On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

2018年03月

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 2018年3月30日発売。税込価格「1512円」。

 この表紙を見ただけで、「買わねーよ!」というゆづファンも多数おられると思います。まぁ、だからこそ私の出番かなと(笑)。

 ひとまず、第6章「羽生結弦」(99~124頁)を読んでみましたが、羽生君のスケートを分析するような「羽生結弦論」ではなく、「通訳者・ジャーナリストが見た羽生結弦の素顔」という内容です。その意味では、類書は皆無です。個人的には、この章だけでも新たな発見がありました。興味のある方はぜひ書店で立ち読みしてみてください。

 まず、読み始めて面食らったのは、羽生君の話がいつまでたっても始まらず、110頁で昨年のロステレ杯の話になって、ようやく羽生君の登場となります。それまでに、コリヤダの名古屋のファイナルでの誤訳問題、昨年の4CCでの三原舞依ちゃんの取材をめぐっても誤訳があった話とか、この章の中で、羽生君の話は半分ちょいぐらいかも。私自身は興味深く読むことができましたが、もうちょっと構成が何とかならなかったかな?という気もします。

 (1)スケ連の体質

 本章の前置き部分が長い理由は、日本スケート連盟への文句で始まっているからです。「フィギュアスケート村」で生きる元選手やジャーナリストは、相撲業界並みに「身内に甘い」という印象でしたが、ここまではっきりぶちまけてくれているのは意外でした。

 その不満とは、通訳の問題です。平昌五輪のプレカンでも羽生君の通訳を田村さんがされていましたが、実は以下のような経緯があります。

  「日本スケート連盟がプロの会見通訳を手配するのは、日本で開催される大会のみである。海外の試合は橋本聖子会長が来ない限り、通訳は同行しない

  「代わりに私のような人間が、ボランティアとして駆り出されるのである。これを言うと驚く人もいるのだが、長年日本選手の会見通訳を手伝ってきたけれど、謝礼というものはいっさいいただいていない。『あ、田村さん!良かった。またよろしくお願いしまーす!』。毎回、これだけである」

  「別に謝礼目当てで通訳をしているわけではないから、腹は立たない。とは言うものの、日本スケート連盟にとって、自国のトップ選手の言葉を海外メディアに正確に伝えるということの価値がその程度のものなのかと思うと、なにか納得がいかないのである

  「・・・一般に思われているほど通訳というのは簡単ではないのである。『せめて世界選手権やGPファイナルくらい、プロの通訳さんを連れてきてください』と何度か連盟の理事に直訴したこともある。『いやあ、田村さんがいるんで安心してますよ。はっはっは』とかるくかわされてしまった。『いえ、私もあの、自分の取材がありますんで』と突っ込むと、『まあ検討してみます』と言われたきり、状況は変わっていない

  「以前は私が会見通訳したときは、連盟の配慮で日本選手の個別取材の時間を別にとってくれていた時期もあった。だが今のように日本からの記者の数が増えて選手への取材申請も増えると、『一律平等』に個別取材はいっさいお断り、とされる。なんとも納得がいかないことだらけなのである」

 「橋本聖子会長が来ない限り」のくだりで、チッ!と思わず舌打ちしてしまった、私の心境をお察しください(笑)。

 それにしても、この組織の体質が実によく分かるエピソードですね。会長の通訳なんて一番いらねーだろ!と思うのですが、これぞまさに、会長による組織の私物化ですよね。自分の得にならないことには一切カネは出さない。その理事とやらも、のらりくらりと現場の声を聞いているふりだけしつつ、でも上司の命令は絶対だから、どうせこの話は自分の所で握りつぶしていたのでしょう。

 田村さんも明らかに足元を見られてますね。「フィギュアの取材ができなくなったら困るだろ?わかるね?」と。フリーの立場の弱さにつけ込んでいます。この組織の体質であり、この国の体質という感じもします。彼女にはたいへん同情しますけど、気分の悪くなる話です。

 (2)「劇的に勝ちたい」の舞台裏

 ロステレでの取材で羽生君が「劇的に勝ちたい」と語った背景には、実は裏話がありました。この発言は、ある意味で、田村さんの「貢献」あっての話なので、ご紹介します。

  「ロシア杯の最終日、ニューヨークタイムズのジェレ・ロングマンが羽生の取材許可が出たので、通訳をしてもらえないだろうか、と声をかけてきた。ベテランスポーツコラムニストのジェレは、4年に1シーズンしか見かけないけれど、決してフィギュアスケートの素人ではない。1994年リレハンメルオリンピックでは、当時大スキャンダルとして大騒ぎになったトーニャ・ハーディングに手厳しい直撃の質問をする様子が何度もCBSで流れた。1998年長野オリンピック直前には、タラ・リピンスキーのルッツが不正エッジの、いわゆる『フルッツ』という不良品であることを、当時としてはかなり大きなスクープ記事にした」

  「取材前日、羽生に大体どんな話が聞きたいのかとジェレに訊ねると、こういう答えが返ってきた。『彼はどうして、日本でこれほど人気があるんだろう?』うーん、それは会場にたくさん来ている彼の日本のファンたちに聞いてみるのが一番いいのではないだろうか。そう提案したらさすがプロ。早速会場の外で日本のファンをつかまえて取材をしてきたのだという。・・・羽生が日本メディア向けの囲み取材を終えた後、ジェレの番がやってきた。彼と2人ほどの海外メディアの、共同囲み取材である。『あなたがなぜこんなに人気があるのか、と日本のファンに聞いてみたんです。・・・そうしたら、普通の日本人はなかなか本音を言わない。でもあなたははっきりと自分の言いたいことを主張するところが良い、と言われたんですが、ご自分ではどうなんでしょう?』」

  「普段の大会でこんなことを聞かれることはないだろう。羽生はうふふ、と笑った。私のほうを見て、『日本語でいいのかな?』と確認してからこう答えた。『特に意識してやっているわけではないんですけれど、アスリートだから、やっぱり勝ちたいという気持ちは大事にしているし、常に思ったことを言うようにしています』」

  「『アニメの主人公みたいだ、と言われていることについては?』これもまた、羽生はちょっと照れくさそうに笑ってこう口を開いた。『自分の中で、特にこれになりたいとかはないけれど、アニメは好きだし、とにかく劇的に勝ちたいという気持ちはすごくあります』英語で『劇的に / dramatic way』と訳したところジェレも他の記者も笑った

 「マガジン 17-18シーズンスタート」(35頁)にこのやり取りが収録されているので、お手元にある方はぜひ確認してみてください。あえて、マガジンで再現されていない部分を赤字にしてみました。

 (3)脱力系の質問とゆづ

 羽生君本人ではなくファンに聞くべきでは?という田村さんのアドバイスには、実は前段がありまして、羽生君に対する質問は、日本の記者に限らず、海外記者からも「なにその質問?」というレベルの低いものもあったことが、紹介されています。

 例えば、ロステレ杯のプレカンで最初に手を上げた、「見覚えのない若いロシア人の女性記者」からの質問がこちら。

  「以前に日本食はロシアの食事と全く違うと言っていましたが、モスクワに来て、ボルシチなどロシア料理を食べましたか?

 このロシア語の質問をISUライターのタチアナ・フレイドさんがまず英訳する。それを田村さんと羽生君が聞いて、羽生君が日本語で答えた際に田村さんが英訳するという流れです。この時の彼女の「心のつぶやき」がこちら。

  「うーむ、これがオリンピックシーズンのGP開幕戦で現オリンピックタイトル保持者に来た最初の質問か。記者会見は限られた時間内で、どれだけ記事に使えそうな選手の言葉を引き出せるかが勝負である。初戦から羽生結弦と、アメリカのネイサン・チェンが顔を合わせるという豪華メンバーとなったこの大会の最初の会見の質問が『ボルシチ』とは。とほほ、と言いたくなるのを抑えてそのまま日本語に訳した」

  「『えっと、試合前なので、ないです』歯切れよく、そう答えた羽生。彼だって、なんじゃこの質問は、と思っただろう。『でもあの、モスクワに練習やブラッシュアップをしに来る機会があって2週間から3週間くらいここにいたことがあるので、そういうときにはつぼ焼きとかボルシチはもちろんですが、ピロシキとか色んなロシア料理を食べさせていただきました』脱力系の質問にも、こうしてきちんとフォローしてあげるところが羽生の優しさだと思った

  「英語に訳したものの、とっさにつぼ焼きが出てこない。私自身、食べた記憶がないのでどういうものかもよくわからなかった。やむを得ないのでボルシチとピロシキだけ訳した。『ごめんなさい、つぼ焼きがわからなくて抜かしました』自分で白状しなくても、羽生は聞き取りのほうはほとんど理解できているのですでに気がついているだろう

  「『つぼ焼きって、英語でなんて言うんですかねー』私の至らない通訳も、羽生はそういってフォローしてくれる。後に調べたら、ロシア語ではガルショークと呼ばれていることを知った。レシピを見てみると、英語ではPot Pieが一番近いだろうか。通訳としての仕事の奥の深さは、底知れない。フィギュアスケート競技の会見ですら、料理の知識まで試されるのである。いえ、でも私はプロの通訳ではないんですけれど、と逃げたくなりながら、毎回自分の浅学を反省してばかりである」

 つぼ焼きと聞くと、さざえのつぼ焼きとか、貝の料理?と思ってググってみたら、全然違っていて、このパイを破って飲むスープのやつねぇ・・・と。

 しかしますます思うのが、スケ連の罪深さですよね。組織の体質の問題を前述しましたが、英語で海外に向けて発信するということの重要性をまるで分かってない、内向きな閉鎖性も現れているような気がします。

 最後に、印象的な一節をもう一つ引用します。

  「言語とは、その土地に住んでいれば自然に身につくというものではない。それでも多少英語が話せるなら、通訳ぐらい片手間仕事で楽にできることなのだろうと思っている人もまだまだ多いようだ。中には通訳をしても、礼も言わずに席を立ち去っていく選手もたまにいた」

  「そんな中で羽生結弦は、以前から通訳を担当するたびに『いつもすみません。ありがとうございます!』と丁寧に頭を下げてくれていた。でもその頭の角度が年々深くなっていくのは、彼自身カナダで暮らしてみて、会見で使える英語を習得することが、簡単ではないことを身にしみて感じているからではないかと思うのである」

 そうです。語学の習得は大変なんです。私の場合、「語学の勉強は死ぬまでエンドレス」と考えるようになってから、なぜ自分はこんなにできないのだろう?と自分を責めることをやめるようになり、そして他人の英語を批評する気持ちもなくなりました。だって、大変なんだもの(笑)。

 そのような苦労が、羽生君の会見での行動と言動にすべて表れていますよね。やっぱり若いうちにこのような経験を重ねると、自然と様々な立場の人に配慮できるようになるのでしょう。

 ところで、本田真凜ちゃんがラファのチームに移籍するというニュースが報じられました。驚いたのは、お兄さんの太一君が同行するという話です。大学生だし、遊びたくてしょうがない時期のはずだけど、妹についていって、サポートをするわけです。自分が19歳の頃なんて、酔っぱらってるかバイトしているかのどちらかでした。泣かせる話じゃないですか。来季は、真凜ちゃんも応援したいけど、太一君も応援したいなぁと思います。

 引き続き、明日も田村さんの本を見ていきます。

 では、また明日!

 Jun

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 しつこく引っ張りましたが、これが最後の「Life Extra」です。平昌五輪期間中の他のスケーターからの「ゆづ関連発言」のまとめ記事。今日はパトリックとミーシャです。バックナンバーは「こちら」で。

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 (1)パトリック・チャン(108~110頁)

 ―― バンクーバー、ソチ、平昌の3つの五輪はそれぞれ、どんな大会でしたか?

  「期待度という点ではバンクーバーとソチは似ていたと思う。自分に大きな期待やプレッシャーをかけてしまっていたんです。バンクーバーは夢の舞台だった。カナダ開催だったから、カナダ人として母国でメダルを取りたいと願ったから。そのために自分に不要なプレッシャーをかけてしまいましたね」

  「ソチも似ていたけど、違うタイプのプレッシャーでした。僕は当時の世界チャンピオンだったし、バンクーバーからソチまでの間、いい成績を収め続けていたから。だから、勝たなくちゃならない、チャンピオンにならなきゃならないと、バンクーバーの時と違うプレッシャーがあったんです。・・・でも、ソチはいい教訓になったし、ソチのおかげで成長できてもっと大人になれた。・・・結果だけが常に大事なわけじゃないってことが理解できたんです」

  「もちろん選手によってそれぞれだし、僕にとっての金メダルは、たとえばユヅにとっての金メダルとは違うもの。もちろん彼は今、世界のベストスケーターです。ただ僕は、世界のベストでなくなったことから学ぶことの方が多かったと感じているんです。常に世界のトップでなくてもいいんだってこととか」

  「だからこそ、この平昌での経験は過去2回とは大きく違っていて、今回が最高ですね。僕はトップ選手ではなく、前に進み続けている今の男子シングルではチャンピオンになれないという事実を受け入れざるを得なかった。でもその中で、最善を尽くしたいと思っていたんです。結果のことは考えなくていい、自分が目指したいことに向かってエンジョイすればいいんだと理解させてくれた五輪でした。一番勉強になったと思います」

 →→平昌五輪団体戦のあなたのフリーは素晴らしかったですよ。平昌五輪の演技はYouTubeに上がっていないので探すのに手間取りましたが、上のリンクをぜひ見てください。先月生放送を見ていた時も感激しましたが、やっぱり彼はスケーティングだけの選手じゃない。この冒頭の2本のクワドの柔らかい着氷。特に2本目の単発の4Tの後、間髪入れずにステップに移行するシームレスな動き。やはりトータルの能力に優れた今季の男子ベスト3は、羽生君、ハビ、パトリックの3人だったなと思いました。先日のミラノのワールドでは、このクオリティのクワドを降りた選手は誰一人としていなかったですね。

 ただ、クワドに限らず、3Aでも抜けや回転不足が目立つようになり、スコアで離されてしまう試合も多く、きっと本人も、周囲からの期待とのギャップに苦しんで、辛かったでしょうね。

 昨年秋の段階で、彼がラドフォードとともに指導するというリンクの建設も進んでいて(「WFS extra Dec.2017」)、ここで彼がポジティブに振り返っている様々な経験を、ぜひ今後は育成の場で伝えていって欲しいと思います。

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 (2)ミーシャ・ジー(111~113頁)

 ―― 今回、自分以外の演技は見ましたか?

  「もちろん。今回見た中では、3つの演技に感動して立ち上がりました。サフチェンコたちのフリーと、ユヅルのフリー、それから今日のフランス組(パパシゼ)のフリーダンス。それ以外でも今日の演技には芸術的な演技が多くて、とても心打たれました」

  「・・・ユヅに関しては、僕のいい友達が、すごくつらい時期を過ごして戻ってきて、金メダルを取って本当に嬉しかった。でも、彼のここでの演技だけに感激したんじゃないんです。彼の考え方やメンタルの様子などがこれまで見た中で一番良かったと思ったからです。彼のオンアイスとオフアイスの練習を見た後にメールのやり取りもしたんだけど、彼の頭の中はすごくいい状態だったと思います

 ―― 去年の世界選手権は、これで引退かもしれないという気持ちを半分くらい持ちながら臨んで、そこで素晴らしい演技をした。そうした思いを持った試合であれほどの演技をした後、モチベーションはどうキープしてきたのでしょうか。

  「あれがもし最後だったら、素晴らしいエンディングになるような演技でしたよね(笑)。でもまだもっといい演技ができるかもしれないし。どう答えたらいいかな、僕はいつも現実的に考えているんです。ファンタジーではなくて、できるかもしれないしできないかもしれないって」

  「だからとにかく準備しないと。準備がうまくいっていい演技になれば、すごく嬉しい。でも準備をしなかったら、いい演技はできない。だから準備する。いつも、もっともっとと自分の背中を押しています。僕のゴールはここ数年じゃないから、もっと先まで見ているんです。でも僕は(歩みが遅めの)カメだから、とにかく正しい方向にゆっくりでも進んでいかないとならないんです」

 ―― そうやって向かっていった先には何が待っていますか?

  「未来のプロフェッショナルな仕事ですね。振付師とか合宿をやること、スポーツマネジメント、ショーとか、そういうものです」

 ―― すでにそういう計画があるのですか?

  「はい、世界選手権が終わったら、すぐいろいろ動き始めます。世界中のいろいろなところでね」



 →→ミーシャのゆづへのコメントについては「こちら」もご参照ください。

 「素晴らしいエンディングだったのに」という、ヘルシンキワールドのミーシャの演技なんですが、1年前の試合なのに未だにフジテレビのブロックがかかっていて、SPの「愛の夢」は「デイリー」の動画でお許しください。

 で、どう素晴らしかったっけ?と思って、両プロを見返してみると、インタでのやり取りではフリーの「くるみ割りの人形」のことを明らかに指していますね。

 この演技では、特にジャンプを全て跳び終えてから、ミーシャ本人が感極まって、しかし明らかにスピードを増したコレオシークエンスが圧巻です。プロトコルを見たら、GOE+2.10の満点がついています。羽生君のホプレガでも+1.40なんだけどなぁ・・・と思うんですが、まぁ、メダル争いをしている選手は各国ジャッジが「潰しあい」をしてるんで、いずれにしても、どちらも素晴らしいことには違いないです。

 しかし、私の好みで言えば、明らかに16-17シーズンよりも、今季のプログラムの方がSP・フリーともに面白い。SPの「アヴェ・マリア」は衣装からしてミーシャワールドの怪しさ満点ですし、もちろんフリーの「タイスの瞑想曲」も良かった。そして、彼のbioでも一目で分かりますが、今季、SP・フリー・総合すべてのPBを更新しています。

 上で彼が語っているように、「つねに準備している」ということを結果でも示したシーズンでした。正式に引退表明したのかどうか、私はまだ確認していないのですが、この人については、それがあまりしんみり来ないというか、そういうものを超越した領域で活動している稀有な存在だと思っています。まぁ、FaOIも来るし、振付師としてもまた日本に「長期滞在」してくれそうですし、このオフシーズンも注目ですね。

 では、また明日!

 Jun

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 けっこう大きい記事兼イベント広告でした。一枚目画像の右下の詰将棋本は文庫本サイズなので、その大きさもお分かりかと思われます。ちなみに、この北浜健介八段の詰将棋本は、シンプルな形でビギナーでも取り組みやすく、しかし詰み筋を発見した時の爽快感や、詰め上がり図の意外性もあり、よくこんな筋を思いつくなぁ!と、個人的に大好きな詰将棋作家(プロ棋士)です。ここ最近、彼の本を開かない日はありません。

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 さて、羽生結弦展について。こちらのイベントは、すでに「公式ホームページ」が開設されています。

 都内在住の人間からすると、「4/11-23の日本橋高島屋」か「8/8-20の横浜高島屋」で、どちらかと言うと横浜の方が行きやすいんですけど、会場限定のグッズ販売があるということで、これは、「8月の横浜でいいや」なんて呑気なことは言ってられないなと。

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 日本橋開催の展示会場は8階のホールなので、グッズ販売が2か所で行われるのはありがたい。もし、金儲け主義に走った主催者であれば、入場料を取りつつ、会場内の1か所のみでグッズ販売という発想になっていたはず。展示会は展示会としてゆっくり楽しんでください!、という配慮ですね。気に入りました。

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 読売の広告についてもう少し。右の年表は「羽生結弦選手の主な競技成績」で、上のメッセージはもちろん直筆。写真は上から昨年夏のトロントメディアデー、ソチ五輪で日の丸を手にリンクを周回、ロミジュリは11年12月の全日本、そして08年の全日本ジュニアの表彰式です。

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 右のテキストは、09年12月のJGPFを史上最年少の14歳で制して以降、平昌五輪までの活躍をコンパクトにまとめた内容。左は「羽生結弦展」についての紹介。

 展示の内容については、こう書いてあります。

  「読売新聞社がこれまで撮影してきた100点以上の報道写真を中心に展示する。2008年に全日本ジュニア選手権で初優勝した時から、2月の平昌大会で五輪連覇を達成するまでの10シーズンをカバーしている。節目となる大会では、当時の見出しや羽生選手のコメントで再構成した記事パネルを作製し、競技人生の流れをつかみやすくした」

  「一方、写真家の篠山紀信氏が撮影した高校の制服姿のショットが、同氏のコメントとともに飾られる。また、羽生選手を長く撮影してきたスポーツフォトグラファーとして知られる田中宣明氏、能登直氏にも協力を得た。羽生選手を深く知る2人のオフショットや大胆な構図の作品は、報道写真と違った魅力で目を引きそうだ」

  「そのほか衣装や、国際大会で獲得したメダルなども展示予定。所属するANAや、サポートしてきたファイテンや東京西川、味の素からも、サイン入りの貴重な品々を借りている。・・・(オリジナルグッズの)売り上げの一部は、東日本大震災復興支援への寄付に充てられる予定

 実は、このブログを始める前の話になりますが、私はお台場のマダムタッソーの羽生君の蝋人形を2回見に行ったことがあります。あれもあれで楽しめたんですけど、今回の展示はさすがに「羽生結弦」の名を冠するだけあって、規模が違いますね。ちなみに、お台場では2度とも「醍醐」という焼肉店でランチを食べたんですが、そこそこおいしいし、安いし、景色いいのに空いてるしで、オススメです。

 なんだかんだで、4月は色々と盛りだくさんですね。そういえば、FaOIのゲストスケーターが発表になりましたが、「テサモエ全公演参加」にはビックリしました。「Continues」の方もそろそろ発表があっても良さそうですね・・・。
 
 では、また明日!

 Jun

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 昨日の記事で、キーガンのインタを紹介する中で、2009年のJGPトルン杯の羽生君の動画もチェックしました。

 ただ、さすがに9年前のJGPで画質も音質も厳しいものがあったので、このシーズンの世界ジュニア(2010年)の演技も後で見ていきたいと思います。

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 なぜ10年の世界ジュニアかというと、高山真さんが自著の中でこの試合の「パガニーニ」を解説しているからです。せっかくこのシーズンの羽生君の演技を「再訪」することになったので、高山さんの解説とともにさらに細かく見ていきたいなと。

 ちなみに、SPの「ミッション・インポッシブル」の方は画質がやや悪くて恐縮ですが、フリーの方はフジの放送で、実況・鈴木芳彦さん(すーさん)、解説・本田武史さんだと思われます。

 最近ウチのブログでホットな武史さんですけど、なんてったってバンクーバー五輪の翌月開催のジュニアの試合ですから特に関係各所に配慮する必要もなく、伸び伸びと解説されています。





 リザルトは「こちら」。先に軽くSPの方を見ておきます。プロトコルを見てみると、ショートの時点で羽生君は3位で、1位・ホックスタイン、2位・キーガンという順位だったんですね。

 このシーズンのSPで、羽生君は3Lzのセカンドには2Tをつけていたので、このショートで3Lz-3Tの構成の上位2人より3点ほど基礎点で差をつけられています。さらに、ステップ・スピンともに、レベル4を一つも取れていません。つい最近の話ですが、須本君や三宅君のプロトコルを見て、「レベルの取りこぼしが・・・」なーんて、私もブログで書いていましたけど、羽生君も世界ジュニアを制した時でさえ、そうだったんですね。

 そう考えると、トータルで隙のない演技をするようになったのは、やはりクリケット移籍が大きいのかもしれません。

 さて、フリーのパガニーニです。高山さんの解説(87~92頁)は、演技前の最初の立ち姿の所からチェックが入っています。解説のすべて取り上げるとキリがないので、あくまで私の独断で選んでみました。興味のある方は本書をぜひ入手してご一読ください。

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  「トリプルアクセルの高さと、着氷の安定感。そして着氷後の流れ(フロー)が素晴らしい。この完成度の高さには、本当に驚かされました。スピードのある助走から、『力』ではなく完全に『タイミング』で踏み切り、まったく回転不足のない状態で着氷。ひざの柔軟性を見事にいかしたフローゆえに、着氷した後のほうがスッとスピードが速くなる感じです

  「この本を執筆中の2017年の終わりになってこれを言うのは後出しにもほどがあるとは思うのですが、『15歳でこの着氷ができるなら、極めて近い将来、着氷前だけでなく着氷後にもトランジションを入れられるようになるかも』と感じたものです」

 →→昨日の記事でトルン杯の映像を貼って良かったと思いました。なぜなら、トルン杯のフリーの3Aは身体が沈み込むような着氷で、「ここから着氷姿勢が安定して、進化していったのだな」と私も感想をつけたぐらいでしたから。

 トルン杯での加点は0.86、この試合の加点は2.00でした。高山さんの解説には賛成なんですけど、この時期の羽生君は、今のように「どの試合のどの3Aも踏切から着氷まで完璧なクオリティ」とまではいかない。だからこそ、これを安定させ、さらにクリケットに行って「入りと出」の部分に工夫を凝らして、究極の3Aを創り上げたのだなぁと、感慨深いものがあります。彼ほどの才能の持ち主でも一朝一夕にはいきません。努力の天才でもあるのですね。

 (2)ツイズル

  「演技始まってすぐのツイズルで、15歳という年齢を考えたら非常になめらかに滑ることができることを確認

  「トリプルループの着氷の流れから、ダイレクトにサーキュラーステップシークエンスに入る。ジュニアながら、非常に野心的なプログラムだと思います」

 →→この3Loも、前半の3Lzも、いまの羽生君の4Loや4Lzへのプロトタイプ(試作品)を見ている感じがしませんか?まさにこのフォームのまま高さ・幅が増して、いまの形に結実していったのだと。

 そしておそらく高山さんは、冒頭でツイズルについて言及したので、重複を避けたのでしょうが、実はこのサーキュラーステップの部分でもツイズルが2度入っています。

 このような技の数々を見ていると、いかにいまのシニアのつなぎが「漕いでるだけ」で、単調なのかが分かります。

 (3)奈々美先生の貢献

  「バックグラウンドにクラシック音楽やバレエという要素を持っていない日本人。その日本人の、しかも少年が、この曲で滑る難しさを、私はまず思いました。また、思春期の年齢で、こういった曲の世界に入り込むことに照れがある男子も多いのです。もしかしたら、ミドルティーンの男子が『音楽を表現する』うえで、いちばん高い壁になるのは、これかもしれません」

  「そういった、さまざまな方面の難しさを取り払うために、コーチの果たす役割は大きい。本来ならば、羽生の歴代のコーチについて私があれこれ言ってはいけないのですが、この時期に羽生を育てていた阿部奈々美氏の手腕には感服せざるを得ません

  「阿部氏は、羽生結弦のプログラムの振り付けもおこなっていました。振り付けの現場を通して、ジャンプやスピン、ステップと同じくらいの重要な『何か』を、羽生結弦に染み込ませた人……。私は阿部氏を、そんな方だと思っています

 →→高山さんは、この「パガニーニ」の羽生君を見て、「大人になったとき、どんな曲であっても『自分のものにする』ことができる選手になるはず」と感じたといいます。

 私は、それに反論するつもりはないですが、昨日も言ったように、この09-10シーズンは、このパガニーニと、完全にロックの「ミッション・インポッシブル」を選んだことに、どうしてこの組み合わせに至ったのか?と不思議に思いました。

 羽生君のwikiのプログラム一覧を見ていくと、奈々美先生は、この「MIのテーマ」に限らず、U2とかドアーズとかジャスティン・ビーバーとか、海外のロックを積極的に採用しています。ちなみに羽生君は、先シーズンの09年2月の世界ジュニア(ブルガリア)に向かう機内で、奈々美先生からプレゼントしてもらったiPod(『王者のメソッド』28~29頁)で好きな音楽を聴いていたといいます。

 ならば、奈々美先生は、羽生君が日常的にどんな音楽を聴いているか絶対に把握してるよなぁ・・・という所から、「フィギュアスケートの王道曲・定番曲を押しつけない指導」というものも考えていたんじゃないかと。ただ、その多くがEX用だったのに対して、このMIはれっきとしたSP用ですから、その決め手は何だったのか。

 『蒼い炎』や『王者のメソッド』をめくってみても、この辺りの経緯は書かれていないので、個人的に興味があります。奈々美先生にいま取材に応じてもらうのは難しいでしょうから、誰か当時の状況を羽生君に聞いてほしいと思います。



 ちなみに、私自身、「MIのテーマ」というと、キアヌ・リーブスの映画はもちろん知っているんですが、曲自体は、このLimp Bizkitのカヴァーの方を先に聴いていたような記憶があります。学生の頃、幕張でライヴを見たこともありますが、あの会場で暴れていた迷惑な客も、いまはいい歳のおじさん・おばさんになってるんだろうなぁ・・・。

 では、また明日!

 Jun

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 バックナンバーのレビューは「こちら」。この「Life Extra」はすでに2回レビューしていますが、今日の記事は例のごとく、ゆづへのリスペクト発言を拾ってみようという主旨です。

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 すでにブログの読者の方からコメント欄でご報告を受けていますが、今回はキーガン・メッシングをピックアップします。さすがマニアックなLifeだけあって、平昌五輪期間中に、現地で彼の独占取材に成功しています。

 ―― ・・・この(※平昌五輪)後は、世界選手権にも出場しますよね。

  「はい。だから(五輪の試合が終わった後も)ここで練習を続けています。シニア7年目なんですけど、世界選手権より先に五輪に出たんですよね(笑)。もしできたら練習でユヅルと同じリンクに立てたら嬉しいな。彼とはジュニア時代に同じ試合に出ていたから。初めて一緒だったのはポーランドでのジュニアグランプリ(2009年トルン杯)でした

 ―― (※「また練習したい」という発言を受けて)4回転ルッツを初めて降りたのはいつですか?

  「去年の3月2日ですね。今も跳べてはいるんだけど、まだ安定しないんです。ユヅルも跳んでいますよね。怪我の後、彼が五輪に出られてすごくすごく嬉しいです。演技後、僕は立ちあがっていました。怪我から戻ってきてすごい演技をして、彼のオリンピックドリームを実現した。そんな彼を見るのはクールでした

 ―― 今26歳ですが、これが最後のシーズンではないのですね。

  「少なくともあと2シーズンは続けたいと思っています。今季は僕のキャリアで一番成功しているシーズンだし、ここ2年かなり成長しています。だから、今スケートをやめるのはもったいない。あと数回世界選手権に出られるんじゃないか、さらに向上していけるんじゃないかと思っています。この五輪がとてもクールだったから、あと4年続けたい気もするけど、次の五輪のときは30歳。どうなるかわからないけどね(笑)」

 2009年のJGPトルン杯のキーガンの映像がどうしてもヒットせず、とりあえず、2010年のJGPFのSPとフリーを貼ってみました。

 JGPトルン杯が開催された09-10は、羽生君のジュニア最後のシーズン。一方キーガンは、翌10-11もジュニアで戦っていて、この北京のJGPファイナルに進出しています。





 まるで日本の試合のような企業広告とバナーですが、上に貼ったwikiのリンクにあるように、この北京の(シニアの)ファイナルの男子は、優勝・Pさん、2位・織田君、3位・小塚君、4位・大ちゃんと、日本から男子が3人進出。女子も、佳菜ちゃん、明子さん、安藤さんと、男女3人ずつファイナルに進んでいたんですね。すげぇ・・・。

 SPの冒頭の3Aは高さがあって回転も速くてキレイです。加点も1.86ついています。

 フリーも序盤はスピード感豊かな快調な出だしだったんですけど、後半の3A予定がシングルに抜けてから、ステップでの転倒、ループの転倒など、ちょっと見ていられない崩れ方でした。

 ただ、キビキビとした実に小気味よい動きをしていて、しかもなんでこれだけ踊れる選手がすぐにシニアで結果を出せなかったの?・・・と、彼のwikiを見ながら、不思議に思いました。てか、シニアのGPシリーズに限っていえば、出場したのはまだ3戦。15年スケカナ(11位)、今季スケカナ(8位)とNHK杯(5位)と、まさに今季大ブレークしたわけで、そりゃ本人も続けたいですよね。

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 いまでも、「メッシング」とググると予測ワードの上位に「コーチ」が来るんですが、ロックスター然とした風貌のこの方もあんまり変わっていませんね(笑)。キーガンがスケートを始めたのは3歳で、6歳の時にブルクハルトコーチと出会って、20年の付き合いだそうです。

 20年ってけっこうなもので、Lifeで2号連続でインタが掲載されたコーリ・エイドコーチとジェイソン・ブラウンが出会ったのは彼が4歳半の時ですから、それよりも長いことになりますね。

 画像に貼ったプロフィールの通り、14-15シーズンからカナダ代表に。wikiの戦績を見ているとカナダ時代も苦労していますけど、アメリカ代表のままだったら平昌五輪に出ることは難しかったかもしれません。1月の全米で素晴らしい演技を見せたロス・マイナーや、ジェイソンが落選して、それで、ネイサン、リッポン、ヴィンセントを選んだわけですから。





 羽生君のトルン杯の映像は生きています。SPの「ミッション・インポシブル」は音割れがすごくて、まるでメタルのライブハウスの映像みたいです(笑)。この時はまだ14歳だと思いますが、この異次元の才能の持ち主の競技用プロとして、あえてこんなロックをやらせてみる阿部奈々美先生の慧眼が素晴らしいですよね。トロントに渡った後、パリ散やプリンスも滑りこなした彼の原型は、ここにあるんじゃないかなと改めて思います。

 フリーはパガニーニ。こちらの映像の方が音質・カメラアングルともに良好です。大きなミスはラストの2Aがシングルに抜けた所ぐらいで、この構成を最後まで滑り切るスタミナ面の充実ぶりを見ると、いいトレーニングを積んでシーズンに入ったのが分かります。やはり、ジャンプ自体のクオリティはすでに非凡なものを持っていて、ここから着氷姿勢がさらに安定してきたことで、さらに進化の階段を駆け上がっていったのだなと感じます。

 今回、キーガンのインタがきっかけでジュニア時代の羽生君の演技を改めて見直してみても、やっぱり新たな発見や感動が随所にありますね。高山さんの本もまだほとんど読んでない状態ですし、いい機会なので、過去の演技の振り返りは積極的に行っていこうと思います。

 では、また明日!

 Jun

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