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 それでは、FaOI金沢(3日目)のレビューです。幕張(2日目)のBS朝日の放送の感想(1)(2)も踏まえつつ、テレ朝チャンネル2の放送と現地観戦の印象を対比させながら、情報を追加したいと思います。

 (1)オープニング~PIECES OF A DREAM

 たぶんこの日の金沢に限らないと思うんですが、FaOIの良い所は、場内が暗転して、時間ぴったりに、「デンデン・デデン!」と、ビシっと始まる所ですね。アーティストのライブなんてもっといい加減なんで、スケーターも運営スタッフもそこはしっかりしているんだと思います。

 羽生君の3Aは着氷がやや乱れましたが、だんだん良くなっているんじゃないかと。

 CHEMISTRYのお二人は、やっぱり生で聴くと分かりますが、歴代のアーティストと比べても声が出ています。曲を引っ張るのは音域の広い堂珍さん。そこに深みのある声の川畑さんがボトムを支えて、素晴らしかったです。さすがに来年もというのは厳しいでしょうが、ぜひまた来てもらいたいです。

 (2)紀平さん「La Vie En Rose」

 ジャンプはだんだん良くなっていますね。全公演出演ですし、これからどんどん調子を上げてくれると思います。

 実は、ジャンプ以外の部分を会場の席から見ていると、スケーティングがかなり複雑な軌道を描いていますね。スピンはポジションがピタっと安定してキレイだし、基礎技術の高さを改めて感じます。

 テレ朝チャンネル2ではインタビューが収録されていましたが、この子はよく話すんですよ。私が強烈に覚えているのは、名古屋のファイナルの演技後、その日のエレメンツの一つひとつをどこが良くて、どこが悪かったか、詳細に渡って語っていました。彼女に対しては、雑誌メディアでもいいので、ロングインタビューを敢行すべきだと思います。彼女のような若い世代が、いまのフィギュアスケートをどう見ているのか、たいへん興味があります。

 (3)バルデさん「Pharrell Mix」

 BS朝日の放送と、金沢現地観戦とでガラっと印象が変わったのが、このバルデさんのプロです。

 幕張の放送では、至近距離から撮っていることもあってあのダルダルのタンクトップが気になって、「だらしない」という印象だったんですけど、会場で見ていると、小刻みなステップでタンクトップが揺れるので、躍動感を引き立てているんですよね。

 そして、テレビだと皮ジャンをいちいち着ることで、どうもこちらの集中力が切らされる感があったんですが、会場だと、曲調と照明の変化と合わせて上着をはおるので、その意味が理解できるし、見ていてダレません。

 だからこのプログラムが良いかというと、そりゃ誰もが現地で見られるわけじゃないし、テレビだろうが現地だろうが、同じように好印象を与えられるのが、やはりベストです。そう考えると、このバルデさんのプロはかなり挑戦的な内容だったのかなと改めて感じました。

 (4)ミーシャ「Ave Maria」

 幕張では例のボクサー的な衣装の「MIC DROP」だったので、金沢公演から投入されたプロです。幕張の放送でも感じましたが、ジャンプの調子が金沢でも良かったですね。幕張と金沢だけというのはもったいない!来年はぜひ全公演に出てもらいたいと思います。



 独特の小刻みな上半身の動きはこの人のトレードマークなんで、会場で見ていても、あの動きを見ながら真似したくなる衝動を抑えていました(笑)。友野君の新プロにあの動きって入るのでしょうか?・・・でも、ポゴちゃんの「セント・オブ・ウーマン」は正統派の振付で、それでも雑誌のインタで彼女は、「ミーシャのように出来ないので、自分なりに頑張った」と答えていたことをよく覚えています。


 (5)ベセディン&ポリシュク「カウボーイ」

 このツイートをした時は確証が持てなかったんですが、屈強な男性はベセディンさんでした。

 BS朝日ではカットされていましたが、FaOIではお馴染みの二人によるアクロバット。いつも思わず目をつむってしまうのが、お腹の上をスケートシューズでノシノシ歩くパフォーマンスですよね。きっと、お腹に防弾チョッキ並の(?)耐久力を誇る腹巻きをしているのでしょう。いつも、身体を張ってやってくれているので、リスペクトの一言です。

 (6)織田君「Nat King Cole Medley」

 こちらも、なぜかBS朝日の放送ではカットされていたので、すごく楽しみにしていました。

 歌っている本人の名前よりも、今回のメドレーで使われている「L-O-V-E」のサビの方がCMの影響で日本では確実に有名で、こういう20世紀前半のアメリカのジャズも小粋に演じてしまうのが、織田君の凄い所。

 ジャンプも幕張と同様に、危なげなく決めていました。もしかすると、プロスケーター織田信成として見ると、ジャンプの成功率って驚異的に高いのでは?という気がします。

 振付はジェフ。ふと思ったのは、ジェフの師匠のウィルソンもハビにシナトラやプレスリーのメドレーを作りましたが、ジェフがこういう古き良きアメリカのポピュラー・ソングを、羽生君に振り付けるというのも、そろそろあってもいいんじゃないかと、密かに期待しています。

 (7)コストナー「You Raise Me Up」

 幕張では、宮本笑里さんの横で寝そべっている所から演技が始まりましたが、金沢では寝そべりをやめて、ステージのへりに腰を掛けるスタイルになっていましたね。

 このようなマイナーチェンジはあったものの、この二人のコラボは幕張から相性バツグンだったので、これは神戸・静岡も誰と組むかによりますが、彼女のプロフェッショナリズムからすると、初日から素晴らしい演技を期待できそうです。

 (8)ジョニー「THE SWAN」

 このジョニーのスワンも宮本さんとのコラボですが、コストナーの後のジョニーという流れに、周りのお客さんの歓声の後押しもあるんですが、現地にいて、なんて贅沢な時間を過ごしているのだろう!と、しみじみ感激していました。

 ジョニーに関しては、もうひとつの方が会場のヴォルテージが上がりまくりだったんですが、それは明日の記事で触れましょう。こちらのコラボも素晴らしかったですよ。


 (9)カペラノ「Weapon of Choice」

 個人的に、前半部分でのマイ・フェイヴァリットです。ツイの通り、幕張とは別のプログラムで、テレ朝チャンネルの実況によれば、FaOIのために作ったプロとのこと。

 アイスダンスは男性と女性のシンクロ具合が採点に直結する種目なんだけど、衣装は男性は男性風、女性は女性風と、そこははっきり決められていますよね。

 この二人は「チャップリン」もそうでしたが、そこにとらわれないところが、すでにトレードマークになっています。鏡越しなので、二人の動作は反対の手足を使ったものなんですが、実にうまく演じていました。もちろん、皆さんお察しの通り、このストーリーは、ラノッテが「夢を見ていた」ということでオチがつきます。

 それにしても、このカップルはアイデアの宝庫ですよ。プログラムの引き出しが多いだけでなく、何をやってもひと味違うスパイスが入っている。例の林先生の番組で、ピアニストの松田華音さんが美術館の絵画をずっと凝視して「表現力を鍛える」様子が紹介されていましたが、おそらくこの二人も、日頃から様々な文化・芸能作品にアンテナを広げて、勉強をしているはず。

 オリンピックのメダルには惜しくもあと一歩届かないカップルですけど、お客さんを楽しませるということで言えば、間違いなく世界No.1のアイスダンスカップルだと思いますね。

 (10)ハビ「Prometo」

 BS朝日の放送ではカットされていたプログラム。去年のパイレーツとは違うし、もちろん後半の「ラ・マンチャの男」とも違う、スローなナンバーに「大人な感じのハビ」が似合っています。

 正直言うと、陽気でやんちゃなハビというのが、自分の中で出来上がったイメージなので、いまいちピンとこなくもないのです。ただ、プロスケーターとして将来活躍するために、芸風を広げておくのは大事。彼も全公演出演ですから、これから観に行かれる方は、ぜひ予習をしっかりして、曲の感じを掴んでおくと、ハビの演技の細部まで注目できるのではないでしょうか。

 (11)鈴木さん「Sparkle」

 こちらも、BS朝日の放送ではカットされていました。この鈴木さんの演技と、続く安藤さんの演技で特に感心したのは、しっかりショートサイドまでカバーしてくれる所です。

 私がショートサイドにいたから強く感じたことなんですが、なかなか、ショートサイドの観客に向けてポージングしてくれるスケーターって、いなかったんですよね。なるべく会場のすべてのお客さんに楽しんでもらう、そういう配慮のあるスケーターはプロだな・・・と痛感しました。

 (12)安藤さん「ロンド」

 もちろん会場では分からなかったですが、テレ朝チャンネルの放送を見ると、背中に肌色のテープを貼っていましたね。背中を痛めているのでしょうか。

 幕張2日目の映像と比べてみると、幕張ではテーピングは無く、金沢のこの日はジャンプ構成も2A二本に留めていたので、万全のコンディションではないようです。

 このコラボプロの面白さは、会場で気づいたんですが、May J.さんの歌が始まる前に、2Aを一本跳んでいる所なんですよね。これに関連して、今回、「スタートの入り方」で面白い工夫をするスケーターを他にも見かけました。この点については、明日以降の記事で触れたいと思います。

 では、また明日!

 Jun

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