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 2016年7月5日発行。私が購入したのは7月1日でした。前作がいわゆるフォトエッセイ的な作りで、つまり「あくまでも写真がメインで、文章はスープとか前菜とかデザート」的だったのに対し、今回は写真と文章が対等のバランス、いや、写真が能登直さんじゃない分、むしろ読ませる比重が上がった内容になっています。「蒼い炎」という名を共に冠しながらも、基本的には別物と考えた方がいいです。



 とはいえ、例えば『王者のメソッド』と比べると、サイズとレイアウトの効果もありますが、かなり読みやすいので、『メソッド』を未読の方、また中断している方は、こちらを先に読んでから、トライしてみると良いかもしれません。



 本書は、羽生君のインタビューを時系列的に再構成したものです。時期的には、2012年のニースのワールドから、2016年のボストンのワールドまでの期間が扱われています。

 インタビューの雰囲気は、例えば、「Cutting Edge」と比べると、明らかに硬め。トロントでの日常やマイブームなどの軽い趣味的な話はほぼ皆無。日本に帰国して被災地を訪れた部分以外は、ほぼ、各大会での自身の演技に関する妥協なき自己分析と自己反省が中心で、この「孤独な闘い」の一端を、羽生君が大いに語ってくれています。

 もちろん孤独とはいっても、例えば数学者のアンドリュー・ワイルズのように自宅の屋根裏部屋に7年間引きこもってフェルマーの最終定理に取り組んだような、あーいうのとは違って、トロントにはお母さんもいて、チーム・ブライアンの面々のサポートを受け、スケ連関係者その他、多くの人びとが彼に関わっています。

 ただ、2014年の中国杯の衝突以降、お腹の病気の治療もあって、長期に渡ってトロントでのブライアンの指導を受けられない厳しい時期に、このような「孤独な自問自答」が生きているのかなと感じました。

 中国杯のあの頭に包帯をグルグル巻きにして演技を続行した姿が日本でも色々と騒がれましたけど、本書を読むと、むしろ、お腹の病気の方が深刻で、読んでいる私までお腹がキリキリくるような錯覚を覚えました。よくぞ試合をキャンセルせずに出てくれたなぁと思います。

 話は前後しますが、2013年カナダのワールドも相当な修羅場だったことが本書で明かされています。両足を負傷して痛み止めを打ちながらも強行出場。なぜなら、この大会の獲得ポイントによって、ソチの代表の枠が決まってしまうから。自分だけの問題じゃなく、国に迷惑がかかってしまう・・・と。SP終わって9位。FSをなんとか踏ん張って4位!結果、羽生君4位、大ちゃん6位、無良君8位で、なんとか3枠を確保。

 羽生君の個人成績的にはあまり注目されていない大会ですけど、ここで大きな責任を果たせた経験と自信が、2014年の中国杯以降の超人的な頑張りを支えたのかなと思います。

 また、2015年のスケートカナダで負けた後、むしろプログラムの難易度を上げて、「血のにじむような練習」の末、300点超えを連発したことは、記憶に新しいですよね。でも、内容ボロボロ・調子最悪な中、ブライアンの反対を押し切ってまで、なぜそんなチャレンジができたのか。これは私のブログでも一時期テーマにしていましたが、そっか!と思ったことがあります。

 それは、羽生君にとって、何よりも辛いことは、スケートができないこと。練習ができないことなんだと。だから、これまでの様々な故障やアクシデント、特に2014年秋以降は壮絶ですが、 そんな苦難に直面しても、

 身体は動けるんだから、徹底的にやってやる!

 落ち込んでなんていられない!もっともっと追い込んでやる!

 そういうぶっ飛んだ発想になれたのかなと、本書で羽生君が語る「怪我の歴史」を一気読みして、そう感じました。

 毎日羽生君の発言を様々な雑誌で読んでいて、トロントに渡る前の発言も、最近のジュエルズやライフのインタも含めて、そこには常に「自己分析と自己反省」があって、ぶっちゃけますけど、

 また同じようなこと言ってるじゃん!

 と、思うこともあるんです。でも、これってアスリートとして理想的ですよね。誰とは言いませんけど、「マネージメントに興味がある」とか「ビジネスに興味がある」とか言いはじめた方々は、ほぼ例外なく選手としてのピークが過ぎているわけで・・・。

 現状に満足せず、俺はもっとやれる!と、自問自答と挑戦をつづける。まだまだとんがっている羽生君を現在進行形で応援できているのは幸せだなと思います。

 あと2点だけ。アイスショーでの、ステファン・ランビエル、ジョニー・ウィアー、ジェフリー・バトル、3人のスタイルの違いに羽生君が言及している部分は面白かったです。曰く、曲を作り出すステファン、曲を盛り立てるジョニー、曲にピタっと揃うジェフ。じゃ、羽生君自身はどう考えているのか?彼が3人のアプローチに対する自分なりの答えをすでに用意していることには感心しました。何と言ってるかは、本書を実際に手にとって確認してみてください。

 最後に、本書のクライマックスもクライマックスという部分で、おっ!と、思わず身を乗り出してしまった発言があります。

  「まだあと4年くらいは僕も技術的に進歩できる」

 正確な時期がクレジットされていないので、あくまでも私の想像ですが、おそらくこれは、2016年4月のワールド後に行われたインタでの一節だと思われます。ということは、2018年2月の平昌後も当然現役を続行し、2022年2月の北京まで頑張ってくれるはず!と期待してしまいます。

 実は、日曜のドクターXスペシャルを見た後に、本書を読み始めたんですが、そういえば、氷室光二郎の年齢が27歳と設定されていて、そこは記事でも触れましたが、個人的に引っかかっていた部分です。

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 記事の中では「テレ朝から羽生君へのエール?」なんてトロいことを書きましたけど、何よりも羽生君本人がこのように意欲と自信を見せてくれてるんで、北京の時の羽生君も27歳だし・・・。これはあるんじゃないの?という気がしています。

 では、また明日!

 Jun

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