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2017-10-31-16-52-23



 今日はロステレの部分で、気になったやり取りを拾ってみます。バックナンバーは「こちら」で。

 (1)GPアサインの話(30頁)

 ―― GPで初めて勝ったイメージがあったからこの地を今季初戦に選んだのでしょうか。

  「いや、特にないです。えっとNHK杯は、ほぼ確定で滑んなきゃいけないなあっていう感覚があったので、まあそうなると、出るのはここか最終戦(11月下旬のスケートアメリカ)かってなって、で、まあグランプリファイナルに近いほうはちょっと敬遠したいなあっていうふうに思っていたので、まあ、ここになったわけですけれども」

 →→じゃ、なんでカナダじゃなくてロシア?と、ますます気になるんですけど、これは、もしかすると、「カナダよりは最終戦のアメリカの方がまだマシ」というような「陣営の判断」があって、結局、初戦のロシアに落ち着いたのかもな・・・と、想像しています。真相は分かりませんが、スケアメが候補に入っていたのは、驚きでした。

 (2)「守ることと捨てること」

 ―― 「守ることも捨てることも、いつでもできる」と言っていましたが、SPに関しては、今日の構成を捨てないでいける…という気持ちを持てましたか?(30~31頁)

  「……守ることも捨てることもしないでいくということは、サルコーに戻せってことですか?ああ、なるほどね、そういうことか、そういうことか(笑)」

 ―― いや、そうではなくて(記者一同笑)。

  「いや、確認、確認(笑)。いや、別に特に感じはないです(※ここ誤植かも)。あの、はっきり言ってまあ、自分にとってオータムは初戦だったかもしれないけど、やっぱりグランプリ1戦目っていうのが初戦っていう感覚がすごくあるので、そういう点ではここの地で…うん、まず、まずまず自分の中では手応えのあるショートができているので、そこはまあ、まったくもって問題ないと思うし、練習でもずっとノーミスしているわけなんで、まあ自信をもってこれからずっとやってくつもりです。はい

 ―― フリーに向けて、最後に。

  「フリーに向けて?ま、とりあえず…とりあえず新しいこともやりますし、さっきも言ったように違うプレッシャーがかかってくるので、まあ、またそれも楽しみながら、ここで楽しみながら、自分も挑戦できることを楽しみながら、やっていけたらいいなあと思っています。はい」

 →→一度ここで切ります。SPを終えた後、フリーの滑走順抽選と公式会見を終えてからの囲み取材でのやり取りです。

 そもそも、この「守ることも捨てることも」云々は、本誌27頁の四段目、SP前日の公式練習後の囲み会見での、羽生君の発言です。

 ―― まず、4回転ルッツを入れると決めた経緯とその理由について教えてください。

  「ええっと……経緯?」

 ―― リスクのあるジャンプを今大会から入れようと思った理由です。

  「まあ、あの……これまで練習やってきて、『あ、ルッツ入るな』っていう感覚があったので。まあ、まず、そこまでの感覚ができたことが、まずは経緯?と言えばいいのかな。まあ、今回入れることにした理由と、あとはやっぱり、まあオリンピックに向かってこれからどんどん、どんどん試合を重ねるわけですけれども、まあ実際、数は限られていますし、本番での回数っていうものもやっぱり、すごく一つひとつ大事になってくるので、そういった意味でも、えー…できるだけやりたい。」

  「守ることも捨てることも、いつでもできるので。なるべく、オータムクラシックで学んだ、全力でできないことが集中を途切れさせるっていうこともあったので、なるべくその、自分が一番実力を発揮できる構成で、一番自分が本気を出せるプログラムでやりたいなっていうふうに思ってました」

 →→何のことを言っているかというと、ズバリ、4Lzをフリーに入れるかどうかについてです。「守る=4Lzを入れる」「捨てる=4Lzを断念する」という意味です。

 そもそも、4Lzについては、この時点ではSPに入れるかどうかを、羽生君は語っていません。あくまでも、フリーの冒頭に入れるか入れないかという話で、いまの段階でトライしてみて、後でしっくりこなかった場合、入れないという選択もありうる。だから、「守ることも捨てることもできる」と。

 で、「守る・捨てる」という本来フリーでの話を、SPについて投げた記者が何を意図していたのか不明ですが、羽生君が「(SPの単発クワドは)4Loか4Sか」という話と勘違いした(?)ということは、SPに4Lzを入れることを考えていない、と私は読みました。

 こんなまどろっこしいやり取りなんかしないで、単刀直入に、4LzをSPに入れる予定はあるのか?と聞けば済む話なんですが、良い悪いは別にして、この雑誌はいろんな材料を提供してくれているということで(苦笑)。

 33頁のフリー後の一夜明け会見で、この件でやり取りがあります。

 ―― 大会前日に「守ることも捨てることも、いつでもできる」と言っていましたが、あらためてその言葉について。

  「えーっと…もともとブライアンって割と堅い戦術をとるタイプで、で、実際にそういう話はいろいろ夏の間、または春もそうですけど、してきました。実際に、まあ『ルッツ入れる必要はないだろう』っていうのが彼の最初の言葉だったし、まあ、そこまで確率も高くはないので。まあ実際、考えてみたら今の最高得点はサルコーとトーループのみで勝ち取ってるわけだし、それにしたら、まあ、ほぼすべての大会でノーミスができるだろうという手応えもあります」

  「(中略)・・・それじゃ『試合』じゃないだろうっていうのが僕の気持ちで。なので、そういうことで…なんだろう、うん、捨てんのも…『捨てる』って言い方がねえ、ちょっとね、強引だけど、でも僕にとってはジャンプってのは、うん…なんだろう、相棒的なものなので。まあ、そこで切り捨てちゃうのも、逆に、今まで大事にしてるものを守るっていう意見もできるなっていうふうに思って言いました」

 →→「4Sと4Tだけで勝ち取った最高得点」というのは、今年のオータムのバラ1を指しているはずですが、そもそも4Lo回避は右膝の状態を考えてのことで、現在、ブライアンと羽生君の間では、4Loをめぐって、昨季のような見解の対立は無いはずです。

 4Lzをフリーだけに入れることと、SP・フリー両方に入れるとでは、まったく意味が違います。フリーに4Lzが入ると、5クワドを確保しつつ、3Aを2本跳べるメリットがあり、プログラム全体に大きな影響を与えます。他方で、SPでの影響は、単発クワドのスコアに限定されます。そう考えると、とりあえずNHK杯のSPは、4Lo、3A、4T-3Tで予定通り行くと思いますけどね(※もしSPでもルッツを跳んだらゴメンナサイ)。

 他にも、外国人記者への応答で、「アイドル扱い」云々、「見ている方々が思う表現をしたい」と付け加えた部分も興味深かったです。やはり、日本の記者とはちょっと違った変化球が飛んでくるので、読んでいて面白いですね。

 記者の質問に文句を言いつつも、記事を読みながら、私自身、いい思考実験になりました。NHK杯はどうなるか楽しみですね。

 明日からは中国杯モードに入ります。

 では、また明日!

 Jun

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