On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:キム・ヨナ

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 今回は、第5章「チーム・ブライアンのコーチング」について見ていきます。<再読企画>のバックナンバーについては、「こちら」をどうぞ。

 けっこう内容を忘れているもので、例えば、元々、トレーシーから2006年に電話を受けて、ブライアンはクリケット・クラブのヘッドコーチになることを決めたようです(208頁)。ちなみに、この2006年から本書を出版する2014年までの8年間、クリケットから離れたコーチは一人もいないという話です。スケーターは、ナム君やリッポンなど、新天地に活躍の場を求めた選手もいますが、コーチが誰も辞めていないというのは興味深いです。

 さらに、当初韓国スケ連がキム・ヨナに「トリプルアクセルを跳べるように、リクエストしてきた」というエピソードは、この本の続編の『300点伝説』が初出だろうと思っていました。

 ところが、本書ですでに語られていたのですね(227~228頁)。

  「・・・ヨナは、当初トリプルアクセルをやりたがりました。しかしそのとき私たちが重視していたのはジャンプの質、GOEでプラスをもらうことでしたし、無理にトリプルアクセルに取り組むのはケガや体力を考えても得策ではありませんでした。私は彼女に、『トリプルアクセルの練習を始めたいなら、バンクーバーで優勝した後でいい』と言いました。ひょっとすると、それが彼女がここを去っていった理由かもしれません。彼女には素晴らしいダブルアクセルがあり、トリプルアクセルができる可能性はありましたが、あえて練習させませんでした。私の戦略は正しかったと思います。GOEとPCSを上げるという戦略で、ヨナはオリンピックで圧勝したのですから」

 皆さんもご存じのように、ヨナはソチ五輪のエレメンツに3Aを入れたわけではなく、したがって、クリケットを去った理由は別の所にあったわけです。ヨナのバンクーバー五輪での戦いについては、以前少し書いているので、「そちら」もご覧ください。

 「チーム・ブライアン」の指導方針については、例えば、GOEやPCSに注目すること、スケーティングを基礎からみっちりトレーニングすること、ジャッジを招聘して意見を訊くこと等々、これは本書でも、続編の『300点伝説』でも大いに語られていました。つまり、現行の採点システムに不満を言うのではなく、それを受け入れて、「いかに適応するか」を基本方針として、さまざまな取り組みを行っています。

 本章は、そのような取り組みについての具体的な記述が中心ですが、今日はそこを少し離れて、羽生君についてのエピソードを二つ拾ってみました(214~217頁)。

  「・・・実はトップスケーターほど自主練できるものです。特にユヅルは、私やトレーシーがリンクにいても、レッスンするのは1日あたり30分か、長くて1時間です。もちろん私が他の生徒を教えていても視界には入っているので、これはアドバイスが必要だなと思うときは呼び止めて話しかけますが、付きっ切りでいる必要はありません。ユヅルは自分がやっていることを正確に把握していて、次に自分が何をすればいいのかわかるからです

  「・・・また、幼いスケーターにとってのモチベーションは、何と言ってもユヅルとハビエルの存在です。みんなが2人を見て『あんなふうになりたい』と憧れるのです。スケートだけでなく、礼儀や練習態度も見ているので、2人が人間としても良い手本になるように気をつけています。その点、ユヅルは素晴らしいですね。練習に来るとコーチ全員に挨拶してから自分の練習を始めます。自分のレッスンをしないコーチにも。これが礼儀というものです。日本の風習なのだと思いますが、日本人はこれをもっと誇りに思うべきです。もちろんハビエルも挨拶をしっかりしています。そうすると自然に小さな子どもたちも一生懸命練習するし、礼儀正しくなるのです」

 「礼儀や挨拶」の部分が「当たり前ではない」ことに驚きましたが、世界中の様々な国から選手たちが集まっていますし、個人競技なので、チームメイトはライバルでもありえるので、もしかしたら、「私は私。他人には干渉しない」という部分はあるのかもしれません。

 訳者の野口さんは、章末の解説で、ブライアンの「性格的な魅力」について語っています(235~236頁)。

  「スーパースター選手の過去を持ちながら、指導現場では『相手に合わせる』オーサー。それは、コーチングの手法であると同時に、彼の性格的な魅力でもある。そんなオーサーの人間性を感じさせるのが、彼のこんな言葉だ。『好きな食べ物は、そのときに教えている子の影響を受けちゃうんですよ。だからヨナを教えていたときは韓国料理をよく食べました。キムチも焼き肉も大好きです。いまは日本食もよく食べますよ。寿司や麺類もおいしいし、しゃぶしゃぶは最高ですね』

 教え子を理解するために、食文化を知ることから始める。だから、あんなに体型が・・・。でも、素晴らしい先生じゃないですか!

 羽生君がトロントで寿司やしゃぶしゃぶや麺類をガツガツ食べているとは思えないですが、問題はそこではなく、弟子と信頼関係を築くために、自ら歩み寄って努力することが素晴らしいです。私にとって、ブライアンの様々な発言や考え方が勉強になります。

 では、また明日!

 Jun

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2017-01-16-16-37-08



 まず、ブログの「拍手ボタン」についてお問い合わせいただいので、お答えします。「スマホモード」でブログをお読みいただくと、拍手ボタンが表示されないようです。

 たしかに、私のiPhone 7Plusでも表示されないので、「PCモード」に切り替えてみると、ボタン表示も拍手自体も問題なくできましたので、ぜひトライしてみてください。

image

 さて、「序章」と「第1章」に続いて、「第2章 キム・ヨナ」です。

 まず、今回再読する以前の、キム・ヨナについての私の印象を簡単にお話しましょう。昨年の5月に本書を読むにあたって、彼女はあまり好きな選手ではないし、まぁ、ブライアンのことを知るために読んでおくか・・・と、半分義務的にページをめくっていました。

 で、当然の結果なんですが、5月30日にアップした記事では、ブライアンに同情するわぁ・・・という冷静さを欠いた感想になっています。

 しかし、今回は「チーム・ブライアン」の取り組みにフォーカスして読むことができました。平昌五輪が見えてきて、私のような単なるファンも、羽生君がどのような状態で本番を迎えるか?と、彼の一挙手一投足がいよいよ気になってきたからだと思います。当然、本章で私が注目したのは、「オリンピック直前にどんな準備をしていたのか?」という、その一点です。

 そして、ふと感じたのは、来月発売の続編の中でも、全てが明かされることはないのかもな・・・ということです。それは、羽生君もハビも2018年に金メダルを争うバリバリのトップ選手であることが理由の一つです。しかし、キム・ヨナがもはや「過去の人」だからこそ、本章の内容は予想以上に具体的で、私の「イメージ」を十分に膨らませてくれました。

 どういうことかというと、羽生君の発言、ブライアンの発言、あるいは先日ご紹介した対談の内容に、本章の内容はかなりの肉付けをしてくれると思ったからです。

 少し長いですが、私が、なるほど!と思った部分から引用しましょう。バンクーバー五輪のまさに演技直前の様子です(125~128頁)。

  「私(ブライアン)とデイヴィッド(・ウィルソン)は、不安や緊張をヨナに見せないように気をつけていました。コーチとしては、自信にあふれ、いつも通りである必要があります。おかしなもので、コーチのほうこそオリンピックというストレスが高い状況に置かれて、突然、普通でなくなるケースがあるのです。いつもと違うふるまいをしたり、アドバイスしすぎたり、妙にそわそわしたりするコーチもいます。しかし私は、いつも通りにふるまいました。必要以上に話さず、それ以下でもない。必要以上に落ち着くのではなく、いつも通りに落ち着くようにするのです。 いつもと同じような立ち話をして、笑ったりしました。そのために、私は自分のボディランゲージに気を配っていました。ちょっとした隙に見せる手や表情の動きこそ、いつも通りであるべきです。そうすればヨナも、すべていつも通りだと感じます」

  「・・・選手廊下で一緒に出番を待っていると、彼女は突然立ち上がってカーテンをくぐり抜け、会場へと出ていくのです。私が『時間だ行こう』などと言うのではありません。ヨナは自分で責任を持って、出発するのです。私は彼女の目をじっと見ているだけでよかったのです。ですから、普段、競技前に私がかける言葉も、それほど多くありませんでした。オリンピックでも同じです。私は『何をなすべきかわかっているね』と言い、ヨナは『準備はできてるわ』と答えました。ハイタッチしたり、『GO! GO!』などと叫んで励ましたりはしません。ヨナにとっては、そういった派手なことは少ないほうがいいのです。ただ落ち着いていればいいとわかっていたので、オリンピックだからといって特別なことを口にすることはありませんでした。もちろん、私たちはこれが世界最大のイベントであるとわかっていました。だからといって、選手には非常事態だと思ってほしくないのです。『日常』か『非日常』かでいえば、『日常』です。このために私たちは毎日トレーニングをしてきたのであって、その準備を(2006年春から)3年半もかけて整えているので、予想外のことが起きる隙もないのです」

 どうですか?「序章」の対談で、羽生君は、「ソチの演技直前でも、ブライアンはいつも通りだった」と語っていましたが、その理由が本章で細かく語られているわけです。



 バンクーバー五輪のSPの動画です。ブライアンはヨナをじっと見つめて、静かに、一言、二言しか声をかけていませんね。この78.50と、マルセイユGPFのメドベの79.21のプロトコルを見比べてみると、この頃って、いまよりもPCSは出てないんですね。GOEはヨナの方がついていて、ノーミスなだけでなく、要所要所きっちり押さえて、さすがに巧いなと感じます。

 実は、本田真凛ちゃんを見た時に、あのムチのようにしなる腕にキム・ヨナのおぼろげな記憶がかぶっていたんですが、真凛ちゃんの方が全然柔らかいですね。むしろ、ヨナは身体が大きくてゴツくて、もっさり感すら感じます。



 こちらはフリーの直前。ブライアンは"ok"としか言ってませんね。ヨナのバンクーバーのフリーって全然記憶になかったんですが、このガーシュウィンの「へ調の協奏曲」、私、けっこう好きです。3:30前後から突然激しくなります。ネイサンの「ダッタン人の踊り」のようなパワフルな雰囲気に変わり、後半のジャンプもビシっと決まって、ブライアンのガッツポーズも見られますよ。

 序盤、2本目のジャンプを着氷した後にイーグルが入って、その後にイナバウアーも入っていて、ちょっとそのDNAはゆづに受け継がれてる?なんて言ったら各方面からお叱りを受けそうなので、ここだけのゴニョゴニョ話にしておきますが、え?いいじゃんこのプロ!・・・と感心してしまいました。そりゃ、ブライアン、トレーシー、デイヴィッドが指導&振付をしてるんだから、いいものじゃないわけがない。「ボンドガール」に抵抗のある方は、こっちだけでも見てほしいです。

 いやぁ、やっぱり日本の女子選手で誰かクリケットの門を叩いてほしいですよ。真凛ちゃんは、妹たちがいるからお母さんがトロントまで行くわけにいかんし、そもそも濱田先生が放さないだろうから、新葉ちゃんとかどうかな・・・と思うんです。シェイリーンに振付もしてもらってるし。

 さて、話を戻して、もう少し、「チーム・ブライアン」の取り組みをご紹介しましょう。

 (1)クリケットでの「メディア・デー」はヨナの時からやっていた



 映像残ってますね。シーズンイン前の夏に、韓国メディアだけでなく日本のメディアも取材に来ていたそうです(フジテレビですかね?)。お母さんの姿も映っていました。本書でも記されていますが、完全に黒子役に徹している羽生君のお母さんとは対照的な人で、リンクが見えるラウンジから常に練習を「監視」して、スケジュール管理もそうですが、プログラムの最終決定権さえ母親にあったようです。ブライアンとデイヴィッドがママの前でプレゼンして、OKが出ないと採用されないという・・・ちょっと笑えない話です。

 ちなみに、上の動画の中で、キム・ヨナが出演しているティッシュのCMが流れていますが、CM撮影は基本的にトロントだったみたいです。羽生君のように、スケ連がいて、ANAがいて、というバックアップ体制とは違っていて、彼女の場合、母親と代理人がスポンサー契約等をこなしていたようです。おそらく韓国のスケ連は日本と比べて脆弱で頼りにならず、お母さんがコーチ探しから何から何まで、とにかく彼女を引っ張ってきた感じです。

 (2)ルッツ/フリップ対策として五輪直前にも練習を公開

 09年の12月にもクリケットで「メディアデー」を開き、マスコミを集めています。この頃、ルッツとフリップのエッジエラーの判定が厳しくなってきて、ヨナ自身もフリップのエラーを取られたことがあったとか。

 そこで大勢のメディアとカメラをクリケットのリンクに入れて、3Fを何度も跳んで見せて、ブライアンも、

  「どうです?ヨナのジャンプを見ました?実に正確なエッジだ。すごい!なんて特別な少女なんだ。素晴らしい!」

 このようにメディアの前で賞賛します。これまでエッジエラーの件で、批判があったことを知った上で、あえてこのように練習を公開しました。ブライアンも思い切ったことをするもんですが、このメディアデーと、そして実際、バンクーバーでもミスをしなかったヨナは本番に強い選手だったんですね(106~108頁)。

 章末の野口さんの解説では、3Aを武器にした浅田真央ちゃんに対して、ブライアン陣営の策は、「3回転+3回転」の質を上げることと、演技全体の完成度をバランス良く高めることに集中しつつ、「フィギュアスケートで高得点が出る演技とは何か?」を追求し、ジャッジやISU役員へ徹底的にヒアリングするなどの情報戦も行った、とあります(138~139頁)。

 バンクーバーの動画の所にプロトコルも貼りましたが、日本ではなぜか3Aが15点とか20点ぐらいの技のように騒がれますけど、基礎点は、3A+2Tで9.50(現在は9.80)、3Aは8.20(現在は8.50)。3Lz+3Tは10.00(現在は10.30)。

 真央ちゃんはバンクーバーで3Aを三本成功させましたが、GOEを見ると、SPの3A+2Tは0.60、フリーの3Aは0.80、3A+2Tが0.20でした。彼女ですらGOEが1点つかないわけで、他の選手が3Aにチャレンジできるわけがないですよね。

 ちなみに、09-10シーズンでは、ヨナはGPシリーズはファイナル含めて3連勝でバンクーバー入り。一方、真央ちゃんはGPの2試合では3Aのミスが目立って(5位と2位)、ファイナルに残れていません。それでも全日本に勝ち、バンクーバーで銀を獲得したのは立派ですよ。

 やはり、ヨナの「シーズン通しての安定感」が抜けていたと同時に、にも関わらず、「金メダル!」「金メダル!」と騒がれた真央ちゃんは、過度のプレッシャーの中でよく頑張ったんだなと思います。

 いまのように、スマホやタブレットを駆使してライストで試合を見れて、プロトコルも自分で見て、SNSで海外の識者の論評を即座に読めるような状況とは違って、当時はスケオタが戦力分析をするのは難しかったはずです。

 明日は、そのまま「第3章 ユヅルとハビエル」を予定しています。

 では、また明日!

 Jun

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 アクセスが不安定な問題に関して、昨日、livedoorの担当の方からたいへん丁寧なメールをいただきました。的確な指示の通りに、私が独自ドメイン設定の際に一部余計に入力していた部分を削除しました。

 夕方頃に処置した後、今の所、どの端末でアクセスしてもlivedoorトップページに飛ばされてはいないので、おそらく問題は解決したように思われます。

 読者の皆さまには、多大なご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。また、一部の方から励ましのコメントをいただき、何とか記事の更新だけは続けることができました。本当にありがとうございます。

 さて、本日も雑誌のレビューですが、さらに古い物シリーズが続きます。この「シーズンガイド」は、ワールドフィギュアスケート(WFS)の別冊として毎年刊行されているものです。アマゾンの中古品はそこまで値上がりしておらず、だからなのかレビューはけっこうひどいですが、

 クリケット移籍間も無い頃(2012年夏)の羽生君を知りたいのならマストアイテム!

 と、言わせていただきます。

 理由としてはいくつかあるんですが、まず、羽生君、ブライアン・オーサーコーチ、振付師のデイヴィッド・ウィルソンの3人へのインタビュー(2012年8月にトロントで実施)が田村明子さんによるもので、やっぱり、『チーム・ブライアン』や『王者のメソッド』の野口美惠さんのインタとは違うなぁと、新たな発見があります。

 あまり書いてしまうと楽しみが半減してしまうので、軽めに触れると、

 ・ ニースでの銅獲得、シニアに上がる時期は正直「早かった」

 ・ 仙台でファンに声を掛けられても、「高橋さん?」「小塚さん?」と間違われる

 ・ パリ散は「ジェフがやった方がいい」と最初は感じた

 個人的に「おっ!」という羽生君の発言は上の3つでした。技術的な話よりも、トロントでの練習や生活面にフォーカスされていて読みやすい内容です。



 これを補完する形で、ブライアンとデイヴィッドのインタビューも読めますが、ブライアンのインタはとても良いですよ!

 私はこのブログで何度も『チーム・ブライアン』をオススメしてきましたが、人によってはエネルギーと好奇心を持続しないといけない内容なので、途中で投げてしまっている方もいるかもしれません。

 このインタは、羽生君がクリケットに参加してすぐで、しかも取材した田村さんも初めてクリケットを訪れたとあって、ブライアンもすごくベーシックな話から始めてくれて、ブライアンの人柄や指導方針が一読してすぐに分かると思います。そして、まだ「過去の話」ではないので、キム・ヨナについてもブライアンは答えてくれているのですが・・・。

 ブライアンがハビがいながら羽生君を受け入れた理由に、ブライアン自身も現役時代にメダル争いをするようなライバルと一緒にトレーニングした経験があったから、というのは知りませんでした。私が忘れただけかもしれないので、後で調べてみますが、はたして『チーム・ブライアン』にその話があったかどうか・・・。

 12-13シーズンの羽生君のフリーについて、振付担当のデイヴィッドは最初羽生君に何をやりたいか聞いた所、「オペラ座の怪人」をやりたいと答えたそうです。これに対してデイヴィッドは、

 オペラ座はやめた方がいいけど、彼のイメージは分かったので、「ノートルダム・ド・パリ」を選んだ、

 という話です。そういえば、オペラ座の振付はシェイリーンだしなぁ、と。オリンピックシーズンは誰に振付をお願いするのか・・・。羽生君の好みに近いのはシェイリーン?五輪で勝つこと重視ならデイヴィッド?と、勝手な妄想をしてしまいます。まぁ、まずは16-17シーズンが楽しみですね。

 デイヴィッドについてもうひとつ。ブライアンと袂を分かったキム・ヨナは、自分のアイスショーの振付&芸術監督として普通にデイヴィッドに依頼していて、この雑誌にも写真が二枚あります。いくら金を獲った「007」の振付がデイヴィッドだとしても、ブライアンとあんな別れ方をしているわけで、日本人の感覚からすると、そりゃねえだろ!ってなるんですが、まぁそれが世界で仕事をするってことでしょうか。

 他に、合宿の写真を貼りましたが、これは全日本シニア&ジュニアの強化合宿で、ジュニアの方は講師に荒川さん、シニアの方にはあのメリチャリが講師として参加。もはや生ける伝説の二人がこうやって指導に来るって、凄いな!とビックリ。

 では、また明日!

 Jun

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2016-05-29-17-36-04

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 『チーム・ブライアン』は、単なる「フィギュアスケートのコーチの指導論」と言い切れるほど単純な本ではありません。

 スポーツであり、芸術であり、しかもそれが採点競技であるという、フィギュアスケートというきわめて特殊な種目に対する、ブライアン・オーサーコーチの研究の一端が垣間見られるからです。

 そりゃ、ここまで多方面に目を向けなきゃ世界では勝てないわな・・・と圧倒されます。同じことを日本のコーチができるかというと、現状は難しいと言わざるをえませんね。その辺りについてはまた別の機会にレビューしたいと思います。

 この『チーム・ブライアン』の購入者の多くが羽生君のファンのはずですが、それとともに「第2章 キム・ヨナ」を読み飛ばしている人も相当いるだろうなと想像します。

 しかし、この第2章は私にとっては、いつ読んでも心が激しく揺さぶられる、とてもエモーショナルな内容です。この辺りのページを開くたびに、コメカミのあたりがズキズキくるのです。

 ヨナとブライアンについて事実関係を整理しておきましょう。

 2006年春、当時15歳のヨナは母親とともにクリケット・クラブを訪れます。ブライアンはまだコーチ業に専念していたわけではなく、プロスケーターとしてアイスショーにも参加していました。しかし、彼女の母親からの度重なる依頼を受け、ヨナの専任コーチになります。

 結果的に、2009年の世界選手権に勝ち、2010年のバンクーバー五輪で金メダルを獲得。その間の浅田真央選手との激闘、ブライアンの元を離れた後も、2014年ソチ五輪での銀メダルは皆さんもご存じでしょう。

 なぜコンビを解消したかについては、いらん所で口を出してきた彼女の母親が原因ではあるんですが、それをブライアンが「引きずっている」ことに、私はたいへん驚きました。もちろん、「引きずっている」といっても、彼女たちへの恨み節や悪口を言ってるのではありません。

 ビジネスにしろプライベートにしろ、様々な事情で人と人とが袂を分かつということはいついかなる時も起こりうることです。とりわけ、ブライアンのような温厚な指導者ならば、わがままな弟子の言い分を聞いても笑って送り出しそう・・・少なくとも私はそういうイメージを持っていました。

 ところが、です。この本で書かれているのは、「顔で笑っても心では泣いているんですよ」的な薄っぺらい内容ではありません。彼はこう語っています。

 「いまでも、ヨナのことを考えると胸がチクリと痛みます。ヨナとの別れから学んだのは、こうしたことはビジネスライクには受け止められないということです。・・・・・・本当は、コーチとしてもっとプロフェッショナルになるには、こうした生徒との関係をビジネスライクに扱わないと、私は傷ついてばかりです。でも私はそういう性格ではないのです。生徒と仕事をしたいのではなく、人生を共有したいと思ってしまうのです。

 「しかし私はいまだに不思議なのです。コーチとしての実績がまるでない私に人生を託すとヨナは決めたのですから。私たちは彼女たちに誠実に接し、彼女たちは私たちを信頼しました。そして彼女たちはチャンスをつかみ、私の人生を変えました。私自身、とても素晴らしい思い出ができましたし、彼女と共に多くの名声を築きました。彼女が私を信頼してくれたことで、私はコーチとして考え、行動することに自信を得ることができました。私は自分たちがやっていることは正しいと信じることができたのです。

 ・・・・・・なのに、なぜ?と、傷ついているんでしょうね。

 こういうことを、すでにハビエルや羽生君という新しい教え子がいて、しかもこの本はその羽生君に関連したものであるはずなのに、ここまで本音を吐露しているわけです。私には、「女々しい」とか「みっともない」という感情は全く沸きませんでした。むしろ、

 この人を悲しませるようなことがあってはならない!


 と、全くの部外者の私が、なぜかメラメラと炎がたぎってきたんですね。でも、だからこそ、よかったと思うんです。ブライアンの弟子があの義理堅い羽生君で・・・。

 
 湿っぽい話で終わるのも何なので、こちらのムックでは、ブライアンは弟子たちをユーモアを交えて見ています。

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 「動物に例えるなら、ハビエルはサル。とても野放図で、でも賢い。そしてナムは猫。何かと皆をびっくりさせて気ままだけど、可愛らしい。そしてユヅルはフクロウ。とっても賢くて冷静で、皆を俯瞰しながら様子をうかがって、常に標的を狙っている。僕のチームは動物のようだ」

 ナム君・・・・・・。羽生君には、ブライアンの弟子のまま、プロに転向してほしいですね。ハビエルもそうですが、クリケット・クラブのファミリーのみんながハッピーになってほしいですよ。

 では、また明日!

 Jun

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