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 外出する用事があって、試合のレビューがやや遅れます。今日は、書き溜めておいた「Life Vol.11」の感想の続きです。

 まず、トロントメディアデーの取材記事について。すでに「マガジン」「メモリアル」「キスクラ」「WFS」で、羽生君の会見、ブライアン・トレーシー・シェイリーンのインタはご存知かと思われます。各誌で違うのは、羽生君の独占インタのみで、その「Life版」は前回のレビューで一部引用しました。

 このLifeでは、「バラ1再登板」に関するジェフのインタを神戸で取っている点が目新しいですね。

 聞き手は長谷川仁美さんですが、「FaOI新潟のパンフ」のジェフのインタとは内容のかぶりは無いので、やや短めですがご紹介しましょう(9頁)。

 ―― 羽生選手が『バラード第1番』を再び使うと決めましたが、バトルさんがそれを最初に知ったのはいつでしたか?

  「たしか、ファンタジー・オン・アイスの1か月くらい前だったかな。メールをやりとりする中で、『このプログラムをまた滑りたいと、すごく思っている』と初めて聞きました。あのプログラムに戻すというのは、ユヅ自身の決断だと思います。だから彼の決断を支持しました。もしこれが五輪シーズンでなかったら、何か違うもの、何か新しいものに挑戦した方がいいんじゃないかと思ったかもしれない」

 ―― この5年間で二人の関係はどう変化しましたか。

  「1年目は、ユヅのことは知っていたけれど、お互いに親しいわけではなかった。彼はすでに素晴らしいスケーターだったから、僕は不安でした。・・・だから最初の頃、二人の関係は、『よそよそしかった』という言葉を使おうかな

  「でも『パリの散歩道』の振付をしていくうちに、関係は良くなっていった。・・・『パリの散歩道』の後、『バラード』を振付けた時、彼がすごくナーバスだったのを覚えています。とてもシリアスで、感情的に濃いプログラムだったから。でも彼は僕の選択を信頼してくれた

  「プリンス(『Let's Go Crazy』)の時も同じでした。ショパンからプリンスに移った時も、そこには信頼感があったと思う。・・・1年目は、僕が『これをこうして』と彼に言うことが多かったけれど、だんだん彼が自分で考えた動きをやって、僕が『それいいね!なんとかしてプログラムに入れてみよう』と言うようになりました。今のデイヴィッド(・ウィルソン)と僕との関係に近いものになってきたんです」

 →→ホント、これ内容が短くて、プログラムの手直しはいつやったか?とか、私が知りたかった情報が無かったのは少々残念です。

 ちょっと話は脱線しますが、某所からの「圧力」が「マガジンの山口記者にまで及んでいるのでは?」という心配の声を、TwitterのTLで見かけています。

 そういえば、トロント取材の際にあったBB社のブログの更新が、今回のオータム前後にはまったく無いので、そこは気になっています。

 ただ、「通信」とは違って、ちゃんと現地で取材したテキストで構成されていて、写真も自社のカメラマンが撮っているわけで、「Sportiva」のゆづ度も高かったし、大丈夫だとは思うんですがねぇ・・・。

 いまとなっては的外れな「通信24」の私のレビューも、私自身の戒めのために、そのままの内容で残しておきます。

 もう少しLifeの記事をご紹介しましょう。岡部由起子さんの「シーズン展望記事」(89~90頁)の要所要所で興味深い発言があったので、見ていきます。

  「(平昌五輪の男子シングルの)メダル争いでは、現世界チャンピオンで、前回ソチ五輪でも優勝した羽生結弦選手はまず外せない名前です。そして、宇野昌磨選手。2人の日本人選手は当然有力な候補です」

  「羽生選手の『SEIMEI』は、日本人である彼しか滑りえないプログラムといえるでしょう。宇野選手の滑りは高評価です。振付けの樋口美穂子先生が彼の良いところも弱いところも知り尽くしている上で技術的なコーチでもあるというところが強みだと思います

 →→宇野君のプログラムの振付に関して、ロンバルディア杯女子フリーの感想記事の「コメント欄」で私が書いたことと、主旨としてはかなり似ていることを言っていて、ビックリしました。

  「そしてボーヤン・ジン(中国)やアメリカのネイサン・チェンは4回転をほぼ全種類跳べる選手たち。・・・彼らは当然次の五輪も視野に入れていると思いますので、怖いもの知らずで挑めれば……。彼らは5コンポーネンツの成長が大きなポイントになるでしょう

  「しかし、ネイサンのアイスショーの様子を見ましたが、弱いと言われてきたトランジションも含め、上げてきていると感じました。もともと見せるのが好きという感覚の持ち主なので、楽しみにしたいです」

  「一方、3度目の五輪になるパトリック・チャン(カナダ)やハビエル・フェルナンデス(スペイン)は、ソチで苦い思いをしました。彼らは質の高いジャンプで高GOEを狙ってくるでしょうし、作品全体の完成度という点ではかなり力のある選手たちです」

  「特にパトリックは昨シーズン4回転サルコウをものにして、精度を上げてきているので、蓋を開けてみないと、戦いの行方はまったく見えてきません」

 →→ハビよりもPさんを評価しているのは面白いですね。個人的に、「やらかし」の可能性という点ではPさんの方が不安定じゃないかなぁと感じていて、お互いにノーミスならハビのプログラムの方がスコアは出るはずなので、これは意外な見立てです。

 もう一つ、女子シングルのあの人について、こうコメントしています。

  「金メダル候補というと、2年連続世界チャンピオンのエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)は強いと思います。ちょっと一人抜けている印象です。ただここ数年、少しマイナーな曲でストーリー性のあるプログラムが続いているので、少しイメージチェンジが欲しいかな、とも感じます。今季、どんなプログラムを持ってくるのか、注目したいです」

 →→表現はマイルドですが、つまり、「選曲がワンパターンのマンネリ気味で飽きられてきている」ということを、日本の専門家で初めて発言してくれたような気がします。



 いちおう、ネペラ杯のSPとフリーを貼っておきますが、SPはショパンの「ノクターン」なので、最後の深呼吸(?)はご愛敬として、全体としては、万人受けする伝統的な内容に仕上がっています。おそらく岡部さんも評価するんじゃないかと。



 フリーは、エテリ組の後輩もよくやっている、映画音楽系のツギハギプロなんですよね。このフリーで使われている、ルドヴィコ・エイナウディというイタリア人の音楽家は、タラカノワのSPでもガッツリと使用されていて、映画やCMの音楽をたくさん作っている作曲家らしく、日本で言う、久石譲さんのようなイメージですか。



 まぁ、クリケットでも昨季は、羽生君のフリーがホプレガで、ツルシンちゃんもフリーは「もののけ姫」でしたから、こういうことはあるっちゃあるのでしょうけども。

 ちなみに、JGPでロシアの女子を毎週集中的に見てきて、エテリ組以外でも、後半ジャンプ固め打ち&タケノコ祭りの子はけっこういて、感覚がマヒしてきています。

 ただ、「エテリ組」と一括りにはしがちですが、他のチームから移籍してきた子もいて、例えば、上記のタラちゃんと、ポーランド大会で会心のSPを見せたコストルナヤは、今季からエテリのチームに参加したスケーターという話です。

 それを聞くと、コストルナヤは、特にSPの「アディオス・ノニーノ」という曲自体が「エテリ産」っぽくなくて、タノも控えめで納得するんですが、でも、タラちゃんは同じ今季参加組だけどプログラムは「ギトギトのこってりエテリ味」なので、この辺りは一概には言えませんね。

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 最後に、ブノワ・リショーさんの、(おそらく)日本のスケート雑誌初登場インタをちょっとだけ。個人的には、本号でもっとも価値のある記事と思っているので、この発言だけ触れておきます。

 ―― 最後に、今後振付てみたいスケーターはいますか?

  「ダイスケ(・タカハシ)にもしてみたいですし、ユヅル・ハニュウにも振付てみたいです。日本の男子スケーターと仕事がしてみたいですね。彼らにはまだまだ可能性を感じますし、それをまだ内側に秘めていると思います。僕はそれを引き出してみたいと思います

 →→はぁぁ?大ちゃんとゆづだって?というツッコミはともかく、彼が言う「可能性を引き出すプログラム」というのは、こういうのですよね(笑)。



 ジェレミーは途中で脱いでくれてますけど、羽生君がこういうのをやるんだったら、「写真を減らせ」という圧力への、プロテストプログラムとして、最初から最後までかぶりっぱなしで行ってほしい。

 ・・・まぁ、それは半分冗談として、でも、芸術種目みたいのが本当に北京五輪までにできたら、これぐらい尖がったプログラムで、世界を驚かせてもらいたいです。

 では、また明日!

 Jun

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