On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:城田憲子

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 2018年1月18日発売。すべて読みましたので、仕切り直しでレビューします。

 まず、他の選手と比べて、羽生君の情報は薄めです。ただ、平昌五輪が間近に迫ってますし、さらに羽生君本人がロステレの取材で「4Aに挑戦する」とも言ってるのだから、まだプロ転向もないでしょうし、明かせないことはたくさんあるのだと思います。

  「羽生のご両親は、私が強化部長の職を離れたあとも、アイスショーなどの現場でお会いすれば、衣装に関してや進学先の選択をめぐってアドバイスを求められることもあり、昔から知る存在として話しやすかったのかもしれません。11年夏、久しぶりにお会いしたお母様から伺った彼の練習環境の窮状は想像をはるかに超えるものでした。『このままではいけない』――、私はその場で新たな練習拠点を探す決意を固めたのです」(167~168頁)

 羽生君のご両親から絶大な信頼を得ている城田さんだからこそ、いずれ「ゆづヒストリー本」の決定版のようなものが公刊されると思います。

 (1)「狂化部長」と呼ばれて

 印象的な一節があったので、まずはそこからご紹介します。時は2005年の、トリノ五輪シーズンの開幕前。当時、企業からのCM依頼は安藤さんに集中していたそうですが、城田さんは、安藤さんばかりに負担をかけるわけにはいかないと、村主さんと荒川さんとの3人の出演(ロッテ)にしたり、二人にも分散させたりしていたそうです(130~131頁)。

 ただし、某お米メーカーから依頼が来ると、城田さんはこう返答したそうです。

  「『金芽米』というからには荒川でお願いしたい。荒川じゃなければ、この話は流れてしまってもかまわない」

 そして、こう回想しています。

  「『金』の文字が入ったものは、験を担いで荒川にやらせたいと思ったからでした。この頃からでしたでしょうか。連盟のスタッフから『狂化部長』とからかわれたのは……

 このCMの話はかわいいもので、特に荒川さんに関して、城田さんが主導で行った、「キャラハン→タラソワ→モロゾフ」という、コーチ変更の経緯は、読んでいて胃がキリキリ痛くなるような迫真の記述で、私もページをめくっていて、頭を抱えながら、「マジか・・・」と何度も声も上げました。

 どんなに誠意を尽くして頼みこんだ外国人コーチであっても、スコアの伸びが期待できないと分かれば、バッサリ切る。義理とか恩とか、人間関係とかそんなものは、いざとなったら、二の次・三の次。いい歳した大人の感覚からすると「正気の沙汰じゃない」と思えるんですが、・・・でも、狂ってなければ4年に1度の闘いを勝ち切るなんて到底不可能ということですね。

 本書を頭から読んできて、城田さんの性格を考えると、実は、羽生君がクリケットに居続けていることが、奇妙というか異様にすら感じました。

 ただ、それもこれも、トロントに渡って2年足らずでオリンピックで金メダルを獲ってしまったから、城田さんもブライアンを信頼しているのであって、もしかりにソチでメダルを逃していたら、羽生君もこんな感じで「振り回されて」いたのかなと・・・恐ろしくなりました。

 (2)これも強化部長の仕事なの?

 いまの小林部長を見ていると、メディア向けのアナウンスと、選手の引率しかしていないように見えますが、第三章の「進化する大会運営」で触れられている、94年に幕張で開催された世界選手権の裏話は実に興味深い内容です。

 練習用のサブリンクの設営、音響チェック、開催地の自治体からの資金集め、すべてに城田さんが関わり、しかしそれでも、ISUの会長からは、「こんなコンクリートジャングルのようなところで世界選手権をやるなんてけしからん」とクレームが来る始末。

 「開催時は緑でいっぱいになりますから!」とその場は収めて、会長の泊まるホテルは窓から庭園の見えるスイートルームにしたとか、読んでいて苦笑するしかなかったです。

 いまから24年も前の幕張って、いま軽くググってみると、駅前のアウトレットモールなんてもちろん無くて(2000年オープン)、マリンスタジアムができたのが92年ということなので、ビルもホテルもそんなに無かったんだろうなぁ・・・と。

 ジャッジ席の周りには胡蝶蘭を並べ、キスクラには50万もする五葉松を飾り、ロイヤルブルーのカーテンを会場中に張り巡らせたのは、この時のアイデアだそうです。さらに、投げ込み用の「花びらの落ちにくい花束」も、城田さんが花屋さんと工夫して制作したとか、現在のフィギュアスケートの大会運営のひな型は、この時に一式すべて作り上げられたのだなと、感心しました。

 もちろん、Ice Jewelsの連載で書かれているような、若手の発掘にも関わっています。それも、野辺山合宿に参加できるようなエリートの卵だけでなく、「逸材がいる」と聞けば地方に視察に出かけます。

 野辺山といえば、城田さんだけは必ずツインの部屋に泊まるのだとか。なぜか。参加するスケーターは9歳~12歳の子どもです。合宿中にお腹が痛くなったり、熱を出す子もいる。そんな子どもを、隣りのベッドに寝かせて、水を飲ませたり、水枕をとりかえたりしたそうです。保健の先生のお仕事まで担っているわけです。

 (3)GPシリーズとジャパンインターナショナルチャレンジ

 GPシリーズのアサインについて、どの大会にどの選手が出場するか、各国スケ連の幹部が集まる5月のセレクションミーティングの話も面白かったです。特に05-06シーズンの、安藤、村主、恩田、中野、荒川、そして浅田と、日本国内の選手層が厚かった時期、先シーズンの戦績が芳しくなかった荒川さんは強豪の出場する大会にアサインされることになりました。

 この部分を読んでいて頭に浮かんだのは、今季の日本女子のアサインです。中国杯への派遣選手は、樋口、三原、本田の3人がアサインされて、「なんでつぶし合いをさせるの?」と話題になりましたよね。

 3枠あったトリノのシーズンと違って、2枠でしたから、全日本以外の場でも競わせようというスケ連の狙いがあったんでしょうが、皮肉なことに、この3人から五輪代表は出ませんでした。ただ、GPシリーズの成績は結局あまり関係なく、全日本で強かった2人が平昌五輪の代表に選ばれた点は評価しています。

 話を戻して、2005年の10月に「ジャパンインターナショナルチャレンジ」という大会を東伏見で開催しています。詳しくはwikiのリンクを見てもらいたいのですが、「トリノで金メダルを獲るにはどうしても必要だから」と城田さんが関係者を拝み倒して開催に至りました。海外招待選手の移動費・食費・宿泊費をすべて日本側が負担してまで行われたこの試合では、招待選手の衣装・演技、すべてをビデオに録画して、後日プログラムの基礎点を計算し、分析したといいます。

 いまみたいに、YouTubeで世界中の試合がものの数分でアップされ、プロトコルもすぐに読める時代じゃないですから、こういうことをやる必要があったのね・・・と。

 最初、この大会はジャパンオープンの前身かなと思ったのですが、違うようです。JOは97年に初開催された後、02~05年の期間は開催されていません。木下グループがスポンサーについたのは06年からで、06年大会から現行の(日本チーム・欧州チーム・北米チーム)という団体戦形式になりました。

 本書の中ではJOについて言及はないですが、90年代のJOの映像を見ていると代々木でやってるので、JO再開はスポンサーを見つけるのが大変だったでしょうから、東伏見でJICを急遽開催したのかな・・・と想像しました。



 ちなみに、JOの90年代のメンバーが何気に豪華です。特に99年の男子シングルは、ヤグ、プル、エルドリッジ、ブラウニング、本田さん、そしてブライアンが出ています。上の映像は97年の方を貼りましたが、3Aは転倒こそしましたが、さすがの高さです。

 さて、以下、色々と妄想したいと思います。

 羽生陣営がいまどうなっているのか?というのはやはり気になりますよね。団体戦は出ないんじゃないかという情勢になっていて(だから刑事君のチームにパスを譲ったのかなと)、来月に入って「団体戦には出ません」というアナウンスだけされて、そのまま他の情報は一切出さずに、個人戦に突入したら凄いことです。

 本書に通底している、城田さんの考える「五輪の闘い方」というのは、「一人のスケーターに注目と期待が集中することを好まない」ということだと思います。アルベールビルでの伊藤みどりさんでそれを教訓とし、トリノでは女子は三人が束になって世界に立ち向かいました。

 城田さんによれば、荒川さんが金メダルを獲る上での「真の立役者」は、村主さんと安藤さんである、と。すなわち、05年のワールドで3枠を取ったのは村主さんと安藤さんで、もし日本代表に3枠がなければ、荒川さんはトリノ五輪に出場すること自体が不可能だったと言い切っています(142頁)。

 もし羽生君の状態が回復していて、「練習でクワドを跳びまくっている」というような情報を出したら、日本の新聞やワイドショーは、「五輪連覇へ!世界記録も更新だ!」みたいに持ち上げまくるに決まっている。しかも、日本国内限定のゴリ推しの「作られたスター」ではなく、羽生結弦というスケーターは、すでにフィギュアスケート史に名を刻む「生ける伝説」です。世界中から注目を集めることでしょう。ならば、注目はできるだけ分散させることが望ましい。

 この「死んだふり作戦」により、ネタに困った日本の五流・六流メディアは、「日本の新エース宇野、悲願の金へ」「優勝争いは宇野とネイサンが軸に」「色気と風格を増した田中」ぐらいしか、どうせ書くことがないのではないか(※本書には宇野の「う」の字も出てきません)。城田さんの言う、「かつてない計算と注意」の中には、こういうことも含まれているのかもしれません。

 とにかく、この本での城田さんは「闘将」という感じで、シンクロの井村雅代コーチがかぶります。日本水連の幹部が井村さんを追い出して、その直後、彼女が指導した中国代表はメダル常連国に躍進。一方で日本は、12年のロンドン五輪では、ロシア、中国、スペイン、ウクライナにも負けての5位。結局、井村さんに幹部連中が頭を下げて、日本に帰ってきてもらいました。

 最後に、城田さんは、トリノで自分の出番を待つ荒川さんに、こう声をかけたと言います(138頁)。

  「あなたのために滑ってね。私でもない、連盟でもない、日本のためでもない、あなたのためのオリンピックだから」

 ソチの時の羽生君はいろんなものを背負っていました。今回の平昌ではもっとたくさんのものを背負ってしまうかもしれません。

 でも、荒川さんを送り出した時と同じように、城田さんには、羽生君を送り出してほしいですね。この言葉をかけられるのは、城田さん以外には世界中に誰もいませんから。

 では、また明日!

 Jun

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 欧州選手権での女子の頂上決戦を見て、ちょっと燃え尽きてしまったというか、やや疲れてしまったので、今日は半分雑談風味になります。お許しください。

 先週の時点で本書を入手していたんですが、今日ようやく目を通すことができました。当然ながら、まず開いたのは、第六章です。今日はその部分のみ触れたいと思います。

 (1)3年がかりのクリケット移籍と「3つの選択肢」

 本章の冒頭部分から、知らなかった話がいきなり出てきましたね。そもそも、羽生君以前に、クリケットには「日本のトップ選手を送る」ということを城田さんが考えていて、2009年頃からブライアンに声をかけていたこと。東日本大震災により練習場所の確保に苦労していた羽生君を見て、海外移籍の話を具体的に進めたこと。そして、羽生家との相談にあたって、移籍先としてクリケットを含む3つのチームを提案していたこと。

 その3つのチームというのは、ロシアもあったのかな・・・と思って読み進めてみたら、デトロイト、コロラド、そしてトロントと、すべて北米地域でしたね。正直いって、「チームの格」ということだと、トロントが圧勝という感じがしますが、移籍の決め手は生活環境の部分や、ブライアンの人柄に依る部分も大きかったようです。

 そう考えてみると、「エテリのチームに日本人を!」なんて、軽々しく言えませんね(汗)。まず、そもそも、いまの日本のスケ連にエテリ側とチャンネルを持っているような実力者がいるとは思えない。Jスポの解説で、岡部さんのような方が「どんな練習をしてるんでしょうねぇ・・・」なんて言ってるぐらいですし。

 逆に考えると、デトロイトやコロラドには「ルート」があるわけで、今後その2つのチームに日本人の若手が移籍する可能性はあるかもしれませんね。でも、西山君も続いてくれたことだし、クリケットにはつねに日本人選手がいてほしいなと思います。

 (2)バラ1・SEIMEI再演とロミジュリ秘話

 バラ1の再登板については、ISUの関係者の助言もあったという部分は興味深いですね。

  「羽生のかつてない技術をもって、歴史に残る演技にして欲しい。ノリコ、王道を行くべきだ」

 また、あのロミジュリにボブリン夫妻が「手直し程度」で関わっているというのは、情報として知っていたものの、今回書かれている「沖縄合宿」のような本格的なものとは知りませんでした。トロントに行く「1年前」ということは、11年の春~夏頃ということですから、その後にモスクワの合宿が来るわけですね。

 当然その時点で、城田さんは羽生君の海外移籍についても水面下で進めていたはずで、拠点を移す前に、海外のコーチと仕事をする経験を積ませようという、狙いもあったのかもしれません。

 (3)「かつてない計算と注意」

 私が、城田さん頼むぞ!と、思わず力が入った部分があります。

  「すべての闘いを終えるまではお話しできることも限られてしまいますが、かつて伊藤みどりと挑んだアルベールビルから数えて私にとっては八回目となる今回こそが、かつてない計算と注意を働かせて挑まねばならないオリンピックと捉えています。その理由はただ一つ――。すでに一度オリンピックの頂点に立った選手とともに挑む、初めての闘いになるからです

 これは例えば、ブライアンが欧州選手権で羽生君のことを訊かれても「話せないんだ」と答えているのは、きっと城田さんに言われてるのでしょうね。まさにこの「かつてない計算と注意」の中にあるのだと。次の一手、二の矢・三の矢がいつ飛んでくるのか、見守りたいですね。

 そうそう、「不正経理」の件で、城田さんが強化部長を辞任した部分も読んでみましたが、これを最初に報じたのは、朝日新聞だったのですね。先日の「ジャンプの記事」といい、やはりこの新聞は信用できないし、話半分という感じで読むべきメディアですね。

 四大陸選手権が始まる前にすべて読み切って、しっかりレビューできたらと思います。

 では、また明日!

 Jun

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 2017年12月21日発売。クワドラプルのバックナンバーのレビューは「こちら」。

 今日は、「城田憲子監督が語る 羽生結弦」(18~19頁)に集中します。一読して思ったのは、

  すでに情報戦は始まっている!

 ということでした。全日本が終わってから、「羽生・宇野の直接対決煽り」的な報道が続いていて、これに嫌悪感を持たれているゆづファンの方も大勢いらっしゃると思います。

 フィギュアスケートは対人スポーツではないし、選手が「あいつには負けねぇ」的な発言をする必要もありません。しかし、大会に出れば順位はつきますし、しかも4年に一度のオリンピックは記録よりも勝ち負けがより重視されるわけで、チームとしてはライバル選手の動向を分析するのは至極当然の話です。

 もし羽生君が、ケガもなく、4Lzもビシバシ跳びまくって、今季負けなしという状態であれば、ライバルなど関係なく、自身のコンディションを整えて、最高難度の構成を練習通りに試合でやれば金メダル間違いなしでしょう。

 ところが、NHK杯の怪我により、おそらく実戦復帰は平昌五輪の団体戦で、しかも、4Lzを回避する必要もあるかもしれない。メダルを争うライバル、すなわち、それはほぼネイサンと宇野選手に限られますが、この両選手がどのような状態であるかを正確に分析したうえで、「勝てる構成」をひねり出さないといけません。

 前置きが長くなりましたが、なぜ「情報戦」と私が感じたかというと、城田監督の以下の発言にあります。

  「彼(羽生)のジャンプのクオリティはどれも高いので、足の具合や体調の良し悪しによっては、2種類の4回転を確実に跳び、GOEを稼ぐ戦い方も有効だと思います。スケーティングスキル、要素のつなぎ、身のこなし、振り付けどおりに滑る力、音楽の解釈など、彼のスケートの土台は世界のトップにありますから、2種類の4回転で戦ったとしても頂点に立つことは十分可能です

  「オータムクラシックであれだけの点数を獲得し、スケートの技術を認められ、かつ演技力でも高い評価を受けたことは、彼の自信になったでしょう。また、ショートで高い点数を獲得できればフリーに余裕が生まれます。そこで、自分の体調に合わせて難易度の高いジャンプを少しずつ入れていけば、最高の結果が得られるのではないかと思っています

 これは興味深い。「2種類で戦ったとしても、勝てる」と言っておきながら、「2種類だけで戦いますよ」とは言っていない。

 ところで、全日本が終わった翌日、25日の日テレ「スッキリ」で、居酒屋佐野さんが「これだけ4回転の種類や本数を増やす選手が出てきても、2種類だけで羽生君が出した330点を、誰も超えていないんです!」と噛み締めるように力説していて、おかしいなぁこの人・・・どうしちゃったの?と首をひねりながら番組を見ていました。

 城田さんといえば、荒川さんがトリノで金を獲るにあたっての「あの采配ぶり」(ジュエルズ7号参照)は恐るべき内容でした。現在、読売新聞にコラムを持っているし、読売グループとのつながりは間違いなくあるはず。「news every.」がたまに羽生君の密着映像を蔵出しできるのも、城田さんの「許可」あってのものでしょうし、「マガジン」の座談会には報知の女性記者(髙木恵さん)がいたなぁ・・・と。

 「2種類で勝てる」キャンペーンで、ネイサン陣営・宇野陣営を油断させようとしているのか。しかし、一方で「2種類とは限らない」とも発言することで、いくらPCSが伸びてきたとはいえ、「クワドの本数・種類を維持する」という選択肢を、両陣営は捨てきれない。

 ネイサンはともかく、宇野選手のここ数試合の「ジャンプ構成の混乱ぶり」を横目に、羽生陣営は今後どういう情報を出してくるのか。特に、読売、日テレ、報知発のニュースは注目ですね。

 羽生君の身体は2月までには確実に戻ると、私は信じています。ただ、どのクワドを跳ぶのか、それがいつから跳べているか、というような情報がいつ明かされるのか。そもそも、今月の「小出し」の件でも象徴されるように、スケ連の現体制がまったく信用できないことを考えると、スケ連用にはウソの情報を流すことだってありえますよ。

 もちろん、城田さんの記事はこんな話ばかりではありません。我々ファンに向けてこう語りかけています。

  「羽生は今、休養をしていますが、身体が整ってさえいれば絶対にできる力がありますので、今後はさらにチーム一丸となって彼の身体の充実をはかる努力をしていきたいと思います。彼自身の『平昌オリンピックで必ず金メダルを獲る』という強い意志は固いですし、ファンの皆様の期待に応えられるように私たちも全力でサポートしていくつもりです」

  「皆さまには私とともに、彼が氷に立つ姿を思い描いて、待ち続けることをお願いしたいと思います。そして、彼がいざ試合会場の氷に足を踏み入れるときには、温かい拍手で迎えてほしいと思っています。彼の背中を声援で押してください。それが一番の力になると思います。その拍手が彼の耳に届いたら、勇気も湧いてくるでしょう。そのパワーを必ず自分の力に変えてくれると思います」



 城田さんの本が来月の18日に発売されます。章立てを見ただけでも、ブライアンの本とは違った「新情報」が出てくることは間違いなさそうです。こちらも、楽しみですね。

 では、また明日!

 Jun

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 2017年8月26日発売。Quadrupleでおなじみのスキージャーナル株式会社から、毎年シーズン直前に発売されます。昨年私は購入を見送ったので、2015年号以来です。

 他の雑誌も続々と発売が予定されている中、本書は、税込み価格で2000円を超えますし、ゆづファン的には「様子見」という方も多いと思います。したがって、本書のレビューは躊躇なくガッツリ行こうと思います。

 まず、羽生君の写真について。表紙、2017FaOI新潟オープニングとバラ1、トロントメディアデー、そして付録のカレンダーと、すべて田口有史さん撮影です。

 この人が撮るんだから、良い写真じゃないわけが無いので、できれば立ち読みでもいいので実物を確認していただきたい所。

 ちなみに、アマゾンでは散々な評価のFaOIオフィシャルフォトブックでも、撮影者として田口さんも名を連ねているわけですが、本書のFaOIの3枚の写真と同等のクオリティの物がオフィシャルブックにも収録されています(もちろん写真の重複はありません)。オフィシャルブック自体、バラ1は能登さん撮影のものが多めではありますが。

 さて、本書に戻ります。羽生君関連の文字情報としては、トロントメディアデーにおける、羽生君の囲み取材と個別取材。ブライアン、トレイシー、シェイリーンの記者会見。「ANAスケート部 城田憲子監督が語る羽生結弦」。そして、「織田信成のシーズン総括解説」でも触れられています。

 個人的に、城田監督のインタが最重要に思いました。私にとっては、見たことも聞いたこともない情報が計4ページの中の随所で明かされています。彼女の性格から考えると、多少「増して」いる気がしないでもないですが、これは必読です。ゆづファンなら、これを読まないと、シーズン始まらないよ!と言いたいぐらいです。

 羽生君の囲み会見と、コーチ&振付師の記者会見は「マガジン」でご存じの内容でしょうから、割愛します。ちなみに、シェイリーンの服装が「どこの女学生?」という若い格好で、ビックリしました。

 以下、羽生君の個別取材と城田さんのインタから気になる部分を拾ってみます。

 (1)個別取材

 ―― 今までの競技人生のなかで、一番ファンの声援に後押しされたなという試合、一番覚えている瞬間はありますか?

  「(即答して)全部です。自分が演技する前って、『ワーッ』となった後、絶対に僕をひとりにしてくれる時間を作ってくれるんですよ。毎回、ファンの方々が、どんなときでも、絶対にシーンとなる瞬間があるんです。そういうときに、『僕の時間を大切にしてくれているんだな』ってすごく思います。『本当に良い演技が見たいんだな』と思える瞬間ですね

 ―― 本誌(「Quadruple」)の読者の方に羽生選手へ聞きたいことを募集したところ、たくさんの質問が寄せられました。その中からひとつだけ選んでうかがいます。「ものすごいプレッシャーに立ち向かうとき、どん底から這い上がるとき、自分を奮い立たせるものは何ですか」。

  「(ファンの方々の)存在です。僕のことを応援してくれている人たちがいるという、そのことが僕の力になっています。実際に会場で聞く声援は、本当にすごいパワーになります。でも、声援が届かなくてもいいんですよ。試合に足を運んでくださる方だけではなく、テレビで観てくださる方だっているし、ネットで観てくださる方だっている。リアルタイムでは観られなくても、ずっと気にかけてくれている方もいる。そういったすべての人々の存在が、自分の力になっています

 (2)城田監督のコメント

 ・昨季SPに「Let's Go Crazy」を選んだ経緯

  「16-17年のプログラム選びでは、『表現の幅を広げるためにも、オーソドックスな曲ではなく、新しいものにチャレンジしよう』と話し合っていました。そんな折、アイスショーでたまたまジェフリー(・バトル)が速いテンポの曲を滑っていたので、『ああいう曲調はどうか』と羽生に提案すると、『いいですね、やりたいです!』という返事だったので、ジェフに『今シーズンは、速い曲調でお願い』と伝えたんですね。そうして送られてきたのが、プリンスの曲でした」

 ・「Let's Go Crazy」のコスチューム変更

  「ショートの白いコスチュームも、今の彼だからこそ着こなせる意欲的なデザインでした。ただ、白はライトが当たるところはきれいに色が出るのですが、ライトが当たらないところはグレーがかって見えるんですね。演技の映像を観ていたジェフからも、『コスチュームはパープルがいいんじゃないか』というアドバイスが届きました」

 ・ヘルシンキでのホプレガ

  「ショートでミスをした羽生はその夜、『心が折れちゃった』と言って最初はうな垂れていましたが、『勝つにはジャンプを跳ぶしかないよ!』と水を向けると、すぐに頭を切り替え、基礎点を計算して『ジャンプをパーフェクトに跳べばいけるね!』と闘志を燃やし始めました。私が『最後のルッツが一番不安だよね』と言うと、『そりゃ、順番どおりにいったら最後はルッツですよ。でも大丈夫。失敗しませんから!』と答えるくらい自信を取り戻していました(笑)。・・・このプログラムの音源は久石譲さんが作曲した“View of Silence”と“Asian Dream Song”を使用させていただいているのですが、この2曲は久石さんにとって意外な組み合わせだったそうです

 ・「バラ1」の再登板

  「世界選手権が終わって、オリンピックシーズンのプログラムをどうするか彼と話し合いました。『Let's Go Crazy』に課題を残していた羽生は、『来シーズンはパーフェクトにやります!』とプログラムの持ち越しを考えていました。でも、『あなたはチャンピオンなのだから、王者らしく王道の曲でいくのがいいんじゃない?』『何度やっても良いものは良いんだから』という話をしました。本人も気持ちを決めてからは前向きに考えて、『バラード第1番』を選択しました。・・・また衣装については、勝ち色のものを作っていますので、楽しみにしていてください。・・・羽生は音にこだわりがあり、同じショパンでもツィマーマンさんの演奏を好んで、『この音じゃないとダメなんだ』と言い切るほどです。彼はピアノが弾けるわけではないんですけどね。でも、『スケートを終えたらピアノを習ってみたいなぁ』なんてことも言っていました(笑)

  ・「SEIMEI」について
 
  「このプログラムは、最初に作ったときからスタッフ全員が手応えを感じていて、『これはオリンピックで滑ることになる』という共通認識が暗黙のうちにできていました。・・・よく『オリンピックには魔物が棲む』といいますが、それは自分自身のなかに潜んでいるものかもしれません。『SEIMEI』というプログラムには、その“魔物”を追い払う力があるのではないかと思うのです」

  ・平昌五輪の「不安材料」

  「平昌オリンピックについて懸念することがあるとすれば、江陵アイスアリーナの音の広がり方です。・・・私は音響が気になりました。リンク内の立つ位置によって、音の聞こえ方に微妙なズレが生じていると感じたからです。彼は音楽に合わせてジャンプを跳ぶタイプです。よく音を聞き、すべてのエレメンツを音に乗せて行なうので、わずかな音のズレでも演技に影響しやすいんです。・・・本番では音響が改善されていることを願うばかりです

 いかがでしたか?「Let's Go Crazy」決定の背景として、確かに羽生君が、ジェフがショーで滑っていた「Uptown Funk」について言及していたのは私も覚えていますが、城田さんが「ああいう速い曲はどう?」とアドバイスしていたというのは初耳でした。てか、城田さんについては、羽生君は(おそらく意図して)まったく話さないですからね。

 「バラ1」の再登板については、「王道の曲はどうか?」と城田さんは提案しつつも、このインタを読む限り、その段階から「バラ1をもう一度やってみては?」とまでは言ってなかった感じはありますね。ただ、パリ散は王道ではないですから、もう消去法的に「バラ1」の一択ということになりますけどね。

 羽生君自身が江陵アリーナの音響について心配していたかどうかは不明ですが、あくまでも城田さんの「印象」ということなので、これはチームとして注意するという話なのでしょう。

 ヘルシンキのSP後の二人のやり取りも生々しいですね。城田さんが羽生君のケツを叩いてやる気にさせたのはいいですが、だからそれでむちゃくちゃにランスルーをやろうとする羽生君を、ブライアンがブレーキをかけたのだろうと、関係者の話をつなぎ合わせると、筋道が通るわけですか(笑)。

 そして、羽生君のファンへの気遣いも、「声援が届かなくてもいいんですよ」という部分から、伝わってきますね。ファンを決して区別しない。きっと、私のようなライスト組も心に留めて、発言してくれている。嬉しい限りです。でも、あんまりネット見るなよ・・・とちょっとそこだけは心配ではありますが。

 明日は、織田君による総括記事を中心に他の選手のインタも見ていきます。

 では、また明日!

 Jun

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 Ice Jewels Vol.06の続きです。今日は、「3人のコーチに聞く 彼らの流儀」から、まずは、ミーシンコーチのインタ(71~73頁)を。

 国別対抗戦ではジジュンちゃんのコーチとして来ていましたが、正直言うと、「過去の人」という印象を持っていたんです。しかし、ここでの氏の発言は、なかなか刺激的な内容です。ちょっと長めに引用してみます。

 ――今季の大きな大会では、いままでになく4回転ジャンプを多く見る機会がありました。男子シングルの進化についてどのようにお考えですか?

  「フィギュアスケートは正しい方向に向かって発展していると思います。・・・スケートの発展や進化は、ある一定の変化、ルール、そしてジャッジングの考え方によって決まります

  「例えば、バンクーバー五輪の前は、さして長い歴史を持たないひとつの要素、『つなぎ』の部分がジャッジングにおいて重要視されていました。当時のフィギュア界をリードしていた選手たちもインタビューでこの点に触れ、エバン・ライサチェクやパトリック・チャンも自分たちは『つなぎ』の部分でエフゲニー・プルシェンコに勝っていると話していました。私に言わせれば、この方向性こそフィギュア競技が一時行き詰った原因だったのです

  「・・・当然のことながら、各エレメンツのつなぎ方は重要です。でも、エレメンツそのものも非常に重要なんです。近い将来、選手たちが4回転ジャンプしか跳ばなくなる時代が来るでしょう

 ――あなたがおっしゃる全種類の4回転ジャンプには、アクセルも含まれますか?

  「いいえ、アクセルは含みません。アクセルは難しいジャンプですから。ジャンプの専門家として、いつ5回転ジャンプの時代が来るのか?と聞かれることがあります。5回転ジャンプを跳ぶためには、これまでとは完全に違う跳び方が必要です

  「例えば、人間はまず砂の上を走り、そのあとに競技場のトラックの上を走るようになりました。やり投げも同じです。まず投げる行為を始め、そのあとに投げるメソッドを研究してきました。走り高跳びも以前ははさみ跳びが多くみられましたが、いまでは背面跳びが主流です。つまり、5回転ジャンプを跳ぶためには、根本的な部分の革新が必要だということです。現代の人類には、5回転ジャンプを跳ぶために必要なスピードと力がありません

  「・・・女子はすでに技術力の限界に到達したため、最近はすべてのエレメンツを基礎点が1.1倍となるプログラム後半に入れてくるようになりました。そうそう、プログラム後半の組み立て方について、私の考えに関心を持っていただけるかもしれませんね」

  「これもまたルールと採点システムによって、選手たちを袋小路に追い込んでしまうものだと思っています。第一に、ハーモニー(調和)が存在しません。高得点を狙う選手は、音楽の質や音楽の内容なんて気にしていません。ゆっくりとしたペースでプログラムをスタートし、エンディングに向かって曲のテンポも速くなる。そして、すべてのジャンプをプログラムの後半に入れてくるんです。ジャンプそのものの質もあまり良くないですね。というのも、最後の2分間にジャンプが集中してしまい、つなぎのステップも粗いからです。これではダメです。フィギュア界は、もっとこの点を注視するべきです。プログラムの終盤にエレメンツを入れるから、より難しくなるのでしょうか?ならば、スピンも終盤にまとめてしまえばいいはずです。でもそれでは、プログラム序盤はステップもなく、ただリンク内を滑っているだけの構成になってしまいます」

 ――ネーサン・チェンは、プログラム序盤にほとんどのジャンプを跳びますね。4回転を続けて入れてきます。これはこれでバランスが悪いのでは?

  「これもまた極端な例ですね。ISUが取るべき道は、ハーモニーの追求です。芸術的側面と技術的側面の調和が必要ですし、プログラム序盤や終盤にエレメンツが偏らないようにしなくてはなりません。私もアレクセイ・ウルマノフやアレクセイ・ヤグディンの頃には、同じようなことをしていました。つまり、すべてのジャンプを序盤に入れていました。でも、当時のルールやジャッジングの潮流がそうさせていたのです

 →→他競技の進化を参考に、フィギュアスケートのジャンプを見るという視点は知的好奇心を刺激されますね。実に面白い!

 そして、近年の、女子シングルにおける「ジャンプ後半集中化」に苦言を呈しつつも、そういうフィギュアスケートの「流行現象」というものが、その時期特有のルールや採点システムに原因があること、つまり「歴史の産物」であって、それに氏自身も抗えなかったことを正直に認めています。

 私のように「あんまりスキじゃないから」という理由でメドベやザギちゃんを批判するのは、しょせん部外者のたわごとにすぎず、選手たちは人生懸けてるし、コーチも選手を勝たせるのが仕事ですからね。おそらく、平昌五輪の女子シングルでは、「ジャンプ後半化」の流れは止まらないでしょう。

 一方で、男子シングルに関しては、ネイサンやボーヤンのように4Lzや4Fを「前半」に固めるタイプと、羽生君(あるいはハビ)のように4Tや4Sを「後半」に持ってくるタイプとの一騎打ち、という構図になるかもしれません。もちろん、ルッツやフリップのコンビネーションを後半に跳べれば最強ですが、さらにGOEももらえて成功率も高いスケーターを見るというのは、まだ先の話かな・・・という気がします。

 他にも、なぜコストナーのコーチを引き受けたのか?という話や、そもそも大学の先生でありながらなぜコーチ業にも興味を持ったのか?という話まで、全編面白いので、ぜひ読んでみてください。

 けっこうなボリュームになったので、他は軽めに。城田さんの連載は本田武史さんについてですが、ソルトレーク五輪直前の「壮行会」の話は、前号でも別の記事でチラっと出てましたね。しかし、ミーシンさんもそうですが、城田さんも舌鋒鋭い(性格キツい)というか、本田さんの実力を評価していただけに、彼の精神面の弱さが歯がゆかったのでしょうね。この調子で羽生君についてもガツンと言うのでしょうか?たぶん、平昌五輪本番までジュエルズは出るとしてもあと2冊でしょうから、この連載ではまだ羽生君まで行かないかもしれませんね。

 リプちゃんの近況が紹介されてますが、インタを読む限り、一時期言われていた体重増加の問題はクリアして、怪我を治しつつ、モチベーションは高いように感じます。大人の女性の顔立ちになっています。リーザも輝きを取り戻したし、もう一度頑張ってもらいたいものです。

 巻末に神宮外苑のアイススケート場の紹介がされています。ビックリしたのが、現在クラブ員は300名いて、新規入会するには1年半かかるとのこと。しかも、今年の5~7月は氷の張り替えで休業。来年1月から「1年間かけてリニューアル工事」って、新規会員どころか、現会員も練習場所の確保は大変なんじゃないか?と心配です。

 このたった2ページの記事を見ただけで、フィギュアスケートをやるには、東京はやはり不利。やっぱり、名古屋か大阪か・・・と。首都圏はカネが余ってるんじゃないのかい?おかしいでしょこれ!と、やりきれない気持ちになりました。

 では、また明日!

 Jun

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