On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:ワールド・フィギュアスケート

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 エテリ組は、将来有望な女子スケーターがどんどん登場している状況にあって、そこで、読者の方々と一致した見解というのは、メドちゃんは突如現れた天才スケーターというわけではなく、チームの指導力も非常に優れているということでした。

 シニア1年目のザギちゃんが平昌五輪で金メダルを獲りましたが、男子で言えば、ジュンファン君が金メダルを獲るようなものですから、やはりこれは偉業です。以前、ミヤネ屋でもこの両チームが特集されたことがありますが、エテリ組とクリケットの「違い」を想像してみるのも、楽しい作業です。

 新シーズンが始まって、エテリ組のスケーターは順調に伸びるのかどうか。一方、クリケットのスケーターでは誰が輝くのか。この辺りも楽しみですね。

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 さて、Ice Jewelsの「ロシア雑誌紹介コーナー」の中で、メドベのママとおばあちゃんのインタが掲載されていました。親が子どもについて語る場合、自慢大会になるか、あるいは「ウチの子はまだまだ!」と謙遜するか(日本的現象かもしれません)のどちらかになりがちで、このインタの約8割は「ウチの子は賢い!」というお話でした。

 ところが、メドベママがフィギュアスケート経験者ということもあり、エテリコーチとの関係について、おばあちゃんが面白いエピソードを語っていました。

  「エテリさんを子どもの頃から知っています。ジャンナ(メドベママ)のコーチとエテリさんのコーチは夫婦でしたから。そして今度はジェーニャ(メドベ)が滑るようになって、再び氷上のエテリさんを見かけました。彼女の指導の幅広さ、教え子たちへの要求、子どもたちの動きを見ましたが、他の同年代の子どもたちとは大違いでした。彼女は子どもたちを2~3人単位で次々と『コンベアー式』に指導していました。結果や目的を意識したそのやり方が気に入りました

 「コンベアー式」という言葉を聞くと、「だから同じようなスケーターばかりなのか」と思いがちですが、私は少し違う印象を受けました。

 例えば、クリケットの練習風景から私がイメージするのは、トレーシーに率いられるスケーティングの全体練習と、個々人がランスルー等をする際にコーチが適宜アドバイスをする個人練習の二つですね。

 で、このおばあちゃんの話からエテリ組の練習を想像すると、おそらくレベル別に、約2~3人のグループがいくつもあって、それをエテリやドゥダコフが順番に見て回る。グループ内の2~3人の間で競わせて、グループ間での昇格・降格もあるかもしれない・・・。

 クリケットが「超エリート難関私立校に通いながら、凄腕家庭教師を(しかも科目別に何人も)雇っているイメージ」だとすると、エテリ組は「少人数制でレベル別のスパルタ学習塾のイメージ」でしょうか。日本のフィギュアの現場はどうでしょうね。少なくとも、日本の受験産業から想像できるような「システマチック」なものは確立されていないような気もします。

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 さて、そんな凄いエテリ組ですけど、ミラノワールド後のザギちゃんのインタがWFSに掲載されています。フリーは得意としていたのに、なぜあんな崩れ方をしたのか。

  「体調は整っていました。ここ(ミラノ)に来てからの練習で、どちらのプログラムも通し稽古をして、ミス1つなく滑れていました。それでもこういうことはあるんです。いずれ起こることだったんですよ」

  「・・・原因はたくさんあったと思います。まず、ここへ来てインターネットを覗いたら、私について書かれた記事がいっぱい目に入りました。気にしないようにしたんですが、無理だったようですね。インスタグラムをチェックしても、私が(世界選手権の)代表チームのリーダーだと書いてある記事に何度も出くわしてしまいました。この試合ではもっといい演技を見せたかった。新たな経験になりましたし、まだできないことに挑戦するよりも、プログラムをミスなく滑ることだけを目指して頑張ろうと思います。練習でやっていることをそのままできるように

 SNSに関しては、メドちゃんも色々ありますけど、こういう部分をエテリが厳しく指導しない所が興味深いですよね。「一切やるな」って言いそうじゃないですか。

 ただ、なぜそうしないのか?って考えると、日頃の練習で命を削るぐらい追い込んでいるから、「SNSをやる元気があるなら、ご自由にどうぞ」という考え方なのかもしれません。

 これは、アーティスティックスイミングの井村ヘッドコーチが、代表合宿をする際に、いちおう休日や自由時間を設けていて、「遊びに行く余裕があるなら、行っておいで」というスタンスなのを思い出しました。力士並の食事をしないと痩せてしまうほどのハードトレーニングを課しているのは有名な話です。でも、彼女のことだから、スマホを見つけたらプールに投げ込むとか、へし折るとか平気でやりそうですが。

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 楽しい話もご紹介します。例の秋田犬の件です。

  「(日本からプレゼントしたいというオファーの電話が)25本くらいかかってきました。母にまでかかってきました。(故郷の)イジェフスクとカザンも犬をくれると言うんです。秋田犬を繁殖しているあらゆる場所から連絡をもらいました。私はおとなしい子が欲しいんですよ!見た目は同じでも(と写真を指さす)、性格はいろいろなんです。メスのほうがおとなしいらしいんですけど」

  「(秋田犬は)誇り高いんですよね。強い主人を選ぶって本で読みました。飼う子が私を選んでくれるといいんだけど!そうしたらだいぶ楽になるでしょう。秋田犬について書かれた本を読んだり、飼い方の学習ビデオを見たりしていますし、調教師の人の力もちょっと借りたいと思っています

 ウチの近所でも、ワンちゃんを散歩させている飼い主さんをよく見かけますが、柴犬やトイプードルが多いですね。秋田犬を見たことは一度も無いかもしれません。

 ところで、ザギちゃんの新SPは「オペラ座の怪人」であると、アナウンスがされたようです。彼女のプログラムの選曲に関しては、やはり手堅く行ってる印象です。そうなると、メドちゃんは何を滑るのかも楽しみですね。

 では、また明日!

 Jun

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 昨日につづいてWFSのレビューです。今日も、平昌五輪のジャッジの証言企画です。

 ―― 小塚あゆみさんは、今回女子シングルのショートプログラムでジャッジを担当しました。金メダルのザギトワと銀メダルのメドヴェージェワのフリーは同点。結果的に、ショートプログラムの得点が勝敗を分けました。

  「ショートプログラムでは、じつは私はケイトリン・オズモンド(カナダ)がいちばん素敵に見えました。パワーがあって、スピードも高さもあって、かつ美しさも持ち合わせている。とくに『パリの空の下』の曲想にマッチした演技に高いインタープリテーション(※10.00)をつけました」

  「ロシアの2人は、ジャンプが素晴らしいと思いました。メドヴェージェワ選手は、表現力が高いと思いますが、復帰後は以前より少しスピード感が欠けているように感じました。昨季の世界選手権の頃は、全体的にもっと流れがあった。転ばないためかわかりませんが、セーブしているように見えました」

  「ザギトワ選手は、プログラムに振りを詰め込みすぎかなという印象を私は受けました。彼女のすごいところは、スピードがそれほどでもないにも関わらず、高さと幅のあるジャンプを跳べること。これは他の人にはない能力です

 →→おおむね同感です。ケイトリンについては、あのSPは昨季から安定しているので、特に五輪の演技が素晴らしいとは思いませんでした。メドベについての「スピードが足りない」という指摘は、やっぱりそういう風に見えるよね・・・と思いつつ、私自身は、ジャンプを恐る恐る跳んでいるように見えました。それは、すなわち「スケーティングのスピードが出ていないから」ということなのかもしれません。

 スケーティングについては、ザギはメドベに比べてまだまだ、という評価はいろんな所で目にしましたけど、「スピードが無いのに、ジャンプが上手い。それは他の選手にはない」という見立ては、なるほどという感じです。ザギは、ジャンプの上手さでスケーティングをカバーしているということなのでしょう。

 ―― 宮原選手は団体戦のショートで回転不足判定を受けましたが、個人戦ではクリアして、ショートもフリーも見事な演技を見せ、4位に入りました。3位のオズモンドとの差は、どういったところにあるのでしょうか。

  「今季宮原選手がすごく進化したのはスピード感が出たところだと思います。スポーツとしてのフィギュアスケートは、やはりスピード、パワー、高さ、美しさなどがポイントですが、宮原選手もオズモンド選手も、スピードに乗っていてスケートが上手。でも、パワーに関して言えば、オズモンド選手が圧倒的でした

  「表現に関しては、カラーが違うので比べられませんが、どちらも優れていると思います。宮原選手はより緻密にすべてをパズルのように組み合わせていいものを作り上げている。オズモンド選手は、ときどき雑さがありますが、それが彼女のキャラクターとして許されてしまうような人間くささがあります。これから宮原選手には、作り込んだ世界だけでなく、同時に彼女自身の内面を見せてほしい。もっと感情の起伏や心の揺れを見せてほしいなと思います

 →→知子ちゃんとケイトリンの比較は興味深いですよね。特に知子ちゃんについて、「緻密でパズルのよう」というのは、実に的確だと思います。

 これまで彼女がを「ミス・パーフェクト」とマスコミが評していたのは、ジャンプで転倒しないという部分を言っていたんだと思いますが、この17-18シーズンの彼女のパーフェクトな部分は、振付を正確に表現し、スピンやステップで取りこぼしがない点に尽きると思っています。

 しかし、「感情の起伏や心の揺れ」というのは、難しい注文ですね!このケイトリンとの比較から感じるのは、知子ちゃんの「完璧すぎる」ところが「人間味のなさ」と受け取られてしまうのか?という気がしないでもないです。

 ただ、これはSPとフリーの選曲を対照的なものにすることで、多少クリアできるのでは?と思います。「SAYURI」と「蝶々夫人」というチョイスは、日本人目線で言っても「ややかぶってない?」という部分はあったので。

 選曲ということで言えば、例えば、紀平梨花ちゃんの17-18シーズンは上手く選んだなぁ・・・と思っています。「道」は、フィギュアスケートのプログラムとして実績のある曲であり、他方で、「カンフー・ピアノ」は新しく実験的な音楽で、振付も個性的でした。同じ濱田門下ですし、しっかり相談して、面白いプログラムを見せてほしいですね。

 ―― 坂本花織選手も6位と健闘。2枠を巡る熾烈な闘いを勝ち抜き、初出場を果たしました。

  「宮原選手と坂本選手の2人は、グランプリシリーズのスケートアメリカで一緒だったんです。私はチームリーダーとして帯同していましたが、宮原選手が優勝、坂本選手が初めてグランプリの表彰台にのぼりました」

  「あの試合で、坂本選手は変わったなという印象があります。全日本で2位になっても驚きませんでした。ただオリンピックはとても大きい舞台なので、団体戦のフリーのときは、浮き足立って見えました。ところが、団体戦のあと一度リセットして個人戦に戻ってきた坂本選手は落ち着いていました。日本女子は普段から競い合っているためか、やるときはちゃんとできるんだと思いました。欲を言えば、彼女はもっとできると思いますけれども」

 ―― 平昌オリンピックを経て、日本の女子のこれからについては?

  「今回はロシアに勝てませんでしたが、でも勝てないとは思っていません。3回転+3回転のコンビネーションをかなりの国の選手が跳べるようになっていますが、試合でミスしないレベルを保っているのは、世界中を見渡しても、ロシアと日本だけだと思うのです

  「ロシアの選手たちは、15歳や17歳、18歳でもう1つ上のランクの表現ができています。宮原選手を除いて話すと、次に続く若い選手たちが今、大人のスケーターに変わるところにきているのかなと感じます。彼女たちはプログラムを海外で作りはじめたり、自分たちのいいところを引き出してもらえるようになってきている。もしかしたら、これまでの目標は『エレメンツを決めること』と低かったかもしれませんが、これからは自分のいいところを認識して、それを伸ばしていくべきです」

  「ロシア勢が素晴らしいコーチとコリオグラファーで、得点を叩き出しやすいプログラムを作ってきますが、どれも似たように感じられることもある。日本の選手たちが個性をもっと出して、その個性が優ってくるようになれば、勝つ可能性は十分あると思うのです」

 坂本さんが個人戦で切り替えられたのは、日本国内での女子のレベルの高さ、つまり全日本で修羅場をくぐってきた経験も生きているでしょうね。男子の場合、そこまで代表争いは厳しくないですから、大舞台で崩れる時は崩れてしまう。女子に比べたら競争は無いに等しいので、トップ選手個々人の能力に頼っているという状況ですね。

 女子シングルにおける、ロシアと日本の「差」について、例えば、トゥルソワやシェルバコワがシニアに上がっても、クワドを跳びまっているかどうかは未知数ですから、やはり3回転+3回転が中心になると私も思います。

 「ロシアの素晴らしいコーチとコリオグラフィー」といっても、日本よりはっきり強いのはエテリ組の選手ですから、それ以外のロシア選手との比較で言えば、日本はぜんぜん負けてないですよね。少なくとも、知子ちゃん、新葉ちゃん、舞依ちゃんは真っ向勝負できる実力の持ち主ですし、シーズン前はむしろ実力的に1ランク落ちると思われていた花織ちゃんが、これだけ戦えました。来季は梨花ちゃんも上がってきます。

 そして、この5人に限っても、それぞれの持ち味、「これが樋口新葉だ!」「これが三原舞依だ!」という個性を、すでに見せてくれていると思います。さらに4年かけて、その個性をより確固としたものに進化させてくれると期待しています。

 新シーズンのプログラムは、例年通りだと、DOIからお披露目ですから、7月あたりから、そういう話で盛り上がってくることでしょう。ジュニア、シニアともに、どれだけロシアと戦えるか。2022年まで、4年がかりの日本女子のテーマになると思います。

 では、また明日!

 Jun

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 2018年4月21日発売。バックナンバーのレビューは「こちら」。

 おそらく本書を購入されたゆづファンというのは、かなり希少だと思われます。ただ、私自身は、「ゆづ関連記事」ということに限っても、買ってよかった!という内容でした。

 それは、「平昌オリンピック ハイライト」の中の、小さい文字で分かりにくいのですが、「オリンピックのジャッジに聞く 山本さかえ」(37~39頁)というインタビュー記事があったからです。

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 ―― 山本さかえさんは、今回、男子シングル個人戦のショートプログラムとフリースケーティングのジャッジを担当しました。羽生結弦選手が男子シングルで66年ぶりの連覇を果たしました。SP「ショパン バラード第1番」は、どのようにご覧になりましたか。

  「公式練習では、ジャンプを跳ばずに曲の確認だけで流しているところもありましたから、怪我の後本番でどこまでやってくるのかと、期待と不安がありました。本番で最初のジャンプを跳ぶまでは、ドキドキしながら、祈りながら見ている感じでした。でも、最初のジャンプが終わった時点で、これはもう大丈夫だと確信しました。迷いなくGOE(出来栄え)の+3を押しました

  「3年前に初めて『バラード』の演技を見たとき、音楽と動きがぴったり合っていて、しかもゆったりした曲なのに、スピード感もある。最初に見たときから、非常に彼のスケーティングにあった曲で素敵だと思っていました。今回のショートはとりわけ感動的な演技で、表現もより強く伝わってくるものがありました」

 →→4Sは分かるけど、4T+3TにGOE+2ってのは、なんでぇ?ちょっと辛いんじゃないですか?PCSも他国のジャッジに比べたら渋いし・・・。

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 ―― フリー「SEIMEI」に関しては、いかがでしたか。

  「羽生選手の中でイメージがしっかり出来ていたと思いますし、ひしひしと伝わってくるものがありました。衣装もバイオレットの会場によく合っていました。ただやはり足にちょっと不安が見え、ジャッジしながら、着氷が崩れ気味のときは、『大丈夫だろうか』と思いながら見ていました

 →→とはいえ、むしろSEIMEIの方が高い評価を与えているのが興味深いですよね。他国のジャッジが厳しい採点をすることを警戒して、むしろこちらを高めに出した・・・という意図もあるのでしょうか。

 ―― あらためて、羽生選手の滑りのよさは、どこにあると思いますか。

  「これは一目瞭然だと思いますけど、やはり流れですよね。滑りの滑らかさとエッジの深さ。私たちは、フローとかグライドがあると言うんですが、一蹴りのスムーズさでしょうか。アイスダンスと同じように、深いエッジでないと、スピードとか力強い流れは出せない。彼は音楽とともにそれをやる

  「ジャンプにしてもそうです。ジャンプが得意な人の中には、跳んで終わりという人もいますが、羽生選手は、ステップから流れがあって、スピードがあって、高さがあって、幅があって、ランディングも滑らかで、そのあとも続いていく。プレパレーション(準備)からランディングまで無理がない。音楽にもマッチしている。流れの中で跳び、流れの中で終わり、次につながっていく。そこはちょっと他の選手にはない

  「いまGOE(出来栄え)は+3が最高ですが、来季から+5までになります。これは羽生選手のためにできるのではないかと思うくらいに、彼のプロトコルを見ると、+3が揃っています。誰が見ても、迷いなくつけられます。そういうものが備わっているところが素晴らしい」

 →→よくぞ、言ってくれました。やっぱりちゃんと分かってるじゃないですか。じゃ、なぜあの選手には・・・?という話は置いとくとして、「GOE+5は、羽生選手のためにできたのではないか」ということを、現役のジャッジが、しかも日本人のジャッジが発言した意味は大きい。よくぞここまで踏み込んで語ってくれたと思います。

 まぁ、ただ、来季始まってみないと何とも言えませんが、本当に「誰が見ても、迷いなくつけられる」ような「違い」をスコア上に出してくれるのか、楽しみにしましょう。

 ―― ソチ・オリンピックで金メダルを獲得してから現在までの彼をどのように見ていますか。

  「4回転の種類も数も増やしていますし、進化しています。音楽表現や感情表現もますます良くなってきていると思います。羽生選手がジュニアの頃から海外の試合に一緒に行っていたので、いまの成長した姿は、本当に素晴らしいと思います。そのころももちろん上手な選手でしたけれども、連覇したオリンピック・チャンピオンとして、存在している。本当にアメイジングですよね」

 ―― 試合後のラウンド・テーブル・ディスカッションで、羽生選手についてはどんな話題に?

  「SPのプログラムコンポーネンツスコアで10点を出したジャッジが何人もいましたけれども、それはうなずけると話が出ました。エレメンツのGOEについては、ときにばらつきが出る場合もありますが、羽生選手の場合は、どのジャッジも文句なしに高得点を出せる演技でした」

 ―― 新シーズンから、男子フリーの演技時間が女子と同じ4分に変更されます。

  「30秒短くなり、どこで私たちを魅了してくれるのか。ジャンプだけではなく他の部分の大切さがより重要になってくると思います。ルールが変わったなかで、どんな最高の演技が見られるのか楽しみではあります」

 ―― GOEも7段階から11段階になりますね。

  「GOEが+5までになりますから、たとえば4回転が2つしか入っていない場合でも、出来栄え次第で高得点をもらえる可能性がある。羽生選手のように、今+3では足りないと思いながら採点していた演技もありますから、機会があったら、ぜひ+5の演技をジャッジしてみたいですね

 山本さんのような真っ当な感覚のジャッジが、羽生君の試合を担当してくれることを期待したいですね。明日も引き続きWFSの残りの記事を見ていく予定です。

 では、また明日!

 Jun

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 昨日の続きです。バックナンバーのレビューはこちらで(「WFS」「WFS extra」)。

 さて、今日は、荒川さんの「平昌オリンピックを振り返って」(50~53頁)をご紹介します。実はこの企画、4ページに文字がビッシリという大ボリュームで荒川さんが語り尽くしているんですが、その内の丸々2ページが羽生君の話題で占められています。これは凄いことです。

 大会期間中、荒川さんは日テレのメインキャスターとして現地に行ってましたから、なるべく日テレの番組の中で彼女が話していなかった内容をピックアップしてみます。

 (1)ブライアンの存在

 ―― 羽生選手のコーチングスタッフについては、どんな風に感じましたか。怪我をしたとき、ブライアン・オーサーコーチが不在の大会でした。

  「選手にどんな調整をさせていくのかという最後の決定権はヘッドのブライアンが持っていたと思います。羽生選手が怪我をしたときに(NHK杯公式練習での)状況を聞いて思ったのは、おそらくブライアンだったらやらせてなかったんじゃないかなということでした。体調が優れず、他のジャンプも軸が定まらないなか、まだ体が温まりきる前に4回転ルッツに入って、大きなブレにつながってしまったように感じた。ただ、起こったことに対して、前向きに進んでいかないことには仕方ない。悔やんでもやり直せるものではないですから。そこからの進み方は、本当にチームが一丸となって、怪我に向き合い、いま彼がやれることと、やるべきことを導き出して進んだことがこのオリンピックまでの道のりにつながったんじゃないかなと思います」

 ―― クリケットクラブのチームは羽生選手とハビエル・フェルナンデス選手、合わせて2つのメダルを獲るという強さを見せました。

  「ハビも、グランプリシリーズには照準を合わせきらず、シーズン前半はプログラムがどんな評価を受けるのかの調整も含めたものでした。年明けのヨーロッパ選手権からオリンピックまでは本当にさすがベテランという仕上がりで、ピーキングをうまく合わせたなと感じさせる戦いでした。個々のコンディションについて、状況を踏まえて調整を組んでいく、ブライアンのチームはそういった采配が非常にうまいと思います。過去の弟子たちの戦いを見ても、調整の仕方は非常にうまい。個々の力に見合った技に磨きをかける、勝負技にしていくというところも非常に鋭い視点から見抜きます。いまのルールで、最大限の力を出して有効に戦うためにはどうするか、という戦略的な部分が非常にうまいと思います。それぞれのベストを導き出していく。それは女子で結果を出したエテリ(・トゥトベリーゼ)コーチにも言えると思います」

 (2)現地での羽生君の調整の印象

 ―― 荒川さんが平昌に入られてから、羽生選手の調整をご覧になって、どんな印象を受けましたか。

  「やはり調整の仕方ががらりと変わりました。以前はジャンプを多めに、試合前にも公式練習などで入念に確認するタイプだったと思うのですが、今回は数を最低限に制限していました。怪我をしたからこそ、限られた調整期間のなかでイメージを作って、それを体に移し、氷上に移していくという、いつもとは違った臨み方をしなければならない不安もあったと思います」

  「・・・しかし、経験があるからこそ、自分がどういった調整をすべきなのか、すべきこととやりたい気持ちをしっかりと切り離して、あるいは擦り合わせて、この大会に臨めたのかと思います。計画的にトレーニングをこなし、調整をして挑んだ大会で、戦略的にも入念に計画を立ててやってきたのではないかということがうかがえた。頂点を狙うための戦いをしているという感じがありました

 (3)ゆづだからこその選択

 ―― 羽生選手自身がやりたかった演技をほぼすべて出すことができていたとお考えですか。

  「やはりアスリートですので、1度でも成功させたことのある要素は全部組み込んで、自分の持てる最高難易度の力を出したいという想いはあったはずです。けれども今回は、何が金メダルを獲る方法なのかということを、頭脳的に彼の戦略のなかに取り入れていたのではないかと思います。最高難度への諦めがついたわけではないと思いますが、自分の技の幅を少し狭めることによってクオリティを上げることに特化したのが、いまの時代の得点にいちばんつながる方法だと客観的に見ていたと思います」

  「・・・こういう言葉を使っていいのかわかりませんが、怪我の功名だったんじゃないかなと。調子がよければルッツも入れたい、ループも入れたい、それが当たり前です。でもその気持ちを切り離して、技1つ1つ、ジャンプだけではないところにも集中をつなげていける要因にはなったのかもしれない。それができたのは、4回転サルコウ、4回転トウループのクオリティが確立されているからであり、誰もができることではない。羽生選手ならではの戦略でした

  「他の選手は、難易度の高い、基礎点の高いものをとり入れていかないと、完成度や出来栄えの面で差が開いてしまう。それぞれの選手によって選択肢は変わってくるなかで、羽生選手は自分が勝つためのベストな選択ができたのだと思います」

 ―― 戦略を立て、その通りに照準を合わせきったからこその2連覇。強い選手だと改めて感じさせました。

  「いまやるべきこと、いまの時代に何が得点になってくるのかということを細かく分析した結果だと思います。『究極』を目指すだけではなく、その時代のなかで有効な戦い方を導き出して、冷静に対応していく力。そういった順応性、対応力の高さを見せることができた大会だったと思います。勝っていくためには必要な要素ですから」

 →→これでも、「ゆづ分の3分の1ぐらい」だと思います。正直、あまり期待せずに読み始めたら、反論したくなる部分はほとんどなかったです。

 かりに、ブライアンがN杯に帯同していて、4Lzでの怪我を回避できたとして、N杯もファイナルも全日本も勝っていたとします。それでもなお、「4Sと4Tの2種類だけで勝てる」とブライアンは考えていたのかどうか。そもそも、荒川さんの称賛する「頭脳的な戦略」なるものを、健康体の羽生君は受け入れることができたのかどうか。

 記者クラブでNHKの刈屋さんが「ネイサンがSPでヘタ打ってなかったら、フリーはこの構成にしていたか?」という主旨の質問をして、羽生君が「タラレバは好きじゃない」と、明らかにムカついてましたよね。

 あーいう、「他の選手が」という聞き方ではなくて、怪我をしていなくても、今回の構成で平昌五輪を戦っていたか?という部分は気になりますね。あるいは、シーズン前に紙に直筆で書き出していたロステレ杯の構成で本番を戦っていたのか。5月頃に出るジュエルズか、別の単行本(ゆづ本ないし城田本の続編)で明らかになることを期待します。

 この荒川さんの指摘で重要なのは、「4Sと4Tの2種類という構成は、羽生君だから選ぶことができた」(厳密に言うとハビも)という部分です。他の選手では、GOEもPCSも低いし、そもそも確率も高くないので、かりにSPとフリーをノーミスで揃えても、300点に届かない可能性があります。

 日本において顕著な「基礎点の高いジャンプを入れる選手が強い」という単純な見方は、これは女子におけるトリプルアクセル信仰とも共通していて、なんとかならないものかなぁ・・・という気はします。

 でも、これって、日本においてフィギュアスケートよりもはるかに認知度の高いプロ野球(あるいは高校野球)の世界であっても、直球のスピードやホームラン数で選手を過度に持ちあげる傾向はありますし、マスコミが何を言おうが、ファンの目が肥えなきゃいけないということですね。
 
 明日は、世界選手権の直前企画として一本記事を書きたいと思います。

 では、また明日!

 Jun

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 2018年3月17日発売。税込み価格「1944円」。バックナンバーのレビューはこちら(「WFS」「WFS extra」)。

 まだ、中身をしっかり確認しきれていませんが、羽生君関連のみザッとご紹介します。

 まず、目次からご想像できるように、誌面構成が種目別になっているので、いわゆる「羽生結弦特集」が巻頭からドーン!という感じでありません。6頁から始まる「大舞台で輝いた最強のメダリストたち」の中で、6~12頁に羽生君のSEIMEIのショット。他のメダリストの紹介を挟んで、24~25頁でメダリストセレモニーで宇野選手と並ぶ写真。

 26~35頁が「羽生結弦特集(?)」にあたる部分ですが、SEIMEIやバラ1の写真よりも、大会期間中の羽生君の発言や、メダリスト会見レポートなどのテキストがあくまで中心です。

 そして、「大会ダイジェスト」という部分で、58ページにバラ1のショット。種目別のメダリスト会見がそれに続きますが、男子シングルは羽生君だけでなく、ハビや宇野選手の発言も含まれているので、これは明日しっかり読みたいと思います。

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 しかし、アイスダンスやペアのメダリスト会見のテキストもあるんですが、

  読む人のことまったく配慮してないでしょ!

 ってぐらいに、まるで辞書のように字だけが埋め尽くされています(笑)。

 あとは、開会式だけでなく閉会式の写真も収録されていて、羽生君が菊地さんと一緒に歩くショット(89頁)も収められています。

 写真は菅原正治さん撮影で、いつものWFSの美しいクオリティを維持しています。ですが・・・、中のレイアウトは「平等主義」の思想が貫かれた種目別の並びなので、羽生君目当てでこの雑誌を購入することは、さすがにオススメできませんね。読んでいてイライラすると思います。私も、「どの写真が何ページ」と探すだけで苦労しました(汗)。

 ただ、上述のメダリスト会見や、他に、荒川さんの「平昌オリンピックを振り返って」というかなりのボリュームのテキストもあるので、もしそちらで気になる情報があれば、ご紹介したいと思います。

 では、また明日!

 Jun

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