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 2017年4月10日発売。本題に入る前に、「拍手コメント」について。まずは、毎日コメントをくださるKさま、いつもありがとうございます!とても励みになっています。

 そして、別の読者さまから、以下の問い合わせをいただきました。

  「続々新刊ラッシュですが、実はまだフリー後、天に向かって指を一本指している写真に出会えていません。もし見つけられたら、ついでの時で結構ですので、教えてくださると嬉しいです」

 お答えいたします。新刊雑誌なので画像は貼りませんが、最新の「応援ブック」の76~77頁にあります。「スピンを終えて、屈めていた体を伸ばす。右手の人差し指を天に突き上げた。ついに執拗にこだわったノーミスを達成したのだ」というテキストとともに見開き2ページぶちぬきの写真です。

 ・・・ですが、構図としては、羽生君自身は胸から上のみ捉えられていて、右手にフォーカスが合わさっています。写真自体の鮮明度もちょっと・・・という感じですね。

 ちなみに、そのスピンを終えた直後というのは、まず左こぶしをギュッと握って左腕を掲げているんですが、そのポーズが、今回の「銀盤の革命者」のカバーの中側になっています。



 その後、クルッとターンして、両腕を広げ、そして右手の人差し指を突き上げる、という流れですね。

 さて、本誌の内容へ。ざっくり言うと、日本男女シングル選手を中心に、各選手の今季のベストショットに、今シーズンの歩みをテキストで補足する内容です。海外選手については、まとめて田村明子さんが分析と展望を行っています。

 したがって、羽生君の写真も先日のワールドだけではなく、今季の各試合からセレクトされていて、そのためか、プリンスとホプレガの競技写真が多いです。練習着や代表ジャージ姿の写真はあまり期待しない方がいいですね。

 羽生君に関してのテキストは、松原孝臣さんの解説、プルシェンコの「ゆづを語る」的インタ、真木よう子さんと加藤綾子さんから寄せられたコメント(と言ってもわりと長いです)、小塚君からのコメントで構成。

 羽生君の写真を大量に収録した「写真重視系」でもなく、しかし、大会レポートや、囲み会見をまとめているわけでもなく、選手それぞれに焦点を当てていて、その意味で類書はありません。美しい写真とともに、各選手の活躍を素早くチェックするには最適で、少し時間が経ってから再読しても楽しめると思います。

 必ずしも、羽生君を扱った部分が多いわけではないですが、写真の美しさやデザインのおしゃれさ、後述するテキストの面白さも含めると、やはりこれは買っておいた方がいいと思います。

 まず、触れておきたいのが、プルシェンコのインタの以下の一節です。現在の男子シングルは高難度のジャンプ合戦になっていて、表現の余地がないのではないか?という批判に対する、プル様の提言(25頁)ですね。

  「もっと振付で表現したらいいと思います。音楽(演技時間)をもう1分間長くする必要があるんじゃないかな。そうすればもっと滑りやすくなる。もっとポーズをとったり、表現したり、振付を意識したり、さらにジャンプをするのも楽になるでしょう。なにしろ、いまは4回転を5つも入れるのですから。そういった状況で滑りながら、表現するのは本当に大変なことですよ。できれば、フリーはもう30秒か1分ほど長くしたらいいと思う。休んでジャンプ、休んでジャンプということができるので、おそらくその方がもっと滑りやすくなるでしょう」

 しかし、ご存じのように、残念ながら実際のルール改正は逆の方向に進んでいて、男子シングルとペアのフリーは18-19シーズンから30秒短くなります。もちろん、このルール改正は、現在の「真・四回転時代」以前に作られたものなので、しばらくはその新ルールの中でどのような戦いになるのかを見てから、もしかしたら演技時間も含めた検討もなされるかもしれません。

 さて、記事のタイトルに掲げた通り、私の一押しは、小塚君の分析力の高さなんです。この間ご紹介した「Life」の新企画も素晴らしかったですが、現在のフィギュアスケートのトレンドを実に的確に捉えていて、各選手の強み・弱みも把握している。いままで「解説業」をしていたライターやスケーターから仕事を全部奪ってしまうんじゃないか?ってぐらい、ちょっと抜けています。

 彼の分析でサプライズなのは、羽生君と宇野君に技術面(スケーティング)で注文をつけている点ですね。これは、今後テレビ等での映像つきでの説明や、あるいは当人に直接訊いてみてほしいです。

 他に、小塚君の見解(28頁)で興味深かったのは、男子シングルにおいて、いわゆる「トータルパッケージだけ」では足りないと見ています。

  「トータルパッケージを大事にするにしても、4回転ジャンプを跳ぶ。それもただ跳ぶだけではなく、どれだけ組み入れて成功させるかが前提です。数種類の4回転ジャンプという要素を抜きにしてのトータルパッケージでは勝てない時代になってきています」

 つまり、ブライアンよりも羽生君の考え方に近い感じです。そして、そんな羽生君をこう見ています。

  「羽生選手は周囲の変化への適応能力が高い選手でもあります。試合、シーズン、フィギュアスケート界の流れ、すべて見極め適応することができる。選手という当事者の立場にいると、周りが見えなくなったりして容易ではありませんが、それができるのが彼の才能です

  「ジュニア時代から目の前のことだけではなく、将来のために何が必要かを考えてやっていたと思いますが、それも流れを見極める力があってこそ。今シーズンも4回転ループをはじめ、平昌五輪の舞台をにらんで取り組んできたはずです」

 普通、同業者で、しかも自分の方が先輩なのに、ここまで後輩の背中を強く後押しするような発言ができますか?私は聞いたことがありません。よくぞ言ってくれた!と震えましたね。日刊のしょーもない揚げ足取りを記憶から消し去って(皆さまの記憶に残してしまってすみません!)、これだけを噛み締めたくなります。

 もしかしたら、こづ君は、単に羽生君の試合の映像を見るだけでなく、雑誌のインタや著書を相当に読み込んで、勉強してるんじゃないかと。だから「仕事を奪っちゃうんじゃないか?」と前述したのです。

 他に、ジャッジについて、このような「裏話」も披露しています(76頁)。

  「羽生選手の背中を追って急成長を続ける宇野昌磨選手にとっては、シニア2年目はジャッジにその名を印象付けられたシーズンになったと思います。ジャッジの心の中には、それぞれ『平常点』のような基準があるようで、それが高くなっていると、選手は点数を出しやすくなる。ジャッジはどうしても『横並びを気にする』傾向があります。実は、試合後にミーティングが行われており、周りと比べて高すぎたり低すぎたりすると、『なんでこういう点をつけたの?』と話し合いがもたれるんです。そういう面でも、多くの人から支持され、高い点数が出るようになってきたのは今シーズンの成果でしょう」

 こういう話って、実は、あんまりジャッジ経験者やスペシャリストの方って、話したがらないですよね。ネット情報では、別に新しくも何ともないですが、紙媒体で当人たちが「話し合いしてますよ~!」なんて語っているのを、私は見たことがないです。

 フィギュアスケートに限らず、関係者は結局「関係者が言えることしか言わない」所が必ずあって、元選手、しかもオリンピアンで世界のトップで戦ってきた小塚君が、このように内幕を語ってくれるのは、本当に貴重だと思います。偉い人に怒られないか心配になりますが・・・。

 他にもまだまだ触れたいですが、残りは明日に。写真も美しいですが、それにまったく負けていない、小塚君の美しいエールをぜひご自身の目で確認して、浸っていただきたいと思います。

 最後にオマケでもう一つ話題を。いまJスポで世界選手権の放送が始まっているんですが、女子シングル(SP)が実況・赤平大さん、解説・中庭健介さんで、やはり面白いですね。

 フジの放送を見ていたとき、私がSPで印象的だったのは、ポゴリラヤ、オズモンド、ワグナーだったんですが、今回の放送でポゴの演技が終わると、赤平さんが恍惚とした声で、「ああ、すごい・・・」と。その後、二人は興味深いやり取りをしていました。

 赤平「私、彼女の手に特徴があると思っていて、どうしてなのか分からないんですけど・・・」

 中庭「ああ、確かに彼女は、ランディングの姿勢で、いい意味で崩していますね。揃っていない所に美的な物が出ているというか



 4:20からのスローが分かりやすいです。指をひろげて、手首が反り返っているんですよね。ただ、これはステップの時もこんな感じなので、彼女の特徴なのかもしれません。

 個人的に、ロシアの女子シングル選手ではポゴリラヤがダントツで好きです。今季の女子シングル全体のSPを見渡しても、一番好きかもしれません。

 そう考えると、「羽生よりも昌磨君の方が好き!」「キム・ヨナよりも真央ちゃんの方が全然いい!」という主張も分かるっちゃ分かるんです。

 ただ、「好き嫌いを語る」レベルの意見と、「(私の好きな選手の方が)勝ってるはずだ」という根拠のない意見とは、違います。私は、メドベよりもポゴの方が好きですが、なぜメドベの演技にあれだけのスコアが出て、勝ち続けているのかも理解しています。

 フィギュアスケートの現在のルールの中で、女子シングルでどうやったら高得点が出るかを極限まで追求しているのがメドベのプロではないかと。休み時間も昼メシの時間も通学電車で一駅で降りる区間であっても、つねにガリ勉しているような、あーいう努力の集大成的作品に見えます。

 「好きか嫌いか」と聞かれたら、好きじゃない選手は確かにいます。それは、私にとってフィギュアスケートは趣味であり娯楽だから。でも、やってる本人たちは人生懸けてるので、その努力は素晴らしいし、認めるべきだと考えています。

 では、また明日!

 Jun

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