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 2018年3月31日発売。税込価格「1,200円」。婦人画報のバックナンバーのレビューは「こちら」。

 まずは、関係のない話にしばしお付き合いください。表題の「格調高い」という言葉は、「品格」や「風格」がある、というような意味で一般的にかなり浸透していますが、私のような将棋ファンがこの言葉を聞くと、「格調高い=郷田真隆九段」とイコールで結ばれます。

 この棋士はどういう方かというと、年齢は羽生善治竜王と同年代で若手の頃から凌ぎを削ってきたトップ棋士の一人。しかし、つい最近ようやくご結婚され、やっと携帯電話やPCも持つようになった超アナログ棋士でした。しかもこんな名言を残しています。

  こんな手を指すぐらいなら死んだ方がマシだ!」

 他の棋士が何を言おうが、プロ棋士よりも強い将棋ソフトがどんな手を推奨しようが、自分が指したくない手は指さない。一本筋の通った孤高の棋士で、その独特の将棋哲学が、「格調高い」と評され、将棋ファンはもちろん、若手棋士からもリスペクトされています。



 5分ぐらいからちょっと見てみると面白いです。羽生さんってこんなに苦しい表情して将棋指してるの?と、知らない方はビックリされると思います。

 その意味でいえば、「格調高いって、羽生結弦のためにある言葉なんでは?」と思われる方、その通りです。そして、この「婦人画報」というハイセンスな雑誌が、その誌面コンセプトそのままに羽生結弦という天才を扱うと、不思議なぐらいにまったく違和感がないんですよね。

 「東京案内 2018」とありますけど、六本木のすし屋・天ぷら屋・炭火焼店とか、こんなの接待でしか使わないでしょ!という高級店から、和服、アンティーク、美術品あるいは伝統工芸品の紹介もあります。羽生君の記事を読んだ後に、これらのページをパラパラとめくった後に、また戻ってみると、これが実に気分がいいのです。

 肝心の羽生君の記事の方に。ボリュームは全8ページ(198~205頁)。テキストは中谷ひろみさんで、以前レビューした2月号もゆづ愛に溢れた素晴らしい仕上がりでした。今回も非常に出来がいいです。

 ここ最近、田村明子さんについて皆さまと色々と議論しましたけど、中谷さんのように、フィギュアスケート界としがらみのないライターだからこそ、「良いものは良い!」と最大限の賛辞を何の衒いもなく送ってくれるのだと思います。私自身、どのプロスケーターや、どのライターがどんな嫌なことを書いていたという類の話は、正直疲れてしまう部分もあって、さっさと記憶から消去したい性格です。むしろ、こういう良い文章を大切に記憶したいものですね。

 さて、記事について。まず、前半部分では、中谷さんが今年の3月11日、仙台を訪れた話から始まります。ちょっとした旅行記の装いで、本誌のコンセプトにピッタリです。かつて羽生君も参拝したという「勝利の神」として知られる秋保神社。奉納されたのぼりや、地元の方々の様子も描かれています。

 つぎに、アイスリンク仙台へ。リニューアル後の記事は他誌でも見かけましたが、五輪連覇後の訪問記は雑誌では初登場ではないでしょうか?子どもから大人までリンクは大盛況。館内には羽生君への応援メッセージで埋め尽くされているようです。私も、22日の凱旋パレードには行く予定なので、なんとか時間を見つけて、アイリンだけは寄り道したいです。もし叶えば、4年ぶりの訪問になります。
 
 この後に、平昌五輪の現地観戦レポートが続きます。中谷さんは、SEIMEIのすべてのジャンプが終わって、コレオシークエンスが始まる時に、「くるぞ!くるぞ!」「行け!」と心で叫んだのだそうです。私がNHKの放送でこの瞬間を目撃した時は、「よし!勝てる!これならもう勝てる!」とつぶやいていました。

 このSEIMEIのコレオシークエンスについて、中谷さんは、「なんとも幸福そうな顔で笑っていた。これまで何度か見てきたこのプログラムで、こんな表情を見たことがない」と描写しています。これは我々ファンも同じで、安堵というか、この3ヶ月の不安と苦しみからようやく解放される・・・と感じたファンもいらっしゃるはずです。

 締めの2ページでは、平昌五輪公式フォトエージェンシーの「ゲッティ」所属の海外カメラマンからコメントを取っています。能登さんや田中さん、あるいは毛受さんの「ゆづ評」は我々もよく知る所ですが、海外のカメラマンに取材するというのは斬新な試みです。

 しかも、羽生君についての論評だけではありません。

  「このチームは、コミュニケーションを常に取っていました。コーチは身振り手振りで何度もアドバイスを送り、それに応じる羽生選手の真摯さが印象的でした。それは、どんな質問にも笑顔で答えていた記者会見でも同じでしたね」

  「コーチとの会話も多く、本当に深い信頼関係を築いていました」

 もちろん、ゆづに送る視線も一味違います。

  「羽生選手の演技はとても気迫に溢れていて、思わず写真を撮ることを忘れて見とれてしまいそうだった。いままでこんな選手に出会ったことはない」

  「被写体として撮影しがいのある選手。氷に一歩踏み出しただけで、会場全体の空気が変わる。熱狂的なファンのエネルギーが、彼の原動力になっているよう。もの静かな振る舞いからは自信が伝わってくる。ファンやジャッジにお礼を伝えていたのも印象的」

 あまり紹介しすぎると購入した時の感動が減りますから、これぐらいに留めておきます。ただ、もう一つ、購入の後押しをするなら、本書の利点は、例えば、スポーツ雑誌やフィギュアスケート専門誌の場合、見たくもない選手の顔を見てストレスが溜まる・・・そういうことが起こらない点ですね。

 そうそう、ピエールエルメの青山店が本誌で紹介されていましたが、マカロンはたまに買います。渋谷ヒカリエか新宿伊勢丹で買うことが多いですが、以前空いている時間帯に訪れると、「試食」と言ってはあまりに豪華な、マカロン一個まるまるいただいたことがあります。まぁ、あれ一度きりなので、さすがに二度目はないかな・・・。

 では、また明日!

 Jun

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