On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:バラ1応援企画

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 14-15、15-16の両シーズンのバラ1を集中的に見た後で、改めてこのFaOI幕張のバラ1を見ると、まったく違うと思いました。

 まず、構成の違いは以下の通りです。

<旧>4S→4T+3T→FCSp→(後半)→3A→CSSp→StSq→CCoSp

<新>4Lo→FCSp→CSSp→(後半)→3A→4T+3T→StSq→CCoSp

 それを踏まえて、どう感じるか?ということなんですが、2つの点が印象に残りました。



 (1)さらに曲調に合ったエレメンツの再配置

 バラ1という曲はフルで9分ほどありますが(曲単体なら200円で買えます!)、このSPバージョンも、前半は静かな曲調で、終盤激しくなるという流れで編集されています。

 すると、15年のバラ1のように、序盤にクワド2種類を置くというのは、本来ならば「ミスマッチ」なんですよね。実を言うと、FaOI新潟のプログラムの中で羽生君はこうコメントしています。

  「(折山さんの「以前よりも力強さを感じる」という指摘に答えて)今の構成のバラードで力強さが出たというのは後半ステップの前に4回転-3回転が入っているというのがすごく大きいと思います。・・・トリプルアクセルはフワッとした感じでより音に溶け込むジャンプになっているし、トウループの連続ジャンプもより音にあうトウループになっているので

 特に、楽曲の最終盤、鍵盤を叩きつけるかのように激しくなる合図のような部分が、4T+3Tのセカンドジャンプの着氷時に羽生君が握りしめた両手をガツンと振り下ろす瞬間(2:26)と、ピタっと合っているんですよね。これが旧版だと、シットスピンの終わり際(2:19)で、手の平がパッと開いた瞬間とリンクしています。

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 Let's Go Crazyの4S+3Tも、セカンドジャンプの後にギュッと手を握りしめますが(1:26)、この新バラ1では、さらに激しい動きになっていて、まるで感情を剥き出しにした指揮者のような佇まいにも見えます。

 もちろん、15年のバラ1も素晴らしいのですが、おそらく、見ている側としては、来季のバラ1で、後半の4T+3Tを成功し、そこからステップへ、という怒涛の流れは、きっと、

  「よし、いいぞ!イケー!」

 リオ五輪の陸上の男子リレーでケンブリッジ選手にバトンが渡ったあの時のような、見る者すべてに興奮を与えてくれる、そういうマジカルな瞬間を提供してくれるのではないかと。



 後半に4T+3Tを置くことで基礎点アップ!というのは、そりゃもう確かにそうなんですけど、私はこのマイナーチェンジに、「羽生結弦のアスリート魂」を感じずにはいられません。

 本人は「違います!」と言うかもしれませんが、私はこのバラ1は「より戦うプログラム」へと変貌したと思っています。

 (2)旧版に慣れすぎたゆえの違和感?

 新バージョンを絶賛はしましたけど、15年ファイナルのバラ1というのは、もはや私の細胞レベルにまで刷り込まれているので、そりゃ、違和感を感じないわけではありません。

 新バラ1の場合、とくに、冒頭の4Loの後、スピンが2つ来て、後半の3Aとなりますが、この2つのジャンプの間がけっこう長いんですよね4Loを跳んだことを忘れてしまうぐらい長く感じます。言葉は悪いですけど、「中だるみ」という印象すら受けます。

 ただ、羽生君は、前述の新潟のプログラムの中で、「スピンはまだ改良するところがある。新しい手の振付も考えている」と語っていて、すでにこの辺りも課題として認識しているのかもしれません。私は、その「新しい手の振付」は特に前半部分に盛り込んでくると予想します。

 もちろん、これは、良い悪い、好き嫌いを言っているのではなく、単純に「いまは違和感を感じる」というだけの話です。

 来季、新しい衣装を身にまとい、名演技を見せてくれることで、15年のプログラムを忘れさせてほしいですね。

 では、また明日!

 Jun

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 個人的に、この2016年のボストンの世界選手権は、14年の中国杯と並んで「あまり思い出したくない試合」のひとつです。

 ただ、バラ1に限って言うと、ノーミスで110.56点という素晴らしいスコアを叩き出しています。

 『300点伝説』では、デニス・テンとの一件と送迎バスに乗り遅れた件が書かれていて、「この話はもういいや・・・」ということで、今日も『蒼い炎II』が役に立ってくれました。

 まずは、演技の方を見ていただきましょう。

 ボストンワールドのプロトコル関係はこちらで。



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 「110.56」という数字が出た瞬間、ブライアンが面白い表情をしています。

  「おいおい、ユヅ、また出ちゃったよ!」

 足の状態もベストからは程遠く、いろいろゴタゴタもありながら、「結局やればできるじゃん!」って、からかい半分という所かもしれません。

 さて、この演技を見ていて、ん?と思ったのは、4T+3Tのセカンドジャンプが、ちょっと遅れて入った部分です。これがもしかしたら、ジャッジの評価が割れた原因かもしれません。やはり左足の状態が悪くて、一瞬踏ん張ったのかな?と想像します。とはいえ、「いくらなんでも、1はないだろっ!」と言いたいですけどね。

 ステップもレベル3ですか・・・。そういえば、もうすぐ16-17シーズンの『シーズンフォトブック』が出ますけど、15-16シーズン版の巻末にプロトコルが全部ついてますよね。もし手もとにあれば、ぜひチェックしていただきたいのは、SPのステップのレベルが、

   オータム(4)→スケカナ(3)→NHK杯(4)→GPF(3)→全日本(4)→ワールド(3)

 と、4と3が交互に来るという現象が起こっています。3回のレベル4のうち、2試合が日本開催とはいえ、じゃ、オータムってなんで評価高かったんだ?と。

 さて、ワールド前に話を戻します。本来は、年始のショーの後、1月末にはトロントに戻る予定だったそうです。経過観察のため、しばらく日本で練習を続けていたもののジャンプの調子が戻らず、2月末にトロントへ。

 ワールドまで約1ヵ月。痛みは依然として残りながらも、ジャンプの調子は戻りつつあり、気持ちも上向いて、充実した練習に取り組めたようです。『蒼い炎II』では、以下のような羽生君の発言が紹介されています(266頁)。

  「ショートは、ノーミスしない日はなかったくらい、そこまで完全に仕上げてました。4回転トウループが跳べない時期は、(4回転トウループを跳ぶ予定のところも4回転サルコウにして)サルコウ2本で練習してました。試合では(ショートで同じジャンプ2本は禁止のため)キックアウトされますけどね」

  「もしトウループの調子が悪かったら、(予定では4回転サルコウ、4回転トウループ+3回転トウループの構成を)1発目をトウループにして、2発目をサルコウでもいいかなと思ってたんですよね。それにあのころはループのほうが確率よかったから、『トウループがダメなら4回転ループにしょう』という考えもあったんだけど、ループは練習不足だったんです。やっぱり優勝したいという気持ちが強い試合だったからこそ、そこで冒険に出て落としたくないと(ループはやめました)。だから突き詰めて、完成度を高めてやってたんですよね」

 実は、ボストンワールドの段階で4Lo投入を検討していたとは・・・。この部分は私の記憶から完全に抜けていました。

 エキシビションやショーの「ジャンプ合戦」などで、羽生君が数年がかりで4Loにトライしてきたことは、もちろん私も承知しています。ただ、本格的に「投入を目指して」取り組んだ時期というのは、リハビリ後だと思っていたので、左足の悪かったこの時期にねぇ・・・とビックリです。

 さて、以上で、14-15シーズン、15-16シーズンのすべてのバラ1を見てきました。改めて、映像を見て、そしてプロトコルを見てきて、得るものはたくさんありました。

 そしてもう一つ。私は、ブライアンの『300点伝説』は好きな本なんですけど、今回の企画に関していえば、『蒼い炎II』の方が「読み直した甲斐のある記述」が随所にありました。その理由を考えてみると、おそらく、

  バラ1に対して、この時期からすでに、羽生君の並々ならぬ想いが詰まっているから。

 そう言えるのかもしれません。クリケットに在籍してある程度時間が経過し、自分の主張をよりプログラムに反映できるようになった部分もあると思います。その辺りからも、17-18シーズンの「再登板」も納得できるなぁと感じます。

 さて、これを踏まえて、明日は今年のFaOI幕張の、最新のバラ1を見て、色々と語りたいと思います。

 では、また明日!

 Jun

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 札幌での全日本選手権は、羽生君が異次元のパフォーマンスを披露したファイナルから約10日後の12月下旬に開催されました。

 『王者のメソッド』は15年のファイナルまでしかカバーされていないので、『300点伝説』と『蒼い炎II』をチェックしてみたのですが、この全日本に関する記述は、実に対照的な内容でした。

 まずは、演技を見てもらいましょう。フジの映像が生きてはいたんですが、ひどい画質のものしか残っていませんでした。申し訳ありません。

 全日本のプロトコル関係はこちらで。



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 4Sは軸もブレての転倒でしたが、しっかり回り切っているので、基礎点からの減点に留めています。4T+3Tは、もはや安定の+3.00。3Aの加点が渋かったのは、着氷時に上半身がやや沈み込むように見えたことも影響しているのかもしれません。スピン・ステップすべてレベル4を獲得。国内の試合とはいえ、クワドで転倒がありながら100点を超えるというのは、やはり驚異的です。

 16-17シーズンを思い返すと、SP・フリーともに、4S+3Tの抜けがとにかく目立ち、「鬼門」とさえ言われました。

 この15-16シーズンは、バラ1・SEIMEIともに、4Sは単発のみのトライでしたが、この後のワールドも含めて、パンクは一度もありません。減点もこの全日本のバラ1のように回り切っての転倒で踏ん張っています。そう考えると、やはり、4Sをコンビネーションジャンプにするのは、相当にリスクが高い挑戦だったと言えますね。

 来季のSPの構成はほぼ予想されていますが、フリーのクワドの本数が読めません。単発で、4Lo、4S、4Tを入れるとして、左足の状態にもよりますが、クワドのコンビネーションはやはり4T+3Tにするんじゃないかという気がします。



 この全日本では、結局フリーでもミスが出て、優勝ながらもスコアは286.36点に終わりました。

 『300点伝説』で、ブライアンはこう回想しています(141~143頁)。

  「メディアは『2週間前にあれほどすごかったのに、なぜミスをしたのか』といった雰囲気になり、私にもそういった質問が繰り返されました。しかし正直に言って、私はユヅルがミスをしてよかったと思っていたので、『これでいいのです』とだけ答えました」

  「全日本選手権でも300点超えのスコアを出していたら、日本のファンは嬉しかったかもしれません。しかし、11月のNHK杯から翌年3月の世界選手権まで5ヵ月間もピークを保ち続けるのでしょうか?それともシーズン中のすべての試合に調子のピークをピタリと合わせるのでしょうか?そんなことをできる選手がいるかどうか、私には疑問です」

  「大局的な目でとらえれば、ユヅルはNHK杯からグランプリファイナルの時期に1度目のピークが来たので、12月末には落とさねばなりませんでした。3ヵ月後に迫る世界選手権で本当のピークをと考えると、ユヅルのシーズン計画はかなりうまくいっているように思えました

 おそらく来季もこの考え方を基本線として、全日本選手権を位置づけるのだと思います。

 そこで、『蒼い炎II』です。左足の状態について、羽生君が語っています(262~263頁)。

  「全日本への移動日の前日、練習を始めて5分で、痛くてリンクから上がりました。今だから言えるけど、その時は深刻でした。会場入りしても痛くて、トウループも跳んでいたけど、アクセルの調子が一番悪くて、全日本の時は全部ぐちゃぐちゃでしたね

  「全日本後は10日休んでNHK杯フィギュアスペシャルエキシビションに出て、ニューイヤー・オン・アイスの前には病院にも行ってステロイド注射を打ってもらったんですが、動けないくらい痛くなってしまって。ニューイヤー・オン・アイスは、歩けない状態だったけど、痛み止めを飲んでやっていました。そんな状態で練習中に1本シングル(トウループ)を跳んだら激痛で死にそうになったので(笑)、それでもう、『ショーでは、トウループは絶対やらない』と決めて、痛くなかったルッツとループとサルコウの練習をしてました」

 てか、オリンピックを控えているシーズンでもないし、全日本から休んでよかったでしょ!と、言いたくなりますね。

 あえて「この期に及んで」と言わせてもらいますけど、ブライアンが「ユヅルのシーズン計画はうまくいっていた」と肯定しているのは、さすがにちょっとなぁ・・・と。いくら何でも羽生君がこの足の状態を隠せるとは思えないので、陣営は軽く見ていたのかもしれません。

 まぁ、フィギュアスケートは試合数が少ないし、この年始のショーもファンは高いお金を払ってチケットを取っている。簡単には休めません。宮原さんの件も頭をよぎります。

 選手の皆さんが、このために人生懸けているのは分かります。マスコミも「怪我をおしての強行出場」を美談にしがちです。でも、トップの選手だからこそ、「無理をしてはいけない!」という手本となってほしいものです。

 では、また明日!

 Jun

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 バラ1応援企画のバックナンバーは「こちら」。



 NHK杯からファイナルまでの動向は『蒼い炎II』で言及されていたので、ご紹介します(243~245頁)。

 NHK杯後は仙台に一度戻って練習を重ね、その後にバルセロナへ移動。調整時間は実質一週間。ちなみに、NHK杯とファイナルの間に、羽生君は21歳の誕生日を迎えています。

 ファイナルの三連覇がかかる大会でしたが、羽生君自身は、「関係なく、ただ一つの試合として、今年のグランプリファイナルとして集中していきたい」と考えていたようです。

 このバルセロナのリンクは前年と同じで、「ここで滑るのがすごく楽しみで、昨年と同様だったらいいなと思いながらここに入ってきました。滑っていて、本当に気持ちのいいリンクです」と練習後にコメントしています。

 皆さん、何十回・何百回と見た演技でしょうが、改めて見てみましょう。

 ファイナルのプロトコル関係は「こちら」で。



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 むなしい抵抗をしているジャッジが約1名いますが、もはや滑稽という以外にないですね。

 2本のクワドにGOE満点の+3.00。3Aも+2.71。来季は前半に4Lo、後半に3Aと4T+3Tを予定とのことですが、うーむ、こうして加点だけを見れば、来季これを超えるのはきわめて難しいでしょうね。だからこそ、4Loに取り組み、4T+3Tを後半に持ってきて、基礎点でまずは上回ろうという考えなのですね。

 そして、この神演技に唯一ケチをつけるなら、ステップがレベル3に留まっている点。ここも、羽生君のことですから、考えていることでしょう。

 そういえば、これはファイナル後ではなく、NHK杯後なんですが、羽生君が実に興味深いコメントを残しています(243頁)。

  「(最強のプログラムがどんなものか)わからないから楽しいんだろうと思います、このスポーツは。ボーヤン・ジン選手は4回転は4つで十分だと言ったけど、4つで十分かと言われたら、僕はそうではないと思いますし、どうなるかわからないです。日々の成長を楽しみながら、自分の限界に挑戦していきたいと思っています」

 いまでこそ「真・4回転時代」という言葉を羽生君が定着させたわけですが、すでに一年前に「4本以上必要」というビジョンを持っていたことに、私はビックリしました。それは、すでに数年がかりで羽生君自身が4Loにトライしていて、自信と手ごたえをつかみつつあったことも、その発言の根っこにあるのかもしれません。

 さて、話をファイナルのバラ1に戻して、今回の動画はあえてNBCのものを貼りました。タラさんとジョニーのダブル解説でしたが、演技直後、ジョニーがこんな風にコメントしています。

 This was legendary. He was ablolutely exquisite. There was not a question on any element through the whole program. It was just perfect. It's...why he is olympic champion, it's... why he is Yuzuru Hanyu...he can deliver like this.

 後半、怪しいですが、「まさに伝説だよ。とてつもなく精緻だった。プログラムを通じてどのエレメンツにも疑問の余地がない。完璧だ。だから彼はオリンピックチャンピオンなのであって、そして彼は『なぜ、羽生結弦が特別なのか』をこうやって証明できるんだ」というような内容です。

 TOEICerの端くれとして、むむ?っと思ったのは、exquisiteという単語なんです。「金フレ」という超有名なTOEIC対策の英単語集(収録単語数1000)があって、その960番目(990点レベル)に収録されています。

2017-07-13-15-54-32

2017-07-13-15-54-42

 画像の例文にもあるように、宝石や装飾品について、単なる美しさではなく、精巧さ、精密さ、つまり精緻さを称える意味もあります。だから、エレメンツが完璧だったという話に繋がっているのでしょう。

 ちなみに、今年1月に発売された改訂版からこの単語は削られました。まぁ、いくら有名単語集から削除されようとも、あのジョニーがゆづのバラ1をこの言葉を使って評したわけで、私は一生忘れないでしょう。本来、英単語ってこうやって覚えるべきなんですよね(汗)。

 では、また明日!

 Jun

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 スケカナ後にSPの構成変更を決断。NHK杯では、前半に4Sと4T-3T、後半に3Aへと切り替えます。

 羽生君は、トロントでの「血のにじむような練習」を終え、日本で最終調整を行います。実は、この日本での調整がうまくいったことを、ブライアンは高く評価しています(123~126頁)。

  「スケートカナダの前までユヅルは、『後半での4回転』の成功に執着しすぎていて、コンディション調整という点には気持ちが向いていませんでした。しかし、4回転サルコウが安定してきたこともあり、練習の目的は、試合に向けて調子を上げることが中心になりました。かなりきついランスルーを何度も繰り返しました」

  「ほんの数日会わなかっただけでしたが、長野で再会したとき、ユヅルのコンディションは格段によくなり、ショートもフリーも、完璧にランスルーを通せるようになっていました。数日の間にこれほどコンディションを上げられるとは、驚くべきことでした」

  「コンディションを上げられたのは、私の指導力のためではなく、ユヅルのモチベーションの強さにあります。私がコーチとして学んだのは、ユヅルは本気になると一般より短期間でコンディションのピークが来る選手だということです。とても重要なヒントになりました

  「ユヅルは、このNHK杯にぴたりとピークを合わせてきたので、最適な日数の休養と、適切な日数の追い込み練習ができていたということです。これは世界選手権や2018年平昌オリンピックに向けての重要な“数字”でした

  「ユヅルのコンディショニングでこれまでにわかっていたのは、普段の練習のときは、『1日休み、3日練習』のサイクルがいいということでした。・・・しかし試合に向けたピーキングは、まだまだ未知の領域でした。ですからこのNHK杯に最高のコンディションで現れたことで、かなり大きな手応えを感じられました

 ここ最近に目を向けると、四大陸選手権や、ヘルシンキ・ワールドのフリーによって、その「重要な数字」はさらに明確になったのではないでしょうか。

 他方で、昨シーズンのSPにおけるクワドのミス、とくに4S+3Tに関しては、本人も「練習ではできていたのに」と、囲み取材で落ち込んでいることもありました。そこを来季は、4T+3Tを後半に配置することでクリアしようという方針ですね。4Tに変更することで、精度の面で安定することを期待したいです。

 それでは、NHK杯のSPを見てみましょう。プロトコル関係はこちらで。



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 もちろん、106.33の神演技ということを承知した上で、映像を見てみました。すると、実は、冒頭の4Sってかなり着氷が危なかったんですね。GOE+1.00に留まっているのも当然なんですが、それよりも、よく着氷できたなぁ・・・と。この4Sはまったく覚えていませんでした。

 今回のSPで初投入とはとても思えない4T+3Tのクオリティの高さ(+2.57)。抜群の安定感を誇る3A(+2.43)よりも高い評価を得ており、本人も自信になったはずです。スピン・ステップもすべてレベル4を獲得。

 動画の実況の男性が、ジャンプ一つひとつにむちゃくちゃ興奮していることを考えると、この赤枠のジャッジは、日本人じゃないかもしれませんね・・・。

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 鬼の形相から一転して、この無邪気な笑顔という、ギャップもまたいいですね。まぁ、それだけ自分自身を追い込んでトレーニングを積んできたことの証でしょう。こんなに厳しい表情は、もう見られることはさすがに無さそうです。

 ご存じのように、羽生君は、フリーの「SEIMEI」も完璧に滑りきり、322.40という、これまでの世界記録の295.27を30点近く更新する、異次元のスコアを叩き出します。

 ブライアンは、キスクラで感極まって、羽生君にこう言葉をかけたといいます(128頁)。

  「この気持ちを忘れないように。今日リンクに足を踏み入れたときの気持ち、滑っている間に受けた感じを大切にして、この感動を胸に刻んでおくんだ。これが人生の財産になる」

 はたして、この言葉を、ヘルシンキのフリーでも羽生君は思い出したのでしょうか?

 ちなみに、ブライアンは、ジェフとシェイリーンに、「すぐにインターネットの動画でもいいから見てくれ」とメールを送ったそうです(129頁)。

 そっか・・・ジェフもシェイリーンも、さすがにスマホやタブレットを握りしめての「ライスト生観戦」のはずはないですよね(笑)。

 このNHK杯さえもバラ1に関しては完璧ではなかった・・・。どうも私は、15年のGPFのバラ1を見すぎていて、NHK杯の演技を忘れていたようです。

 では、また明日!

 Jun

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