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 2016年12月7日発売。TVガイドでお馴染みの東京ニュース通信社発行の「KISS & CRY」。これまで私は、「2014Winter」と「2016Spring」の2冊をレビューしています。

 編集方針は基本的に上記のバックナンバーと変わっておらず、(1)日本男子シングル選手に特化している、(2)本体価格を1000円以下に抑えている、(3)必ず付録がある、(4)TV関係者のインタビューが掲載される(こともある)、以上の特徴が堅持されていますね。

 今日は羽生君関連の記事のみご紹介しましょう。まず、表紙・裏表紙・目次・奥付は全て羽生君の写真。

 付録のポスターも両面ともに羽生君で、片方がスワン、もう片方がUAの上下黒の半袖ウェアでの公式練習の様子で、いずれも躍動感があって私はかなり好きな写真です。

 全70頁のうち、頭から45頁までが羽生君特集。それ以外に、60頁からの織田君のGPF展望記事、TV放送予定カレンダーの所にも羽生君の写真がけっこう載っています。

 45頁までの特集は以下のような内容です。

 ・ NHK杯(8~21頁)→内訳は、パープルプリンスが6頁、ホプレガが4頁、スワンが2頁、公式練習が1頁、同級生トリオが1頁です。いずれも大きめの写真ばかりで、「キメ台詞」的な文字も本人発言が2頁のみで、大いに写真を楽しめるレイアウトです。個人的に、20頁の練習のショットは、あまり見ないような厳しい表情をしていて、一際目を引きますね。

 ・オータム&スケカナ(24~37頁)→内訳は、ホワイトプリンスが4頁、ホプレガが4頁、スワンが6頁です。こちらもなかなか・・・。それぞれのプログラムに、大きくて美麗な写真をバッチリ収録。さすが表紙に「超次元&高純度グラビア」と金のラベル付きで掲げているだけあって、クオリティが高いです。

 ・ 「コメントで振り返る 羽生結弦の決意」(38~43頁)→これは、どの雑誌にもあるような企画ですね。発言自体はご存じのものばかり。しかし写真のセレクトが面白くて、UAの上下黒の長袖ウェアバージョン(肩から手首にかけてグレーのらせん状のライン)、半袖ウェアバージョン(ブラック)、代表ジャージと、この企画では演技衣装の写真を一枚も使っていないんですね。

 ・コラム1(22~23頁)→松原孝臣氏執筆の「羽生結弦が牽引する4回転新時代」。Numberでこの方の記事を読んだことがありますが、この記事の内容にはほぼ私も賛成です。地上波のワイドショーやスポーツニュースだと、やれ記録更新だ、4Loだ、と煽ってますけど、そこに警鐘を鳴らすような主張ですね。今季の羽生君は、そもそも怪我明けで出遅れていること。さらにSP・FSともに新プロで、しかもまったく対照的なタイプの楽曲で、それだけでも今シーズンは難しいチャレンジをしていること。ジャンプだけで高得点を出しているのではなく、PCSの高さも含めた総合力の結果だということ。2頁で実によくまとまっていると思います。

 ・コラム2(44~45頁)→野口美惠さんによる「コーチたちが見据える“4回転の近未来”」。これは面白い記事です。冒頭、男子シングルにおける4回転の歴史を振り返った上で、そこから、各著名コーチに4回転について取材しているのが、この記事の注目ポイントです。

 山田満知子先生:「うちは個性派ぞろいなので、ほかの選手がこうやっていたから真似する、ということはないんです。勝つことや得点が目標ではなくて、その子の長所を伸ばすことが出来ればいいなと。フリップが得意なら、フリップをやればいい。それぞれの選手が、個性を大切に伸びていってほしいのです。」

 長久保裕先生:「ここ数年の4回転競争は、10年のバンクーバー冬季オリンピックがきっかけでした。4回転を跳ばずにキレイに滑った演技に点数が出て、4回転を成功させたエフゲニー・プルシェンコが2位となり『やっぱり4回転を跳んだ選手に点数を出さなければダメだ』となった。ソチ冬季オリンピックの時は4回転を跳べなければだめという時代になり、今は2種類が当たり前に。そのうち4回転アクセル(4回転半)を跳ぶ選手も出てくるでしょう。

 ブライアン:「平昌冬季オリンピックでは、男子フリーで24人すべてが4回転を跳ぶでしょう。表彰台に乗るには、質が高い4回転を素晴らしい振り付けの中で跳ぶ、という時代です。それはスポーツとして素晴らしい進化です。昌磨の成長は目を見張るものがありますし、ボーヤン・ジンもさらに質を磨いてくるでしょう。でも強いライバルがいることで、ユヅルはもっと強くなります。ですからライバルは大歓迎です。」

 4Aを跳ぶ選手が出てくるかどうかというのは、それこそ今後のルール改正次第でしょうね。満知子先生のコメントはたいへん貴重です。いまや昌磨のキスクラには樋口先生だけですし、満知子先生は大丈夫だろうか?と心配していました。

 と、これで半分です。工夫次第では、値段を抑えつつも、良質な雑誌を作り上げることができる!という、お手本のような一冊です。

 地上波で放送があればフィギュアの試合を見るかな・・・というライトな方で、「とりあえず羽生君特集の雑誌を買ってみたい!」という目的ならば、最適な一冊です。巻末のTV放送スケジュールも便利ですしね。

 そして、私のような雑誌マニアから見ても、特に写真のセレクトには編集者のメッセージを感じます。

 この時期は発売される雑誌が多すぎて、チェックするだけで疲労気味の方でも、試しに手に取ってみてはいかがかと。「これは意外にいいぞ!」という発見があると思います。

 では、また明日!

 Jun







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