On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:日本代表メモリアル2017

image



 例の「ゆづから友野君へのメッセージ」をご紹介したのが今年の1月1日の記事でしたが、今回のNHK杯代打出場により、全日本選手権よりも一足早く実現することになりましたね。

 今季の友野君のプログラムは、SPは「ツィゴイネルワイゼン」で、フリーは「ウエストサイドストーリー」。9月中旬のUSクラシックでの彼の演技(SPフリー)もレビューしました。

 その時のフリーについての私の印象は、「観る者を笑顔にさせる魅力に溢れたプログラム」で、「GPシリーズにアサインされていないのがもったいない」とまで書きました。シニアの真剣勝負の場で、どれぐらいの評価を得られるのか?という関心もあったので、それが実現して、スケオタの一人として嬉しく思います。



 「Life Vol.11」(27~28頁)から、プログラムについての友野君のコメントを確認しておきます。振付は両プロともにお馴染みの佐藤操先生。

  「(ショートの)見所は、今までにない、いい意味で期待を裏切れるようにしたいプログラム。これまで表現したことがなかったジャンルの曲なので、難しくうまくいかないこともありますが、これからブラッシュアップしていき、表現の幅を広げていければいいなと思います」

kazukisp

 →→このUSクラシックのSPのプロトコルを改めて見てみたら、4Sは(プロトコル上では)UR扱いではなく、映像を見る限り、着氷も乱れてないのに、なぜGOE-1.92なのかまったく理解できません。

 3Aはステップアウトしているので、GOE-2.00も分かるっちゃ分かりますが、それでも厳しめでしたね。3Lz+3Tの2ndが足りないのは分かります。フライングキャメルスピンのスピードが最後足りなくなってますが、この辺りは修正してくるはず。何より、冒頭の2本のジャンプが降りられれば、SPでもかなりの高得点が期待できそうです。



  「(フリーについては)五輪シーズンは王道で勝負したいというのもありますし。去年のプログラムが良すぎて曲選びや振付けは苦労しましたが、シーズンに向けてどんどん自分のものにできればいいなと思います」

  「スローパートが気に入っています。お客さんやジャッジに映画のテーマを伝えられるように、しっかりそれを表現できるように頑張っているので、リンク全体を映画の世界の中にできるような勢いでやりたいので、プログラム全体を見てほしいです

  「(スローパートは)『マリア』という曲で、想いながら滑るところが僕は気に入っています。あとはケンカのシーンや、後半の『クール』という曲ではかっこよく。たくさん曲を詰め込んでいるので、楽しい場面もあれば、かっこいい場面もあります。いろんなシーンが詰まっているので、自分もそれを感じながら表現したいなと思います」

 →→USクラシックの演技を見なおしてみると、特に「マリ~~ア」の後から、グイグイ曲が引っ張っていってくれるので、音楽との相乗効果なのか、後半のジャンプも気持ちよく成功していってます。

 冒頭の4Sは、もうあとは着氷だけでは?という感じで惜しい。また、3Aの好調が持続していると、スコア的にはかなり踏ん張れる期待感があります。スピンはもうちょっと頑張って!と、そこだけですね。

 最後に、「日本代表メモリアル2017」(54頁)で、こんなやり取りがあります。

 ―― 佐藤先生の作品のパイオニアという意味では、新しくコーチになった佐々木彰生さんの存在も大きいのでは?

  「もう、とても大きいです。彰生先生はずっと操先生の振り付けで滑ってこられて、操先生が考えていることもわかっているので、『操先生の分身』という感じです(笑)。だから、彰生先生に毎日見てもらえるのはとても恵まれているなと思っています

 最高の舞台が整いました。平昌五輪代表のチャンスだって、十分にありますよ。ぜひ頑張ってもらいたいと思います。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

 タイムリーに記事としてアップできていなかった、ネペラ杯の感想です。刑事君&龍樹君のSPとフリー、理華ちゃんのフリーをチェックします。リザルト関係は「こちら」で。



keijisp

 SPでは「75.81」の4位発進。ゲイリー・ムーアの“The Prophet”という楽曲を使ったこの新SP「メモリーズ」を見るのは、8月のアジアンオープン以来です。その時は冒頭の4Sを転倒していて、つづくコンボは、3T+2Tで「68.75」というスコアでした。

 「日本代表メモリアル2017」によると、SPでは、冒頭を4S、コンボには4T+3Tを練習しているようですが、この大会はクワド自体を回避しました。その理由は分かりませんが、SPで1位のヴォロノフ(80.85)とPCSは1.50の差なので、刑事君のこの演技は高い評価を受けていると言えますね。全身を大きく使ったステップやスピンが特に印象的でした。



keijifs

 冒頭にちょっとだけ、動画のアップ主(?)の「おじさんの声」が入っています。このフリーは、持ち越しプロの「フェデリコ・フェリーニメドレー」。SP・フリーともにマッシモ振付です。

 「メモリアル」のインタでは、フリーのクワドは、冒頭に4Sと4T、後半に4Sと計3本を練習しているという話でした。映像を見る限り、前半と後半のサルコウの2本のみのトライという感じですが、いずれも転倒しているので、REPのペナルティが付いてしまっています。3AもREPがつき、その後にフリップとループがパンクして、アジアンオープンよりもかなりスコアを落としてしまいました。合計スコアは197.18の8位。

 滑り慣れたプログラムといえども、ひとつ歯車が狂うと、ガタガタっと行ってしまう。フィギュアスケートは繊細なスポーツであると、改めて感じます。

 つぎの試合は、羽生君とともにロステレ杯です。とくにSPははやくも馴染んでいる印象を受けたので、ここからクワドの精度を上げていけば、活躍が期待できそうです。



ryujusp

 龍樹君は、SPでは「67.25」で6位。アジアンオープンと同様に、冒頭で4Tにトライしましたが、残念ながらDG。その後の、3Aと3Lz+3Tはいつもの美しい着氷が健在です。SPで80点以上を狙うには一本クワドは必須になってくるはずなので、チャレンジを続けてほしいと思います。



ryujufs

 フリーは「117.08」と伸び悩み、合計「184.33」の11位。いやぁ、SPは冒頭クワドの後、しっかり立て直せたんですが、フリーは最後まで苦しみましたね。龍樹君も、羽生君、刑事君と同様に、滑り慣れた「キダム」なんですが、いやはや、

  シーズン序盤からノーミスするというのは大変なことなんだ!

 そういうものなんだと、ファンの我々が受け入れなきゃいけませんね。大西先生の元で、全日本に向けて、クオリティを上げていってくれることでしょう。

 あと、動画のアップ主さんのおじさんですが、今回は無いな!と油断していると、終盤のステップの後に、「うーん・・・」と、ちゃんと唸っています。ご了承ください。



rikafs

 最後に、理華ちゃんのフリーです。ジャンプでエラーが目立って、フリーのスコアは「123.49」と伸び悩み、合計は「189.98」の2位入賞。

 まぁ、ジャンプの課題は持ち帰ってスケカナまでに修正するように努めるとして、私が注目したのはスピン・ステップすべてでレベル4が取れていることなんですよね。理華ちゃんのネペラ杯の演技はSPのみブログで紹介していましたが、SPもステップはレベル4を取れています(ちなみに、この大会で優勝したメドベのフリーのステップは、レベル3です)。

 理華ちゃんのSPはシェイリーン振付の「カルミナ・ブラーナ」を持ち越しし、フリーもシェイリーンに依頼して、映画『フリーダ』の楽曲を使用しています。

 そういえば、新葉ちゃんもシェイリーンの「スカイフォール」ではステップでレベル4を取れているので、本人の努力ももちろんなんですが、シェイリーンのステップの振付の作り方が巧いのかなぁ・・・と。

 一方で、真凜ちゃん舞依ちゃんはともにフリーはデイヴィッド振り付けの新プロですが、いずれも、ステップはレベル3に留まっていて、現時点で評価を下すのは早計とはいっても、振付師にも「得手・不得手」ってあるのかな?という想像をしてしまいます。

image



 さて、「日本代表メモリアル2017」(82~84頁)の理華ちゃんのインタから、彼女が新フリー「フリーダ」について語る部分をご紹介しましょう。

 ―― フリーの「フリーダ」は、どのようなプログラムですか?

  「メキシコの画家、フリーダ・カーロという女性の人生を描いたプログラムです。彼女は6歳のときに病気で身体が不自由になって、大きくなってからも事故に遭って全身にコルセットをつける生活になってしまうんです」

  「でも絵を描くことで悲しみを昇華して、その後結婚するのですが、事故の後遺症に苦しんだり、その影響で子供を授からなかったり、旦那さんに浮気をされたり、すごく苦労されるんです。そんなフリーダさんの壮絶なストーリーをそのままプログラムで表現していきます」

  「私はフリーダさんほどの辛い経験をしたことがないので、『できるかな』と最初は思ったのですが、シェイ=リーンに『どんな小さなことでもいいから、自分のなかの悲しみを自分になりに表現すればいい』と言われて。それで今、自分なりに考えてやっているところです」

 →→ おい、この旦那!どんだけ人でなしやねん!と呆れるしかないですが、今月21歳になったばかりの理華ちゃんに、このストーリーは重いなぁ・・・。しかしまぁ、新葉ちゃんの「スカイフォール」もそうですが、相変わらず、シェイリーンは「無茶ぶり」するお方です。ちなみに、このフリーダさんは1954年に亡くなった実在の人物です。

 ―― 想像を絶するような内容ですね。「辛さ」のイメージはどうやって膨らませているのですか?

  「『身体が動かない』『歩けない』というところは、程度は違いますけど自分もケガをして思うようにスケートができなかった時期の気持ちが重なるかなと思ったので、そのときのことを思い出して練習しています

 ―― とても難しいテーマですが、最初に聞いたときはどう思いましたか?

  「フリーダさんという画家も、映画も、音楽も知らなくて、最初は『なんだろう?』と思って、編集される前の曲を聞いても全然ピンとこなかったんです。それで、映画を観てみたのですが暗い感じの映画だったので、『できるかな?』と不安で。でも、編集された音楽を聞いてみたら『あれ、カッコいいな』と思えて、振り付けではひとつひとつの動きの意味やイメージを教えてもらえたので、全体像がつかみやすくなりました」

 ―― フリーは、全体でいくつのパートに分かれているのですか?

  「大きく分けると4つのパートになっています」

 ―― 最初はどんなシーンから?

  「最初は動けない状態で、自分の感情を外に出さずに、でも心の中では『苦しい!』と叫んでいるみたいな感じです。2つ目は明るい曲調になって、少女が遊んでいるイメージで、身体を自由に動かせるフリーダを演じます。3つ目はスローな曲調になって身体の痛みや、子供を産めない苦しみ、失恋の痛みを経て、絵を描くことを見つけるまで。4つ目はフリーダが亡くなる前の場面で『人生に悔いはない』と絞り出すようにして終わります。最後は私も『自分のすべてを出し切って演技が終われるように』という思いで滑っています

 ―― この女性の生き方を、本郷選手はどう捉えていますか?

  「『可哀想だな』と思う人もいるだろうし、『大変な人生だな』と思う人もいると思うんですけど、私は『すごく強い女性だな』と思っています。自分では想像もできない人生ですが、ひとつひとつ乗り越えて生き続けた彼女は本当に強いなと思います」

 ―― ご自身のなかで『これは良いプログラムになりそうだ』という手応えはありましたか?

  「プログラムのなかにいろいろな要素が入っているので、『これは大変だ』と思っていたんですけど、演じているととても楽しくて充実感があるんです。ひとつひとつの振り付けに明確な意味を持たせているので、これまで以上に『表現するのは楽しいんだな』と思えるようになりました。今まではあまりストーリーのあるプログラムを滑ったことがなかったのですが、今回はフリーダの人生をお客さんに伝えるために工夫もしているので、彼女の物語と私の演技を重ねて観てもらえるようにしていきたいです

 ―― このプログラムを滑ることで、表現の幅がさらに広がりそうですね。

  「はい、このプログラムをもっとカッコよくできるように自分がやるだけなので、しっかり滑っていきたいと思います。長久保(裕)先生にも『あとは、おまえが頑張れ』と言われました(笑)

 最後のオチがまさに、長久保先生が言いそうだなぁ・・・と、思わずニヤリとさせられます。

 それにしても、そこらへんのゴリ推し若手女優ならば、自分の主演映画やドラマですら、ここまでしっかりストーリーと演技の意味を説明できるのかどうか・・・。

 「無茶ぶり」と前述はしましたけど、シェイリーンはかなり細かく振付の意味を説明して、しかも、理華ちゃんもその意図を正確にキャッチして、本当に素晴らしいと思いました。これ以上、私が付け加えることはありません。私もまた、何度か演技を見なおしてみようと思います。
 
 こんなに一生懸命になって頑張っているんですから、ますます応援したくなっちゃいます。なんだか、オリンピックの2枠とかあまり気にしないで、理華ちゃんには、自分自身で納得のいく演技を披露してもらいたいですね。

 しかし、曲だけ聞いていると、「おばさんの歌うラテンの曲」という感じで、このような背景を知っていないと、プログラムの意味は理解しにくいですよね。レベル4の取れたステップの所は、4つのパートの2つ目の「少女時代のフリーダ」です。その辺りを注意してみるとより楽しめると思います。

 明日は、平昌五輪での日本代表の「枠」のかかる、ネーベルホルン杯を展望します。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

2017-08-28-09-11-45

2017-08-28-09-12-28



image

 さらに「メモリアル」の続きです。あまり見慣れない企画なので、ご紹介します。

 イタリアのスケート靴ブランド「リスポート」が実施する「ジュニアプログラム」で、日本から将来有望な若手を連れてカスタムシューズを作製するというもの。

 岡島功治コーチが「引率」する形で、今年のプログラムには、写真左から、住吉りをん、岩野桃亜、松岡あかり、片伊勢武の4選手が参加。全員中学2年生。

 松岡さんは、今季JGP第1戦のオーストラリア大会で4位入賞。岩野さんは先日の第2戦オーストリア大会で6位入賞を果たしています。おそらく住吉さんも今後開催されるJGPに出場するはずです。いずれもジュニア1年目の選手です。片伊勢君は昨年の全日本ノービスAで2位(1位は佐藤駿君)の有望選手です。

 作業行程として、まずは、3Dスキャナーで足型を測定。岡島コーチのお弟子さんの樋口新葉ちゃんもこのようなカスタムフィットのシューズを作って「やはり足が痛くなかった」とのこと。

2017-09-02-21-57-11

2017-09-02-21-57-44

 シューズの問題といえば、ワールドの時のネイサンあるいはジュンファン君の事例が思い浮かびますよね。岡島コーチによれば、「足が成長して大きくなる」ことはあるようで、新葉ちゃんとも「もう一度作り直そう」と話したばかりとのことです。

 リスポートのスケート靴は、職人さんによって一足一足が手作業で丁寧に作られます。その後、靴の歪みを赤外線でチェック。赤外線によるチェックで、ソールにブレードをより正確に水平に取り付けられるようになりました。スケート靴は、試作品の段階で、実際にかかる衝撃の200倍の負荷を与えられたり、生地の強度を測る摩耗テストも行われます。最先端のテクノロジーと熟練の職人の腕が融合しています。

 また、岡島コーチによれば、最近のスケート靴は軽量化の面も進んでいて、「靴が軽いと、足の運びが楽になり、プログラムの後半まで体力がもつ」というメリットがある一方で、「軽すぎると、ジャンプが締めきれない」という選手もいるようです。

 今回のプログラム参加選手たちの靴へのこだわりも、けっこう違いますね。「軽いからリスポートを選ぶ」。「こだわりは全然ない。いま履いている靴はスパンコールがかわいいから履いている」。「どちらかというと、履きこんで柔らかくなる前の、硬い靴、新しい靴が好き」。「靴を替えた日のダブルアクセルは怖い。抜ける感じがする」。「靴やエッジを替えたばかりのときに、フリーをノーミスできた」。もう、人それぞれですね。

 話は前後しますが、3年前のこのプログラムには、我らが佐野稔コーチが参加されていて、そのときに「歪み対策」などを細かくリクエストして、その後、上述の赤外線チェックが導入されたそうです。稔先生は、「居酒屋トーク」だけの人じゃないのです(笑)。

 全然レベルの低い話をしますと、私は中学~高校で陸上の短距離をやっていたんですが、90年代の当時でもスパイクの軽量化はものすごい勢いで進んでいました。そりゃ、最新のしかも一番高いモデルを履いてみたい!っていう気持ちがある中で(市販モデルだと3万円台が最高級だったはず)、「そんなのを履いていながら、タイムが遅いと、他校の選手にバカにされている気がして、カッコ悪い」というのもあったりして・・・。すでに当時から、私立の強豪校には、ミズノやアシックスの担当者が選手の足型を測りに来ていたという話はありましたね。

 今回イタリアに派遣された4選手も、もちろん小学生時代からこんな凄い靴を履いていたわけもなく、何を履いても強いんでしょうが、何よりも怪我が怖い競技ですから、スケ連もしっかりお金を使ってサポートしていただきたいと思います。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

2017-08-28-09-11-45

2017-08-28-09-12-28



 さて、神戸の舞依ちゃん&花織ちゃんをチェックしたんですから、関大のスケーターも見ないわけにはいきません。

 今回は白岩優奈ちゃんに注目してみます。理由としては、すでにSPもフリーも新プログラムを試合で披露していて、しかも特に変更もなく、ここまで順調に来ているからです。

 本誌の中では、知子ちゃんと真凜ちゃんのインタももちろん掲載されているんですが、知子ちゃんについては、新フリーの「蝶々夫人」を私がまだ見れていないこと。真凜ちゃんは、みなさんご存じ、土壇場でSPが変更になり、おそらくいまマリーナ・ズエワが急ピッチで作っているはずで、しっかり演技を観てから色々と語りたいと思っています。

 優奈ちゃんが出場した8月のアジアンオープン(SPフリー)について記事にしていますので、そちらもぜひどうぞ。



 ―― プログラムについて詳しくお聞きします。まず、ショートの「亜麻色の髪の乙女」ですが、選曲したのはどなたですか?

  「私が選びました。昨シーズンのショートはすごく楽しい曲調の『アイ・ガット・リズム』だったので、濱田(美栄)先生から『次は静かな曲がいいんじゃない?』というアドバイスをいただいて。一昨年(15-16年)のショート(『オーバー・ザ・レインボー』)とはまた違う静かな曲がいいなと思って、たくさんの選手の動画を観て、一番静かできれいだなと思ったのが、キーラ・コルピさんが使っていた『亜麻色の髪の乙女』(12-13年SP)だったので、この曲に決めました」



 ―― キーラ・コルピさんの透明感ある滑りと白岩さんの滑りは重なりますね。このプログラムの振り付けは?

  「ジェフリー・バトルさんです。昨シーズンとは違った、がらっと雰囲気が変わる曲なので、その雰囲気作りを大切にしようと課題をいただきました。振り付けは、曲の細かい音まで拾って作ってくださるので、そこを掴むのが難しいです」

 ―― ジェフ先生からは、どんなふうに滑ってほしいと言われていますか?

  「『静かな曲だから柔らかい動きができるようになったらいいね』と言われました。よりなめらかに成熟したスケートをすることが必要になると思います

 →→キーラのこのプログラムはデイヴィッド振り付けです。ちなみに、wikiを見てみると、彼女のキャリア終盤のプログラムでは、ジェフやシェイリーンも振り付けをしていますね。

 キーラはもう、フィンランドの英雄ですけど、このソチGPFの演技を見てみると、別に隠すつもりもなく私が日本人びいきであることを自覚して言いますが、優奈ちゃんの方が上半身の動きが繊細で柔らかいし、もちろんジャンプも上手いし、ジャンプを着氷してからのスケーティングへの移行も滑らかで、すでに彼女のプログラムになっている印象です。

 アジアンオープンだけを見た時よりも、こうやってレジェンドの演技と比較すると、彼女の長所が実によく分かりました。



 ―― フリーのほうは?

  「フリーは『展覧会の絵』で、振り付けはトム・ディクソンさんです」

 ―― フリーもクラシックの曲ですね。誰もが聞いたことのある曲ですが、どんなふうに滑っていきたいですか?

  「絵の案内人が途中で鳥になったり、『絵を盗みたい』という気が起こって、最後には本当に絵を盗むというストーリーがあるので、演じやすいといえば演じやすいんですけど、その切り替えをすごく大切にしています」

 ―― どの場面が一番好きですか?

  「うーん、最後の絵を盗むところが好きです(笑)」

 ―― トム先生からはどんなアドバイスがありましたか?

  「『3つの切り替えを大事にしてほしい』と言われました。ゆったりなところはすごく優雅に演じて、絵を盗みたいと思うところはすごく怖い雰囲気なので、そこを『強く!強く!強く!』と言われました」

 ―― トム先生は独特の動きがありますが、そこはどうですか?

  「はい、今まで見たことがないような動きでした(笑)。最初に曲を聴いたときは『え、これでやるの?』って思って(笑)。初めてやるような身体の動かし方があって、すごく難しかったです。でも、トム先生が躍るとすごくきれいなので、それを真似できるように練習していきたいと思っています。振り付けをしていただいたときの様子を濱田先生が動画で撮ってくださったので、それを見て美しく滑れるようにしたいです」

 ―― トム先生のご指導は、どういう印象でしたか?

  「私が全然できなくてもゆっくり教えてくれるので、とてもわかりやすかったです。とても優しい方でした」

image

 →→彼女は、同じ「チーム濱田」の中でも、“日本のエース”知子ちゃんや“抜群の知名度の”真凜ちゃんと比較され、しかも、大怪我で出遅れたこともあり、つらい時期を過ごしてきたと思います。

 ただ、親しみやすく愛らしいビジュアルの持ち主でありつつも、ジャンプは上手いし、所作の滑らかさにも定評があると思っていて、実は、昨季の世界ジュニアでともに戦った、花織ちゃんや真凜ちゃんと比べると、個人的には「一番ジュニアっぽくない選手」という印象でした。

 今季は、神戸組が「攻めたプログラム」で挑むのに対し、優奈ちゃんの新プログラムはともに、彼女の魅力が生かされた素晴らしい仕上がりになっていると思います。

 ところで、「フレンズ・オン・アイス」のドキュメンタリーで、荒川さんが「オリンピックは、それを目指すすべての選手を成長させてくれる」という主旨の発言をしていました。これは至言だと思いましたね。

 代表に選ばれた選手やメダルを獲った選手のためだけの大会ではない。「参加することに意義が・・・」という、様々な事情で出場できない人を無視したカビの生えた御託宣とも違う。

 優奈ちゃんは、オリンピックシーズンに向けて、こう答えています。

  「全日本で結果を残さないと代表にはなれないんですけど、まずは表現やスケーティングの部分を強化して、最終的に全日本ですべて合わせられるようにしたいと思っています。今の実力ではオリンピックに行けないことは十分わかっているので、自分の弱いところを強化しつつ、得意なところはもっともっと強化していきたいです

 優奈ちゃんにはまだつぎの北京があると思いますが、平昌の代表を目指して、自分のクオリティを高めていくことは、よい経験になると思います。

 GPシリーズは第4戦のNHK杯、第5戦のフランス杯にアサインされています。この良プログラムで、さらなるレベルアップができることを期待しています。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ



    このエントリーをはてなブックマークに追加

2017-08-28-09-11-45

image

2017-08-28-09-12-28



 さて、一日空きましたが、「メモリアル」の続きです。

 まずは、「織田信成の2016-2017シーズン総括解説」から、羽生君について言及された部分を拾ってみます。

 ―― 羽生選手の戦いぶりは、どのようにご覧になりましたか?

  「シーズン前はケガの心配があったり、全日本はインフルエンザで欠場を余儀なくされたり、いろいろな試練があったかもしれないですが、僕は、そこまで紆余曲折したシーズンではなかったのではないかと感じています

  「もちろんシーズンを通していくつかミスはあったんですけれども、それをしっかりカバーできるくらい、他のエレメンツで質の高さを見せていました。世界選手権では、完璧な演技で金メダルということで、本当にすごいなという感じで(笑)。4回転サルコウを後半に跳ぶということも、シーズン前半は苦戦している感じがあったのですが、後半に向けて非常に安定感が増して、とてもきれいに決まるようになっていました。これもひとつ、新シーズンに向けて自信になったんじゃないかなと思います

 ―― 世界選手権のフリーの演技についてはどう感じましたか?

  「彼は、どちらかと言うと逆境のほうが燃えるタイプなので(笑)。僕は、ショートを終えた段階で最終グループに残っていれば大丈夫かなと思っていました。もちろんショートで良い演技をしてほしかったですけど、きっと彼ならフリーでやってくれるだろうと。でも、まさかあそこまで完璧な演技をするとは思っていなかったので、心から『すごいな』と思いました」

 ―― ドラマチックでしたね。

  「本当にスターだなと(笑)。『スター現る!』って感じでしたね。『もう優勝は無理なんじゃないか』と思うところで踏ん張って、自分の力をすべて出し切るところが、彼のアスリートとしての素晴らしいところだと思います

 →→たしかにヘルシンキで大逆転優勝できたのは「スター」そのものなんだけど、城田さんが明かしていた「裏話」も併せて読むと、やはり、大変なシーズンだったと思いますね。

 織田君の発言で興味深いのは、「フリーの最終グループに残れば大丈夫」という見立てと、後半の4Sの成功が「来季につながる」という点ですね。

 私のような素人からすると、「ヘルシンキのフリーは成功したとはいえ、五輪シーズンのフリーは、4Sは一本に留めた方が・・・」なんて、たぶん以前の記事でも書いていたはずですが、プロの意見は「これで来季、4Sはイケる!」となるんですね。

 さて、ゆづ関連だと、二人の男子スケーターが、まさに同じ話題に触れていました。

 一人は、刑事君。アジアンオープンの試合をレビューしましたが、ゲイリー・ムーアの曲を採用した、新SPの「メモリーズ」についてです。

 ―― 前回のインタビューでは、「選曲はマッシモ先生に委ねたい」ということでしたが、いくつかの候補曲の中から選んだのですか?

  「この曲は、初めてマッシモに振り付けをしてもらうことになったとき、彼が最初に選んでくれた曲なんです。マッシモが僕に抱いたイメージがこの曲だったらしいのですが、そのときは(羽生)結弦がゲイリー・ムーアの曲(『パリの散歩道』)を滑っていたという印象が強くて、曲を聞くと結弦が目に浮かぶ感じだったんです。でも、それから時間が経つにつれて、僕が滑っているイメージが林先生のなかに浮かんできたらしくて。それで、アメリカに振り付けに行ったときに、『以前選んでもらった曲なんですけど、どうですか?』と提案して、改めて聞かせてもらって、『これだ!』と。それで、すぐに振り付けに取りかかりました」

 もう一人は、無良君です。もう、ピン!と来た方もおられるかと思います。

 ―― 前回の「オペラ座の怪人」で、ファントム像をつかめたことは自信になっていますか?

  「前回はミュージカル版の音源を使ったんですけど、もともと僕は映画版の曲のほうが音の幅が広いので、そっちのほうが好きだったんです。あのシーズン、映画版の音源は、ゆづ(羽生結弦)が使っていたので重複を避けたのですが、当時、心の中には『あっちがやりたかった』という思いもありました。今回は映画版の音源でプログラムを作ることができたので、『やっとイメージどおりの曲が使える』という喜びがありますね。あのときできなかった表現が、今はより深くできるかなと思うので」



 たしかに、改めて聞いてみると、このミュージカル版は映画版と比べると重厚感が足りないかな・・・という気もします。

 でも、そんなことよりも、無良君のこのスケカナでのキレキレの演技をまったく覚えてなくて、そっか、14-15の羽生君のGP初戦はスケカナではなく中国杯だったもんなぁ・・・・と。

 ちなみに、無良君はハビを抑えてこのスケカナで優勝。バルセロナのファイナルに進出しています。逆に、良いイメージを取り戻すために、ミュージカル版のままじゃなくて大丈夫?という気もしますが、でも、それはそれで意欲的な試みですし、応援したいと思います。

 以前の記事で、「フィギュアスケートは曲がけっこうかぶるなぁ」という主旨のことを書きましたが、いやいや、確かにそういう部分はありつつも、スケーター本人は細かい部分をやはり気にしているのだなと。

 逆に、海外の振付師は、誰がどの曲を使っている(使っていた)とか、あまり気にしないのかなという印象ですね。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

このページのトップヘ