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 FaOI金沢(3日目)の感想記事の最終回です。前の記事はこちら(その1その2)。現地会場の様子については「こちら」。幕張(2日目)のテレビ放送の感想はこちら(その1その2)。幕張初日のセットリストは「こちら」で。

 (24)ハビ「ラ・マンチャの男」

 4Tをバッチリ決めてくれました。彼もジャンプの調子がどんどん上がってきています。この曲を聴いて、そしてハビの演技を見ると、平昌五輪の感動を思い出しますよね。

 それプラス、私は上から見ていて、ブライアンがリンクの脇で見ているような、そんな錯覚をしました。もちろん、4Tを決めた瞬間は、ガッツポーズでジャンプしていると。

 そうなると、今後、羽生君のバラ1かSEIMEIをショーバージョンで見る機会があれば、ブライアン&ブリアンの幻影を無意識に探してしまうかもしれません。


 (25)メドちゃん「Memory」

 BS朝日(幕張2日目)の放送ではカットされていたので、実は、密かに期待していたんですが、やはり「Experience」よりもこちらのコラボプロの方が断然よかったです。「Experience」を聴いていると、言っちゃアレですが、エテリ組の面々が透けて見えてくるわけです。

 彼女の「新たな一歩」を見るという意味では、やはりこのコラボプロは要注目です。そして、ツイでも書いたように、May J.さんの歌声にメドちゃんが身体を委ねるようなシンプルな振付で、つまり「急造プロ」なんですが、だからこそ彼女の基礎技術の高さがはっきり分かるんですよね。

 しかし、ウィルソンが彼女の振付を担当したら、どんなものが出来上がるのか、ワクワクしてきます。例えば、昨年彼が三原舞依ちゃんに「ガブリエルのオーボエ」を振り付けて、彼女の魅力を存分に引き出してくれました。いま、トロントに坂本花織ちゃんと中野コーチがいて、ウィルソンとプログラムを作っています。こちらも気になる所ですが、メドちゃんも長野のショーが終わったら、トロントでウィルソンと新プロに取り掛かるのでしょう。

 気品ただよう、ポジティブで開放感のある選曲と振付というのが、ウィルソンのプログラムの特徴だと思っています。良く言えば、伝統的で王道。悪く言えば、ちょっと古い。羽生君は、彼自身が選曲に意欲的でしたから、より先進的な感覚を持ったシェイリーンと仕事をすることになりました。メドちゃんも将来的にシェイリーンやジェフと組むことは大いにありそうですけど、まぁ、これまでが暗い曲ばっかりだったわけで、まずはウィルソンが「王道プロ」で彼女を輝かせてほしいものです。

 そうそう。このコラボプロでは衣装が変わってますよね。肌色系というかあずきバー系というか、なかなかこの色は日本人で着こなすのは難しいかもしれません。演技後に、メドちゃんは、May J.さんと宮本さんとのハグだけでなく、ピアノの武部監督やギターの福原さんにも近寄っていって、握手とおじぎを求めていました。気づかいの人ですね。


 (26)ミーシャ「You Go Your Way」

 こちらもBS朝日ではカットされたCHEMISTRYとのコラボプログラム。まず、ミーシャのファンから怒られるかもしれないけど、上から見ていて、楽曲と彼の振付のハマり方にニヤニヤしちゃっていました。

 歌詞をネットで検索するまでもなく、一度でも聴けば誰でもその意味が分かる、別れの曲ですよね。CHEMISTRYの歌声や曲調は爽やかだけど、歌詞自体は「切り替えられない男」の女々しさに満ちている。

 ミーシャは、この曲の「爽やかさ」をキレのあるジャンプとスケーティングで表現しつつ、そこに「粘着系の振付」(最大級の褒め言葉)で、前を向きたくても向けない男の心情も見せてくれる。かなりハイレベルなことをやっていて、凄すぎて笑うしかない・・・というのが、現地で見ていての正直な感想でした。

 (27)チェスナ夫妻「FANATICO」

 こちらもBS朝日ではカットされていました。お馴染みのエアリアルの夫妻ですが、会場から悲鳴が上がる瞬間というのは、もちろん命綱を装着しているんですけど、奥さんのエカテリーナが空中から落下する瞬間ですよね。

 もうひとつは、首にロープを装着して、空中で何回転もするパフォーマンス。ご主人の支えがあっての動きですけど、よくよくテレビで見てみると、奥さんの方にヤバい動きが集中していますよね。エカテリーナはけっこうガッシリしているので、じゃなければ、あのヤバい動きには耐えられないということなのでしょう。

 (28)ランビ先生「Slave To The Music」

 このプログラムについては、金沢に来る前に、すでにそのかっこよさをブログで語り尽くしてしまった感もあるんですが、現地で見てみると、また色々と発見がありました。

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 スタートの入り方とは別に、もう一つの発見は、テレビでは分かりにくいですが、中盤のスピンが、ステージ向かって左の隅っこの所で行われていたんですよね。私の位置はショートサイドの右隅なので、つまり、ちょうど対角線上の一番遠い場所なので、「なぜあんなところで?」と強く印象に残ったわけです。最後のスピンはリンク中央で存分に披露していたので、スタートの件も含めて、細部に渡って工夫しているんだなぁと。

 こういうマニアックな部分の拘りに気づくと、そりゃ、羽生君がもともとCWWのために声を掛けていたのも納得です。いやぁ、CWWでも見たかったですね。

 (29)コストナー「Back To Black」

 こちらはBS朝日未放送のプログラム。このプログラムのブルーの衣装は、太ももを大胆に見せたデザインですが、上から見ていても印象的だったんですけど、コストナーはけっこう下半身の筋肉がしっかりついているんですよね。

 身長の高さやスタイルの良さが注目されがちですが、この感じだと、しっかり食べて、フィジカル系のトレーニングも相当積んでいるように見えます。テレ朝チャンネルの放送の中で、現役続行の話が触れられていましたが、彼女のように長く競技を続ける上で、頑丈な身体作りというのは、一つの有力な答えかもしれませんね。

 曲自体は、本田真凜ちゃんがエキシビ用に演じそうなコケティッシュな雰囲気ですが、それを彼女のようなベテランが演じきってしまう所に、芸風広いなぁ・・・と感心しました。

 (30)プルさん「ニジンスキーに捧ぐ」

 ニジンスキーは、CWWの現地観戦やテレビ放送も含めると、けっこうな数を見てきていますが、シリアスな演技のプルさんと、演技後のおちゃめ&ドヤるプルさんとのギャップが楽しいですよね。

 ショートサイドのカメラ前まで来てくれての投げキッスや、両ロングサイドへの「聞こえないよ?」のしぐさなど、テレビで見直してみても、会場での興奮が蘇ります。

 世界的実績の、誰もが認めるフィギュアスケート界の「皇帝」ですけど、ファンを楽しませることをぜったいに忘れない。プロの中のプロ。羽生君はこのツアーで、プロスケーターとしてのプルさんの背中を見て、今まで以上にたくさんのものを吸収しているんだろうなと思います。

 (31)テサモエ「I Dream a Dream」

 BS朝日では未収録のコラボプロ。実を言うと、こちらはテレ朝チャンネルの放送を見て、「新たな発見」がありました。それは、テッサとスコットの表情が柔らかくて、リラックスしていることなんですよね。

 競技プロだと、この二人は、スタートポジションに着く前から、完全に「キャラクターに入り込んで」いて、凄みというか怖さというか、それでいていつもパーフェクトな演技ですから、「完璧主義者」とか「氷上の鬼」とか、どうも私の中ではそういうイメージが定着していたのです。

 以前も書きましたが、「ムーラン・ルージュ」はスポーツというより総合芸術といっていい完成度で、見ている側からすると、「どこか遠い世界の出来事」のような距離感がある。だからこそ、May J.さんと宮本さんとのコラボは、観客と近い演技だなぁと、この対照的な二つのプロを見られるのは貴重ですね。

 後半戦はコラボがどうなるのでしょうね。「ムーラン」も変えてくるのでしょうか?放送が楽しみです。

 (32)ゆづ「Wings of Words」

 出演スケーターの皆さんが、ショートサイドまでカバーしてくれるわけではないので、「でも、しょうがないか・・・」と自分自身を納得させようとしていたら、この「Wings of Words」のジャンプは二本とも目の前だったので、感激しました。

 着氷こそ乱れた3Aも、生で見ていて、私は思わず、

  「たっかぁ!」

 と、声が出ちゃいました。よく、「(羽生選手のジャンプは)高さ、幅ともにありますね」とテレビの解説者は言いますけど、私のいた2階席から見ても、他のスケーターのジャンプとは比較にならない高さなので、1階で見たらもっと迫力があると思いますね。

 テレ朝チャンネルでは「ひとりじゃないと」の所で、しっかり表情を抜いていましたね。BS朝日は真横から、他の地上波の情報番組では背中からでしたから、みなさんも大満足だったんじゃないでしょうか。

 (33)フィナーレ「Let It Go~星に願いを」

 ジャンプ合戦では、羽生君は、織田君とのside by side(SBS)で3A、それから4Tも決めて、いい感じで金沢を締めくくれて何よりでした。

 現地では分からなかったですが、テレ朝チャンネルの方を見てみると、顔が紅潮しているというか、いつも以上に疲れている感じで、「もしかして、熱でも出してた?」と心配になりました。

 ただ、インタビューではスッキリした表情でしたし、それより何より、新シーズンはバチバチにやる気になってる感じで、「五輪前よりもレベルアップしたい!」と力強く断言していました。リハビリは順調に進んでいるようです。

 以上で、金沢最終日の振り返りはおしまいです。かなりの大作になり、読者の皆さまも読むだけで疲弊されたのではないでしょうか。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 明日からは、雑誌レビューや新ルールの分析等、日常生活に戻りたいと思います。
 
 では、また明日!

 Jun

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