いなと。

  「冒頭、天を仰ぐポジションのまま静止して、寄せては返す波のように徐々に高まっていくオーケストラの音を静かに聴くシーンが、十八秒間続く。そして全ての楽器の音が同調し高められた瞬間、人間の生命力の逞しさを表すような動作が立て続けに展開され、覚醒の時を観る者に知らせる」

 こんな調子で解説がなされています。もう一つ、最後の3Lzを跳ぶ前の両手を広げるポージングがかっこいいじゃん!と、ここもツボだったんですが、次のように論評されていますね。

  「コーラスが最後に『歓喜よ、美しき神々のきらめきよ』と高らかに謳い上げた瞬間、十字架を象徴し、天を仰ぐ振付から、この壮大なプログラムの大団円となるトリプルルッツが繰り出され、畳み掛けるようにしてコーダへと至る。そして、歓喜によって満ち足りた魂を宇宙へと解放するように、右手を天高くへと差し出して、四分五十五秒の時空に圧縮された《交響曲第九番》は幕を閉じるのである――」

 2018年のいま見ても感じるのは、町田君の特徴は、「そこまでしなくても」というコテコテな振付で、世界各国のスケーターを見渡しても、こういう選手は出てきてないですよね。そう考えると、演技の内容とこの文章(つまり彼の性格)は表裏一体というか密接不可分だなぁと感じます。

 最後に、興味深い「分析」でこの書き下ろしは締められています。

  「時々、ふとした瞬間に考えることがある。毎日のように滑り込んでいるプログラムだが、果たしてこれと同様の身体運動が無音の状態でも発揮できるのかということを――。実は未だに試みたことは一度たりともないが、この問いへの答えはおそらく『否』である。・・・2014年当時における私自身の身体能力の限界に挑戦するプログラムでもあり、音楽の存在がどれほど私に力をもたらしてくれたか計り知れない。・・・『音楽』は、演技者を鼓舞し、駆り立て、慰撫し、そして最後まで力強く寄り添う根源的な存在となるのである」

 ここで彼が言ってるのは、「かりに音楽なしでランスルーするとして、試合のようにノーミスできるか?」という話で、彼の場合は「できない」とのこと。

 羽生君だとどうでしょうね。イメトレを世界の誰よりもやるスケーターですから、「できますよ」と答えそうだし、でも、音楽を大切にする人だから、「できないですね」と答えるかもしれない。

 ライターさんや記者さんは、羽生君にイメトレについて質問する際に、ぜひこの点も投げてもらえると、面白い内容になるんじゃないかと思います。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

このページのトップヘ