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 2016年9月28日発売。まず、この「フィギュアスケートマガジン」がどういう雑誌かについては、昨日の記事で簡単に触れましたので、ご参照ください。これまでバックナンバーを2冊レビューしています。

 表紙にある「Take Me Away」とは、おそらく5ページの「今季、彼は私たちをどこまで連れて行ってくれるのだろう。」から取られていて、再び前人未踏の新記録で驚かせてくれ!という期待感が込められていると、私は解釈しました。ちなみに、両面ポスターが2枚封入。4面のうち2面(表紙のVネックとANAジャージ)が羽生君です。

 本誌については2回に分けてレビューします。今日は羽生君関連のみ。明日はそれ以外の記事から気になったものをピックアップします。

 いつものように、新刊雑誌の中身の画像はご勘弁を。ネタバレは困る!という方は、以下、買ってからお読みいただくことをオススメします。

 ※「スペシャルインタビュー」
 9月13日のトロントでの2度の囲み会見と、翌14日の個別取材の、計3部構成です。今回、全社に個別取材の時間が設けられたため、個別の方は短いです。とはいえ、囲み会見がかなりのボリュームで、しかも、この雑誌のスタンスは基本的にノーカット収録のはずなので、むしろ、これから他誌を購入する際、個別取材で羽生君に何を訊いているか?がポイントになると思います。

 「3つの会見」の中で、個人的に、おっ!という発見だったのは、次の2つ。

  「昨シーズンの反省点・課題は、練習のし過ぎであったり、練習への取り組み方であったり、そういうものに関して、すごく考えたので、そういう意味では大きなケガをしたことによっての考えができたと思います。」

  「日本にいると、自分がどういう状況にいて、自分がどういう存在なのかというのを、自分で考えるんじゃなく周りからなすりつけられる感じになるというか。『あなたはこうでしょ』と決められている感じになっちゃっている」

 怪我が癒えた後、練習不足を補うためのオーバーワークでまた怪我というパターンが、羽生君にはけっこう多いんですよね。ただ、今回の長期療養を機に、この点もしっかり「反省」した様子。危惧していた点だったので、ひとまずは安堵です。

 もし怪我の治療を日本でやっていたとしたら・・・と思うと、ゾッとします。やれテレビだ、やれCMだ、挨拶だけでもショーに来てくれとか、実際は「歩行を禁止される」ほどなのに、そんな事情はお構いなしに引っ切り無しにお仕事の依頼は来ていたでしょうね。人のいい羽生君だからなかなか断れないかも・・・。物理的にそういうものを遮断できたのは正解だったと思います。

 ※「COACH'S VOICE」
 ブライアン、トレーシー、ジェフの3人からコメントを取っています。それにしても、この2ページはさらに文字が小さくて、岩波文庫の「注」並みのサイズです。それが文庫本ならまだしも、雑誌サイズの見開きに詰め込むなんて、前代未聞ですね(笑)。気になった発言を拾っておきます。

 (1)ブライアン
 ・世界選手権にピークを迎えるようにしたい。昨シーズンは3か月早かった。

 ・世界選手権は少しだけ集中しすぎたようです。彼は割と簡単に集中力を失ってしまいます。結果として、力が体全体に効率的に伝わらなくなります。

 ・ボストンではいくつかのディストラクション(阻害要因)に彼が捉われてしまった。彼のサポートチームとも話して、シーズン全体を通して、こうした状況に巻き込まれないよう周りが注意していこう、と

 ・4回転ルッツやフリップは、彼やハビエルには必要がないと言える。だけど・・・(本人がやりたがっているので、受け入れている)。

 ・4回転を毎日練習する必要はない。ハビエルに『今日は4回転を練習しなくていいよ』というと、彼はとても喜びます。ユヅは毎日、すべてをやりきることが大事だと考えていて、とても厳しい練習を自分に課します。だから、彼がペース配分を理解することは大事で、それを彼も理解し始めています。

 →「集中しすぎると集中力を失ってしまう」とは、一見すると哲学的な物言いに見えて、でも羽生君の実際の演技を見たブライアンが、紛れもない「現実」をそう評しているわけですね。ワールドでの失敗の原因とその改善策をチーム全体に落とし込もうという姿勢は、さすがブライアンだなと思います。「4回転の練習をしなくていいと聞くと、ハビはとても喜ぶ」というくだりは、声を上げて笑ってしまいました。

 (2)トレーシー
 ・フリーレッグが、私が重点的に考えている項目です。彼の足が氷を離れて空中にある時も、それは一連の動きとしてつながっています。そのことを彼も理解しています。

 ・彼との練習において、いつも念頭に置いているのは、氷上に置かれたスケート靴のブレードと背中(背筋)のコネクション、そして背中がブレードとどのようにつながっているか。そこを常に彼に確認するようにしています。

 →こういうものを訓練されているから、羽生君は、他の選手と比べて、無理・無駄な動きが無いんですよね。今日買ってきた「Life vol.7」の濱田美栄先生のインタビューでも「フリーレッグ」について触れられていました。そちらはまた後日。



 (3)ジェフ
 ・ユヅは、方向性として全く違うものに取り組んでみたいということでした。それには、私も完全に同意しています。

 ・曲のリサーチを始め、プリンスが死去したニュースに触れたこともあり、もう一度彼のアルバムを聴き直していくうちに『レッツ・ゴー・クレイジー』を見つけたんです。

 ・彼もプロセスに深く関わるようになり、それは大変うれしいことです。言ってみれば、互いにコラボレーションしていると表現できるでしょうか。結果として、プロセス全体を楽しむことができています。

 ・今回のSPのプログラムは、私の解釈ではセレブレーション(祝い)です。みんなが集まり、お祝いをする。パーティーをして喜ぶ。・・・ユヅはロック・スターです。みんなが忘れている感動を呼び戻すことができると思っています。

 →やはり、死去のニュースの後にプリンスを選んだわけですね。振付のプロセスに羽生君も関わっていることも、ここ最近の傾向をやはり踏襲。

 関連性があるので、ここで触れておきますが、この記事とは別の、「日本フィギュア、2016-2017シーズンを占う」の中で、こんな記述があります。

  「昨季まで2シーズン続けて滑ってきたSP、ショパン『バラード第1番』は、ピアノのみの繊細な音楽。そこから雰囲気をガラリと変えた理由をANAの城田憲子監督は『表現の幅を広げるため』と『どちらがいいか分かるから』と説明する。『どちらがいいか』とは、翌シーズン、つまり平昌五輪でどんな曲で勝負するかということだ。この明るく、テンポの速い曲でシーズンを通してみて、ジャッジからどんな評価を得られるのか。もし、結果が芳しくないようなら、静かで繊細な曲へと戻る。結果が出れば、この路線を継続する。さらには、前のシーズンで使用したSP『パリの散歩道』を継続したソチ五輪と同様、今季のSPを来季継続する可能性もゼロではない。連覇を目指す五輪へ。このSPが試金石となる。」

 引用長くてすみません。ただ、なるほど!と納得したのは、ジェフに対しての、羽生君からの「方向性の違うものに取り組みたい」というオーダーに、城田さんのアドバイスが入っているのかもな、ということです。逆にブライアンは、選曲の方向性自体にはさほどタッチしていない印象を受けました。実際はどうなんでしょうね?他の雑誌で明らかにされることを期待します。

 ・「尽きせぬ思い。羽生結弦とエッジシャープナー・吉田年伸」
 この記事については、ノーコメントで。はやくもネット上で話題になっていますけど、立ち読みでもいいので、この記事だけでも書店で読まれることをオススメします。

 一点だけ。羽生君がトロントに渡った理由・経緯について、この取材記事を読んで、私はこれまでのぼんやりとした推測が確信に近いものに変わりました。もしかしたら、未来永劫、関係者から語られないかもしれませんので、現状、この記事が決定版かもしれませんね。

 では、また明日!

 Jun

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