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 Number PLUSの続きです。バックナンバーはこちら(「Number PLUS」「Number」)。

 昨日の記事を書いた時点で、羽生君以外の部分は読んでいなかったのですが、全て目を通した上で本誌の全体を評価し直すと、ちょっと内容は薄いかな・・・という感じはします。

 ちなみに、一年前の4月10日、本誌バックナンバー「銀盤の革命者(1)(2)」が発売されました。もしお手元にあればパラパラとめくってもらいたいのですが、鈴木ふさ子さんにモスクワに飛んでもらってプルさんの独占インタを掲載するなど、興味深い企画が揃っていました。

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 二冊を比べてみると、誰にどれぐらい誌面が割かれていたのか、その「序列」も面白い。坂本花織ちゃんなんて、日本女子で最後の扱いでした。

 本誌に戻って、気になった部分をピックアップしてみます。

 (1)[小塚崇彦が解説]「トータルパッケージこそ王者への道」→→この方がフィギュアスケート解説者として、雑誌やテレビで発言をするようになって約一年が経ちました。前述の「銀盤の革命者。」のレビューで、「小塚君の分析力が抜けている」と私が絶賛したのも、遠い昔のようです(汗)。

 トヨタの社員である彼が「宇野選手贔屓の発言」を連発するのは仕方ない部分もあるとはいえ、一年前の本誌と比べて彼の分析企画が減っているのは、「Number PLUS」の良心という所でしょうか。それでも、平昌五輪での羽生君の演技を絶賛しています。

  「羽生選手がやっていたことは、オリンピックの究極、とでも表現してよいのではないでしょうか。それが何を意味しているかというと、他の選手がどうこうではなく、自分を信じて自分の演技に集中すること。オリンピックでそれができるところに強さがありました。・・・僕は、オリンピックイヤーが本番だとしたら、それまでの3シーズンは、シーズンオフという考え方もあると思うんです。つまり羽生選手は、3年のオフをかけてオリンピックへ準備する作業ができていた。その2つの点で強さがありました」

  「(宇野選手が)フリーの4回転ループで転倒した理由は、気持ちの持ち方にあったと思います。羽生選手に勝ちたいから頑張ろうと思っていた。転倒したから笑えてきたという趣旨の話をしていましたが、ジャンプは自分に集中しないで跳べるほど甘いものではありません。・・・ネイサン・チェンがSPで大きく崩れたのもまた、羽生や宇野をはじめ、他の選手を意識したからだと思います」

 →→言わんとしている所は分かるけど、せめて「3年のオフ」とカギ括弧をつけてほしかったですね。4回転の種類・本数の面で進化を続け、選曲や振付の面でも実験と試行錯誤を重ね、度重なる故障で満身創痍の中、決して立ち止まることをやめなかったのが、ソチ以降の羽生結弦の実像ではないかと。本人を目の前にして「オフ」なんて言えんの?って話ですよね。

 宇野選手については、気持ち以前にそもそも技術が足りていないのが理由だと思いますが、ネイサンについては、母親がジャンプの構成に口出しをしているという情報も出ていますね。平昌五輪の個人戦SPの出遅れは「なんだ母親が原因か」という気がしないでもないです。シャリシャリ口出ししてくる母親というと、キム・ヨナを思い出します。練習計画、プログラムの選曲、衣装のチョイスまで「すべてお母さんと一緒に決めた」という話が、『チーム・ブライアン』(90頁)の中で明かされていました。

 (2)ケイトリン・オズモンド「自信を積み重ね掴んだ45年ぶりの栄冠」→→田村明子さんのテキスト。本誌の海外選手の記事はほとんど田村さんが執筆しているので、やっぱり人材が不足しているのだなぁ・・・と感じます。ケイトリンの記事については、私の知りたかったことが触れられていました。

  「かつてはSPで良い位置につきながらも、フリーでミスが出て順位を落とすということが多かったオズモンドだが、ミラノ世界選手権ではSPでダブルアクセルをミスして4位スタート。フリー『ブラック・スワン』で挽回するという珍しいパターンになった。『ケイトリンはこのところ、先を急がずにその瞬間瞬間に集中するという練習を繰り返し、自信を積み重ねてきました』と語るのは、コーチのラビ・ワリアである。普段のトレーニングに加え、メンタルトレーニングもかなり行ったという

 →→さんざん「ショート番長」と揶揄されてきた彼女ですが、平昌とミラノでは素晴らしかったですね。メンタルトレーニングについては、やっぱり取り組んでいたか・・・という感じです。ただ、「先を急がずにその瞬間瞬間に集中するという練習」って具体的に何でしょうね?例えば、神戸組のようにランスルーでミスがあれば曲が止まる、という練習方式か。あるいは、フリーでミスが出やすいジャンプを集中的に修正したのか。田村さんが、あともう一歩、突っ込んでくれたら最高でした。

 (3)樋口新葉「涙をこえて、心は4年後へ」

  「(ミラノワールドの)試合翌日にはメダルを箱にしまい、もう中身を見ずに、心を4年後に向かわせた。『まず来季はトリプルアクセルを絶対に試合に入れたい。3回転半まわりきっているのですが、右足への体重移動が遅くて転倒しちゃう。ジュニアの子が4回転を跳んでるので、4年後は女子も4回転5本の時代になるかも』」

 →→こちらは野口美惠さんが取材・執筆。オフ目前になると、日本の女子選手はみんなトリプルアクセルの話をします。まぁ、話をするだけなら自由です。たしかに、高山真さんも絶賛しているように、新葉ちゃんは2Aは巧いと私も思います。もちろん、確率が上がれば、3Aは武器になります。でも、長洲さんのように、たっぷりたっぷり助走を入れなきゃ跳べないのであれば、シャープさとスピード感が持ち味の新葉ちゃんのプログラムに合うのかどうか・・・。それよりも、エッジや回転不足の問題を確実にクリアして、大事な試合でミスをしない安定感こそ身につけてほしい。そもそもこの2つに不安がなければ、平昌五輪には間違いなく彼女が出ていたわけですから・・・。「新しいことにトライしたい」という気持ちも、もちろん分かるんですけどね。

 明日は、カンゼンの「Memorial」のレビューを書けると思います。お楽しみに。

 では、また明日!

 Jun

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