2016-12-17-13-59-40

2016-12-17-14-00-12

2016-12-17-13-59-51



 2016年12月10日発売。やけにアマゾンのレビューに低評価が並んでいますが、この本の果たした功績は大きいんですよね。

 「フィギュアスケート日本男子シングル選手を特集したフォト雑誌」という体裁ながら、創刊号から堂々と「ゆづ推し」を展開した、少なくとも私が知る限り最初の雑誌です。本体743円という良心的な価格設定も画期的でした。

 創刊号の発売は、2014年2月3日。ソチの10日前です。この雑誌を立ち上げた編集者は預言者か何かだろうか?と、その先見の明には今もなお驚くばかりです。

 つけ麺店で言うと、大勝軒のような存在。この雑誌が登場し、ゆづ君がソチで金を獲ってから、「応援ブック・リスペクト(?)」な雑誌がポコジャカ出てくるわけです。

 なぜ大勝軒を例えに出したかといえば、いまや、大勝軒よりも旨くて質が高く、個性もあるつけ麺店は、都内に限っても山ほどあるからです。(※ちなみに私は池袋のBASSOドリルマンのつけ麺が一番好きです。でも、このお店はラーメンの方が美味しいと思いますが・・・)

 大勝軒といえば、今の基準で見ると、つけ汁は酸味と甘みが強くシャバシャバ系。一方、後発店のつけ汁は、ギトギトな粘性たっぷりで、味もよりしょっぱ濃い攻撃的なものになり、魚粉もドバドバ入る。「昭和の給食のソフト麺」風だった大勝軒の麺に替わって、攻撃的なつけ汁に負けない太くて硬い麺が採用されていく・・・。

 「写真重視型のフィギュアスケート雑誌の世界」といえば、「フィギュアスケートファン通信」は、ただでさえ羽生君が療養中で音沙汰の無かったこのオフシーズンも、知恵を絞って毎月出版し、シーズンインすれば、最速発売と写真の量で不動の地位を確立。

 その後、「通信」を意識した、さらに極端な雑誌が、「フィギュアスケートMemorial」で、一大会一冊主義で、まるでコマ送りのように大量の写真を掲載。ほかにも、「FIGURE SKATERS」のような常識外れの大判サイズの雑誌も登場しました。

 強烈な個性を持つ後発誌と比べて、本号を読みながら、「応援ブック」の特徴って何だろう?と改めて考えてみると、写真の枚数で「通信」に負け、発売日も「通信」より遅く、サイズこそ、従来のA4サイズよりも横幅が広くなって大きくなったものの、特別インパクトがあるわけでもない・・・。

 と、周辺情報はともかく、本号の具体的な構成を見てみましょう。表紙、目次、奥付、裏表紙、すべて羽生君の写真です。

 (1)NHK杯(4~23頁)。公式練習が2頁。パープルプリンスが6頁。ホプレガが6頁。表彰式が2頁。スワンが4頁。

 (2)スケカナ(24~37頁)。公式練習4頁。ホワイトプリンス4頁。ホプレガ4頁。スワン2頁。※公式練習の最初の2頁、黒のUAのウェアで「集中と静寂」という表現がピタっとハマるような羽生君の表情が、2ページぶちぬき。赤と白の文字カラーとの対比も素敵です。素晴らしいので、ぜひチェックしてみてください。

 (3)無良君&宇野君(38~67頁)。無良君はスケカナのみ。宇野君はロシア杯とスケアメ。

 (4)オータム(68~81頁)。ホワイトプリンス4頁。ホプレガ6頁。オータムの写真を使ったプログラム解説でプリンス2頁、ホプレガ2頁。

 近い試合から古い試合へ遡る感じで、大会ごとに写真を並べ、間に他の選手も挟むというのは、最近レビューした「KISS & CRY」に似ています。ただ、写真の質はキスクラの方が高いですね。全体的に立ち姿の写真が多くて、「通信」と比べたら写真の総数は多いわけではないのに、ページをめくっていて単調な感じがします。

 アマゾンで表紙写真の件が言われていますけど、個人的に、裏表紙の方が問題だと思います。NHK杯の表彰式はまだ良いとして、なぜ下の2枚がコレなの?と。角度は3枚とも同じで、左下なんて、目つむってるやん!なぜこのセレクションで「オッケー」が出たのか理解できません。

 応援ブックは、テキストがそこそこ挟まれているのも創刊以来の特徴で、構成要素別のスコア表、本人の発言と、各試合での演技のポイントがつかめるようになっています。テキスト自体はしっかりしていて、萌え要素も皆無。悪くありません。

 ただ、大会期間中の羽生君の発言を全て把握したいのであれば、やっぱり「マガジン」を買うし、写真目的なら、質、量、サイズ、それぞれに持ち味のある他誌に手が伸びてしまう。
 
 結局、どの点も中途半端感があって、どうしても「応援ブックじゃなきゃ!」という長所が希薄。強いて挙げれば、「1冊で写真も情報も、他の有力な日本男子選手もそれなりにカバーできる」という点でしょうか。

 つくづく思うのは、ライバルが現れた時に、いかにモデルチェンジできるかどうか。現状維持のままではすぐに抜かれてしまう・・・。

 「応援ブック」がどこよりもはやく熱心に応援していた羽生君が、いまもなお選曲・構成の面で進化と挑戦の手を緩めていないというのも、皮肉な話です。

 悪い雑誌ではないんですが、いまなら他を買っちゃうよなぁ・・・と。ぜひ、「応援ブック」の編集スタッフの方々には発奮していただきたいと思います。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村





フィギュアスケート ブログランキングへ