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 2017年8月26日発売。Quadrupleでおなじみのスキージャーナル株式会社から、毎年シーズン直前に発売されます。昨年私は購入を見送ったので、2015年号以来です。

 他の雑誌も続々と発売が予定されている中、本書は、税込み価格で2000円を超えますし、ゆづファン的には「様子見」という方も多いと思います。したがって、本書のレビューは躊躇なくガッツリ行こうと思います。

 まず、羽生君の写真について。表紙、2017FaOI新潟オープニングとバラ1、トロントメディアデー、そして付録のカレンダーと、すべて田口有史さん撮影です。

 この人が撮るんだから、良い写真じゃないわけが無いので、できれば立ち読みでもいいので実物を確認していただきたい所。

 ちなみに、アマゾンでは散々な評価のFaOIオフィシャルフォトブックでも、撮影者として田口さんも名を連ねているわけですが、本書のFaOIの3枚の写真と同等のクオリティの物がオフィシャルブックにも収録されています(もちろん写真の重複はありません)。オフィシャルブック自体、バラ1は能登さん撮影のものが多めではありますが。

 さて、本書に戻ります。羽生君関連の文字情報としては、トロントメディアデーにおける、羽生君の囲み取材と個別取材。ブライアン、トレイシー、シェイリーンの記者会見。「ANAスケート部 城田憲子監督が語る羽生結弦」。そして、「織田信成のシーズン総括解説」でも触れられています。

 個人的に、城田監督のインタが最重要に思いました。私にとっては、見たことも聞いたこともない情報が計4ページの中の随所で明かされています。彼女の性格から考えると、多少「増して」いる気がしないでもないですが、これは必読です。ゆづファンなら、これを読まないと、シーズン始まらないよ!と言いたいぐらいです。

 羽生君の囲み会見と、コーチ&振付師の記者会見は「マガジン」でご存じの内容でしょうから、割愛します。ちなみに、シェイリーンの服装が「どこの女学生?」という若い格好で、ビックリしました。

 以下、羽生君の個別取材と城田さんのインタから気になる部分を拾ってみます。

 (1)個別取材

 ―― 今までの競技人生のなかで、一番ファンの声援に後押しされたなという試合、一番覚えている瞬間はありますか?

  「(即答して)全部です。自分が演技する前って、『ワーッ』となった後、絶対に僕をひとりにしてくれる時間を作ってくれるんですよ。毎回、ファンの方々が、どんなときでも、絶対にシーンとなる瞬間があるんです。そういうときに、『僕の時間を大切にしてくれているんだな』ってすごく思います。『本当に良い演技が見たいんだな』と思える瞬間ですね

 ―― 本誌(「Quadruple」)の読者の方に羽生選手へ聞きたいことを募集したところ、たくさんの質問が寄せられました。その中からひとつだけ選んでうかがいます。「ものすごいプレッシャーに立ち向かうとき、どん底から這い上がるとき、自分を奮い立たせるものは何ですか」。

  「(ファンの方々の)存在です。僕のことを応援してくれている人たちがいるという、そのことが僕の力になっています。実際に会場で聞く声援は、本当にすごいパワーになります。でも、声援が届かなくてもいいんですよ。試合に足を運んでくださる方だけではなく、テレビで観てくださる方だっているし、ネットで観てくださる方だっている。リアルタイムでは観られなくても、ずっと気にかけてくれている方もいる。そういったすべての人々の存在が、自分の力になっています

 (2)城田監督のコメント

 ・昨季SPに「Let's Go Crazy」を選んだ経緯

  「16-17年のプログラム選びでは、『表現の幅を広げるためにも、オーソドックスな曲ではなく、新しいものにチャレンジしよう』と話し合っていました。そんな折、アイスショーでたまたまジェフリー(・バトル)が速いテンポの曲を滑っていたので、『ああいう曲調はどうか』と羽生に提案すると、『いいですね、やりたいです!』という返事だったので、ジェフに『今シーズンは、速い曲調でお願い』と伝えたんですね。そうして送られてきたのが、プリンスの曲でした」

 ・「Let's Go Crazy」のコスチューム変更

  「ショートの白いコスチュームも、今の彼だからこそ着こなせる意欲的なデザインでした。ただ、白はライトが当たるところはきれいに色が出るのですが、ライトが当たらないところはグレーがかって見えるんですね。演技の映像を観ていたジェフからも、『コスチュームはパープルがいいんじゃないか』というアドバイスが届きました」

 ・ヘルシンキでのホプレガ

  「ショートでミスをした羽生はその夜、『心が折れちゃった』と言って最初はうな垂れていましたが、『勝つにはジャンプを跳ぶしかないよ!』と水を向けると、すぐに頭を切り替え、基礎点を計算して『ジャンプをパーフェクトに跳べばいけるね!』と闘志を燃やし始めました。私が『最後のルッツが一番不安だよね』と言うと、『そりゃ、順番どおりにいったら最後はルッツですよ。でも大丈夫。失敗しませんから!』と答えるくらい自信を取り戻していました(笑)。・・・このプログラムの音源は久石譲さんが作曲した“View of Silence”と“Asian Dream Song”を使用させていただいているのですが、この2曲は久石さんにとって意外な組み合わせだったそうです

 ・「バラ1」の再登板

  「世界選手権が終わって、オリンピックシーズンのプログラムをどうするか彼と話し合いました。『Let's Go Crazy』に課題を残していた羽生は、『来シーズンはパーフェクトにやります!』とプログラムの持ち越しを考えていました。でも、『あなたはチャンピオンなのだから、王者らしく王道の曲でいくのがいいんじゃない?』『何度やっても良いものは良いんだから』という話をしました。本人も気持ちを決めてからは前向きに考えて、『バラード第1番』を選択しました。・・・また衣装については、勝ち色のものを作っていますので、楽しみにしていてください。・・・羽生は音にこだわりがあり、同じショパンでもツィマーマンさんの演奏を好んで、『この音じゃないとダメなんだ』と言い切るほどです。彼はピアノが弾けるわけではないんですけどね。でも、『スケートを終えたらピアノを習ってみたいなぁ』なんてことも言っていました(笑)

  ・「SEIMEI」について
 
  「このプログラムは、最初に作ったときからスタッフ全員が手応えを感じていて、『これはオリンピックで滑ることになる』という共通認識が暗黙のうちにできていました。・・・よく『オリンピックには魔物が棲む』といいますが、それは自分自身のなかに潜んでいるものかもしれません。『SEIMEI』というプログラムには、その“魔物”を追い払う力があるのではないかと思うのです」

  ・平昌五輪の「不安材料」

  「平昌オリンピックについて懸念することがあるとすれば、江陵アイスアリーナの音の広がり方です。・・・私は音響が気になりました。リンク内の立つ位置によって、音の聞こえ方に微妙なズレが生じていると感じたからです。彼は音楽に合わせてジャンプを跳ぶタイプです。よく音を聞き、すべてのエレメンツを音に乗せて行なうので、わずかな音のズレでも演技に影響しやすいんです。・・・本番では音響が改善されていることを願うばかりです

 いかがでしたか?「Let's Go Crazy」決定の背景として、確かに羽生君が、ジェフがショーで滑っていた「Uptown Funk」について言及していたのは私も覚えていますが、城田さんが「ああいう速い曲はどう?」とアドバイスしていたというのは初耳でした。てか、城田さんについては、羽生君は(おそらく意図して)まったく話さないですからね。

 「バラ1」の再登板については、「王道の曲はどうか?」と城田さんは提案しつつも、このインタを読む限り、その段階から「バラ1をもう一度やってみては?」とまでは言ってなかった感じはありますね。ただ、パリ散は王道ではないですから、もう消去法的に「バラ1」の一択ということになりますけどね。

 羽生君自身が江陵アリーナの音響について心配していたかどうかは不明ですが、あくまでも城田さんの「印象」ということなので、これはチームとして注意するという話なのでしょう。

 ヘルシンキのSP後の二人のやり取りも生々しいですね。城田さんが羽生君のケツを叩いてやる気にさせたのはいいですが、だからそれでむちゃくちゃにランスルーをやろうとする羽生君を、ブライアンがブレーキをかけたのだろうと、関係者の話をつなぎ合わせると、筋道が通るわけですか(笑)。

 そして、羽生君のファンへの気遣いも、「声援が届かなくてもいいんですよ」という部分から、伝わってきますね。ファンを決して区別しない。きっと、私のようなライスト組も心に留めて、発言してくれている。嬉しい限りです。でも、あんまりネット見るなよ・・・とちょっとそこだけは心配ではありますが。

 明日は、織田君による総括記事を中心に他の選手のインタも見ていきます。

 では、また明日!

 Jun

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