On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:ブライアン・オーサー

yuzu

 先日、織田君の本をレビューした際に、バンクーバーでの真央ちゃんとヨナの闘いを振り返る意味で、自分の記事を読み直していました。

 すると、やっぱり、五輪本番でのブライアンの「振る舞い」や「かける言葉」が素晴らしいなと改めて感じました。

 平昌五輪が開幕すると、これからテレビで、いろんな専門家・識者が、「五輪は特別!」とまくしたてることでしょう。でも、誰よりも信用できて、誰よりも頼りになるのは、ブライアンにほかならないと思います。

  「私(ブライアン)とデイヴィッド(・ウィルソン)は、不安や緊張をヨナに見せないように気をつけていました。コーチとしては、自信にあふれ、いつも通りである必要があります。おかしなもので、コーチのほうこそオリンピックというストレスが高い状況に置かれて、突然、普通でなくなるケースがあるのです。いつもと違うふるまいをしたり、アドバイスしすぎたり、妙にそわそわしたりするコーチもいます」

  「しかし私は、いつも通りにふるまいました。必要以上に落ち着くのではなく、いつも通りに落ち着くようにするのです。いつもと同じような立ち話をして、笑ったりしました。そのために、私は自分のボディランゲージに気を配っていました。ちょっとした隙に見せる手や表情の動きこそ、いつも通りであるべきです。そうすればヨナも、すべていつも通りだと感じます」

  「・・・選手廊下で一緒に出番を待っていると、彼女は突然立ち上がってカーテンをくぐり抜け、会場へと出ていくのです。私が『時間だ行こう』などと言うのではありません。ヨナは自分で責任を持って、出発するのです。私は彼女の目をじっと見ているだけでよかったのです。ですから、普段、競技前に私がかける言葉も、それほど多くありませんでした。オリンピックでも同じです。私は『何をなすべきかわかっているね』と言い、ヨナは『準備はできてるわ』と答えました。ハイタッチしたり、『GO! GO!』などと叫んで励ましたりはしません」



  「ヨナにとっては、そういった派手なことは少ないほうがいいのです。ただ落ち着いていればいいとわかっていたので、オリンピックだからといって特別なことを口にすることはありませんでした。もちろん、私たちはこれが世界最大のイベントであるとわかっていました。だからといって、選手には非常事態だと思ってほしくないのです。『日常』か『非日常』かでいえば、『日常』です。そのために私たちは毎日トレーニングをしてきたのであって、その準備を3年半もかけて整えているので、予想外のことが起きる隙もないです」(『チーム・ブライアン』125~128頁)

 ブライアンとの対談でも、羽生君は、ソチ五輪での演技直前の様子を語っていました。

  「試合までの日々で一番印象に残っているのは、ブライアンがリラックスしていたことです。本当はオリンピックになると絶対に僕も緊張するだろうし、ブライアンも緊張するのだろうと思っていたんです。でもブライアンは変わらなかった。だからこそ、ブライアンを信用しきって演技に出ていくことができたと思います。ブライアンが緊張したり、気合がいつもと違っていたりしたら、それは僕に伝わってしまいますから、会場で感じたのは『ああ、いつも通りだな』っていうこと。ブライアンには、すでに自分の生徒に金メダルを一度取らせているという安定感もあったし、とにかく心強かったです。自分の名前をコールされたら、いつも通りに握手して、しゃがんで手をダンダンってやって、出ていくだけ(笑)」(『チーム・ブライアン』28~29頁)



 羽生君がこうやって五輪に向き合うのだから、我々もそれに倣って、「いつもの試合と同じだ」と思って、いつもと同じように応援をした方が、「良い念」を送れるかもしれませんね。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

2017-10-03-13-50-54

2017-10-03-13-51-17



 2017年10月2日発売。記事自体は見開き2ページのみで、野口美惠さんのオータムレポートと、ブライアンのインタビューで構成されています。

 私が「これは知らなかった」という点は、今回のオータムでのショートに臨むにあたって、「(ヘルシンキの)世界選手権のフリー(の精神状態)を参考にした」という部分です(66~67頁)。

  「ショートが行われた日の朝の公式練習では、三つすべてのジャンプをミスするボロボロの状態だった。しかし、羽生は落ち着いていた。『スケート人生のなかで100回以上試合をやっているので、自分がどういう時にいい演技ができたのかを振り返り、世界選手権のフリー(の精神状態)を参考にしました』」

  「昨季の世界選手権ではショートで5位と出遅れながら、フリーでは、『(世界最高の)110点や220点にとらわれず、一つ一つの技に集中しよう』と考えることでパーフェクトな演技。逆転優勝を飾っている。同様に、オータム・クラシックのショートでも、記録は考えず一つ一つの技を丁寧にこなすことに集中してパーフェクトの演技を見せた

  「こう振り返る。『世界選手権を参考に試した集中の仕方がしっかりとハマりました』

 →→私自身も、比較すること自体がおこがましいですが、TOEICという2時間の英語の試験を受けていると、前半100問(45分)のリスニングで手応えがあると、「こりゃ、今回いい点が取れるぞ!」とスコアを意識しすぎて、後半100問(75分)のリーディングに入って「解答の見切りが悪くなる(決断力が鈍る)」ことで無駄に時間を浪費し、結果的に誤答しまくったことが何度もあります。月曜日に発表された9月のテスト結果もそうでした。

 逆に、前半が爆死気味だと、「どうせここからどんなに頑張ってもベストスコアは出ないから、後半は一問一問楽しく解いて、しっかり解ききって、帰ってビール飲むぞ!」というノリで挑むと、リーディングの出来が良かったりするのです。

 こんな部分まで、ゆづの影響を受けてどうすんだ?という気もしますが、好きなんだからしょうがないじゃないですか(汗)。

 さて、AERAの記事に話を戻して、オータムのフリーでの精神状態は?というと、「雑念」という言葉が報じられているように、急遽ジャンプ構成を変更したことが、「力を出し切れなかった」原因にあるようです。

  「『できることを全て出し切っているジャンプ構成ではないので、“もっとやりたいなあ”と思いながら演技していました。4回転ループもやればよかったかな、4回転ルッツもできるのにな、と。いろいろ考えた時点で、集中力はどこかへ行ってしまいました』」

 →→ただ、フリーに限らず、ショートだって、今回は最高難度の構成だったわけじゃないし、単純に「慣れ」の部分も大きいと私は思います。

 ショートでは冒頭を4Lo→4Sに「落とした」わけですが、そもそも15-16シーズンは、最初のクワドはずっと4Sだったわけで、一方、SEIMEIの冒頭を3Lz(あるいは3Lz+3T)にして試合で滑ったことは一度もないし、本人も納得していない構成なので、バシっとハマってくれなかったのでしょう。

 ただ、そもそもなんで前半をトリプルに変更したのかというと、右膝の件は後述するとして、今回のフリーにおける最重点ポイントとして、「後半にクワド3本降りる」ということを目標にしていたはずです。

 でも、つくづくフィギュアスケートはメンタルスポーツで、前半の崩れを修正できないまま、そんな目標はどこかへ行ってしまったのかもしれません。

 さて、ブライアンのインタには、特に目新しい発言はないです。一点だけご紹介すると、ショートの記録更新の理由は、一言で、「休んだこと」と言ってますね。

  「結弦にとっては、『身体を休めることに罪悪感を感じなくていい』という経験になったはずです。右足に違和感があったので、試合直前は普段の練習をしませんでした。それでも最高の演技ができたのです。しっかり準備してあれば、数日休んでも身体が反応してくれるのです

 →→このブライアンの話を聞く限り、右足はそんなに重症には思えないんですよね。ところが、羽生君はフリー後の会見で、棄権の可能性にも言及していました。

 この東京新聞の記事(クレジットは共同)を改めて読んでみると、「一週間練習できなかったから、棄権を検討した」という主旨なので、怪我がどれぐらい重いのかという部分は不明ですが、「準備不足では試合でベストパフォーマンスを披露できない(から棄権したかった?)」ということなのかな、という風にも読み取れます。あくまでも「一つの読み方」です。

 しかし、羽生君のバラ1もSEIMEIも「並の」フィギュアスケートの演技とはちょっと次元が違うプログラムです。最近、ジュニアの試合を片っ端から見ていると、毎日羽生君の動画を見ていた頃よりも、彼の演技がいかに人間離れした恐ろしいレベルなのかがよく分かります。ジャンプの高さ、幅、入りの部分、降りの部分もそうですが、スケーティングスピード、つなぎの複雑さ、一つ間違えると、すべてが崩れてしまうような、非常にリスキーなプログラムなんだなと痛感します。

 分かりにくい例で恐縮ですが、将棋で言うと、ともに藤井聡太四段に快勝した、菅井竜也王位と佐々木勇気六段という、若手棋士がいます。二人の棋士がいま強い理由の一つに、それぞれ新戦法を開発したことがあって、「菅井流6手目3二飛戦法」と「横歩取り勇気流」ってのがあるんですね。しかし、

  開発した本人はその戦法で勝ちまくっているが、他のプロ棋士がその戦法を真似して実戦で指してもまったく勝てない!

 少しでも間違った手を指すと、一気に形勢が悪くなるという非常に繊細な戦法で、それだけリスキーな戦い方なんですね。

 リスクを冒さないとそれだけのリターンは得られない。当然ながら、羽生君は、この超高難度のプログラムを遂行するにあたって、怪我のリスクも、他のスケーターと比べて数段高くなる。ハラハラ、ドキドキさせられますが、それを分かったうえで、応援していかなきゃなと思いますね。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

hana

 「羽生、横浜でアイスショー 震災11年の拠点リンク『1つ1つを胸に抱いて』」(デイリー 2017/8/16 14:33)

 やや意外なセレクションではあるけど、この場所で演じることを考えたら納得ですね。あと、けっこうゴツくなってるはずなので、よくこの衣装入ったなぁ・・・と。

  あと私の想像ですが、24時間テレビの収録は、どうやらこの日の東神奈川のリンクではなく、「別の日に別の場所を貸し切って」という段取りになっているような・・・。これだけ報道陣が入っていると、さすがに一度にというのは、ちょっと無理なような気がします。

 さて、今日の本題です。バラ1でも「応援企画」はやったので、当然ながらSEIMEIもやらないわけにはいきません。羽生君は、バラ1を「14-15」「15-16」の2シーズン演じましたから、企画自体は16本もの記事になってしまいました。

 ただ、SEIMEIは「15-16」の1シーズンのみだったので、その半分の8本程度に収まればいいなと思います。17-18シーズン初戦のオータムクラシックまでには間違いなく終われるはずです。

2017-02-01-17-33-04

2017-02-03-11-44-24



 まずは、『300点伝説』から見ておきましょうか。小見出しに「細部までこだわるユヅル」と題された部分では、15-16シーズンの新フリープログラムを作るにあたり、選曲の話よりも、羽生君の特徴とシェイ=リーンとの相性についてブライアンは触れています(103~104頁)。

  「ユヅルには、彼独自のジャンプへの助走と構えのタイミングがあり、そのユヅルにとって快適なタイミングをとても重要視しています。ステップからの4回転だとしても、そのステップのスピードやカーブの角度は、ユヅルのなかで理想が確立されています。こういったトップ選手ならではの“こだわり”を共有できる振付師でなければなりません」

  「振付師には、自身が芸術家肌で、選手の動きよりも振付師としてのインスピレーションを優先するタイプがいます。そのほうが最終的には芸術的な作品に仕上がるケースがあるのは事実です。しかしユヅルの場合は、彼自身が自分の感性を大切にしていますから、自分が自然に呼吸をし、音楽に気持ちを乗せて滑る必要があります。そういう意味で、シェイ=リーンはユヅルの動きを理解できますし、ユヅルもシェイ=リーンが試す動きを理解できるので、最高のコラボレーションが生まれるのです」

  「“助走に入って、ターンをして、膝を曲げて、トウをついて、跳びあがる”という一連の動作には、ユヅルなりの呼吸とテンポがあります。音楽のピッチとユヅルの心拍が合わないと跳びにくくなります。逆にテンポが合う曲ならユヅルは音楽を口ずさみながら自然に4回転を跳べますし、見ている人からすればジャンプと音曲が一体化したように見えるのです。ほとんどの選手は、こんなに細かいことまで考えて曲を選びません。ユヅルは細部までこだわる選手なのです」

 「芸術家タイプの振付師」といえば、舞依ちゃんと花織ちゃんの振付を担当した、ブノワ・リショーさんが今では真っ先に挙がるでしょうか。たしかに、「アメリ」のようなパントマイムを、あの羽生君が「はい、わかりました」と受け入れる姿は、ちょっと想像できない(笑)。

 そして、改めてこのブライアンの説明を読み直してみると、不勉強な記者が「リサイクル」の一言で片付けてしまうような、表面的な中身ペラペラな理由で「SEIMEI再登板」に踏み切ったとは、とうてい考えにくい。さらに、「世界最高得点を出したから」「ジャッジ受けがいいから」というのも、どうもその決断の本質にはないように感じます。

 「自分が自然に呼吸をし、音楽に気持ちを乗せる」「テンポが合う曲なら音楽を口ずさみながら自然に4回転を跳べる」という部分を逆に考えてみると、そうじゃない曲なら、クワドの精度が落ちることを意味するわけです。

 となると、昨季フリーよりも、クワド5本を含む技術的な進化を最優先に考えると、SEIMEIをバックにすれば、それを達成できる確率は高くなる。

 もちろん、「五輪連覇」の意欲も羽生君は述べているわけですが、彼の性格から考えると、結果的にそうなればハッピーだけど、「自分自身が技術的に成長できること」に重きを置いている。だからSEIMEIしかなかったのだと。そう私は推測します。

 SEIMEIのアイデアは羽生君自身が考え、ブライアン、トレーシーおよびシェイ=リーンのところに音源を持ってきたといいます。ブライアンは、曲の印象と、プログラムが出来上がっていく様子について、次のように回想しています(104~105頁)。

  「私たちの選択肢に入らない日本の曲を提案してもらうのは、とても嬉しいことです。私はこの曲を聞いた瞬間から、すぐに好きになりました。ユヅルとシェイ=リーンはクリケット・クラブで振付をしたので、徐々にプログラムが完成していく様子をチラチラと横目で見ていたのですが、目に入る度にゾクゾクしました」

  「『これはきっと……傑作になるぞ』。いままでにまったくユヅルが見せたことのない世界観が、そこにはありました。ドラマティックで情熱に任せる踊りではありません。静寂や荘厳さを感じさせながらも、底知れない強さを滲ませる。新たな世界観です。明らかにこれまでとは違う動きのアイデアがちりばめられているのですが、ユヅルは上手にそれを自分の動きに消化させていきました

  「・・・一般論的には難しすぎる曲でした。はっきりとしたメロディが少なく、打楽器のリズムが主軸です。ドラマティックで有名な曲なら、たとえミスがあっても音楽が演技を助けてくれるのですが、そんな期待は一切できません。だからユヅルそのものが音楽になる瞬間を待つしかありません

  「・・・優れたスケート選手であれば、スケーティングそのものが音楽になるのです。わかりますか?滑っているだけで、その人の全身から音楽が聞こえてくるのです。逆にスケーティングの下手な選手であれば、結果は悲惨です。音楽もプログラムも飽き飽きしたものに感じられ、下手な技術が目立ってしまいます。ともあれ、最初は苦しんでも、いずれは傑作になるプログラムでしたから、これはユヅルにピッタリだと思いました

 別の部分で、ブライアンは端的にこう表現しています(108~109頁)。

  「ユヅルのフリー『SEIMEI』は、ハビエルとは正反対です。張りつめたような緊張感とスピリチュアルで美しいスケーティングがあります。ユヅルはまるで、そのプログラムのなかで呼吸しているかのように、音楽の鼓動とユヅルの心拍が一体化していきます。・・・ユヅルは音楽の一部として生きる

 この本が出た時期(2017年1月31日)から、SEIMEIの話というのはあまりに遠く、私も初見の際はサラっと読み流していました。

 しかし、このプログラムを五輪に向けてぶつけると分かったいまでは、やはり「引っかかってくるもの」が違います。ブライアンが特に力説しているのは、「羽生君とSEIMEIの相性」という部分。この点を表現を変えて、繰り返し述べています。

 おそらく当時の練習中のジャンプの精度の高さからも、ブライアンは「音楽との一体感」がより印象に残っていたのではないかと。私はそんな想像をめぐらせています。

 じゃ、本人はどう感じていたのか?次回は、プログラムを作る過程における羽生君の発言を関連書籍からピックアップしてみます。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

straits
Ice Skating: Canadian master to inspire skaters
by May Chen(Published Apr 5, 2017)

 IFS Magazineのツイをチェックしていると、同誌としての解説記事には目ぼしいものが見当たらなかったんですが、シンガポール最大紙という「ザ・ストレーツ・タイムズ」の記事がRTされていたので、読んでみました。

 シンガポールのスケーターといえば、笑顔を見るだけで癒される「微笑みの天使」ことクロエちゃんですよね。昨年9月のクリケットでの羽生君との2ショットが固定ツイになっていたり、ヘッダーには真凜ちゃん・花織ちゃん・優奈ちゃんとの写真ですから、日本人として嬉しくないわけがありません。

 記事の中身自体は、ここ3日間で紹介した記事の中では、個人的に最も面白い内容でした。

 そこでは、ワールドの羽生君のパフォーマンスについての記述は皆無で、むしろ、4月11日~13日のスケジュールでブライアンがシンガポールでおこなった(この記事の時点では「初開催予定の」)トレーニングキャンプの話が中心です。

 このキャンプに参加したのは、7歳から25歳までの約30名のスケーターたち。その多くはシンガポールからで、マレーシアやオーストリアからも参加者がいたそうです。

 シンガポールのスケ連によると、「昨年10月からこのキャンプの準備をしていて、ブライアンのスケジュールが空く、ワールド後まで待たなければならなかった」とあります。

 「なぜ、ブライアンは国別に来てくれないんだ?」と不思議に思った方もおられるでしょうが、そもそもこのシンガポールを含めたキャンプツアーが先に入っていた後で、クリケットの国別の出場者が決まったと考えられます。

 シンガポールのスケ連の会長のSonja Chongさんは、ブライアンについてこう語っています。

  「ブライアンは、フィギュアスケート途上国での取り組みをつねに支持してくれていて、ISUとともにそのような国の選手たちのスケート技術の強化のために汗を流してくれました。私たちが最初にコンタクトをとったとき、わざわざ時間を割いてシンガポールを訪れることや、シンガポールのコーチや選手たちにスケーティングスキルや技術を明かすことにも、彼はまったく躊躇がありませんでした」

 ふと思い返してみると、『300点伝説』では、オフシーズンのブライアンは、朝から小中学生の指導をし、シューズ選びにスポーツ用品店まで付き添ったり、というような話が明かされていてビックリしました。

 また、たくさん生徒を集めるだけ集めて、才能のある子だけを指導するような「経営者の発想でコーチングをしてるわけじゃない」と、はっきり言ってました。だから、世界中のスケーターからのクリケット加入の希望を断っているのだと。

 しかし、自分のクラブで直接指導ができないかわりに、その技術を余すところなく伝えるため、骨を折っているわけですね。

 私は、羽生君にもこういう活動を引き継いでほしいなと思います。たしかに、数年後、優秀な弟子を育てて、五輪やワールドのキスクラに羽生コーチがいる姿も、想像してみれば、かっこいい。でもそれは、羽生君でなければならないわけではなく、エテリやラファの例を挙げるまでもなく、現役時代の実績とコーチの能力はまた別だと思うからです。

 一方、フィギュアスケートの普及・強化活動ということを考えると、そりゃ羽生君が(しかもできるだけ若いうちに)行けば、子どもたちには大きな刺激になるはずです。

 記事に戻りましょう。シンガポールキャンプの経緯を説明した後に、ブライアンの弟子たちの話になります。羽生君、ハビ、ヨナと、教え子の実績に軽く触れたうえで、ブライアンの指導方針について、「教え子たちに単に技術的な部分を伝えるだけでなく、彼らがベストのパフォーマンスを発揮できるアスリートであるために、動機づけをし、刺激したいと考えてきた」という彼の発言を紹介。だから、彼は、「キャンプで訪れる国のコーチたちを励まし、私の様々なアイデアも彼らと共有したい」のだと。

 また、キャンプの前にブライアンはこうも語っていたそうです。

  「フィギュアスケート伝統国ではない国からチャンピオンを輩出すること。それはもう当たり前になってきている。シンガポールにだってそれはできる。不可能はない。選手、コーチ、スタッフとともに過ごせることを楽しみにしているんだ」

 シンガポールのスケ連はすでに「次の一手」のために動き出しているようです。6月にまた別のキャンプを予定していて、そこには新たなゲストコーチとスケーターが招聘されます。もしかしたら、FaOIに出演するスケーターがショーの合間にシンガポールを訪れるかもしれませんね。

 さらに、シンガポールのスケ連の責任者は、「アジア地域のフィギュアスケートの発展のために、シンガポールをアジアのハブ(中心基地)にする」とまで言ってます。この国が英語圏というのもありますが、さすがにスケールがデカい。

 この記事を読み切って、ふと思ったことがあります。実はこの中で、シンガポールでクワドジャンパーを育てるとか、何年以内にオリンピックで何位レベルの選手を鍛えるとか、そういう話がいっさい出てこないんですよね。

 世界のトップのコーチやゲストスケーターを呼んで、自国の選手を見てもらう。いや、周辺国の選手にもその場を開放している。それをこれからもどんどん増やしていく。

 なんだか、スポーツに対する日本的な価値観とかなり違う印象を受けますね。日本の場合、世界のトップのコーチと会えるのは、トップオブトップの日本人のエリート選手のみ(※もちろん「無良チーム」の取り組みなどは承知しています)。

 これはフィギュアスケートに限らない話だと思うんですが、

 「あなたはいま何歳ですか?その歳で何ができますか?ああ、10歳ですか。じゃ、もう遅いですね。勉強でもがんばったほうがいいですね」

 こんなことを言う大人ばっかりですよね。たしかに、途上国だから25歳のスケーターでもキャンプに参加できるというのはあるかもしれません。

 日本の様々なスポーツ指導の現場に立っている方は、結果が求められるし、責任が伴うことも分かっています。ですが、スポーツに対するこういう考え方がある限り、競技人口は減る一方ではないかと。

 もちろん、リンクを増やすとか、若き才能を海外のチームに移籍させるとか、そういう話も大事なんだけど・・・。

 うーん、ブロガーの端くれとして、このスポーツについて興味を持ってもらえるような、もうちょっと何かできないかなぁ・・・とか、いろいろ考えてしまいます。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

















 今日はちょっと疲れているので、このツイ主様の日本語訳に頼らせていただきます。私が注目したのは2点です。

 (1)ギャビー(・デールマン)や、ハビの大事な演技の前にはケアが必要。

 →→「緊張するな!」と強制することで、選手の性格を変えようとするのは難しいし、そもそもブライアンがそういう人間ではないのは皆さんもご想像の通り。平昌ではこのようなミスもないでしょう。他方で、そう考えると、羽生君のFSの演技をじっくりモニターで見ていた宇野君って、すげーな!と、実は見直しています。そもそも、あそこまで接戦になるほどスコアをもらえるとは本人も思っていなかったフシもありますが、あの強心臓は認めないわけにはいきません。すごい!

 ちなみに、私の陸上部時代を思い返すと、100Mや200Mで、私と同じぐらいの力の選手が前の組で走る場合、タイムや走りを必ず見るようにしました。それでタイムがいいと、「おっ!今日はいい追い風が来ていて、自分もタイムが出そうだ!」と都合よく解釈していましたね。屋外競技で気象条件が影響するスポーツだと、そういうことを言ってられるんですが、つくづくフィギュアスケートは「自分との闘い」だなと思います。

 (2)ゆづもハビも、平昌に4Lzは必要ない。でも、それ以降も現役を続行するなら、話は違う。

 →→今季の羽生君の4Loの変遷を見ていて、4Loがある程度計算できるレベルになったことは良いんですが、これまで彼が自信のあった4Sの精度が落ちたというのは、我々ファンにとっても想定外の出来事でした。新しいジャンプ(4Lz)を増やせば、今季のように他のジャンプ(4Lo、4S、あるいは4T)に影響が出るかもしれない。五輪シーズンはミスは許されませんからね。ここはいくら羽生君とはいえ、慎重にコーチ陣と相談することを願っています。









  →→「辛抱強く待ってくれ」と釘を刺しにきてますね(汗)。ネット観測をしていると、ワールドのFSで羽生君のスコアが渋かったのを、けっこう今でもお怒りの方がいらっしゃるので、ちょっと心配になってしまいます。

 感想は人それぞれあっていいし、もちろん自由に発言するべきです。ただ、本人はもう前を向いているし、国別もガチでいく感じだし、我々ファンもそろそろ腹の底に飲み込んで、

 「あのホプレガは素晴らしかった!」

 で、いいじゃないですかね?いまからそんなにエンジン全開でいたら、平昌に辿り着く前に、息が切れちゃうよ!と。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ 
    このエントリーをはてなブックマークに追加

このページのトップヘ