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 2017年10月15日発売。毎年この時期に発売されるWFSのガイドブックです。羽生君の写真については、オータム・トロント公開練習と非常にハイクオリティですが、さすがにボリュームは少なめです。これ目当てに購入を勧めるほどではありません。気になる方は、あらかじめ立ち読みをした方がいいですね。別冊ガイドのバックナンバーは「こちら」。

 まず、本書を手にして、真っ先に私がチェックしたのは、「注目スケーター選手名鑑 2017-2018(海外 LADIES)」のところでした。JGPファイナル行きを決めた、トゥルソワ、パネンコワ、タラカノワ、コストルナヤ、サモドゥロワは掲載されてるかな?と思ったんですが、この5人の情報は残念ながらゼロでした。

 逆に、上記5人に譲る形で、JGPには一戦のみの出場に留まった、グバノワ、コンスタンチノワ、フェディチキナ、あるいはJGP不参加のヌグマノワは掲載されていて、まさにロシア女子の競争の激しさを物語っています。

 日本に関しては、ブレイクした荒木菜那ちゃんはジュニア選手の一番最後の扱いですが、「ジュニアGP初出場でメダル獲得の大金星を挙げた15歳」としっかり最新情報がフォローされています。

 もちろん、羽生君もショートのPBはオータムの112.72に、須本君のJGP初優勝の情報も入っていて、けっこうギリギリまで編集作業をしていたのでしょう。ということは、ロシア女子の若手選手を入れること自体は不可能ではなかったものの、写真の準備ができなかったのかな?とか、その辺りを想像しながら、楽しめました。

 さて、8月31日に発売された「WFS No.79」では、トロント公開練習の後の出版だったにも関わらず、メディアデー2日目の羽生君の独占インタは収録されていませんでした。今回購入した最大の目的は、そこをチェックすることにありました(20~21頁)。

 ―― ショートプログラムを「バラード第1番」に決めたときに「少し迷いがあった」と話されていましたね。

  「・・・もともと、『Let's Go Crazy』を選んだときに、これを2年使いたいという願望がありました。やっぱり『パリの散歩道』をやったときみたいに、いいジンクスになるな、みたいな気持ちがあって。ただ、じゃあこれから『Let's Go Crazy』を本当にオリンピックのキャラクターにしていいのか、それが本当にオリンピックの楽曲として合うのかどうか。いろいろ考えた結果、『バラード第1番』がいちばん自分らしいかなと。いちばん自分を表現しきれるというところに行きつきました」

 ―― 平昌オリンピックが迫ってきていますが、その先の風景はどんなふうに見えていますか。

  「そうですね……とくに考えてないです。もちろんスケートが好きなので、やめるとか、やるとか、そういうことって全然考えていなくて、とにかくいま何ができるのかな、いま何をすべきなのかなということに全力を注いでいる状態です」

 ―― 「SEIMEI」に関しても、「バラード第1番」に関しても、「自分に合っている」という表現をされますけれど、どこに合っていると感じていますか?

  「たとえば作曲家がいれば演奏家がいる、みたいなものかなって思うんですね。・・・作曲家の意思と、演奏家の意思と、それから作詞とか編曲とかあるのかもしれないですが、そういうそれぞれの思いがすべて、自分の思い描いている理想に一致する。そういうのがいちばんなんじゃないかなと思います。呼吸のリズムであったり、楽器を弾くときにもやはり呼吸は大事じゃないですか。そういったところがうまく合うというのが、この『バラード第1番』と『SEIMEI』なのかなと思います」

 ―― 衣装を変える予定などは?

  「マイナーチェンジはします。よりその曲に合った、よりぼくに合ったものになっているなと感じていただけるような衣装にしたいなと思っています。ぼくはデザインには関わらないですけど、出来上がったときに、どういう感覚であるかというのはすごく大事にしています

 →→当初プリンスを2シーズン使うことを考えていた理由に、パリ散のゲン担ぎ的な気持ちもあった、というのは初耳です。ここだけでも、本書を買った価値があると個人的に思っています。

 サラっと平昌後のことを訊いているわけですが、ふと思ったのが、羽生君って、報ステで「圧倒的に勝つ。最終Gの全員がノーミスしている中でも勝つ」という強気を見せている反面、そのような発言をするにあたって「退路を断つ」ようなことはアピールしないんですよね。例えば、「この五輪で引退します。最後だから死ぬ気でやる」とは言わない。

 もちろん、彼の真意は分かりません。きっと、スポンサーや様々な大人の事情を鑑みて、軽々には言えないのでしょう。でも、それとは関係なく、アスリートとしてはベストを尽くしますよ、というところが、プロフェッショナルだなと思います。

 つぎに、ジェフのインタを。「Life Vol.11」では、特に羽生君との関係の「変化」についてコメントしていましたが、本誌ではより「バラ1」自体にフォーカスした発言が引き出されています(24~25頁)。

 ―― 2014年夏、最初に「バラード第1番」が披露されたとき、バトルさんはそのなかに込めた物語を話してくださいました。「オリンピックのあと彼はひっぱりだこで、彼があらゆる方向へと引っ張られ、張りつめている姿が浮かんだ。だから彼が動き始めた瞬間に、氷の上にいる彼だけの特別な瞬間が始まって、そのほかのことは全部どうでもよくなる。そういう物語を考えた」と。(※参考「WFS 65(Sep.2014)」)

  「やはり、彼が描き出す物語は少し変わったと思います。いまの彼には、あのころにはなかったものが備わっている。威厳や主導権といったイメージを氷の上に持ち込んでいると思う。過去数年でユヅルが築き上げてきた氷上での存在感の大きさを目にするのはとても印象深いものです。ソチ・オリンピックで勝ったとき、彼はそれでもとても若かった。だからまだ、大人たちに囲まれて、ある種の脆さを感じさせたんです」

  「けれどいまは、しっかりと自信をもち、自分の主張ができる存在になりました。スケーターとしてだけでなく、ひとりの人間として強くなった。彼が滑るのを見ていると、視線ひとつ、姿勢ひとつ取っても、まるで別人のように感じるときがあります。不確かさや自信のなさがなくなった。そういう変化、進歩を見てくることができたのは、コリオグラファーとしてもとても興味深いことでした」

 ―― 2015-2016シーズンに羽生選手がグランプリファイナルで世界最高得点(当時)を出したとき、「ジャンプが決まるようになってきて、芸術面でもやっと自分らしく滑れるようになった」と話していました。技術面と芸術面の兼ね合いについて、今季とくに気を配ったことはありますか。

  「それもすべてコミュニケーションにかかっているんですよ。結局、滑るのはスケーター本人ですから、どうしたら引っかかりがなく、スムーズに滑れるのかは、スケーターから言ってもらうしかない。どこにも違和感がないような振付を作り上げることによって、スケーターは競技の場でテクニックのことを忘れて、完全にその瞬間に入り込むことができる」

  「最高の演技というのは、だいたいにおいて、技術を忘れ去って、努力しないでもすべてがうまくいくというような状況下でできるものなんです。とても珍しいことですが、失敗するかもといったような心配事は消え去って、感じるままに滑ることができたとき、そのプログラムは完成したと言えるんです」

 ―― その意味では、昨シーズンのSP「Let's Go Crazy」の経験も生きるでしょうね。

  「その通り。彼の演技は見ていて楽しかった。緊張しているときは、キャラクターになりきることができないのが普通だけれど、彼はやり遂げた。『Let's Go Crazy』を1シーズン滑ったことで、観客と真の意味で結びつくのがどういうことなのかをユヅルは感じ取ってくれたのではないかと思うんです。そして、気持ちを解放するということをね」

 →→バラ1を(そしてSEIMEIも)ふたたび演じるという決断を、力強く後押ししてくれるコメントだと思います。

 スムーズな演技を実現するようなプログラムが生まれるには、「スケーターから言ってもらうしかない」というのは、私の持っていたイメージからすると逆の発想でした。

 例えば、普段日本を拠点とするスケーターが「プログラムをブラッシュアップするために(振付師のいる)カナダに滞在」という報道がなされるとき、振付師のアイデアをもっと正確に表現できるようにするため、と私は考えていました。もちろん、これは振付師によって程度はあるでしょうが、スケーターの特徴を考えて、元のアイデアを場合によっては修正・変更する作業も大いにあるのでしょうね。

dg

 そう考えると、振付師が近くにいる、というのはやはり大きなアドバンテージがありそうです。エテリ組が、たとえ似たようなプログラムばかりという批判を受けても、若手選手のプログラムの多くをグレイヘンガウス(この人、実はまだ26歳だそうです)に担当させているというのも、その辺りを考えているのかもしれません。

 ロステレ杯ももう間もなくですので、明日も本書の残りの記事を見ておきたいと思います。

 では、また明日!

 Jun

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