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 2017年9月8日発売。正直いって、あまり期待せずに購入しましたが、良い意味で予想を裏切られる内容でした。本書の全体的な特徴を3つほど挙げてみます。

 ・最新かつ正確な情報(今年6月に発表された平昌五輪の日本代表選考基準もフォロー)に基づいて、議論が展開されている。

 ・ フィギュアスケートに限らず、著名なアスリートの本にありがちな「かつての昔話」や「自慢話」的な色は意図的に薄くされているのか、「さあ、今シーズン、フィギュアスケートをどう見る?」という部分に特化した、良質なガイドブックの役割を果たしている。

 ・ 中野さんがジャッジの資格を持っている部分も影響しているのでしょう、ここまで偏っていない、公平な視点で選手を評価するフィギュアスケート本を、私は見たことがありません。

 じゃ、羽生君の新ネタ目当てのゆづファン的には?というと、うーん・・・と、手放しでオススメできる感じではないです。

 というのも、第3章「なぜ羽生選手は世界選手権で優勝できたのか」(133~214頁)は、前半部分の171頁までは「プロトコルの読み方」が丁寧に解説されていて、その知識に基づいて、ヘルシンキワールドの男子シングルの結果を解説するスタンスになっています。

 その筆致というのが、まるでアイスジュエルズの「ルール解説」のような、良くも悪くも、淡々とした、主観を排したスタイルになっています。したがって、演技を観て、プロトコルを読んで、減点の理由等が自力で分かる方だと、「すでに知っていること」が多いんですよね。もっと分かりやすく言うと、

  なぜホプレガのPCSは抑えられているのか?

 みたいな主張は一切ありません。むしろ、羽生君に関しては、SPとフリーのPCSの差に注目していて、プロトコル上に表現されているもの以外は議論の対象にしない、と決めている感じです。そういう意味では面白みは足りないかなぁ・・・と思います。

 ただ、逆に考えると、すぐになんとかの一つ覚えのように「男の色気」という言葉に逃げる解説者や、捏造やコピペやsage記事を平気で書く記者が跋扈している状況を考えると、彼女のスタイルはあまりに潔いというか、清々しいぐらい、一本スジが通っているなぁと、感心しました。

 じゃ、ゆづに関する情報は無いかというと、

  第2章「試合に臨むための心意気」の冒頭では、中野さんが早稲田大学人間科学部eスクール(通信教育課程)に在籍していた頃の生活スタイルが語られていたりして、なかなか気が抜けないんですね(笑)。もちろん、

  「羽生選手が同じように早大の通信課程で学んでいます。移動中の飛行機などでも勉強しているようなことを聞き、かつての自分を思い出して懐かしくなります」(69頁)

 と、しっかりフォローされています。
 
 後輩に対する温かい眼差しと、トップスケーターとしての彼へのリスペクトは十分に伝わりますし、偏りのない、最新のフィギュアスケートの基本書として、すぐれた一冊です。

 中野さんの「色」が出ている部分は、むしろ第3章以外の3つの章なので、明日の記事でしっかりフォローしたいと思います。

 では、また明日!

 Jun

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