FaOI金沢3日目レビューの続きです。BS朝日のテレビ放送(幕張2日目)のレビューはこちら(その1その2)。金沢公演での現地会場の様子は「こちら」。幕張初日のセットリストは「こちら」で。

 (13)プルさん「Tango Amore」

 現地からのツイの通り、第一部で一番盛り上がったのが、プルさんのタンゴ・アモーレでした。なぜかと言うと、それはもう、会場のお客さんはご存じの感じで、最前列のお客さんと「何か」が起こるんじゃないか?という期待感ですよね。

 結局、今回は特にサプライズは無かったですが、CWWとはまた違った「遊び心」をFaOIのファンに見せてくれる所が、やっぱりプルさんのエンターテイナーたるゆえんだなと。

 ただ、一方で、ジャンプを着氷した時の「ドスッ!」っという音が、プルさんの場合はひときわ大きく聞こえてくる印象です。そりゃ、身体にダメージが蓄積されていくだろうな・・・と、そこは本当にいつも心配ですね。

 (14)メドちゃん「Experience」

 「3回転・3回転」の2ndトリプルで珍しく転倒がありました。めったに転ばない彼女のこのような姿を見ると、昨年のNHK杯での怪我を抱えながらの転倒が頭に浮かぶので、もしやまた怪我が再発?・・・と嫌な予感も、会場では一瞬しました。

 ただ、その後、怪我の情報は入ってきていませんし、テレ朝チャンネルの映像を見ると、転倒直後に首をかしげていたので、「(身体は大丈夫なのに)なぜこけたんだろう?」という意味だろうと、解釈しました。第二部のコラボプロではいつも通り危なげなくジャンプを降りていましたし、心配無用でしょう。

 (15)ランビ先生「Read All About It」

 BS朝日ではカットされたプログラムです。先週の放送で衝撃を受けた「Slave To The Music」が第二部ということは分かっていたので、第一部の方は見れてないプロだなと。

 まず、面白かったことがあります。蒲田健さんによる紹介アナウンスの後、オレンジの朧げな照明だけが灯されて、女性ヴォーカルによるハスキーな歌が聞こえているのですが、人影がリンクをゆっくり一周しているんですよね。曲はもう始まっているのです。そして、その人影がステージ前に差し掛かった所で、スポットライトが当たって、ランビさんの演技が始まる。とても面白い趣向です。

 アマチュアの大会では、会場は常時明るく、選手がスタートポジションに静止してから、音楽がかかりはじめます。アイスショーの場合も、演技の開始前こそ照明は落ちていますが、スケーターはスタートポジションに留まっているのが一般的。だから、「変わってるなぁ・・・」と感心しました。ちなみに、この日のFaOIで、このようなスタートをした演技は、私の記憶ではランビさんの2本のプロだけです。もちろん、「Slave」のスタートの特徴も現地で見て、初めて確認しました。

 終盤の「これでもかのスピンのたたみかけ」はやはり見どころ。男性でスピナーと言うと、現役では羽生君とジェイソンが浮かびますが、この人が元祖なんだよな・・・と、キレとスピードと正確なポジションを見ながら、しみじみ感じました。


 (16)テサモエ「ムーラン・ルージュ」

 第一部最後の演技です。すでに「通行人」の話はたくさんしたので、まぁ、今日はいいでしょう。素晴らしい演技であったことはもちろんなんですが、ショーバージョンの序盤は赤暗い感じの照明がちょっと残念で、明るい照明の下で、最初から最後までこのプロを見たかったなと。でも、だったら、NHK杯やGPファイナル、五輪のチケットを取れって話なんですけどね。

 カッペちゃんと比べると、テッサって、上から見てると、言葉は悪いけど大柄でゴツいのがはっきり分かるんですが、にも関わらず、軽々とリフトを決めるスコットのパワーも凄い。

 アイスダンスではないですが、ペアのスイ・ハン組のコーチが「ペアスケーターの男子はパワーが大事」と力説していたのをWFSのインタで読んだことがありますが、アイスダンスもパワーは絶対に必要。日本もクリスの後継者が育ってほしい・・・。

 (17)バルデさん&アンサンブル「This is Me」

 第一部終了後のインターバルで、ミーシャ&メドちゃんによる製氷車からの「バズーカパフォ」を挟んで、第二部の一発目の演技へ。こちらは、BS朝日ではカットされていました。

 もはやバルデさんは、アンサンブルスケーターを率いるキャプテンというか、このFaOIの時だけ一緒に練習しているとは思えない一体感が出ています。

 ただ、今年は衣装について一言いいたい。去年はあの赤のコスチュームがかっこよく決まっていて、一方、今年は白。バルデさんは自分のプログラムでも白を着ていたので、もうひと工夫欲しかったなと、この点だけは残念です。

 (18)安藤さん「You Must Love Me」

 安藤さんの幕張公演でのこの枠は「FEEL IT STILL」だったんですが、BS朝日ではカットされていて見られず。そして、金沢では変更されたので、「FEEL IT STILL」は7月のテレ朝チャンネルの放送待ちということですね。

 コンディションは万全ではないのに、よくやってくれています。そして、身体の状態とジャンプの構成をうまくすり合わせることで、会場で見ている分には(テーピングのことなんて知る由もないので)、特に問題なく演じきっていたように思います。その辺りの調整能力は、さすがプロだと思います。神戸まで2週間空きますから、ぜひしっかり休んでもらいたいです。

 (19)ジェフ「For Forever」

 CWW、幕張、そして金沢と、どんどん良くなっていますね。CWW初日で見た時は、なんと難しいリズムの曲なんだ!と感じていて、つまり、彼の技術をもってしても、たいへんな曲という印象だったのです。

 ところが、もはやそういう印象は無くなって、「これはジェフのもの!」というイメージが完全に私の中で固まった感があります。若手に振付を作るだけじゃない、日々進化しつづける世界のトッププロスケーターでもあると改めて感じました。

 (20)織田君「ユメノツヅキ」

 BS朝日で、織田君のプロはこのCHEMISTRYとのコラボのみ放送されていて、タケノコ3Loをあまりに華麗に決めるので、度肝を抜かれた方もいらっしゃったんじゃないかと。

 正直言うと、「この難しいジャンプ、そう毎回毎回というわけには・・・」と思っていたら、やってくれましたよ、金沢最終日でも!

 私の近くに織田君のファンもいて、このジャンプが決まった瞬間なんかは、「キャゃゃゃあああ
!」と大騒ぎしていましたが、その方だけでなく、会場内が揺れていましたね。クワドじゃないのに、ここまでどよめきが起こるのは、羽生君の3Aとこの織田君の3Loぐらいじゃないかと。いやぁ、いい思い出になりました。

 (21)カペラノ「My Gift to You」

 BS朝日ではカットされていました。この二人のカップルは、威厳とか風格とか、失礼ながらそういうものとは無縁のスケーターなのに、なんでもオールマイティにできるんだよねと、感心しきりでした。

 顔もキャラも濃すぎるラノッテさんと、かわいらしいカッペちゃんが揃って、なんかもう、立っているだけで何か面白いことが起こる、そんな空気をまとっているのです。スケーターぽくない所が、この二人の最大の武器と言えるかもしれません。

 CHEMISTY・宮本笑里さんとの相性も、当たり前のようにバッチリ。後半の山場を作ってくれた名プロでした。


 (22)ジョニー「CREEP」

 CWWによって、このプログラムの素晴らしさがさらに認知されたとはいえ、幕張でのジョニーのこの枠はビヨンセでしたから(BS朝日ではカット)、まさか金沢からCREEPを投入するとは思っていませんでした。

 ツイの通り、あの独特な衣装の人影が見えて、場内大興奮でした。トップスケーターがこれだけ集まったFaOIですけど、ひとつのプログラムに対して、会場全体でワクワク感を持って迎えるというシチュエーションは、そんなに多くはなかったですよ。



  ただ、オリジナルのRadioheadのバージョンだったら、(少なくとも私にとっては)ここまで印象的なプログラムになっていなかったはず。原曲は原曲で、まだ悟りきれない男子のティーンエイジャーの、どこに向けていいか分からない衝動を実にうまく表現しています。私の学生の頃を思い返すと、どこのどの子が好きだ、みたいな話をしながら、みんなで酔っ払って聴く、そういう曲だったんですよね。



 そう考えると、Kimberly Nicholeのこのバージョンをジョニーが自身のプログラムに選んだのは正しい。かりに、Radioheadの原曲をそのままカバーするなら、ミーシャがやるべき。半分冗談ですが、彼なら「モテない男の葛藤」のようなものを、うまく表現してくれると思うんですよね(笑)。

 (23)鈴木さん「風の神の歌」

 楽曲の面白さや、衣装とライティングの「緑」のインパクトについて、すでにBS朝日の放送をレビューした際に指摘しましたが、いやいや、現地で見たらその照明が凄いのなんのって!

 同じスタッフがやってるとは思えない・・・と言っては失礼ですが、他のスケーターのプログラムと比べて、2倍以上の仕事量を注ぎ込んでませんか?と。

 小刻みなレーザー光線攻撃から始まって、その後の曲展開に沿って、ライティングのバリエーションが豊富です。あっこさんは全会場参加ですから、後半戦の現地組は、ぜひ目玉の一つとして心の準備をしておいてください。ハードルを上げまくっても、その豪華さにビックリすると思います。

 カペラノ・ジョニー・あっこさんの、中盤の目玉プロ3連発で、感想「その2」はいったん締めようと思います。残りは明日の記事で。

 では、また明日!

 Jun

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