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 ※どこのモデルさんたちかと・・・。オシャレ度はポゴが一番ですな。

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 2016年11月26日発売。ご紹介が遅れてすみません。若干「今さら感」がありますが、GPFの男子シングルのFSが日曜早朝の4:20~ですから、羽生君の演技の余韻に浸りつつ、お読みいただけたらと思います。

 ゆづファンでこのextraを購入された方は、ほぼ例外なく、「シェイリーン・ボーンが語る『Hope & Legacy』」目当てかと思われます。羽生君の今季新プロに関して、SPのバトルのインタは各誌ですでに掲載されていますが、シェイリーンのホプレガに関する発言は本邦初公開(てか世界初!)だと思います。

 シェイリーン自身は、アイスショーやNHKの番組などで来日していましたが、それは夏頃のはずで、まだ情報解禁の許可が下りていなかったのでしょうね。ちなみに、このインタは「NHK杯の前」に行われたようです。

 以下、彼女の発言の引用だらけになりますが、そうせざるをえないほどの、一級品の価値のある内容なので、ご了承ください。

 ・ 音楽の選択について

  「振付を始めるときに、彼はこの曲と心に決めて持ってきてくれました。・・・1998年の長野パラリンピックのテーマ曲で、『この年にぼくはスケートを始めたんだ』と話してくれました。・・・私にとっても、この話を聞いたことが、『Hope & Legacy』のテーマに結びつきました。

 ・ 描きたいと思ったこと

  「彼の人生におけるさまざまな経験、彼が氷に足を踏み入れた瞬間からこれまでに、彼自身が経験してきた旅を、そのままプログラムのなかで描きたいと思ったのです。・・・プログラムの最初の部分は、氷を知っていくことについて語っています。とても静かな始まりですが、それは彼が『発見』していくからなんです。次第に、彼は氷を知り、自分自身を解放できるようになっていきます。本物の旅が始まるんです。エモーションが上がったり下がったりする、ジェットコースターのような旅です。そのことを、フットワークを通して表現しているんです。」

 ・ ゆづと交わした会話

  「たぶん、振付を始めた初日は、滑っている時間よりも話し合っている時間のほうが長かったと思うわ。彼自身の感じ方や感情について、そしてそれをどうすれば表現できるのか、そういうことを話し合っていたの。」

  「じつは、プログラムが完成したあとも、しばらく一緒に過ごしたんです。今回が初めての試みだったのですが、オフアイスのフロアで一緒に練習をしました。私がフロアで動きの1つ1つを分解してやって見せ、それを彼が続けて動く、という流れでしたが、彼を見ているのは本当に楽しかったし、興味深かった。・・・そのときはまだ彼はジャンプの練習ができない時期で、プログラムそのものに集中することができた。・・・床の上で、ダンサーとしての彼を見ることができたのは私も幸運でした。

 ・過去2シーズンを振り返る

  「最初の年(14-15)は、ご存じのようにブライアン・オーサーが私にメールをくれて、『ユヅルにきみのプログラムを滑らせたい』と言ってくれたわけですが、その時点でユヅルは『オペラ座の怪人』で滑りたいという希望をもっていました。私は正直言うと、それまでにたくさんの選手が『オペラ座の怪人』を滑ったのを見てきましたから、ためらいがあったんです。けれど、ユヅルの長年の願いを実現しようと思いました。・・・4日間しか振付のための時間がとれなくて、でもできる限り新しいことに挑戦しようとする彼の姿勢には感銘を受けたものでした。」

  「2年目の『SEIMEI』のときは、曲をみつけてきたのは彼でしたが、私たちは一緒に編曲に取り組みました。私も聴いたとたんに『こんなプログラムを作りたい』というイメージが湧いたのですが、彼のほうも実現したいことがあって、プログラムにより積極的に参加してくれた。お互いに、率直に話し合えるようになりました。日本文化を学ぶこともとても楽しみました。・・・シーズンを通して彼が『SEIMEI』のキャラクターを自分のものにしていく姿を見てくることができて、私も感無量でした。彼が誰かを演じているわけではなくて、彼そのものが主人公として在った。

  「彼はこのスポーツに大きなギフトを贈った。ユヅルのいちばん素晴らしいところはここなんです。・・・彼の演技を見たことで、たくさんのスケーターがさらに上を目指して練習を積むようになりました。・・・『Hope & Legacy』のプログラムも、同じように説明ができると思う。このプログラムは彼そのもの。ユヅルこそが希望であり、レガシーです。ユヅル・ハニュウは、つねに前に進み続けたアスリートとして、諦めないこと、信じることを、若いスケーターと彼を見るすべての人々に伝え続けたアスリートとして、これからも長く歴史に名前を刻む存在になると、私は信じています。」

 ・ 「Hope & Legacy」の真のストーリー

 (1)オープニングの場面
  
  「最初のシーンで、ユヅルは前に踏み出しながら片手を前に差し伸べますが、これは彼と氷との出会いを示しています。目の前に広がるイマジネーションは、最終的なゴールとしてのオリンピックの光景でしょうか。彼はその光景を垣間見て、憧れの手を伸ばします。でも、すぐにそれをつかむことはできません。彼は手を引っ込めて、一連のシークエンスを滑ります。『何事も努力なく与えられるものはない。さあ、氷に乗って、努力をはじめなくては』という場面です。」

 (2)苦闘と喜び

  「サークル状のフットワークのあと、ユヅルが両手を前に出して、そこを覗き込むところがありますね。あの場面では、ユヅルは鏡のなかの自分自身を発見します。彼は自分の影を鏡のなかに見つけますが、多くの場合、自分の最大の批判者は自分自身です。ユヅルは鏡の中の自分が気に入りません。恐れもあるし、自分自身に対して厳しくしすぎてもいる。自分の欠点を見てしまいます。でも次の瞬間、彼は腕を突き放すようにその場を離れます。鏡を壊し、進み続けようとするんです。

  「4回目の4回転ジャンプのあと、彼は胸に手を当て、自分の心臓の音、心の声を感じ取ります。自分の感情と向き合う段階に達するんです。今年、怪我を通して彼は自分と向き合い、動きを心で感じる新しいパースペクティブを手に入れました。ただスケートのことだけに集中するのではなく、人生全体を考えるようになった。心を感じ、それを解放することができるようになる・・・・・・まるで、突然翼が生えるような瞬間です。彼は飛び立つんです。」

 (3)最後のシーン

  「じつは、オープニングの場面に戻るんです。彼は手を差し伸べ、その手を握りしめます。目標に到達し、勝利と夢をつかむんです。けれど彼はそれを独占しようとはしません。一度抱きしめると、腕を開き、心を開いて、希望とインスピレーションを世界中の人たちと分かち合うんです。最後の場面は、見ているみなさんのための場面なんですよ。

  「どれだけユヅルがみなさんに感謝をしているか。彼はただ自分が綺麗に滑りたいというだけではなく、自分が滑ることにもっと大きな目的をもたせたいと考えている。周りの人々と分かち合うこと、他者のために、他者と寄り添って生きること。その場にいる、またテレビを通して見ているすべての人々にとって、素晴らしいメッセージになると思います。」

  「どんなスポーツも、観衆がいなくては成り立ちません。ユヅルはみなさんに彼の一部になってほしいと思っているんです。そして一緒に分かち合おうとしています。これこそが、『Hope & Legacy』の真のストーリーです。」

  「彼の内側には、本当の美があります。すべての人々への感謝の心、氷への尊敬。そうした美しい気持ちが、彼自身の手によって、このプログラムのなかに流し込まれているんです。その一助になれたことが、スケートに関わる者として本当にうれしい。また一緒に氷に乗って、彼のテーマをさらに発展させる手助けができることを心待ちにしています。」

 いやぁ、いちいち注釈をつけることが憚られる、完全解説ですね。これぞ決定版。全ての謎が解けた感があります。これを知っていると知っていないとでは、我々ファンのプログラムへの理解に天と地ほどの開きが出てくるんじゃないでしょうか。

 しかし、シェイリーンがこれら一つひとつの振付の「意図」をすべて羽生君に伝達して、試合で彼がその通りに演じているとして、なぜトロントの取材の場で、彼は「自然のものを表現したい」というボヤかした発言に留めたのか。もしかすると、9月の段階では、まだシェイリーンのアイデアもここまで絞り込めていなくて、具体的な振付という形に落とし込めていなかった・・・・ということでしょうかね。

 いずれにしても、振付師によるプログラム解説は「これぐらいやってほしい!」というひとつの到達点ですね。このシェイリーンのインタだけでも、今季16-17シーズンの雑誌の中でも、ゆづファンにとってはマストアイテム中のマストアイテム、最重要の一冊と言えます。絶対に買いましょう!

 では、また明日!

 Jun

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