On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

カテゴリ:羽生結弦選手 > 雑誌(2017-2018シーズン)

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 2017年12月7日発売。バックナンバーのレビューは「こちら」。

 やっとファイナルのレポが終わり、久々の雑誌のレビューです。発売日から一週間以上も空いてしまって、すでにみなさん購入済かと思われますが、感想を残しておきます。

 本号の発売後に、先日の小林部長による「発表」があったわけで、全日本欠場が濃厚な情勢の今、表紙をめくった右ページの、ブライアンの言葉が染みますね。

  「4回転フリップはやらないだろう。彼には4回転ループと4回転ルッツがあるし、十分な内容が揃ってる。私は4回転ルッツさえいらないんじゃないかと思ってるよ。4回転トウループ、サルコー、ループ、それにスピンやステップも、どれも高いクオリティでこなすスキルを持っているからね

  「私はユヅが別格だと信じているよ…あとハビもね(笑)

 「ハビもね」の部分を省かないところが、この雑誌の編集者の誠実さを示していますね(笑)。

 まぁ、羽生君のケガの状態を小出しにする所に、もはや日本スケ連という団体がまったく信用できない組織であることを考えると、ブライアンやトレーシーらのクリケットのチーム、城田さんや菊地さん、そして羽生君の家族を含めた人たちが頼りです。我々も、正しい情報のみをキャッチし、応援しつづけるのみですね。

 さて、誌面についての印象を簡単にまとめておきます。

 (1)両面ポスターの珍しいショット

 2枚の両面ポスターの内訳は、1枚はスワンとメドベ、もう1枚はプリンスとホプレガです。「珍しい」と思ったのは、ホプレガの写真ですね。クレジットはヘルシンキワールドで、メダルをもらった後の、「ふっと力が抜けた表情」というか、あまり見た記憶のない写真でした。

 これをわざわざポスターにする所は、この雑誌独特のセンスを感じます。

 (2)ゆづの過去と現在をうまく配分


 16年のNHK杯から、今年のNHK杯の練習中のショットまで、ここ1年の羽生君の活躍が分かるようになっています。

 また、全日本ヒストリー企画も含めて、本号はテキストを意識して多めに入れている印象です。リハビリ中で情報が少ないですから、読者を勇気づける意味でも、羽生君の発言を写真とともに届けてくれたのかなと思います。

 (3)他の選手の写真も厳選収録

 本来ならば、羽生君以外の選手に誌面が割かれていると「損した気分」になるわけですが、フィギュアスケート雑誌の発売延期(休止)が相次ぐ「非常事態」ですから、今季ここまで頑張っている選手たちのショットは嬉しかったです。

 好成績を残している知子ちゃんや新葉ちゃんだけでなく、本郷さん、白岩さん、友野君、佐藤君のショットも収めてくれてありがとう!海外勢も、メドベ、ネイサン、コリヤダを収録。これ、例えば、NHK杯に来た来日選手をすべて網羅すると、ゆづファン的には不満が残るわけで、よく考えられたバランスだと思います。

 「通信」が狙い撃ちされたいま、もはや、写真重視系雑誌の最後の砦です。そして、前号でも感じたのですが、宇野選手を完全スルーしているところは、さすが、フィギュアスケート界とのしがらみのない出版社だけあって、なにか、私たちの気持ちと通じあうものを感じます。

 次号予告は「新春」とあるので、やや遅れる可能性がありますが、もし「抜け番」のある方は、バックナンバーも揃えましょう。

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 ええ、もちろん私はこの通り、コンプしております。

 では、また明日!

 Jun

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 2017年12月6日発売。Numberのバックナンバーのレビューは「こちら」。

 なんだか、久々に買ったような気がします。「デュエル」というのは、たしかに決闘とか決戦という意味もあるんですが、最近比較的耳にするようになったのは、サッカー日本代表がハリルホジッチ監督になってからで、監督がよく口にする言葉なんですよね。

 その意味は諸説あって、「球際の強さ」とか「一対一の強さ」とか、あるいは、選手個人のレベルではなく、「チームとしてボールを取りに行く攻撃的な戦い方」とも解釈されています。

 サッカーの記事も担当する編集者が、「銀盤の〇〇」のネタに困ってデュエルを使ったのかなと、勝手に想像しています。

 さて、まず羽生君に関して言うと、本号において「新情報はゼロ」です。松原孝臣さん、野口美惠さんというお馴染みのメンツが執筆していて、記事自体もそれなりのボリュームなんですが、既知の内容ばかりです。

 特に野口さんはブライアンとコネクションがあって、多少期待してはいたんですが、ブライアンの新しいコメントらしきものも一切ありませんでした。昨年は、ゆづとブライアンがさも4Loをめぐって仲違いしているかのような記事を書いていた彼女ですが、今季は五輪も控えていますし、陣営も警戒しているのでしょうか(汗)。

 本号については、2点コメントしたいと思います。

 (1)「ネイサンはもっとPCSが出てもいい!」

 誰が言っているのか。いま、ゆづファンの中で好感度ダダ下がりの小塚君です。「採点表から読み解く男子トップ3の可能性」(44~45頁)の中で、次のようにコメントしています。

  「(ファイブコンポーネンツは)もっと点数が出ていいと思います。特に今シーズンのSPは素晴らしい。8点台中盤というのは、残念ながら、ジャッジの採点に対する慎重さでしょう。新しいジャンルを切り拓こうと感じられる意欲作に対して反応できていない反面、逸脱した点数を出すとイエローカードを出されてしまうというジャッジのルールも邪魔をしています」

 ベンジャミン・クレメンティンのあの歌は、フィギュアスケートの選曲としては確かに斬新なんだけど、個人的には、ちょっとうるさいかな・・・と感じていました。でも、彼がこれだけ評価しているというのは、サプライズでしたね。

 じゃ、もっとテレビやスポーツ新聞でも、「ネイサンのネメシスは素晴らしい」って言いなさいよ!と思うんですが、そこは天下のトヨタさんの社員なんで、いろんな大人の事情があるのでしょう。

 ただ、この間も書きましたけど、羽鳥さんのワイドショーで相撲評論に限ってはキレキレな玉ちゃんのように、いいことを言ってるときは評価してあげたいなとは思っています。

 ちなみに、この記事の中で、ゆづに対しては「体調を戻すのがいちばん大事。クワドは2種類でいい」と言ってます。はたして、五輪本番を2種類で戦えるかどうかは謎ですが、全日本では2種類のみの可能性は高いと私は見ているので、そこでどれぐらいスコアが出るかですね。

 ちなみに、ネイサンの特集記事で、本田武史さんも「(PCSが)なんで8点台なのかわからない」(43頁)とコメントしています。

 (2)ボーヤンの写真は必見!

 「中国潜入レポート 金博洋 “4回転の申し子”誕生秘話」は、わずか5ページの記事なんですが、これは貴重です。だいたい、「中国潜入レポート」なんてタイトルがつけば、ブラック極まりない劣悪な労働環境とか、超絶ホラーな食品加工現場とか、おどろおどろしいネタで決まりなんですけど、まったくそんなことはなく、興味深い内容です。

 今回の記事を執筆するにあたって、中国の関係機関との交渉の末、11月18日、ボーヤン本人への直接取材が実現したとのこと。その甲斐あって、ボーヤンの自室、8歳の頃のショット、練習風景と、私の見たことのない写真がズラリと掲載されていました。

 テキストは、幼少の頃から、フィギュアスケートとの出会い、そしてクワドの習得に至る経緯が、簡潔にまとめられています。正直、「もっと読みたい!もっと写真あるでしょ!」と思うんですが、もしかすると、今後のNumberで(PLUSやウェブ記事も含めて)、小出しにされるかもしれません。ボーヤンのファンは、Numberの情報はフォローしておいた方がいいですね。

 ゆづファン的には、「このイカした表紙で、この内容?」と、ガッカリ感はあるでしょうが、Numberのフィギュアスケート特集ということで考えれば、590円で約50ページというボリュームは、わりと頑張ってくれた方だと思います。

 さて、私自身、気持ちはファイナルの方に向かっていますので、明日からは、ファイナルの感想記事を連投する予定です。

 では、また明日!

 Jun

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 今日も、ジュエルズ最新号のレビューです。バックナンバーは「こちら」で。

 本号の発売は11月30日で、GPファイナルを見据えた誌面になっているんですが、ここまでトップスケーターたちが立て続けに欠場することになろうとは・・・。

 平昌五輪直前で「大事をとって」ということもあるのでしょうが、ソチ前の福岡のファイナルはここまで欠場者はいなかったはずですし、このスポーツが過酷化していることを痛感します。

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 さて、メドちゃんの欠場が残念ですが、今日はエテリコーチのインタを見ていきます。

 内容的には、今回のインタビュアー、タチアナ・フラーデ氏が執筆した、WFSのシーズンガイドの「最強女子シングル・ロシアの現在 トップスケーター・ファクトリー」と関連している部分もあります。そちらを紹介した「記事」もご参照ください。

 ―― ロシアには女子シングルをはじめ、強い選手がたくさんいますね。選手の育て方に変化があったのでしょうか。そしてなぜ、こんなに多くの選手が育っているのでしょう。

  「・・・フィギュアスケートを続ける男子はほんの数人。数が少ないから甘やかされているところもあるでしょうね。女子では許されないことが、男子では許されています。女子は本当に厳しい闘いが繰り広げられています」

  「・・・ジャンプを全種類跳ぶことができても、ロシア・カップシリーズに出場することすらできません。もっと下の世代であれば、もう少し試合に出るチャンスはありますが、13、14歳になると本当に強い選手でなければ、出場できる試合がありません。シーズンを通してひとつも試合に出場できない選手は、モチベーションも下がってしまいます

 →→ 日本の女子も、例えば、先日の全日本ジュニアを見ていると、「この年齢でまだジュニア?」という選手を見かけましたが、シニアに上がっても、GPシリーズにアサインされるのが大変ですからね。シニアに上がっても出られる試合がないから、ジュニアに留まることを選択せざるをえない。

 ロシアの場合はより過酷で、13、14歳の段階ですでに、国内の試合でさえ、優秀な選手でないと出場できないというわけですね。

 この間のスケアメで、サハノヴィッチという、「引退するつもりだったけど、プルさんの勧めで続けることにした」という17歳のスケーターがいましたが、彼女のように世界ジュニアで2度台乗りしていても、あっという間に下の世代に抜かれてしまうケースもあります。

 ―― トレーニング方法で何が変わったのでしょうか?以前よりも若いうちにジャンプを跳ぶようになっているのですか?

  「そうですね。以前よりも早い段階でジャンプを跳ぶようになっています。シングルスケーティングが進化しているので、われわれも考え方を変えようとしています。男子では、1シーズンの間に進化がものすごいスピードで進みました。ただ、なぜかこの『進化』はロシアを完全に迂回してしまいました。他の国が進化している間、ロシアは明らかに違う道をたどっていたのです。なぜそのようなことになったのか、われわれもきちんと理解はできていませんが、女子でもこの『進化』がロシアを迂回するのではないかという不安があります。ですから、他国に後れをとらないようについて行こうとしています」

 →→ ミーシンも、JGPでのインタで、ロシアは政府の支援も凄いという話をしていました。いわゆる、オリンピックで金メダルを獲ると、家が建つとか、車がもらえるとか、そういう類の話です。

 ただ、「おカネがいっぱいもらえるから」という部分だけを見ると、なぜ同じロシアなのに、女子は強くて、男子はイマイチなのか。男子の競技人口も少ないのか。エテリの言う「男子の進化はロシアを迂回した」という現象が見えにくいんですよね。

 ―― ロシアでは何歳からジャンプの練習をはじめるのですか?

  「恐怖心があまりない時期から始める必要があります。アスリートにとって一番危険なことは恐怖心じゃないでしょうか。恐怖心が大きなケガを招くことがあるからです」

  「・・・女性ホルモンが発達する前に、思春期を迎える前に始める必要があります。思春期前の女子が持つ男性ホルモンは、男子よりも多いか同等だそうです。男女の差が出始めるのは、女子が女子らしくなり、現状維持で満足し始め、4回転など考えもしなくなる頃です」

  「一方、男子は、より勇敢になるはずなのですが、なぜかロシアでは違うようです。10歳、11歳で少しずつ3回転ジャンプに取り組むようにして、そこから立ち止まることなくジャンプの習得を続けるべきだと思います。最初はオフアイスでの練習やハーネスを使った練習がいいかもしれません。最近の男子の『進化』はわれわれにとっていまだにトラウマですね

 →→ 正直言うと、エテリが男子の状況にここまで関心を持っていることが意外でした。これだけ女子選手の指導で世界的な実績を上げているのだから、男子の指導には興味が無いか、あるいは、そもそも女子を見るだけで物理的に手一杯だと思っていましたね。

 たしかに、エテリのチームには、クヴィテラシヴィリというジョージア(グルジア)の22歳の男子スケーターがいますが、成績的にはいまいちパッとしません。

 もしかすると、彼女は、ブライアンを意識しているのかもしれません。彼は、キム・ヨナをバンクーバーで勝たせて、羽生君をソチで勝たせた。平昌でも、もちろん羽生君は優勝候補の筆頭です。

 ただ、ブライアンやクリケットに関していうと、世界中からスケーターを受け入れていて、基本的にロシア人のみのエテリのチームとは状況が違います。

 女子の指導という点では、エテリの方が圧倒的に実績は上。現在クリケットで、女子シングルの有力選手は、デールマンとツルシンちゃんぐらい。しかも、デールマンはブライアンやトレーシーというよりバーケルの弟子という感じで、実質、女子のシニアで頑張っている弟子はツルシンちゃんのみですからね。

 男子を見ても、羽生君の下の世代は、いまゴゴレフ君が話題ですが、ジュンファン君も苦労しているし、エテリの所に比べたら、そんなにポコジャカと弟子が育っているわけじゃない。大変ですよね。

 いずれにせよ、「男子のオリンピック金メダリストを育てる」という部分は、エテリの中でも将来のテーマ、密かな野望なのかもしれません。「数年後にはトップ争いに加わりたい」と、別の部分で語っているので、少なくとも私は、彼女の発言からそう読み解きました。

 ―― 女子もこれから3回転半、4回転の時代に向かっていると思いますか?

  「思います。でも3回転半ジャンプのように、跳ぶ選手が一気に増えるとは思いません。跳ぶために適した腰や肩の幅、脚の長さや胴体のサイズを持ち合わせている選手は、女子では20人中1人しかいないでしょう。体格、そして回転などの身体能力の組み合わせが大事です」

  「現在、5、6人の女子選手を指導していますが、必要な資質を持ち合わせている選手は、わずか2人だけ。それ以外の選手にこれ以上の回転数を求めると、ケガにつながってしまいます。回転不足のせいで、骨折も起こり得る危険なジャンプです。ですから、教え子全員にやらせるものではありません

 →→ 引用はしなかったですが、彼女の弟子でクワドを跳んでいるトゥルソワやシェルバコワの話も出てくるんですが、「教え子全員にやらせてるわけではない」というのは少々意外でした。

 今季、JGPの女子シングルは、私は、シニア以上にマジメに見ていたぐらいなんですが、エテリの弟子もかなりタイプが違います。ファイナル前に直前特集記事を書くつもりですが、たしかに、私の大好きなコストルナヤは3Aやクワドどころか、タケノコすらやりそうな雰囲気のないスケーターです。一方で、全タケノコのパネンコワがいて、上述のトゥルソワもいる。もう一人、タラカノワという、ワイルドなスケーターもいて、4人がまったく違う。

 似ているといえば、後半にジャンプを固めることと、振付をしているグレイヘンガウスの選曲が暗いってだけですね。でも、コスちゃんはSPもフリーも暗くはないか・・・。想像以上に、弟子の特性を見て、育成する方向性を緻密に考えているようです。

 最後に、ひとつ印象的な部分がありました。

  「選手の中には、どんなに練習を積んでも、試合になるとどう見ても悲しそうな顔をしている選手がいます。幸せな表情をしていないんです。そういう選手を見ると気の毒に思いますね」

  「私はフィギュアスケートは人生を表現していると思っています。フィギュアスケートは祝祭(セレブレーション)であってほしいんです。試合も同じです。試合に対する不安があれば、それが表に出てしまいます。努力してきたこと、準備してきたことを披露したいという意欲が欠けてしまうと、それが周囲に伝わり、自分自身の足を引っ張ることになります。そういう選手がミスをするととても気まずいですし、かわいそうですね」

 「セレブレーション」といえば、Let's Go Crazyに対する解釈がそうだと、ジェフが語っていましたね(マガジン 16-17プレシーズン 29頁)。

 なんというか、エテリのチームは、優秀なスケーターを次々と輩出する、ベールに包まれた「謎の組織」という印象だったんですが、彼女なりの悩みがあり、弟子を型にハメているわけではなく、猛練習の目的がポジティブであったり、いろいろと新鮮な驚きがありました。

 メドちゃんは残念ながら来れませんが、それでも女子はジュニア・シニア合わせて5人、さらに男子ジュニアも1人弟子を連れて名古屋にやってくるので、ファイナルは注目ですね。

 では、また明日!

 Jun

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 引き続き、ジュエルズ最新号のレビューです。バックナンバーは「こちら」で。

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 GPファイナルの男子シングルで、ボーヤンの欠場が決まり、その代わりに、ジェイソンが繰り上げで出場することになりました。

 ジェイソンといえば、NHK杯のキスクラでの羽生君への手書きのメッセージが、ヤフーニュースでも取り上げられていましたね。ゆづファン的には、大好きな男子シングル選手の筆頭格になったんじゃないかと。

 私の中では、羽生君をのぞくと、今季のプログラムを見た限り、その次に好きな男子スケーターが、彼かもしれません。羽生君とはまったくタイプは違うけれども、確かな技術があって、さらに身体の柔軟性を生かした独創的な振付と、パフォーマーとしての優秀さは、認めないわけにはいきません。

 ちょうど、本誌の「インタビュー 彼らの流儀」で、ジェイソンのインタビューが掲載しているので、ご紹介したいと思います。このインタ自体は、シーズンイン前に行われたものです。ご了承ください。

 (1)プログラムについて

 ―― 新プログラムはショートプログラムがミュージカル『ハミルトン』から『The Room Where It Happens』。フリースケーティングがマキシム・ロドリゲス作曲のオリジナル曲『Inner Love』ですね。

  「実は、腰のケガを完治させるために素早い動きを1年ほど控えていたんです。でも状態もとても良くなっていたので、新しいショートプログラムをテンポの速い曲で滑るのが楽しみです」

  「フリースケーティング(FS)では、観客の心に触れるような演技をしたいと考えています。もちろん、過去のプログラムとあまりにも似ているものは避けたいのですが、昨シーズンのFS『The Piano』に対するみなさんの反応がとても良くてうれしかったんです。そこで今シーズンもシンプルなプログラムでフィギュアスケートの『滑り』の側面を見せる演技をしたいと思ったんです



 NHK杯よりもスケカナの方が内容が良かったので、SPはスケカナの映像を貼ってみました。スコアは90.71(TES: 45.64/ PCS:45.07)でした。

 最近私がチェックしている「ガンディさん」のブログで、このジェイソンのSPをどう見ているかというと、「3Aと3Fの前以外はほとんど動き続けている割にPCSが低い」ということでした。

 NHK杯の演技にも衝撃を受けましたが、スケーティングスピードは速いし、でも、軌道は複雑だし、身体の柔らかさを生かした動きが随所に詰め込まれていて、しかも、リズム感もバッチリで、何度見ても、めちゃくちゃかっこいいです。

 ところで、表現力のあるスケーターというと、日本人の若手選手や専門家は、すぐに大ちゃんのことを言いますよね。とくに西の方の人たちはリスペクト発言をいつもしています。

 もちろん、大ちゃんも素晴らしいスケーターですが、スコアや構成の話を横に置いて、パフォーマンス単体として見た場合、このジェイソンの動きはフィギュアという枠を超えたスケールの大きさを感じます。





 上が、今季のスケカナでのフリー。下は、国別での昨季のフリーです。ぜひ、両方見比べていただきたいです。

 たしかに、「シンプル」「滑りの側面を見せる」という点で、今季は昨季の延長戦上にありますね。構成で言うと、昨季はクワドを入れていない代わりに、前半はジャンプが2本しかなくて、エテリ組のような後半集中型になっています。

 一方、今季は、4Tを冒頭に入れているので、前半のジャンプが3本になっています。3Aは今季よりも昨季の方が決まってる感じはします。ループは苦手みたいですね。

 今季のフリーも心に染みます。曲調が穏やかなので、SPみたいにガンガン行く感じではないですが、上半身の動きの美しさが際立っています。

 腕の長さと、たぶん手も大きいのだと思いますが、指先からしなっていて、それでいて背筋もピン!と美しい。舞台の上で素足で踊っているような滑らかさです。

 (2)プログラムに込められた狙い

 ―― 最近では、プログラムに入ってくる4回転ジャンプの数がどんどん増えています。そんな中、あなたは4回転が3本も4本もなくても、良い成績を残せるということを証明していますね。4回転ジャンプをたくさん跳ばずに自分の良さをアピールするというのは大変ではないですか?

  「採点は加点方式です。つまり高い得点を取れないところがあれば、他で得点を稼ぐ方法を考えなければいけません。僕の振付師とコーチは、その点を非常に上手に考えてくれていると思います。僕の強みを生かし、バランスの良いスケーターに見せるために、本当に細かい点にまで目を配ってくれています

  「僕は技術面では最高難度を持っていないかもしれませんが、ジャンプ、スピン、ステップなどの質の高さで勝負をしています。コーチたちも、エレメンツの質が最高レベルであるように厳しい目で見ています。まだプログラムに4回転をたくさん入れることはできていませんが、得点はどんどん上がってきています」

  「これは、ジャンプ以外の部分が上達しているという証しなのでワクワクしますね。他の選手がジャンプで得点を上げている中、僕はジャンプ以外の得点が挙がってきているということですから

 ―― 氷上であれだけの感情を観客に伝えることができる秘訣はなんでしょう?

  「演じることがとにかく好きなだけです。それが一番大きいと思います。喜びや愛を感じ、自分が経験してきたことすべてに感謝して演じています。リンクの中央に立ち、数千人のファンに囲まれている時の気分は、そこが日本だろうがフィンランドだろうが、どこであろうが格別です。この立場にいられる自分はなんて幸せ者なんだろうって。そう思うと自然に笑顔になり、試合に臨む気持ちや演技に対する気持ちが高まります

 →→喜びや感謝の気持ちを感じてパフォーマンスできるのは、やはり、自分の長所を生かしたプログラムを滑るというところから、繋がっている気がします。

 どういうジャンプを何本入れて、ミスなく演じきれば何点というスコアがでて、順位は何番まで入れる。・・・そこにチャレンジすることは、それはそれで素晴らしいことですが、ういう計算がのしかかってくると、普通なら、楽しむとか感謝というより、一種の試練なんじゃないかと。

 そして、ここにきて、ちゃんとした演技が必ずしも正当に評価されない、現行のフィギュアスケートの採点システムの欠陥が露わになってくると、競技者はなにを目指すことがハッピーなんだろう?という話になります。

 羽生君の場合、私の見立てでは、現行のジャッジングシステムを信用していないフシがあって、だからジャンプの難度を追求して、ライバルを一歩でも二歩でもリードすることを考えているように見えます。

 ジェイソンとその陣営は、試合で何位に入るということはあまり気にせずに、「まずは、得意で好きなことからやっていこうよ。結果は後でついてくるから」という発想のようです。

 アメリカの懐の広いところは、ネイサンやヴィンセントのようなクワドジャンプの申し子のような選手もいて、でも、リッポンやジェイソンのような、そことは多少距離を置いたパフォーマンスをする選手もいる。

 日本の男子のことを考えてみると、女子ほど競技人口も多くないし競争も激しくないのだから、「何歳までにどのジャンプを降りなきゃダメ」みたいのはやめてみたら?という気もします。

 (3)日本で教師に

 ―― 現役引退後にやってみたいことはありますか?

  「僕の大きな目標のひとつは、日本で英語を教えること。子どものころから、ずっと教師になりたかったんです。・・・できれば小学校で英語を教えて、一方でスケートを教えたいです。あとは、マスコミ関係の仕事、たとえばテレビ中継の解説やインタビュー、報道にかかわってみたいとも思います」

 →→目標のあることは素晴らしいです。・・・でも、英語の教師は山ほどいて、しかも日本人が日本で生活するぶんには、英語はほぼ必要ないので、むしろ、「日本でスケートを教える」という部分によりフォーカスしていただきたいなと。

 彼のようなスケーターは世界的に見ても希少ですから、アイスショーや、オフシーズンのサマーキャンプのような形で、日本にどんどん来てほしいものです。真壁さん、スケ連関係者、ちょっとがんばってくださいよ!

 ただ、このインタの中でも、彼自身、引退はまだ全然考えていない感じです。ルール改正の話もあるし、まだまだ続けてもらわないと困ります。

 名古屋のファイナルではなかなかスコアは出にくいかもしれませんが、そういうことは別にして、彼の唯一無二のパフォーマンスを、もっと多くの日本人に知ってもらいたいと思いますね。

 では、また明日!

 Jun

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 ジュエルズの最新号の続きです。バックナンバーのレビューは「こちら」で。

 今日は羽生君のインタから、気になった部分を取り上げてみます。

 (1)膝の故障の「トラウマ」

 ――「膝の故障で大事をとって」との発表がありましたが、試合(オータム)を欠場することも考えましたか?

  「僕の中では左膝の故障にはトラウマに近い記憶があって、2013年世界選手権のときにはこの膝を治すまでに2ヵ月かかっていました。・・・今回、そこまでいってしまったら10月のグランプリシリーズの初戦すら間に合わなくなってしまう。グランプリに間に合わないと、全日本選手権での一発勝負になる。全日本を終えた次の試合が平昌オリンピックになると、絶対に調整は無理だと。その不安が一番大きかったので、今回試合に出るという決断はそんなに簡単ではありませんでした」

 →→本号の巻頭インタは、オータム後とロステレ後の2回のインタを一本にまとめたのか、あるいは、全てロステレ後に聞いたものかは不明ですが、NHK杯の怪我前に行われたのは確かのようです。

 ただ、この話を現在の状況にスライドして考えると、「平昌オリンピックでの一発勝負」を避けるための「調整の場」は全日本しか無いので、全日本には何が何でも間に合わせるだろうなと。

 で、「調整」であるなら、最高の構成である必要はない。NHK杯からちょうど3週間経つので、そろそろ氷上練習を開始している可能性もありますが、やはりルッツを外した構成を予定していると私は予想します。

 (2)SPはループで!
 
 ―― 4回転サルコウでも世界歴代最高点が出ました。あえて難しい構成で挑戦しなくてもいいのではとも思いますが、アスリートとして挑戦しますよね?

  「・・・今の僕にとっての『バラード第1番』はやはり4回転ループだし、ループだからこそ見えるものが、またどこかにあるのだろうと思うのです。・・・僕にとっての今のあの音楽はループがあってこそだから、そのループで決まらなきゃ話にならないなと思います。・・・もうあそこは4回転ループというふうに僕の頭の中ではなっているので、まったく心の揺らぎはないですね」

 →→これを読んで率直に感じたのは、「そうか・・・SPにルッツを入れるというアイデアは、NHK杯前の時点でも考えておらず、練習でもやってなさそうだな」ということです。ブライアンから「フリーで一本だけならいいよ」というような、条件が提示されていたのかも。

 マガジンでロステレ時の会見を読んでいて、「ルッツをSPでも入れるのか?」という質問がなぜ記者から投げられなかったのか疑問に思っていたのですが、ここでの「ループだからこそ」という発言が事実上の答えになっているようです。

 (3)日本人スケーターとしての長所

 ―― 今も残っているその(ロシアでの)教えを感じるところは、どんなところですか?

  「カナダに練習拠点を移してからは、カナダとロシアの表現の仕方がまったく違うから、そのどちらでもないアジア人がどのような表現をすればいいのかを考えています。いろいろな方と話をしていて感じるのは、(僕自身は)北米で練習しているけれど、表現の仕方は北米スタイルだけではない。どちらかというとロシア、表現の系統的にはロシアのタイプなんだろうけれど、そこだけに特化しているわけではない

  「やはり、アジア人特有の、ジャンプの細さがあって、それらすべてが生かされているから素晴らしいよねという話を結構いろいろな方に言われて、それはスケーター冥利につきます。ある意味、日本人に生まれてよかったなと思えます。僕自身は日本で練習を始め、日本の先生がいろいろな教え方を持っていて、その先生たちにも恵まれ、その後ロシアへ行って、カナダに行って、本当にいろいろなことを吸収しているので、いろいろなものが僕の中に入っているんだと思います」



 →→最近、町田君がネイサンのジャンプを「完全にロシアンスタイル」と解説をしていて、それはロシア出身のラファの教えによるものが大きいということでした。



 で、町田君はミーシンの話もしていたので、こちらも貼っておきます。このJGPの動画でミーシンのインタを聴いていると、ロシアの女子が強くなった理由の一つは、「いまのロシアのスケートは、北米やヨーロッパのスタイルを融合させたものだから」と彼は語っています。もはや、どこの出身で、誰に教わって、どういうスタイルでという「垣根」はなくなっているのかもしれません。



  いいところは吸収する。ダメなところは真似しない。

 「将棋世界」という雑誌の最新号(2018年1月号)を読んでいると、藤井聡太四段のようなコンピュータを研究に使う若手棋士の将棋は、「トップ棋士のいいところだけと、コンピュータ将棋をうまくミックスさせていて、完成度が高い」という分析がされていました。

 羽生君がブライアンの考えを「はいそうですか」と全て受け入れずに「4回転競争」に食らいついていったのは、それが彼なりの「最善」と考えたからなのでしょう。

 いくらブライアンが、金メダリストを輩出をした名コーチで、自分も彼の指導で金メダルを獲れたとしても、ソチ後、実際に試合会場でトップスケーターたちとガチンコ勝負をして、「クワドの種類と数を増やさないと勝てない!」という、羽生君なりの「野生の勘」が働いたのでしょうね。

 (4)ルッツの成功よりも嬉しかったこと

 ―― グランプリシリーズ初戦にロシア大会を選びました。例年とは違うシーズン開幕になりましたね。

  「一番よかったなと思ったのは、4回転ルッツが跳べたことでもショートでミスって課題が見つかったことでもなく、(ロシア合宿で教えていただいた)ベステミアノワ&ボブリン夫妻の前で滑れたことと、タラソワさん(タチアナ・タラソワコーチ)の前で滑れたこと、そしてこのロシアの地でまた滑れたことです

  「全然良い出来ではなかったし、(観戦されていた)3人には会えなかったけれど、タラソワさんには今でもお世話になってるし、ベステミアノワ&ボブリン夫妻は自分の基盤をつくってくれたお二人です。その教えがないとここまでやってこられませんでした」

  「今まで積み上げてきたものをすべて出さなくてはいけないシーズンの初戦に、そうした方々の前で滑れたことによって、もっとこんなことができたな、もっとこんなこともやらなきゃいけないんだ、こういうことに注目しなきゃいけないなということを、改めて感じられたんですよね」

 →→「ループじゃなきゃ話にならない」と言いながら、それだけで話が終始しないところが、羽生結弦というスケーターの人間的な魅力ですよね。

 ロシアでの合宿が震災のわずか半年後の2011年の9月だったことから、いろいろと想像をめぐらせてしまいます。

 練習場所の確保に苦労し、スケートを続けるかどうかという瀬戸際にあったその当時、ロシアで受けた指導というのは、羽生君にとって単に技術的なアドバイスというだけでなく、彼が競技を続けるうえで強く背中を押してくれたのだろうなぁと、思います。6年前の、わずか1週間の合宿について、こんなに律儀に感謝しているんですからね。

 ロシア合宿については、「松田華音さんとの対談」について語った際に、当時のCutting Edgeの記事を貼りましたので、よろしければどうぞ。



 ボーヤンとメドベがファイナルを欠場。ジェイソンとさっとんが繰り上がりで出場です。欠場した二人は、しっかり治して五輪に備えてもらいたいです。代打の二人ともに大好きな選手なので、全力応援です。

 まだまだ、ジュエルズについて語りたいことは山ほどあるので、明日以降もお楽しみに。

 では、また明日!

 Jun

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