On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:フィギュアスケートLife

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 2017年12月20日発売。バックナンバーのレビューは「こちら」で。

 発売日に入手済だったものの、全日本に行ったり、年始は例のように寝込んでいたりで、ようやく誌面全体をチェックすることができました。

 まず、羽生君目当てだけで購入するというのは、ちょっと厳しいかなぁと言わざるをえません。ただ、この雑誌の良い所は、マニアックな選手へのインタが収録されている点で、資料的価値はこれまで通り高いです。「この選手は、この大会で、こんなことを言ってたんだ!」と、後で役に立つこともあるので、目次の中で気になる選手、注目している選手の名があれば、持っておいてもいいと思います。

 さて、「羽生結弦 Special グラビア」(12~25頁)ですが、写真の大半はロステレ杯のもので「バラ1・SEIMEI・表彰式・練習着・スワン」で構成。これに、N杯の公式練習の写真も2枚収録。ロステレの写真は田口有史さん撮影です。個人的に大好きなカメラマンですが、スワンのショットがちょっと変わってますね。気になる方は、書店でチラっとチェックしてみるといいです。

 羽生君に言及した他選手のコメントも見ておきましょう。

 (1)友野君(NHK杯一夜明け会見、41頁)

 ――この大会を経験して、改めてどういうスケーターになりたいいか。具体的な目標があれば教えてください。

  「一番感じたのは、今まで日本で活躍している先輩方が引っ張ってくれていたんだなというのを感じました。羽生結弦選手が毎回優勝したり表彰台に乗って、五輪でも金メダルも取っていますし。今この場に立ったことで、自分もこれから引っ張って行かなければいけない一人ですし、中途半端なことはできないなと思いました。日本代表としての自覚を持って、これから日本男子を引っ張っていけるような存在になれるように成長していけたらなと思いました」

 →→日本男子の若手では、特に「華のある選手」というか、ジャンプにミスが出ても、会場を盛り上げられる一人だと思います。来季はGPに2戦アサインされると思うので、もっともっと活躍して、盛り上げていってもらいたいです。

 (2)ボーヤン(中国杯にて、76頁)

 ――五輪でのライバルは誰だと思いますか?

  「ライバルはとても多いですね。彼らはいつも強いです。彼らの存在は、自分にとって良い挑戦になりますし、みんなお互いに切磋琢磨しあって一緒に五輪で実力を出しきって戦えたらいいと思います」

 ――前回の王者、羽生結弦選手については?

  「意志が強いですね。そして、スケートに対して強い愛情を持っていることが素晴らしいと思います。彼のスケートが好きです」

 ――羽生選手と交流したことは?

  「あまりないです。試合の時は自分に集中しているので、少し言葉を交わす程度です」

 ――羽生選手も含め、新しい4回転に挑戦する選手が増えてきていますね。

  「それぞれみんな進歩していて、新しいことに挑戦しています。僕にとってもそれは刺激になります」

 →→普通だったら羽生君の技術的な部分や実績についてコメントしそうなものですが、「スケートへの愛情」ですか・・・と、ゆづのことをよく分かっているなぁ・・・と感心しました。発言自体は抑制的なので、だからこそ、ますます彼のことが好きになります。怪我の状態が心配ですが、四大陸にもエントリーしているので、まずはそこで元気な姿を見たいですね。

 (3)ホタレックさん(中国杯にて、78頁)

 ――あと、日本のスケートファンはロシア杯での集合写真であなたが羽生結弦選手を持ち上げてくれたことにとても感謝をしていました。

  「あれはとても面白い時間でした。集合写真の時は、僕より小さいスケーターを持ち上げることは簡単なのでよくやっているんです。試合が終わって楽しい雰囲気をファンの方にも楽しんでいただきたいですし、日本のファンのみなさんが喜んでくれたならそれは嬉しいことです

 →→あの一件で、ゆづファンの間で彼の知名度が一気に上がりましたね。私自身まったく知らない選手でした。N杯などの日本の試合でも見てみたいですね。

 (4)ネイサン(ジャパンオープンにて、106~107頁)

 ―― 新しいプログラムについても聞きたいのですが、ショートの『ネメシス』はシェイ=リーン・ボーンですね。シェイとは初めてですよね。

  「そうです。シェイと仕事をするのは初めてですが、いつもシェイがいろんなアスリートと作る作品を見てきました。ユヅ(羽生結弦)や、アシュリー(・ワグナー)など。僕はアシュリーと一緒にトレーニングしているので、シェイからアシュリーのスタイルが浮き出てくるのが素敵だと思っていました。シェイを通してスケーターの個性が浮かびあがるのが僕はとても好きなんです」

 ――音楽もシェイが決めたのですか?

  「そうです、彼女が決めました」

 ――最初に聞いた時はどう思いましたか?

  「初めはポップソングみたいであまり好きではなかったんです(笑)。なんていうか、とても派手な感じがしてオリンピックにふさわしいのかどうかわからなかった。それでも聴き続けて、歌詞もじっくり聴いてみたら『自分がそうしてほしいと思うように他の人に接しなさい』というフレーズがあって、そこがすごく気に入ったんです」

 ――そうだったんですね。全体的な歌詞はヘビーな失恋の歌ですよね。

  「そのテーマと自分が重なるかどうかといえば、そうではないんですけどね。そういったことは経験したことがないから(笑)」

  「・・・でもいいメッセージだとは思います。悪いことをすれば悪いことがやってくるし、いいことをすればいいことがやってくるって。そのバランスを見つけることは、とてもいいことだと思うんです」

 →→ネイサンのインタはけっこう長いです。これ以外にもフリーを作る中でのエピソードだったり、あとは「パラシュート」以外にもブノワさんとSPを作っていたという話です。「オリンピック向けじゃない」ということで、「ネメシス」の方になったわけですが、いつかそちらも公開してもらいたいです。

 (5)ジェイソン(連載「ジェイソンのスケートな毎日」から、120頁)

  「NHK杯にユヅルが出られなかったのは、とっても悲しかった。それに、彼がどれほど日本のファンに愛されているか知っているから、ファンのみんなやユヅルにも、大会に参加しているような気持ちになってもらえる何か特別なことをしたいなと思ったんだ

  「だから会場へのバスに乗る前から何か紙に書いてキス&クライに持って行こうと考えたんだ。そういうつもりで、ショートプログラムの後にメッセージを見せたんだけど、ファンからの反応に、僕の方が圧倒させられて感激しました。みんな優しくて、とってもサポーティブ。わざわざ僕のところまで来て、『ユヅルにメッセージをありがとう』と言ってくれた人もたくさんいたんだよ

  「怪我ってすごくつらいもの。僕が怪我した時には、家族と多くの時間を過ごしたことで、すごく力づけられました。そういう、自分にとってとても力になる強いものが、怪我の時のメンタルにはすごく大切なんだ。僕は、今自分ができないことを考えるのはやめて、リハビリができるようになったらそれを練習だ、ととらえました。毎日少し動くごとに、僕は確実に目標に向かって、少しずつ回復に近づいている、って考えて

  「それに、ものすごい数のファンからの手紙やメッセージに返事を書いたり、日本語を勉強したり、回復に向けて30個のエクササイズをしたり、っていう日々を過ごしたことが、心身の回復に近づくのを助けてくれたと思います」

 あのNHK杯でのメッセージは、日本に対する愛情もそうですが、彼自身の怪我の経験あってのものだったのだなぁと感じます。ジェイソンを五輪で見られないのは本当に残念ですが、四大陸は代表に選ばれているので、応援しましょう。彼のことだから、帰りにまた日本に寄るんじゃないかなぁ・・・。

 明日は、たぶんSportivaのレビューができると思います。

 では、また明日!

 Jun

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 例の「ゆづから友野君へのメッセージ」をご紹介したのが今年の1月1日の記事でしたが、今回のNHK杯代打出場により、全日本選手権よりも一足早く実現することになりましたね。

 今季の友野君のプログラムは、SPは「ツィゴイネルワイゼン」で、フリーは「ウエストサイドストーリー」。9月中旬のUSクラシックでの彼の演技(SPフリー)もレビューしました。

 その時のフリーについての私の印象は、「観る者を笑顔にさせる魅力に溢れたプログラム」で、「GPシリーズにアサインされていないのがもったいない」とまで書きました。シニアの真剣勝負の場で、どれぐらいの評価を得られるのか?という関心もあったので、それが実現して、スケオタの一人として嬉しく思います。



 「Life Vol.11」(27~28頁)から、プログラムについての友野君のコメントを確認しておきます。振付は両プロともにお馴染みの佐藤操先生。

  「(ショートの)見所は、今までにない、いい意味で期待を裏切れるようにしたいプログラム。これまで表現したことがなかったジャンルの曲なので、難しくうまくいかないこともありますが、これからブラッシュアップしていき、表現の幅を広げていければいいなと思います」

kazukisp

 →→このUSクラシックのSPのプロトコルを改めて見てみたら、4Sは(プロトコル上では)UR扱いではなく、映像を見る限り、着氷も乱れてないのに、なぜGOE-1.92なのかまったく理解できません。

 3Aはステップアウトしているので、GOE-2.00も分かるっちゃ分かりますが、それでも厳しめでしたね。3Lz+3Tの2ndが足りないのは分かります。フライングキャメルスピンのスピードが最後足りなくなってますが、この辺りは修正してくるはず。何より、冒頭の2本のジャンプが降りられれば、SPでもかなりの高得点が期待できそうです。



  「(フリーについては)五輪シーズンは王道で勝負したいというのもありますし。去年のプログラムが良すぎて曲選びや振付けは苦労しましたが、シーズンに向けてどんどん自分のものにできればいいなと思います」

  「スローパートが気に入っています。お客さんやジャッジに映画のテーマを伝えられるように、しっかりそれを表現できるように頑張っているので、リンク全体を映画の世界の中にできるような勢いでやりたいので、プログラム全体を見てほしいです

  「(スローパートは)『マリア』という曲で、想いながら滑るところが僕は気に入っています。あとはケンカのシーンや、後半の『クール』という曲ではかっこよく。たくさん曲を詰め込んでいるので、楽しい場面もあれば、かっこいい場面もあります。いろんなシーンが詰まっているので、自分もそれを感じながら表現したいなと思います」

 →→USクラシックの演技を見なおしてみると、特に「マリ~~ア」の後から、グイグイ曲が引っ張っていってくれるので、音楽との相乗効果なのか、後半のジャンプも気持ちよく成功していってます。

 冒頭の4Sは、もうあとは着氷だけでは?という感じで惜しい。また、3Aの好調が持続していると、スコア的にはかなり踏ん張れる期待感があります。スピンはもうちょっと頑張って!と、そこだけですね。

 最後に、「日本代表メモリアル2017」(54頁)で、こんなやり取りがあります。

 ―― 佐藤先生の作品のパイオニアという意味では、新しくコーチになった佐々木彰生さんの存在も大きいのでは?

  「もう、とても大きいです。彰生先生はずっと操先生の振り付けで滑ってこられて、操先生が考えていることもわかっているので、『操先生の分身』という感じです(笑)。だから、彰生先生に毎日見てもらえるのはとても恵まれているなと思っています

 最高の舞台が整いました。平昌五輪代表のチャンスだって、十分にありますよ。ぜひ頑張ってもらいたいと思います。

 では、また明日!

 Jun

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 おそらく、知子ちゃんに対する世間の関心というのは、怪我する前の彼女のパフォーマンスを前提として、このNHK杯で210点以上出して台乗りできるか?というような、話になるかと思われます。

 ただ、7月の関大の記念イベントと、THE ICEに出演した後、10月のフィンランディア杯を欠場することになりました。NHK杯が復帰初戦になると分かって、他の有力選手と同様の「期待」を彼女にかけるのは、いくら何でも酷だろうと、個人的には感じていました。

 まずは、NHK杯に出場を表明してくれたことを嬉しく思います。そして最近では、大怪我から見事に復帰した山本草太君が全日本選手権の出場を決めてくれました。知子ちゃんも、そして草太君も、まだまだチャンスはあります。とにかく、復帰して、元気な姿を見せてくれるだけで十分と私は思っています。



 今日は、まずWFS別冊シーズンガイド(34頁)から、知子ちゃんの新プログラムの基本的な情報についておさらいしておきましょう。

 ―― 今シーズンのプログラムについて、見どころや思いを聞かせてください。

  「SP(ローリー・ニコル振付「SAYURI」)のほうは、とくにステップが力強い曲で、スピード感のある速い動きがたくさん入っているので、いままでになかったメリハリとか、そういう強さを出していけたら。いちばん好きなパートがステップなので、そこを見てほしいです。フリー(トム・ディクソン振付「蝶々夫人」)は最初から最後までいろんな曲調で、物語が見えるようなプログラムになっているので、ドラマティックな感じが見せられたらいいなと思っています

 ―― 2つとも「和」がテーマですね。

  「どちらも強い意志のある女性がテーマなんですが、SPのほうは静かな闘志を感じさせるイメージで、フリーのほうはいろんな感情が入り混じる、複雑なプログラムになっているかと思います」

 ―― オリンピック・シーズンに滑るプログラムということで、どんなところにポイントを置いて決めましたか。

  「オリンピックだから特別に、という気持ちはまったくないです。でも、『ミス・サイゴン』を滑ったときに、先生たちからすごくアジアっぽいイメージがぴったりだったと言われたこともあって、日本風な音楽を滑るのがいちばん自分に合っていて、入り込みやすいのかなと感じました

 ――「蝶々夫人」はこれまでにもいろんな方が滑っていますが、トム・ディクソンの振付はどんな感じに?

  「そうですね。浅田真央さんの滑った有名なパートも入っているんですが、それ以外のあまり使われていないような場面の音楽も入っています。最初の、これから起こる恐怖を感じさせる場面から始まって、途中は恋人と楽しく過ごしている時間の幸せな音楽が入っていて、最後はまた絶望に戻るという、起承転結が見えやすい構成になっています」



 「Life Vol.11」(35頁)からも、新プログラム作りの経緯について若干補足しておきます。

 ・2曲とも振付師が曲を準備してくれた。SPの「SAYURI」は、ローリーが「アジア系の曲が似合っている」ということで探してくれた。「SAYURI」をフリーにする案もあった。

 ・フリーは、もともと「蝶々夫人」とは別の曲を考えていたが、それが「SAYURI」と似ていたため、トムが「蝶々夫人」を推薦。「和のイメージ」でかぶってはいるが、「できたプログラムの雰囲気が全然違うので、行ける」と判断。

 ということで、「SAYURI」をやる!というのがまず最初にあって、もう一つのプロに「蝶々夫人」が収まったということですね。



 まず、THE ICEでの「SAYURI」から。

 この「SAYURI」の動画がアップされた当時、正直言うと、「トリプルはまだ跳べないのか・・・」と落胆の気持ちの方が個人的には大きくて、細部をチェックするに至りませんでした。

 知子ちゃんが「好きなパートはステップ」と言っていた所ですが、2本目のジャンプを降りた後の1:30辺りからです。たしかに、和太鼓や笛のリズムが入って、ガラっと雰囲気が変わって、会場から手拍子が起こりそうなパートです。

 ただ、わりとすぐにメインテーマに戻っていくので、編曲の目まぐるしさがローリーだよなぁ・・・と、ボーヤンのプロを思い出しながら、そんな感想も持ちました。実を言うと、「和の曲」というのは、今季他の選手とかぶっていないので、強いインパクトを与えるかもしれません。



 関大イベントでの様子です。デイリーの方がちょっと長いです。

 このイベントで今季のフリーが「蝶々夫人」であると発表されました。ISUジャッジの小塚あゆみさん(スケカナではご苦労さまでした)が「別冊ガイド」(65頁)でコメントしているので、ご紹介します。

  「宮原選手は、フリーに『マダム・バタフライ(蝶々夫人)』を選びました。多くの選手が使ってきた曲ですが、若い選手がやる役ではなく、やはり世界選手権でメダルを獲った宮原さんだからこそ完成させられるプログラムです。以前の『ミス・サイゴン』からの発展で、どちらかというと外国から見たニッポン、派手な芸者のイメージが強い演目ですが、宮原さんの場合は、彼女の清楚な部分を生かした、宮原さんならではの演技を期待したいです。新しい色合いのマダム・バタフライ、そこが面白いでしょう

 繰り返しになりますが、まずは彼女が元気に復帰してくれることを喜びたいと思います。15年の国別の「ミス・サイゴン」で、代々木第一の会場全体が震えるほどの拍手が響いていたのを、私は鮮明に覚えています。NHK杯でも、そんな光景が間違いなく見られることでしょう。

 では、また明日!

 Jun

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 外出する用事があって、試合のレビューがやや遅れます。今日は、書き溜めておいた「Life Vol.11」の感想の続きです。

 まず、トロントメディアデーの取材記事について。すでに「マガジン」「メモリアル」「キスクラ」「WFS」で、羽生君の会見、ブライアン・トレーシー・シェイリーンのインタはご存知かと思われます。各誌で違うのは、羽生君の独占インタのみで、その「Life版」は前回のレビューで一部引用しました。

 このLifeでは、「バラ1再登板」に関するジェフのインタを神戸で取っている点が目新しいですね。

 聞き手は長谷川仁美さんですが、「FaOI新潟のパンフ」のジェフのインタとは内容のかぶりは無いので、やや短めですがご紹介しましょう(9頁)。

 ―― 羽生選手が『バラード第1番』を再び使うと決めましたが、バトルさんがそれを最初に知ったのはいつでしたか?

  「たしか、ファンタジー・オン・アイスの1か月くらい前だったかな。メールをやりとりする中で、『このプログラムをまた滑りたいと、すごく思っている』と初めて聞きました。あのプログラムに戻すというのは、ユヅ自身の決断だと思います。だから彼の決断を支持しました。もしこれが五輪シーズンでなかったら、何か違うもの、何か新しいものに挑戦した方がいいんじゃないかと思ったかもしれない」

 ―― この5年間で二人の関係はどう変化しましたか。

  「1年目は、ユヅのことは知っていたけれど、お互いに親しいわけではなかった。彼はすでに素晴らしいスケーターだったから、僕は不安でした。・・・だから最初の頃、二人の関係は、『よそよそしかった』という言葉を使おうかな

  「でも『パリの散歩道』の振付をしていくうちに、関係は良くなっていった。・・・『パリの散歩道』の後、『バラード』を振付けた時、彼がすごくナーバスだったのを覚えています。とてもシリアスで、感情的に濃いプログラムだったから。でも彼は僕の選択を信頼してくれた

  「プリンス(『Let's Go Crazy』)の時も同じでした。ショパンからプリンスに移った時も、そこには信頼感があったと思う。・・・1年目は、僕が『これをこうして』と彼に言うことが多かったけれど、だんだん彼が自分で考えた動きをやって、僕が『それいいね!なんとかしてプログラムに入れてみよう』と言うようになりました。今のデイヴィッド(・ウィルソン)と僕との関係に近いものになってきたんです」

 →→ホント、これ内容が短くて、プログラムの手直しはいつやったか?とか、私が知りたかった情報が無かったのは少々残念です。

 ちょっと話は脱線しますが、某所からの「圧力」が「マガジンの山口記者にまで及んでいるのでは?」という心配の声を、TwitterのTLで見かけています。

 そういえば、トロント取材の際にあったBB社のブログの更新が、今回のオータム前後にはまったく無いので、そこは気になっています。

 ただ、「通信」とは違って、ちゃんと現地で取材したテキストで構成されていて、写真も自社のカメラマンが撮っているわけで、「Sportiva」のゆづ度も高かったし、大丈夫だとは思うんですがねぇ・・・。

 いまとなっては的外れな「通信24」の私のレビューも、私自身の戒めのために、そのままの内容で残しておきます。

 もう少しLifeの記事をご紹介しましょう。岡部由起子さんの「シーズン展望記事」(89~90頁)の要所要所で興味深い発言があったので、見ていきます。

  「(平昌五輪の男子シングルの)メダル争いでは、現世界チャンピオンで、前回ソチ五輪でも優勝した羽生結弦選手はまず外せない名前です。そして、宇野昌磨選手。2人の日本人選手は当然有力な候補です」

  「羽生選手の『SEIMEI』は、日本人である彼しか滑りえないプログラムといえるでしょう。宇野選手の滑りは高評価です。振付けの樋口美穂子先生が彼の良いところも弱いところも知り尽くしている上で技術的なコーチでもあるというところが強みだと思います

 →→宇野君のプログラムの振付に関して、ロンバルディア杯女子フリーの感想記事の「コメント欄」で私が書いたことと、主旨としてはかなり似ていることを言っていて、ビックリしました。

  「そしてボーヤン・ジン(中国)やアメリカのネイサン・チェンは4回転をほぼ全種類跳べる選手たち。・・・彼らは当然次の五輪も視野に入れていると思いますので、怖いもの知らずで挑めれば……。彼らは5コンポーネンツの成長が大きなポイントになるでしょう

  「しかし、ネイサンのアイスショーの様子を見ましたが、弱いと言われてきたトランジションも含め、上げてきていると感じました。もともと見せるのが好きという感覚の持ち主なので、楽しみにしたいです」

  「一方、3度目の五輪になるパトリック・チャン(カナダ)やハビエル・フェルナンデス(スペイン)は、ソチで苦い思いをしました。彼らは質の高いジャンプで高GOEを狙ってくるでしょうし、作品全体の完成度という点ではかなり力のある選手たちです」

  「特にパトリックは昨シーズン4回転サルコウをものにして、精度を上げてきているので、蓋を開けてみないと、戦いの行方はまったく見えてきません」

 →→ハビよりもPさんを評価しているのは面白いですね。個人的に、「やらかし」の可能性という点ではPさんの方が不安定じゃないかなぁと感じていて、お互いにノーミスならハビのプログラムの方がスコアは出るはずなので、これは意外な見立てです。

 もう一つ、女子シングルのあの人について、こうコメントしています。

  「金メダル候補というと、2年連続世界チャンピオンのエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)は強いと思います。ちょっと一人抜けている印象です。ただここ数年、少しマイナーな曲でストーリー性のあるプログラムが続いているので、少しイメージチェンジが欲しいかな、とも感じます。今季、どんなプログラムを持ってくるのか、注目したいです」

 →→表現はマイルドですが、つまり、「選曲がワンパターンのマンネリ気味で飽きられてきている」ということを、日本の専門家で初めて発言してくれたような気がします。



 いちおう、ネペラ杯のSPとフリーを貼っておきますが、SPはショパンの「ノクターン」なので、最後の深呼吸(?)はご愛敬として、全体としては、万人受けする伝統的な内容に仕上がっています。おそらく岡部さんも評価するんじゃないかと。



 フリーは、エテリ組の後輩もよくやっている、映画音楽系のツギハギプロなんですよね。このフリーで使われている、ルドヴィコ・エイナウディというイタリア人の音楽家は、タラカノワのSPでもガッツリと使用されていて、映画やCMの音楽をたくさん作っている作曲家らしく、日本で言う、久石譲さんのようなイメージですか。



 まぁ、クリケットでも昨季は、羽生君のフリーがホプレガで、ツルシンちゃんもフリーは「もののけ姫」でしたから、こういうことはあるっちゃあるのでしょうけども。

 ちなみに、JGPでロシアの女子を毎週集中的に見てきて、エテリ組以外でも、後半ジャンプ固め打ち&タケノコ祭りの子はけっこういて、感覚がマヒしてきています。

 ただ、「エテリ組」と一括りにはしがちですが、他のチームから移籍してきた子もいて、例えば、上記のタラちゃんと、ポーランド大会で会心のSPを見せたコストルナヤは、今季からエテリのチームに参加したスケーターという話です。

 それを聞くと、コストルナヤは、特にSPの「アディオス・ノニーノ」という曲自体が「エテリ産」っぽくなくて、タノも控えめで納得するんですが、でも、タラちゃんは同じ今季参加組だけどプログラムは「ギトギトのこってりエテリ味」なので、この辺りは一概には言えませんね。

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 最後に、ブノワ・リショーさんの、(おそらく)日本のスケート雑誌初登場インタをちょっとだけ。個人的には、本号でもっとも価値のある記事と思っているので、この発言だけ触れておきます。

 ―― 最後に、今後振付てみたいスケーターはいますか?

  「ダイスケ(・タカハシ)にもしてみたいですし、ユヅル・ハニュウにも振付てみたいです。日本の男子スケーターと仕事がしてみたいですね。彼らにはまだまだ可能性を感じますし、それをまだ内側に秘めていると思います。僕はそれを引き出してみたいと思います

 →→はぁぁ?大ちゃんとゆづだって?というツッコミはともかく、彼が言う「可能性を引き出すプログラム」というのは、こういうのですよね(笑)。



 ジェレミーは途中で脱いでくれてますけど、羽生君がこういうのをやるんだったら、「写真を減らせ」という圧力への、プロテストプログラムとして、最初から最後までかぶりっぱなしで行ってほしい。

 ・・・まぁ、それは半分冗談として、でも、芸術種目みたいのが本当に北京五輪までにできたら、これぐらい尖がったプログラムで、世界を驚かせてもらいたいです。

 では、また明日!

 Jun

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 2017年9月29日発売。「通信」の一件があったので、他誌の状況が気になっている方もいらっしゃると思います。今回は、羽生君記事に特化して、いつもよりも詳しく見ていきます。

 表紙は画像の通りで、表紙をめくった裏ページも芝生の上での白Tシャツの羽生君のアップのフルサイズショットです。

 目次をめくって、トロント公開練習レポート(2~11頁)。計10ページのうち、写真は、青のラインの入ったUAウェア(1日目)の練習ショット(2頁にほぼフルサイズ)、青のウェア1枚・ANA白ジャージ1枚・赤のウェア(2日目)2枚(3頁の上半分に計4枚)、赤のウェア(4頁と5頁に、それぞれフルサイズ1枚ずつ)、青・赤のウェア写真計4枚(6~9頁、クリケット関係者インタのテキストが中心で、写真は小さめ)。独占インタ時の白T写真3枚(10~11頁、1枚はほぼ1頁フルサイズ、もう2枚は小さめ)。

 つぎに、FaOI新潟レポート(92~96頁)の写真にも触れておきます。プー耳フィナーレ、フィナーレでプル様と一緒、緑ネコ耳ショットの計3枚(92頁)の後、「Special グラビア」(97~104頁)と題された写真が豪華です。

 オープニングで天に人差し指を突き上げて(97頁)→バラ1(98・99頁)→アンコールパリ散・エアギター有(100・101頁)→フィナーレでプー耳(102・103頁)→緑ネコ耳(104頁、以上、計8ページ全てフルサイズ)。

 私が良いと思った写真を赤字にしましたが、特に「Specialグラビア」は(意外にも)予想以上に良い写真が揃っていて、「ぜひ、書店で実物の確認を!」というレベルではなく、

  書店で実物を見たら、ゆづファンならば、買わずに帰宅というのは、無理だろうなぁ・・・

 と、煽っておくことにしましょう(笑)。

 最後に、トロント取材の羽生君独占インタから、以下の部分をご紹介します(11頁)。

 ―― 『Hope & Legacy』はとても抽象的で漠然としたものを表現していると思いますが、そうしたイメージはどういうところから想起されて、どういう風に考えてプログラムを作り上げていったのでしょうか?

  「もともと自然を見たりとか感じたりするのは好きなんですね。『SEIMEI』にしてもそういうところがあるじゃないですか。そういうものをどれだけ表現できるかと考えた時、たぶん自分の感情をある程度『無』にしなければいけないと思ったんですよ。『自分の感情を、こう入れて、こう入れて!』という風にやっていくと、キャラが立っちゃうんです。“自分”になっちゃうんですよ、『SEIMEI』みたいに。だから、『Hope & Legacy』ではそれをいかに無くせるかというのを考えました。そうした時に、やっぱりジャンプがきれいに跳べないと(イメージ通りに)できないよね、というのは、最初から思っていました

 ―― 新フリーの『SEIMEI』ですが、今回の『SEMEI』に関して、「自然の風景を取り込みつつ、キャラクターとしてキャラ立ちしている演技を目指す」と囲み取材で言っていましたが、それはつまり、(安倍晴明という)キャラクターも、山とか神聖な森といった風景も、プログラムの中で一人で表現するというイメージですか?

  「はい、そういうイメージです、できれば。なんだろう、例えば『平安貴族が歌を詠んでいます』って言った瞬間に浮かぶ背景って、ありますよね。例えば部屋の障子とか畳とか。キャラが立っているからこそ、そういうものが思い浮かべられるようにできればいいと思っているんですよ

  「例えば、そこには筆があるから硯があるとか、障子があって、烏帽子をかぶっているとか、いろいろ見えてくるわけじゃないですか。先シーズンの『Hope & Legacy』や『Let's Go Crazy』とかで、いろいろなところに目線をやることによって表現が生まれてくると学んだことで、できるようになったと思うんです。それを、『SEIMEI』や『バラード第1番』にも活かしたい。それは、すごくあります」

 →→興味深い話を引き出せましたね。ホプレガでは自分の感情を無にすることで、自然を表現するよう努めていたこと。しかもその「自分であることを無くす」演じ方が、キャラを演じるSEIMEIを再演するにあたっても、役に立っているということ。

 つまり、15-16年のSEIMEIとは違って、今季のSEIMEIでは、安倍晴明というキャラクターだけでなく、彼が生きた「平安時代の背景」というものを表現することも視野に入れていること。さらに、そんな感覚をバラ1にも活かしたいと考えていること。

 「目線」という部分を、羽生君はヒントとして我々に提示してくれましたが、ロステレ杯以降の演技を見る上での、注目すべきポイントがまた増えました。楽しみですね!

 では、また明日!

 Jun

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