
先日、織田君の本をレビューした際に、バンクーバーでの真央ちゃんとヨナの闘いを振り返る意味で、自分の記事を読み直していました。
すると、やっぱり、五輪本番でのブライアンの「振る舞い」や「かける言葉」が素晴らしいなと改めて感じました。
平昌五輪が開幕すると、これからテレビで、いろんな専門家・識者が、「五輪は特別!」とまくしたてることでしょう。でも、誰よりも信用できて、誰よりも頼りになるのは、ブライアンにほかならないと思います。
「私(ブライアン)とデイヴィッド(・ウィルソン)は、不安や緊張をヨナに見せないように気をつけていました。コーチとしては、自信にあふれ、いつも通りである必要があります。おかしなもので、コーチのほうこそオリンピックというストレスが高い状況に置かれて、突然、普通でなくなるケースがあるのです。いつもと違うふるまいをしたり、アドバイスしすぎたり、妙にそわそわしたりするコーチもいます」
「しかし私は、いつも通りにふるまいました。必要以上に落ち着くのではなく、いつも通りに落ち着くようにするのです。いつもと同じような立ち話をして、笑ったりしました。そのために、私は自分のボディランゲージに気を配っていました。ちょっとした隙に見せる手や表情の動きこそ、いつも通りであるべきです。そうすればヨナも、すべていつも通りだと感じます」
「・・・選手廊下で一緒に出番を待っていると、彼女は突然立ち上がってカーテンをくぐり抜け、会場へと出ていくのです。私が『時間だ行こう』などと言うのではありません。ヨナは自分で責任を持って、出発するのです。私は彼女の目をじっと見ているだけでよかったのです。ですから、普段、競技前に私がかける言葉も、それほど多くありませんでした。オリンピックでも同じです。私は『何をなすべきかわかっているね』と言い、ヨナは『準備はできてるわ』と答えました。ハイタッチしたり、『GO! GO!』などと叫んで励ましたりはしません」
「ヨナにとっては、そういった派手なことは少ないほうがいいのです。ただ落ち着いていればいいとわかっていたので、オリンピックだからといって特別なことを口にすることはありませんでした。もちろん、私たちはこれが世界最大のイベントであるとわかっていました。だからといって、選手には非常事態だと思ってほしくないのです。『日常』か『非日常』かでいえば、『日常』です。そのために私たちは毎日トレーニングをしてきたのであって、その準備を3年半もかけて整えているので、予想外のことが起きる隙もないです」(『チーム・ブライアン』125~128頁)
ブライアンとの対談でも、羽生君は、ソチ五輪での演技直前の様子を語っていました。
「試合までの日々で一番印象に残っているのは、ブライアンがリラックスしていたことです。本当はオリンピックになると絶対に僕も緊張するだろうし、ブライアンも緊張するのだろうと思っていたんです。でもブライアンは変わらなかった。だからこそ、ブライアンを信用しきって演技に出ていくことができたと思います。ブライアンが緊張したり、気合がいつもと違っていたりしたら、それは僕に伝わってしまいますから、会場で感じたのは『ああ、いつも通りだな』っていうこと。ブライアンには、すでに自分の生徒に金メダルを一度取らせているという安定感もあったし、とにかく心強かったです。自分の名前をコールされたら、いつも通りに握手して、しゃがんで手をダンダンってやって、出ていくだけ(笑)」(『チーム・ブライアン』28~29頁)
羽生君がこうやって五輪に向き合うのだから、我々もそれに倣って、「いつもの試合と同じだ」と思って、いつもと同じように応援をした方が、「良い念」を送れるかもしれませんね。
では、また明日!
Jun

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コメント
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私は、数ヶ月前から、webニュースはあまり見ないようにしていて、羽生くんファンブログさんを情報源にしているのですが、久しぶりにYahoo!ニュースなど見て、うっかりコメント欄も見てしまって…(>_<)
相変わらず酷いコメント、くだらない思い込み等あふれてますね(O_O)
一昨日から昨日だと、団体戦に関するものが多いですが、羽生くんが出たら出たで、刑事くんに譲れよ とか、言うくせにね( *`ω´)
そんな中、Junさまの記事がupされ…泣きそうでした(T . T)
そうなんです。羽生くんとブライアン始めチームの皆さまを信じて、静かに待てばいいんです。確かに、万全ではないのかもしれませんが、そのうえで、最高の演技ができるように調整しているのでしょうから(#^.^#)
家庭画報、私は無事予約出来、購入しました(^^) 羽生くんの記事や付録が無ければ、まず私のような一般的なおばちゃんには縁がない雑誌ですね(^◇^;)
なかなか手に入れづらい方もいらっしゃるようですが、Junさまがおっしゃるように、まずプレミアム版を購入なさるのがいいと思います(#^.^#)付録もですが、記事も貴重なので(*´꒳`*)
こんなことを言っていいか分かりませんが、amazonより(#^.^#)Yahoo!の方が良心的かと(^^)
コーチの大切さを感じるエピソードですよね。
バンクーバーとソチでの真央ちゃんを見てて余裕ないな、ヨナはあんなに落ち着いてるのにって思ってました。
ブライアンの力だったんですね。
小さい頃の羽生くんも自分は緊張しいだって言ってましたよね。
あの頃はお母さんがサポートして緊張感を和らげることが出来て、今はブライアンがそういうサポートしてて。
いろんな人のサポートで羽生くんは落ち着いて五輪に臨んで来るんですね。
羽生くんもメンタル強いし信じて待ちます。
ここぞという時に、ぴったりの記事を挙げてくる、junさんは過去記事を含め、読了した本の内容を頭の中で整理出来ているんでしょうね。
とても力を得られました。
ファンが右往左往しても仕方ない、ブライアン始め、チーム羽生を信頼し、羽生選手の登場を
待つだけですね。
今日はマガジン及び画報を手に入れられました。マガジンは少ししか読めていませんが、羽生愛が感じられ、購入して本当に良かったです。
ヤフコメは心を病んでいる方々やら、業者やバイトの書き込みも多いので、表示しない方がいいでしょう。そもそもヤフーニュース自体、私は見出しだけ見て、いちいち中身は読まないですね。
私は、ヨナと羽生君のSP前のブライアンの眼差しを見て、グッと来るものがありましたよ。目が全てを語っています。ブライアンだけでなく、トレーシーもブリアンも、城田さんも菊地さんもいますし、羽生君には何も心配せずに演技に集中してもらいたいです。
羽生君が「緊張する」という話は、織田君の本でもありましたね。「ユヅは、緊張しないタイプではない。緊張しながらでも結果を出す」という部分を彼は評価していました。
真央ちゃんは、それこそトリノ以降、4年がかりで日本の期待を背負っていたわけで、にもかかわらず、コーチの変更もあったり、気の毒だったなと思います。やはりチームのサポートというのは結果を出す上で大切ですね。
昔の「再読記事」の焼き直しで、正直かなり手抜きではあったんですが、ブライアンの言ってることが、いま読んでみても本当に素晴らしいので、あえて記事にして、皆さんに見ていただくことにしました。
マガジンは座談会のみ読みました。今晩の記事でご紹介いたします。