On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

カテゴリ:羽生結弦選手 > 雑談

yuzu1

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 高山さん推奨の旧ロミジュリは、もちろん2012年のニースワールド。こちらはフジの放送で、本田武史さんと西岡アナですね。フジで放送があったことについて、本書で言及されています。

  「この年、シニアの世界選手権に初めて出場した羽生。フジテレビが夜9時台から試合を中継していましたので、『この大会で初めて羽生結弦の演技を見た』という方もかなりいらっしゃるのでは、と思います

  「(第2章で)私は『表現には、“物語世界を演じ、その物語の登場人物になりきってしまうようなプログラム”と“音楽そのものになりきってしまうようなプログラム”のふたつがある』と書きました。この章で取り上げている、2009~2010年シーズンからの演技の中で、羽生が明確に『登場人物』を演じた初めてのものが、『ロミオ+ジュリエット』だと思います

 (1)4T(+2.43)

  「最初の2~3漕ぎで、前シーズンまでとは比較にならないほどのスピードが出ている。そのスピードの中で跳ぶ、4回転トウの大きさ、高さ。そして、着氷後にもまったく落ちないスピードと見事なバックアウトエッジのフロー」

 →→その2~3漕ぎのスケーティングに入る前、最初の動き出しからして速いですよね。気合いが入っているのか、コンディションが良いのか、素人目には何と言えませんが、動き出しの違いがまず印象的。これでジャンプをミスるわけがないという、自信に満ちたスタートです。

 (2)3A(+2.14)

  「時計回りのターンも、よりシャープに、そして軸が確かになっている。そこから、『右足を先に前に出し、両足のエッジをつけた状態にする。そこから、どちらの足も氷をとらえたまま、バランスを変えていきアウトサイドのイーグルへ』というムーヴを見せ、ただちにトリプルアクセルへ」

  「私は、この非常に個性的な入り方、エッジのさばき方でおこなうイーグルを見た時点で、『これは面白い!』とは思いましたが、そこからまさかトリプルアクセルにつなげてくるとは思いもしませんでした

  「この冒頭のふたつのジャンプで、私は『何かとんでもないことが起こりつつある』と、ますます画面に釘付けになったのです」

 →→イーグル自体は、たとえばネイサン、あるいは須本君もキレイに滑りますが、CWWのコーナーで無良君も苦労していたように、イーグルからダイレクトで3Aを跳べる選手は、その後、なかなか続いてきませんね。

 (3)3F(+1.20)

  「コネクティングステップから跳んだトリプルフリップが、きちんとバックインサイドエッジで踏み切られていた。私が思わずテレビに向かって拍手をした部分です(冒頭ふたつのジャンプのときは、呆然としてしまって拍手するのも忘れていました)。長年にわたって体にしみついた『踏み切り時のエッジのクセ』を、きちんとゼロにしてから、構築する。それは本当に難しいことのはずです。羽生結弦が『大技』だけに取り組んでいたわけではないことが強く伝わってきました

 →→フリーの3Fのエラーは本当に克服しましたよね。いま、ジュエルズのフォトブック巻末のプロトコル(15-16、16-17)を見てみても、フリップはアテンションすらつかなくなりました。

 (4)FCSSp4(+1.00)

  「トリプルフリップの着氷からただちにおこなう、フライングで入る足替えのシットスピン。第1章(52~53頁)の、2017~2018年シーズンの『SEIMEI』(ロステレ杯)では、トリプルアクセルの着氷からこの動きをしていることを書いていますが、こうして振り返ると、跳ぶジャンプの難度が確実に上がってきているのがわかります

 →→少し補足します。ロステレ杯では4Lzを含む5クワドと2本の3Aで、最後に単発の3Aを跳んだので、直後にこのスピンという流れになりました。平昌五輪では、ルッツ・ループ回避の4クワド構成なので、最終ジャンプは3Lzで、その後にスピンが来ています。

 (5)3A+3T(+1.57)

  「本人もまったく予想していなかっただろう箇所(CiStの終了後)で転倒したせいで、左ひざをかなり強く打ちつけたにもかかわらず、そこからわずかな助走だけで、左足で踏み切るトリプルアクセル、そしてすぐにトリプルトウのコンビネーション。ここで私はテレビに向かって叫んでしまいましたが、会場の観客も気持ちは同じだったようで、聞こえてきた歓声は地鳴りのようでもあり、悲鳴のようでもありました

 →→このロミジュリが「伝説」と呼ばれる理由に、この転倒が生んだ「ドラマ」があったと私は思っています。これと似たケースで真っ先に私の頭に浮かぶのは、奇しくも同じ「フランス」ですが、16年マルセイユGPFの「Let's Go Crazy」ですね。



 あの演技が最高のライブ感を生んでいたのは、冒頭の4Loで「おっとっと!」という着氷で羽生君が苦笑いをした後、「もう、どうにでもなれ!ついてこいよ!」と彼が煽って、あの曲が本来持っている荒々しさがマックスまで増幅されていました。

 「ミスもエネルギーに変えてしまう!」というのは、ニースのロミジュリから始まったのかな・・・という気がします。

 (6)ChSt~FCCoSp

  「体内のエネルギーの最後の一滴まで絞り出すかのような、コレオシークエンスの激しさとパッション。前シーズンよりもはるかに上半身を大きく使い、ドラマティックなものになっていました。そこからさらにトリプルサルコー。よく着氷しました!」

  「最後の足替えのコンビネーションスピンのときは、テレビから伝わる会場の歓声があまりに大きくて、音楽がよく聞こえない状態でした。フィギュアスケートはルールにのっとったスポーツです。よって、この本では私の目に見えた『事実』だけを語っていきたいと思います。なので、こういう主観的な表現は可能な限り控えめにしていますが、この演技は『観客を引きずり込む力』が尋常ではなかったと思いますし、この演技を見た方(あるいはこれから見る方)も同じ感想を持ってくださるのではないかと思います

 →→興味深いのは、ロミジュリがどうしてここまでエネルギーに満ちているか?について、高山さんは、「体の動きや感情の表出の面で制約の多いクラシック音楽、パガニーニやツィゴイネにすでに挑戦していたから」と分析。クラシックバレエよりも、自由なダンスの方が感情表現をしやすいように、フィギュアスケートも選曲による「制約」を受けやすいのだと。羽生君が、若い頃にクラシック音楽で「努力」を積んだことで、キャッチーで華やかな映画音楽のロミジュリで「爆発するようなパッション」を出せたということです。

 さて、CWWのロミジュリと比べてみるとどうか。これは、すでに断片的に書いてきましたが、「上半身の振りの大きさとメリハリ、音をつかむタイミングのドンピシャぶり」が、はっきり見て取れる成長であると、感じました。

 競技プロで言うと4Tを跳んだ直後からの、右こぶしを握って、ドンドンと打ち付けるような振り付け。かつて、水泳の北島康介選手が五輪で金メダルを獲って、水面を何度も打ち付けて喜びを爆発させたことがありましたが、あれを思い出すような、感情の表出。「上下分割動画」でも、よく分かると思います。

 ところで、羽生君の演技とは関係ないですが、上下分割動画の「前半」ではさほど気にならなかったものの、「後半」の動画を見ていると、CWWのカメラアングルがいろいろひどい・・・。

 来年以降は、会場が大きくなる可能性がありますが、カメラ台数を増やして、カメラマンおよびスイッチャーを、しっかり熟練のスタッフで固めてほしいと思います。せっかくの名演がこれではもったいない!

 では、また明日!

 Jun

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yuzu

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 CWWの初日に「ツィゴイネルワイゼン」の再演があったので、いいタイミングですし、高山真さんの著書を調べてみました。

 高山本の中で推奨されていたのが、2011年台北の四大陸選手権。YouTubeでは、Jスポの高画質動画が生きていて、解説は樋口豊さんと思われます。

 CWWの映像は、デイリーで「yuzuru hanyu」で検索をかけるとヒットします。


 また、ブログ読者のjadeさまから、過去の演技とCWWの演技を上下分割映像として作成した動画をご紹介いただきました。ありがとうございます。こちらもご参照ください。

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 羽生君がフリープログラムとしてツィゴイネを演じたのは、シニア1年目の10-11シーズン。15歳でシニアに上がって、シーズン中に16歳になりました。

 (1)4T(+2.00)

  「リラックスした上半身の動きとひざの柔軟性を使い、『力』や『勢い』ではなく『スピード』と『タイミング』で跳ぶ、素晴らしい質のジャンプ。4回転きっちり回りきり、着氷時に、まったく乱れのない素晴らしいフローを描く。すでに『熟練性』すら感じさせる出来栄えでした」

  「この1年前の、バンクーバーオリンピックの男子シングルでは、『4回転ジャンプを入れて挑戦するか。それともトリプルアクセルを最高難度の技にして、プログラム全体の質を目指すか』という議論が起こっていました。ジャンプの失敗は『大きな得点源をごっそり失う』ことを意味しますし、『トリプルアクセルと4回転ジャンプは、たった半回転しか違わないのに、その難しさの差は信じられないほど大きい』という実感も、ほとんどすべてのスケーターに共有されていました。そういった『4回転の壁』を、ジュニアから上がってきたばかりの16歳の選手が、軽々と超えてきたのです

 →→シニアのトレンドとは無関係に高難度ジャンプを追求するという意味で、今季の女子ジュニアのトゥルソワがかぶりますね。CWW初日の子どもからの質問コーナーで、羽生君はサルコウの跳び方を教えていました。ここで跳んでいるのは4Tですが、高山さんが指摘している「スピード」と「タイミング」という特徴は、ジャンプの種類関係なく、やはり「羽生結弦のジャンプ論」の柱になっていると思います。

 (2)3Fe(-0.50)

  「フリップの着氷の瞬間、両手を広げたのが『バランスをとるため』ではなく『音楽との同調性で、さらなるニュアンスを出すため』であることがはっきりわかります」

 →→それでもまだ、この「両手広げ」は多少の「遠慮」を感じます。翌シーズンのロミジュリではより大胆になり、さらに、CWWではドーン!という感じに。こういうメリハリは、3シーズン目のバラ1から特についた気がします。

 (3)1Lz+2T(0.00)

  「レイバックイナバウアーからの流れでトリプルルッツを跳ぶ。ルッツは1回転になりましたが、16歳のスケーターが、この果敢なエントランスにチャレンジすることそのものが素晴らしい

 (4)SlSt3(0.50)

  「ストレートラインステップは、音楽とのシンクロをかなり意識して作ったのがわかる仕上がりに。バイオリンの弾けるような弦の音と細かいエッジワークを合わせるあたりは、非常に小粋でした

 (5)3Lo~CCoSp2

  「ただし、さすがに終盤は疲れが表面に出てきました。その後のトリプルルッツ、トリプルループ、トリプルサルコーは、着氷がやや乱れ、スピンやコレオシークエンスは、音楽との同調に苦しんでいるのが見て取れました。コレオシークエンスは、『フォア・バック』のエッジの切り替えの少ない、わりとシンプルなステップの組み合わせで、右足で『フォア・バック』を切り替えていく部分では、明らかにエッジが走っていなかったり……という部分も見えました」

 CWWで使われていたのは、まず、冒頭から4Tの辺りまで。そこから中間部分を抜いて、チャチャチャチャ・チャチャチャーン!」の所は、フリープログラムでは、単発の3Lzを降りた箇所。そこからラストまでです。プログラムでは、3Lzの後に、3Loと3Sが入りますが、もちろん先日のショーでは跳んでいません。

 動画の中で、解説の樋口先生も、ジャンプは「素晴らしい!」と絶賛しているんですが、後半のコレオの部分は「少し簡単すぎるかも」と指摘していて、「でも、いろいろ要素をこなさなきゃいけないですしね」という感じでした。

 CWWはその「ジャンプ抜きバージョン」だからこそ、スケーティングのスピードと伸び、この違いがはっきり分かります。正直言うと、ツィゴイネのイメージって、いまと比べると、個人的には「動きのチマチマ感」が記憶に残っていたのです。

 でも、その振り付けでアピールする前の段階の、基礎のスケーティングがまるで別人なので、私自身、CWWでツィゴイネから受ける印象はまるで違ったものでした。
これはやっぱり、クリケットに行って、トレーシーに鍛えられた成果でしょうね。

 高山本では「旧ロミジュリ」も解説されているので、明日の記事でも、今日のような感じでCWWと比較しつつ、見ていこうと思います。

 では、また明日!

 Jun

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jason

alena

 やろうやろうと思っていて、できなかった企画をここで!

 羽生君のプログラムは別格すぎるので選考の対象外として、今季のマイ・フェイバリットを男子で一本、女子で一本選ぶとするなら、男子はジェイソンのSP、女子はコストルナヤのSPということになります。



 NHK杯の映像です。冒頭の3Aは、結局シーズン通して決まらなかったのですが、特にスピンで顕著ですが、身体の柔軟性を活かした彼にしかできないプログラム。

 ジャンプ自体は不安定。でも、降りた後の流れが、いわゆる「シームレス」な美しさ。スケーティング一つとっても、複雑でありつつも面白い軌道を描きながら、この難しいリズムを音感バッチリに踊っていく。この曲はさすがに日本男子には無理だろ・・・と言わざるをえません。



 コストルナヤの「アディオス・ノニーノ」は、スコア自体は年明けの試合の方が出ているんですが、私が初めて彼女の演技を見たのが、JGPポーランド大会だったので、やはりこの映像を。個人的に、2017年の最大の衝撃であり、「フィギュアスケートを見てきて良かったな・・・」と素直に思える、素晴らしいクオリティです。

 146cmとはとても思えない、堂々とした演技。ジャンプは2ndトウの方が高いぐらいで、そう考えると、彼女やトゥルソワを見ていると、「身長が低いとジャンプも低くなる(回転も足りなくなる)」論は正しくないというのが、よくわかりますね。

 

 

 フリーの方も、私の好みで、男女一本ずつ選んでみました。もちろん、いずれもミラノワールドの映像です。女子のフリーはやっぱり「スカイフォール」。シェイリーンのかっこよすぎる選曲と振付。それを完璧に表現した新葉ちゃん。それこそ羽生君の「SEIMEI」じゃないですが、北京のシーズンは、このプログラムの再登板があるんじゃないか?と、密かに期待しています。

 男子はかなり悩んだんですが、彼のキャラに合っているということと、今後の活躍も期待して、友野君のフリーを。スケートの楽しさをストレートに伝えることができる選手で、ハビに通じる日本のエンターテイナーと、勝手に認識しています。ということは、今後はコミカルなプログラムも、彼の持ち前の明るさで演じきってくれるような気がします。





 最後に、この二つは「次点」ではなく「番外」ということで。

 キーガンのこのフリーを見るたびに、私はオータムの公式練習を思い出します。今季のオータムといえば、羽生君の一戦目ということもあって、私は、夜中布団に入りながらスマホで公式練習をつけっぱにしていました。肝心のSEIMEIの曲かけを見たかどうか、今となってはその記憶も曖昧なんですが、しかし、その眠気で朦朧としている中、この「キーンコーンカーンコーン」で、バタッ!と目が覚めた記憶ははっきりありますね。そういう、どーでもいい理由で印象に残っています。

 もうひとつは、エテリ組の女子ジュニアの刺客、パネンコワのフリー。セリーヌ・ディオンの歌う「Ne  Me Quitte Pas」といえば、コストナーの今季SPでしたが、プログラムの「破壊力」という意味では、このフリーは凄かったです。ジャンプ全後半ってだけでなく、全てのジャンプに「手上げ」つき。この映像は、JGPポーランド大会で、実はフリーのスコアはコストルナヤを上回っていたのでした。

 来季のルール変更次第で、もうこんな構成は見られないかもしれませんが、間違いなく彼女は、世界トップのタノの名手です。彼女の場合は、2Aには片手上げ、トリプルには両手上げと全てのジャンプに隙間なくつけているので、彼女のおかげで、「片手上げ=タノ」「両手上げ=タケノコ」と、言葉も使い分けなきゃいけないはめに。

 最後口紅を手で拭う所で、たしか1点減点されたことがあったはずです。「ホラー映画」だとか何だとかひどい言われようでしたが、来季おそらく彼女はシニアに上がってくると思われます。どれだけやれるか楽しみです。

 明日は、ようやく我が家にも到着した、長久保豊カメラマンの「平昌フィギュア報道写真集」をご紹介します。

 では、また明日!

 Jun

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cww1

 出演スケーターの情報解禁はもう少し後かなと思っていたんですが、チケットの一般発売に合わせて発表されましたね。

 プルさん、ジェフ、シェイリーン、ジョニー、川口・スミルノフ組、無良君、佐野さん

 川口さんはかつて都築先生の指導を受けています。こちらの記事をどうぞ。

 おそらくこれは第一弾のはずで、誰が追加発表されるのか気になりますね。

 そもそもこのメンバーには現役選手がいません。全員がプロスケーターですね。またこのメンバーの中で、SOI出演中なのはプルさんのみ。例のフライング発表があったので、仕方なく(?)今回名前が載ったのかな?という気もします。

 SOI組で「Continues」に来そうなのは、織田君、ハビ、刑事君ぐらいでしょうか。SOIに出ていないスケーターで、追加で発表されるのは、仙台組か、同期組か。「つながり」ということだと、他にはあまり思い浮かびませんね。

 さて、羽生君が、現地観戦ファン以外にも配慮していたことを「有言実行」するかのように、映画館でのライブビューイングとテレ朝チャンネル2での生放送も決まりました。さっそくテレ朝チャンネル2と契約しましたが、映画館のチケットもすでに先行抽選が始まっているようです。

 気になるトークショーは、稔先生に喋らせたら、彼の大独演会になりそうな予感が・・・。ちゃんとまとめてくれる人が不可欠ですから、やはり織田君の力が必要だし、テレ朝でやることを考えると、修造さんの飛び入り参加もあるのかも。

 こうやって想像している内が楽しいですね。あと一週間ほどで全情報が出揃うことになるんだと思います。

 では、また明日!

 Jun

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yuzu10

 昨日の記事で、キーガンのインタを紹介する中で、2009年のJGPトルン杯の羽生君の動画もチェックしました。

 ただ、さすがに9年前のJGPで画質も音質も厳しいものがあったので、このシーズンの世界ジュニア(2010年)の演技も後で見ていきたいと思います。

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 なぜ10年の世界ジュニアかというと、高山真さんが自著の中でこの試合の「パガニーニ」を解説しているからです。せっかくこのシーズンの羽生君の演技を「再訪」することになったので、高山さんの解説とともにさらに細かく見ていきたいなと。

 ちなみに、SPの「ミッション・インポッシブル」の方は画質がやや悪くて恐縮ですが、フリーの方はフジの放送で、実況・鈴木芳彦さん(すーさん)、解説・本田武史さんだと思われます。

 最近ウチのブログでホットな武史さんですけど、なんてったってバンクーバー五輪の翌月開催のジュニアの試合ですから特に関係各所に配慮する必要もなく、伸び伸びと解説されています。





 リザルトは「こちら」。先に軽くSPの方を見ておきます。プロトコルを見てみると、ショートの時点で羽生君は3位で、1位・ホックスタイン、2位・キーガンという順位だったんですね。

 このシーズンのSPで、羽生君は3Lzのセカンドには2Tをつけていたので、このショートで3Lz-3Tの構成の上位2人より3点ほど基礎点で差をつけられています。さらに、ステップ・スピンともに、レベル4を一つも取れていません。つい最近の話ですが、須本君や三宅君のプロトコルを見て、「レベルの取りこぼしが・・・」なーんて、私もブログで書いていましたけど、羽生君も世界ジュニアを制した時でさえ、そうだったんですね。

 そう考えると、トータルで隙のない演技をするようになったのは、やはりクリケット移籍が大きいのかもしれません。

 さて、フリーのパガニーニです。高山さんの解説(87~92頁)は、演技前の最初の立ち姿の所からチェックが入っています。解説のすべて取り上げるとキリがないので、あくまで私の独断で選んでみました。興味のある方は本書をぜひ入手してご一読ください。

 (1)3A

  「トリプルアクセルの高さと、着氷の安定感。そして着氷後の流れ(フロー)が素晴らしい。この完成度の高さには、本当に驚かされました。スピードのある助走から、『力』ではなく完全に『タイミング』で踏み切り、まったく回転不足のない状態で着氷。ひざの柔軟性を見事にいかしたフローゆえに、着氷した後のほうがスッとスピードが速くなる感じです

  「この本を執筆中の2017年の終わりになってこれを言うのは後出しにもほどがあるとは思うのですが、『15歳でこの着氷ができるなら、極めて近い将来、着氷前だけでなく着氷後にもトランジションを入れられるようになるかも』と感じたものです」

 →→昨日の記事でトルン杯の映像を貼って良かったと思いました。なぜなら、トルン杯のフリーの3Aは身体が沈み込むような着氷で、「ここから着氷姿勢が安定して、進化していったのだな」と私も感想をつけたぐらいでしたから。

 トルン杯での加点は0.86、この試合の加点は2.00でした。高山さんの解説には賛成なんですけど、この時期の羽生君は、今のように「どの試合のどの3Aも踏切から着氷まで完璧なクオリティ」とまではいかない。だからこそ、これを安定させ、さらにクリケットに行って「入りと出」の部分に工夫を凝らして、究極の3Aを創り上げたのだなぁと、感慨深いものがあります。彼ほどの才能の持ち主でも一朝一夕にはいきません。努力の天才でもあるのですね。

 (2)ツイズル

  「演技始まってすぐのツイズルで、15歳という年齢を考えたら非常になめらかに滑ることができることを確認

  「トリプルループの着氷の流れから、ダイレクトにサーキュラーステップシークエンスに入る。ジュニアながら、非常に野心的なプログラムだと思います」

 →→この3Loも、前半の3Lzも、いまの羽生君の4Loや4Lzへのプロトタイプ(試作品)を見ている感じがしませんか?まさにこのフォームのまま高さ・幅が増して、いまの形に結実していったのだと。

 そしておそらく高山さんは、冒頭でツイズルについて言及したので、重複を避けたのでしょうが、実はこのサーキュラーステップの部分でもツイズルが2度入っています。

 このような技の数々を見ていると、いかにいまのシニアのつなぎが「漕いでるだけ」で、単調なのかが分かります。

 (3)奈々美先生の貢献

  「バックグラウンドにクラシック音楽やバレエという要素を持っていない日本人。その日本人の、しかも少年が、この曲で滑る難しさを、私はまず思いました。また、思春期の年齢で、こういった曲の世界に入り込むことに照れがある男子も多いのです。もしかしたら、ミドルティーンの男子が『音楽を表現する』うえで、いちばん高い壁になるのは、これかもしれません」

  「そういった、さまざまな方面の難しさを取り払うために、コーチの果たす役割は大きい。本来ならば、羽生の歴代のコーチについて私があれこれ言ってはいけないのですが、この時期に羽生を育てていた阿部奈々美氏の手腕には感服せざるを得ません

  「阿部氏は、羽生結弦のプログラムの振り付けもおこなっていました。振り付けの現場を通して、ジャンプやスピン、ステップと同じくらいの重要な『何か』を、羽生結弦に染み込ませた人……。私は阿部氏を、そんな方だと思っています

 →→高山さんは、この「パガニーニ」の羽生君を見て、「大人になったとき、どんな曲であっても『自分のものにする』ことができる選手になるはず」と感じたといいます。

 私は、それに反論するつもりはないですが、昨日も言ったように、この09-10シーズンは、このパガニーニと、完全にロックの「ミッション・インポッシブル」を選んだことに、どうしてこの組み合わせに至ったのか?と不思議に思いました。

 羽生君のwikiのプログラム一覧を見ていくと、奈々美先生は、この「MIのテーマ」に限らず、U2とかドアーズとかジャスティン・ビーバーとか、海外のロックを積極的に採用しています。ちなみに羽生君は、先シーズンの09年2月の世界ジュニア(ブルガリア)に向かう機内で、奈々美先生からプレゼントしてもらったiPod(『王者のメソッド』28~29頁)で好きな音楽を聴いていたといいます。

 ならば、奈々美先生は、羽生君が日常的にどんな音楽を聴いているか絶対に把握してるよなぁ・・・という所から、「フィギュアスケートの王道曲・定番曲を押しつけない指導」というものも考えていたんじゃないかと。ただ、その多くがEX用だったのに対して、このMIはれっきとしたSP用ですから、その決め手は何だったのか。

 『蒼い炎』や『王者のメソッド』をめくってみても、この辺りの経緯は書かれていないので、個人的に興味があります。奈々美先生にいま取材に応じてもらうのは難しいでしょうから、誰か当時の状況を羽生君に聞いてほしいと思います。



 ちなみに、私自身、「MIのテーマ」というと、キアヌ・リーブスの映画はもちろん知っているんですが、曲自体は、このLimp Bizkitのカヴァーの方を先に聴いていたような記憶があります。学生の頃、幕張でライヴを見たこともありますが、あの会場で暴れていた迷惑な客も、いまはいい歳のおじさん・おばさんになってるんだろうなぁ・・・。

 では、また明日!

 Jun

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