On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:小塚崇彦

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 2017年12月6日発売。Numberのバックナンバーのレビューは「こちら」。

 なんだか、久々に買ったような気がします。「デュエル」というのは、たしかに決闘とか決戦という意味もあるんですが、最近比較的耳にするようになったのは、サッカー日本代表がハリルホジッチ監督になってからで、監督がよく口にする言葉なんですよね。

 その意味は諸説あって、「球際の強さ」とか「一対一の強さ」とか、あるいは、選手個人のレベルではなく、「チームとしてボールを取りに行く攻撃的な戦い方」とも解釈されています。

 サッカーの記事も担当する編集者が、「銀盤の〇〇」のネタに困ってデュエルを使ったのかなと、勝手に想像しています。

 さて、まず羽生君に関して言うと、本号において「新情報はゼロ」です。松原孝臣さん、野口美惠さんというお馴染みのメンツが執筆していて、記事自体もそれなりのボリュームなんですが、既知の内容ばかりです。

 特に野口さんはブライアンとコネクションがあって、多少期待してはいたんですが、ブライアンの新しいコメントらしきものも一切ありませんでした。昨年は、ゆづとブライアンがさも4Loをめぐって仲違いしているかのような記事を書いていた彼女ですが、今季は五輪も控えていますし、陣営も警戒しているのでしょうか(汗)。

 本号については、2点コメントしたいと思います。

 (1)「ネイサンはもっとPCSが出てもいい!」

 誰が言っているのか。いま、ゆづファンの中で好感度ダダ下がりの小塚君です。「採点表から読み解く男子トップ3の可能性」(44~45頁)の中で、次のようにコメントしています。

  「(ファイブコンポーネンツは)もっと点数が出ていいと思います。特に今シーズンのSPは素晴らしい。8点台中盤というのは、残念ながら、ジャッジの採点に対する慎重さでしょう。新しいジャンルを切り拓こうと感じられる意欲作に対して反応できていない反面、逸脱した点数を出すとイエローカードを出されてしまうというジャッジのルールも邪魔をしています」

 ベンジャミン・クレメンティンのあの歌は、フィギュアスケートの選曲としては確かに斬新なんだけど、個人的には、ちょっとうるさいかな・・・と感じていました。でも、彼がこれだけ評価しているというのは、サプライズでしたね。

 じゃ、もっとテレビやスポーツ新聞でも、「ネイサンのネメシスは素晴らしい」って言いなさいよ!と思うんですが、そこは天下のトヨタさんの社員なんで、いろんな大人の事情があるのでしょう。

 ただ、この間も書きましたけど、羽鳥さんのワイドショーで相撲評論に限ってはキレキレな玉ちゃんのように、いいことを言ってるときは評価してあげたいなとは思っています。

 ちなみに、この記事の中で、ゆづに対しては「体調を戻すのがいちばん大事。クワドは2種類でいい」と言ってます。はたして、五輪本番を2種類で戦えるかどうかは謎ですが、全日本では2種類のみの可能性は高いと私は見ているので、そこでどれぐらいスコアが出るかですね。

 ちなみに、ネイサンの特集記事で、本田武史さんも「(PCSが)なんで8点台なのかわからない」(43頁)とコメントしています。

 (2)ボーヤンの写真は必見!

 「中国潜入レポート 金博洋 “4回転の申し子”誕生秘話」は、わずか5ページの記事なんですが、これは貴重です。だいたい、「中国潜入レポート」なんてタイトルがつけば、ブラック極まりない劣悪な労働環境とか、超絶ホラーな食品加工現場とか、おどろおどろしいネタで決まりなんですけど、まったくそんなことはなく、興味深い内容です。

 今回の記事を執筆するにあたって、中国の関係機関との交渉の末、11月18日、ボーヤン本人への直接取材が実現したとのこと。その甲斐あって、ボーヤンの自室、8歳の頃のショット、練習風景と、私の見たことのない写真がズラリと掲載されていました。

 テキストは、幼少の頃から、フィギュアスケートとの出会い、そしてクワドの習得に至る経緯が、簡潔にまとめられています。正直、「もっと読みたい!もっと写真あるでしょ!」と思うんですが、もしかすると、今後のNumberで(PLUSやウェブ記事も含めて)、小出しにされるかもしれません。ボーヤンのファンは、Numberの情報はフォローしておいた方がいいですね。

 ゆづファン的には、「このイカした表紙で、この内容?」と、ガッカリ感はあるでしょうが、Numberのフィギュアスケート特集ということで考えれば、590円で約50ページというボリュームは、わりと頑張ってくれた方だと思います。

 さて、私自身、気持ちはファイナルの方に向かっていますので、明日からは、ファイナルの感想記事を連投する予定です。

 では、また明日!

 Jun

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 昨日の記事(およびQ&A)では羽生君に関連したものをピックアップしましたが、今日は、二人のレジェンドの分析をご紹介します。

 (1)荒川さんが語る「ロシア女子の強さ」(59頁)

 ―― (ロシアの女子は)なぜ失敗をしないのですか。

  「普段の練習を見ているわけではないので予想ですが、ロシアの選手はプログラムを通しで徹底的に練習しているのでは。パートごとの練習中心では、あそこまで後半を強化するのは難しい。さらに練習では本番の内容よりもハイレベルな構成にしていると思います。難度の高いプログラムに、さらに負荷をかけて練習することで、試合は少し楽な気持ちで挑めているのではないでしょうか」

  「大会の公式練習でもそのように練習をしていて、3回転+3回転+3回転などを跳んでいます。これまでロシアの選手たちはあまり通し練習をしなかったように思いますが、今は練習で可能性を最大限まで引き上げ、本番ではそこからいいものをチョイスするという戦術のように思います

 ―― ロシアの選手に勝つにはもっと後半の強化が必要に?

  「後半の強化はもっとも差をつけやすいところです。後半に得点になる要素を多く組んでいれば、それは難しいプログラムになっているということ。おのずとファイブコンポーネンツ(演技構成点)につながります。また後半にミスせず演技ができる体力があれば、仮に前半でミスをしても後半に取り返すことができます。それは選手にとって、精神的な支えになります」

 →→まず興味深いのは、かつてのロシア選手はあまりランスルーをしていなかった、という荒川さんの見解ですね。これは知りませんでした。一方、「3+3+3」のような、試合の構成よりも難しい内容で練習しているという話は比較的よく知られていると思います。

 いまのロシア女子の圧倒的な強さは、ソチ五輪でのメダル獲得を見据えての強化の成果だというのが一般的な認識ですけど、ソチのプロトコルを見ると、当時のソトニコワもリプちゃんもべつに後半固め打ちなんてしてませんからね。やはり、メドベ以前とメドベ以後という所が、ひとつの区切りかもしれません。

 日本のトップ選手の中で、とくに神戸の舞依ちゃんと花織ちゃんは「ランスルー練習でミスをすると、曲が止められる」という話や、他のチームの選手と比べても、今季のプログラムは「ロシア仕様」に強化されていることもあり、それが実を結ぶことを期待したいです。

 (2)小塚君が語る「オリンピック」(75~78頁)

 ・バンクーバー五輪での選手村

  「滞在した選手村の部屋は2LDKの2ベッドルーム。髙橋大輔さん、織田信成さん、クリス・リードさんと同じ部屋でした。フリーの演技当日、会場に向かうまだ2、3時間前、部屋にいる時から僕はとても緊張していました。・・・そんな時に部屋のダイニングで髙橋くんと話をしていて、『緊張するわ』と僕が言うと、大ちゃんが、『いやいや。まだ部屋の中だから。緊張するの早いから。そんなに今から緊張してたら、もたないよー』と声をかけてくれて。その一言で僕は『確かにそうだな』と思えて、緊張がほぐれたことを覚えています。その日のフリーで、僕は4回転ジャンプを着氷することができ、結果8位でした

  「声をかけてくれる先輩がいてよかったと思っています。1人だったら、緊張しすぎてしまって、本番で疲れてしまっていたかもしれません。日本は男子シングルの選手が3人いましたし、チームジャパンとして、声をかけ合って大会に臨めたことは素晴らしいことでした」

 ・他種目選手との交流の重要性

  「・・・大会に行く前に他種目の選手とも交流してあいさつができる関係になっておけば、会場でもちょっとした会話ができて気分転換になります。通常のフィギュアの大会だと、ホテルに泊まり、周りにいるのはフィギュアスケートの選手だけ。しかしオリンピックでは、選手村に滞在します。バンクーバーでは82カ国・地域から約2600人の、スキーやスピードスケート、カーリングなどたくさんの選手がいて、一緒に生活します」

  「僕は開会式には出ませんでしたが、選手村にゲーム機や卓球台が置いてある遊興スペースがあって、そこで残っている選手みんなでテレビの中継を見ました。食事は選手・役員共通の食堂があり、世界各国の料理が出ます。他国の選手と一緒になることもあります。そんなところでもオリンピックを感じました」

 ・五輪上位を目指すために

  「来年の平昌オリンピックを目指す選手たちに声をかけるとすれば、まずはケガをしないで、そこまでの他のシーズンとの雰囲気の違いを楽しんでほしいです。・・・上位を目指すのなら、オリンピック本番の日の調子もあるけれども、グランプリ(GP)シリーズなどの国際大会で評価を高めておかないといけません。フィギュアスケートは、そういうスポーツです

  「オリンピック前に、シニアでどれだけ評価される選手になっているか、とても大切になってきます。大会の前に、その時点での選手の評価やうわさのようなものがジャッジの頭に入るものです。それを、オリンピックになって急に覆すのはなかなか難しいことです。・・・ただ、すべての選手に言いたいのは、焦らないこと。自分のできることしか、できない。だからそれをやり切る、出し切ることこそが大切です。みなさんが納得した形でシーズンを終えられることを願っています」

 →→実は、小塚君のこのインタは、次の印象的なフレーズで始まります。

  「(オリンピックは)なんというか、本当に一瞬のことでいつの間にか終わっちゃって。楽しんでいる暇はなかったです。オリンピックの試合中に楽しんだというより、後になって、それを思い出して、楽しむもの。後から動画や映像を見返して、自分の記憶と重ねて思い返すという感じです

 まぁ、実際はすべての選手が必死ですからね。メダルを期待されるトップアスリートほど「楽しむ」という言葉をよく口にするのは、より注目され結果が求められる中で、普段通りの力を出すための「暗示」なのでしょう。

 選手村での他種目選手との交流の話は興味深いです。だから、今年4月の「チーム・ビルディング」(「通信SP」参照)のような形で、結束を深めていたのでしょう。

 「開会式を選手村でテレビ中継で見る」というのは、羽生君もそうなりそうですね。

 かりに上記のバンクーバーでの男子の部屋割が、平昌でも同じになるとして、年上のクリスがいてくれると、羽生君にとっても心理的重圧が軽減されるんじゃないか?と、これはこれで、共同生活もいいように働くような、そんな想像をしてしまいました。

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 さて、話題をかえて、13日(金)の夜は、いよいよJGP最終戦、イタリア大会の女子SPです。ライストは「こちら」。リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。

 名古屋のファイナルに進める残り3枠は、事実上、上のタイムテーブルで赤く囲んだ、ロシア2人、日本2人、そして、すでに2戦を終えた山下真瑚ちゃんに絞られています。ポイント争いの詳細については「こちら」の記事をどうぞ。

 このSPの滑走順は、日本選手的にはラッキーかもしれません。一番強いと言われているコストルナヤが最初に登場するので、しっかりノーミスで滑り切れば、第1Gの彼女を基準にした高得点が期待できるからです。









 先日のジャパンオープンを見たばかりの感覚でも、十分に将来性と可能性を感じさせる有望なスケーターで、しかも、まったくタイプの違う4人です。予習としてぜひどうぞ。

 では、また明日!

 Jun

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 2017年6月19日発売。まだ羽生君が五輪代表に選ばれると決まったわけではないのに、スポーツ新聞や地上波放送じゃあるまいし、表紙に「五輪プログラム決定!」は無いのでは?と、けっこう前のめり気味の表紙です。まぁ、Life的には「バラ1再登板は歓迎」という好意的なメッセージとして受け取りましたが。

 羽生君の記事としては、ヘルシンキワールドのレポート、モニュメント設置式のレポート、国別対抗戦のインタと、いずれも2ヵ月以上前の話なのでコンパクトな内容。いくら私がゆづファンとはいえ、これらがダラダラ長かったら、さすがに文句の一つも言っていたと思います。結果、WFS以上にマニアックなセレクションのインタが並んでいて、感心しました。

 で、FaOI幕張のレポート(130~132頁)がなんとか間に合っています。わずか4ページなので、各スケーターの写真を網羅的に並べており、レポートでも同様に各演技に満遍なく言及しています。

 現地観戦組はもちろん、テレビ放送で幕張公演をしっかりご覧になった方は、このレポートはぜひ立ち読みでもチェックしていただきたいと思います。

 私が率直に感じたのは、プロのライターさんって制約があるんだなと。「なぜこれについて書いてくれないの?」「あんな名演をどうしてこんなに淡々と書くわけ?」と疑問を覚えるんですが、市販される雑誌の原稿としてアイスショーの記事を書く場合、スペースの問題もあって、この形で落ち着かせるしかないのでしょうね。ブログで自由に書くのがいかに気楽なのかと実感しました。

 羽生君のショットは、Choo Choo TRAIN、オープニング、エンディング、バラ1、各1枚ずつで、先日出た「キスクラ」と比べたら、遥かに物足りないので、写真は期待しない方がいいです。こんなに素敵な表紙なのに・・・という気がしないでもないですが、まぁ、シーズン始まったら、新バラ1の美麗フォトはたくさん拝めるわけですし、楽しみに待ちましょう。むしろ本誌は、羽生君の写真に関していえば、ワールドと国別の方が充実しています。枚数は少ないですが、質は高いですよ。

 さて、他の記事で面白かったのは、小塚君の連載企画「小塚崇彦が答える スケートのここが知りたい!」(134~135頁)ですね。第2回「緊張と信頼関係について」と題して、「トレーナーとの関係」、そして「緊張をいかに集中に変えるか?」という2つがテーマになっています。

  「羽生結弦選手にも菊地晃先生がいて、無良崇人選手にも小関伸哉先生がいますよね」

 と、小塚君も言及していますが、小塚君自身が専属のトレーナーについてもらってからの経験が語られています。

 2012年のスケアメから足が痛くなり、全日本の前には3日に1回しか練習できなくなるほどに。原因が分からず、痛かったら休む。そんな時に、出水慎一さんを紹介してもらい、2013年3月から引退までの3年弱、専属コーチとしてついてもらったとのこと。

 トレーナーの仕事には、トレーニングとケアの2つがある。それまでのフィギュアスケート界では、前者を専門とするトレーナーは数名いたが、後者を専門とするトレーナーとしては出水さんが初めてという話です。

  「デミ先生は、毎日僕の調子や行動をチェックしノートにつけてくれていました。そのため、僕の表情や行動をよく見てくれていて、僕が歩いているのを見るだけで、『やる気がない時』、『調子が良い時』、『足が痛い時』がわかるって言ってましたね。だから、やる気がなくてできないのか足が痛いから練習できないのか見分けられるそうです」

 ケガの予防という点でいえば、小塚君や羽生君のようなトップ選手に限らず、若手の選手に対しても、このようなケア専門のトレーナーの存在って必要だと思います。小塚君も、「金銭的な問題で1対1でついてもらうのが難しいなら、1対3くらいでやっていける環境があってもいい」と指摘しています。

 ライバル選手の多いチームに所属していれば、コーチに対して、やはり選手はケガを隠してしまうと思います。なぜ同じ練習をしていて、自分だけが怪我をしてしまったのか。自分自身を許せなくなり、自分を責めてしまう。それだけはあってはならない。やはり、少し距離のある立場から、相談相手になってくれたり、適格にアドバイスできる存在って大事だと思います。

 しかし、だからこそ不思議に思えてならないことがあります。本文中で小塚君は、「出水トレーナーが宮原さんについていること」に触れているのですが、じゃ、なんで彼女はあんなことになったの?って話なんです。

 私は出水トレーナーや小塚君を非難しているのではありません。むしろ逆です。「歩いているのを見ただけで、痛いかどうか分かる」ような優秀なトレーナーの声が、はたして聞き入れてもらえていたのだろうか?という点で、不信感があるのです。

 ネット上では色々と言われていました。JOCのシンボルアスリートの発表まで、重症であることを関係者は隠したかったんじゃないかとか・・・。

 もちろん、外野の私がグチグチいってもしょうがない話です。羽生君だって、去年のこの時期は氷上練習もまだできていなかったはずです。宮原さんには、まずは療養とリハビリに集中して、しっかり治してからでいいので、また元気な姿を見せてほしいと思います。

 一方、「緊張を集中に変えるには?」というテーマは、トップアスリートでなくとも、一般人が実践できるようなヒントもあって、すごく納得感のある内容になっています。

 まず、そもそも緊張とは何か?という部分を、小塚君は、フィギュアスケーターとしての実体験として語ってくれています。

  「緊張すると、いろいろなクエスチョンが出てくる。例えば、『右肩下げてもいいんだっけ?』とか。『いや、それダメです』。『じゃあ、左肩上げてもいいんだっけ?』『それダメです』みたいな。これに対して、『肩は平らにしていればいい』っていうのはすごくあやふや。だから、クエスチョンが浮かんだ時に、それを全部取り払えるかどうか、確かにしていくことが練習なんです

  「だって、やってはいけないことが全部なくなったら、やっていいことしか残らないですから。試合で緊張した時に思い切ってやれるために、一つ一つしらみつぶしにしていくのが練習なんだと、僕は思っています。そうやって練習を積むことで自信を持てる。時間かかりますね。緊張を集中に変えるられるキーっていうのは、『自信』なんだと思いますね

 自分の例で考えると、TOEICのテストを受ける時、「これだけはやってはいけない」というリストを、試験会場でも読み直したりはします。その多くは、自分が問題演習を通じて得られた「失敗」から抽出されたものです。

 小塚君流に言うと、緊張で浮かんだクエスチョンで頭の中がパンクしてしまうと、人はパニックになって、「何をやっていいか分からなくなる」のでしょうね。

 最後に、ツルシンちゃんのインタで、私のブログ的にタイムリーなやり取りがありました(30頁)。

 ――今大会(世界選手権)、あなたも練習しているブライアン・オーサーのチームの選手たちがたくさん活躍しましたね。

  「はい、私たちは大きな家族のようで、みんなスケートを上手に滑る準備が整っていたんだと思います。みんな一生懸命練習しているし」

 ――羽生選手やフェルナンデス選手もいますね。

  「ユヅルはいつも自分のスケートに集中していますね。いつもフレンドリーでいい人だし、リンクの上では、誰かがジャンプを降りると拍手してくれます。それってみんなができることではないんです。ハビもとてもフレンドリーで優しいです。二人は正反対なんだけど、二人ともとてもいい人です」

 なにがタイムリーかというと、ブログでは紹介しきれなかったのですが、『チーム・ブライアン』の中で、つい先日こんな一節を目にしました(218頁)。

  「この2人(ユヅルとハビエル)の練習している姿がとてもいい。もしユヅルが転倒したら、ハビエルが駆け寄って手を差し伸べて助けるし、またその逆もあります。ハビエルが4回転で着氷を決めたらユヅルは拍手するし、その逆も同じです。2人は尊敬し合い、ガチガチに張り合うでもない。お互いを大好きなのです」

 先日のFaOIでの折に触れての「気遣い」を見ていても納得できますが、羽生君の人徳・人柄ですね。

 まだまだ、たくさんのインタが収録されているので、何回かに分けてご紹介します。

 では、また明日!

 Jun

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 2017年5月27日発売。今回、巻頭の羽生君の記事は、ワールド&国別のレポートと囲み会見で構成されているんですが、新しい情報はゼロです。ただ、FaOIでバラ1を見た後だと、国別の取材で羽生君が語った4Tについての熱い想いは、がぜんリアリティが増してきます。5月発売の「マガジン」(68頁)にも同じやりとりが掲載されていますので、再読してみてください。

 本誌(18~19頁)では、以下のように紹介されています。

 ――先日(モニュメント設置記念イベントで)、「自分の一番の武器はトリプルアクセル」と話されていましたが、4回転ジャンプの種類を増やすことと、トリプルアクセルを確実に跳んで得点を伸ばすということの、バランスをどう考えていますか?

  「まず4回転の話をさせていただくと、もともと世界最高得点を更新したのはショートですけど、そのときのショートで何が一番良かったかと言われたら、たぶん4回転トウループのGOEの高さと、トリプルアクセルの完成度の高さというところ。そこで、点数を稼げていたと思うんですね」

  「そう考えてみると、僕は4回転トウループに助けられていることがたくさんあって、そのトウループでGOEを稼ぐことは大事ですし、トウループをきれいに跳ぶこともまた大事だと感じています。今回の後半のトウループは2本目は少し苦しかったんですけど、1本目に関しては前半のトウループと同じくらいのクオリティで跳ぶことができていて、複雑なステップから入っているわけではないですけど、GOEで2点から3点の評価をつけていただける自分の手応えもあったトウループができているので。そういう意味ではアクセルだけに絞っていく必要もないのかなという思いもあります」

 →→「複雑なステップから入ってるわけじゃないのに、GOEを2~3点もらえている」と、けっこう話している内容が具体的なんですよね。「失敗する確率が低い」という意味で、4Tと3Aは来季のSPでもフリーでも、羽生君のプログラムの柱になるような気がします。

 さて、ここからは、モニュメント設置式のトークショー(24~27頁)をご紹介します。先月レビューした「スタンダード宮城」でも、羽生君と荒川さんの発言は一部紹介されていましたが、こちらはトークショーのかなりの部分を収録しています。司会は元NHKアナウンサーの山本浩さん。以下、興味深かったやりとりを拾ってみます。

 ――羽生さんもお聞きになっていると思いますが、トリノ五輪の直前に荒川さんは曲を変えられた。それってどうなんですか?

  「いや、ないですよ。普通は。シーズン中に曲を変えるというのは大きな選択なんです。話を聞いていて、そうだったのかと改めて思ったのですが、プログラム自体が全然違うものなので、それまで滑り込んできているものとは違った難しさがありますね。変えることによっての緊張感も生まれると思います」

 ――では、羽生さんであれば、「これは変えたほうがいいんじゃないか?」と言われたら、「冗談じゃない」という感じですか?

  「『変えたほうがいいんじゃないか』と言われたら、それを覆すくらいの演技をします(笑)。『見たか!これがしたかったんだぞ!』みたいな(笑)」

 →→この記事は「トークショーのダイジェスト」と断ってあるので、あくまでも文字になったものからの私の想像ですが、おそらく、山本さんは四大陸~ワールドの時期の「SEIMEIに戻すかどうか」という話を、ここでは振っていない(あるいはご存じない)のではないかと。

 二日前にご紹介したJewelsでは、SEIMEIに戻さなかった理由を、あくまでも「ホプレガで予定している構成を完遂したかった」という部分を羽生君は強調していましたが、やっぱり、これぐらい強い気持ちで楽曲にも魂を注ぎこんでいますよね。これぞ、羽生結弦!と、安心しました。

 ――ハビエル(・フェルナンデス)も「ユヅルのことが大好きだ」みたいな。非常に良いチーム環境ですね。

  「そうですね。ただ、先シーズンあたりまでは、練習中もすごく仲良くしていたんですけど、最近、とくに今シーズンに入ってからは、お互いにさらに意識するようになって。別に険悪ムードではないんですけど、『よし、今日もやってやろう』、みたいな空気感は出てきました

 →→そりゃ、ハビは今回は絶対にメダルが欲しいはずですからね。むしろ、早くもそのような緊張感が出ていることに、ハビもゆづもいい感じでシーズンを迎えてくれそうな期待感があります。

 今日は、もうひとつ、「小塚崇彦が語る世界選手権」(56~59頁)から、羽生君についてのコメントをご紹介します。

 ――・・・まず、優勝した羽生結弦選手は、フリーで圧巻の演技を披露し、大逆転劇を演じました。フリーのひとつひとつのエレメンツはどのように感じましたか?

  「エレメンツはどれもすごく余裕があったように思います。いつの間にか演技が終わっていたというか、良い意味で試合であることを感じさせないような、すごいとしか思えないプログラムだったんじゃないでしょうか

  「引っかかりとか、つまりとか、きになる箇所さえまったくなく、完璧だったと思います。そういう完璧な演技は、スケート人生のなかで何度もできるものではありません。NHK杯や、グランプリファイナルの演技も、もちろんすごかったんですけど、今回はそれをもしのぐ演技だったんじゃないかと思います」

  「・・・大会が終わってすぐ、彼は『練習したい』と発言しましたが、それはショートにミスがあったからではなく、今よりも高いレベルを目指そうという向上心から出た言葉なんだと思います。日頃から『練習したい』と言っている彼ですが、今回の『練習したい』という言葉も、もう前を向いているからこそ出た言葉なんだと思います」

 ――ショートでは、4回転サルコウの後のコンビネーションが認められませんでしたが、羽生選手にしては珍しいミスでしたね。

  「得点にならないというのは本人もわかっていたうえで、後ろに2回転トウループを跳んだんだと思います。『絶対にコンビネーションをつけるんだ!』という姿勢は、『攻めている』という印象につながりますから、ジャッジにも好印象を与えたんじゃないかなと思います。『コンビネーションが入っていなかったな』と思われるか否かで、印象はかなり違ってきます」

  「しっかりやりきったことで、ミスの印象を最小限に留められたのかなと思います。ただ、確実に点数を得るには、(冒頭の)4回転ループにコンビネーションをつける構成にして、ミスしたときのリカバリーでサルコウの後ろにつけるという形のほうが安全かもしれません。ループは今シーズンから取り入れたジャンプですが、あれだけの精度の高さですから、ループのコンビネーションを考えていいのかなとは思いました」

 →→4Loの精度の高さというよりは、今季SPの4S+3Tに苦労していた様子を見てきて、4Loからコンビネーションを狙った方がいいのでは?と考える方は多くいらっしゃったと思います。そもそも、ワールドの上位6人のSPを見ても、羽生君と宇野君以外の4人は、冒頭の1本目のクワドに3Tをつけてますしね。

 しかし、FaOIのままで行くなら、来季のバラ1の予定構成は、4Lo、3Aと跳んで、4T+3Tでしょうから、SPで4Loにセカンドをつけることは無さそうです。

 一方、来季のフリーのクワドは、私の予想では、4Lo、4S、4T、4T+3T(あるいは4T+1Lo+3S)の4本に留めて、しっかり3Aも後半に2本入れて、という構成で質を究極まで高めていくことになるんじゃないかと。

 ちなみに、この小塚君のコメントは、ワールド後、国別前に行われたもののようです。そう考えると、羽生君の「バラ1再登板&FaOIの構成」を見て、また小塚君にぜひ分析をしていただきたいですね。

 では、また明日!

 Jun

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 一昨日昨日に続いて、「Life Vol.9」です。このVol.9では、大会のレポートもけっこうなボリュームで詰まっているんですが、GPF、JGPF、全日本、四大陸と、もはや大昔の出来事にさえ思えるので、取り上げるのは無しにしました。ただ、海外選手のインタはマニアックな人選になっているので、もし気になる選手がいれば、書店でチェックされることをオススメします。

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 さて、実は今回の号の目玉企画といえるのが、小塚君の新連載「小塚崇彦が答える スケートのここが知りたい!」(128~131頁)です。昨年4月にトヨタ自動車に入社して、「もうフィギュアとは関わらないのかな・・・」と私も寂しさを感じていました。

 しかし、会社と相談して、社に籍を残しつつ、スポーツ振興を中心とする様々な活動に専念できるようになり、最近では、「フィギュアスケートTV」への出演や、「Quadruple 2017+ Plus」の取材など、フィギュアスケートの世界にも帰ってきてくれました。

 そしてこの企画です。これは今日の記事のタイトルにしましたが、ガチでマジです。「近況日記」や「読者からのQ&A」的なものではなく、この初回は、「靴とブレード」というテーマに絞って、自身の体験にも触れつつ追究していくような、硬派な仕上がりです。素晴らしいですよ。

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 予備知識として、これは「Quadruple 2017」(80頁)からですが、ペタっと貼っておきましょう。おそらく昨年夏のトロントで訊いた内容だと思うので、靴は変わっていないんじゃないかな?と想像します。

 小塚君の企画に戻ります。内容としては、(1)エッジ研ぎについて、(2)オリジナルのブレードと靴の開発、(3)スケート靴の中の話、以上の3本構成になっています。

 (1)エッジ研ぎについて

 「エッジ」とは、厳密に言うと「氷と接している部分」で、「ブレード」が「金属の刃の部分全体」を指します。

 どこを研ぐかというと、トウ(つま先のギザギザの部分)は研がず、エッジの部分を、機械の回転する石に当てて、最後に「オイルストーン」という砥石で仕上げます。研ぐ頻度は、小塚君の場合、一か月に一回ぐらいで、試合が控えている場合、試合の10日前に研ぎます。

 ちなみに、スピードスケートの選手は毎日研ぐようで、なぜかというと、「スピードスケートは屋外のリンクで滑ることが多く、砂や埃や葉っぱなどでエッジが傷みやすいからだろう」と小塚君は指摘しています。

 →→この機械については、おそらくみなさん、「マガジン 16-17 プレシーズン」をお持ちだと思いますので、エッジシャープナーの吉田年伸さんの取材記事(47頁)をチェックしてみてください。

 (2)オリジナルのブレードと靴の開発

 小塚君によると、ブレード(刃)が折れたことはないようですが、ブレードを靴裏につける鋼の部分がめり込んだり、曲がることはあったようです。通常、ブレードと靴裏の鋼の部分は別々で、これらを溶接して靴の裏に取りつけます。

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 小塚君は、現役時代に「山一ハガネ」社と共同で、両部分が一体化したブレードを開発。素材も何種類か試して、特殊合金で作ってもらったとのこと。

 スケート靴も共同開発を進めていたようですが、その時に考えていたことは、「靴の紐が切れないこと」と「毎回同じように靴を履けること」で、「ダイヤル式のワイヤー靴紐」というアイデアがあったとか。残念ながら開発は中断状態のため、現在は、「同じように靴紐を結ぶ」ために、紐に印をつけて対応しているものの、やはり誤差は出てしまうようです。

 →→単に滑るだけじゃなく、ジャンプもスピンもステップもと、激しい動きが伴うので、かりにファスナーのみとか紐無しのモデルを試作しても、すぐに破れたり壊れたりで、耐久性に問題が出てきそうですね。

 この小塚君の話には無かったですが、フィギュアスケートのシューズの軽量化ってどうなのでしょうね。サッカー、バスケ、陸上と、シューズに新しい素材をどんどん使って軽量化していくのが「進化」と言われてきました。あまり話題にならないのは、やはり耐久性第一ということだからでしょうか。

 (3)スケート靴の中の話

  「よくスケート靴の中には何を履いているのかと聞かれます。普通に靴下です。僕はユニクロの3足1000円くらいの靴下を履いています(笑)。ビジネススーツ用とかではなくて普通の靴下。忘れてもどこでも買えるし、毎回同じものが揃うからです。女子はタイツの人が多いです。・・・パトリック・チャンは裸足ですね。やっぱり足の指の感覚というか足の裏の感覚というのをすごく大事にするらしく、だから上手いのかもしれません。それから、アダム・リッポンは、以前見た時はビニール袋を履いてました。裸足ではダメで、靴下でも痛かったらしくて、ビニール袋を履いたら、都合が良かったらしく、そのまま靴を履いて滑っていました(笑)。特殊ですよね」

 →→アダムがビニール袋なんて・・・。あんな海外ドラマに出てきそうな端正なマスクをしていて足元はビニールって、分からないものですね・・・。

 この話でふと思い出したのは、私は陸上の短距離を高校卒業までやっていたんですが、スパイクの中にソックスを履くかどうかという問題がありました。これはもう人それぞれなんですが、ミズノやアシックスの社員が足型を測りにきて、ジャストサイズのスパイクをタダでもらえるような、私立の強豪校の選手は裸足で履く人が多かったです。しかし、私のように自分でスポーツ用品店に買いに行くただの陸上部員の場合、ソックスは必須でしたね。汗で指が滑るのが嫌というのもあるんですが、他には、右足と左足のサイズが違う人もけっこういると聞いてます。

 しかし、小塚君のようなオリンピック代表選手が「ユニクロの靴下」というのは、「ちょっとメーカーさん、ちゃんと研究しないと!」と思うのですが、フィギュア用のソックスを商品化しても、きっと購買層(競技人口)が少なすぎて、利益が出ないんだと思います。

 こういうものに注目しても、陸上選手よりもフィギュアスケーターは置かれている状況はさらに厳しいな・・・と思います。

 さて、これでも、引用箇所はかなり端折っているので、興味のある方は、実物をぜひ手にとってみてください。

 ただの「フィギュアスケート豆知識企画」ではなく、日本男子フィギュアスケートを引っ張ってきた小塚君による「労作」だからこそ、価値があります。初回からこんなに気合いが入っていると、何回分か溜まったら、書籍化してもいいクオリティに感じます。

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 さて、新刊の方もしっかり3冊ゲットしてきました。明日からはまたゆづモードに戻ることにします。お楽しみに!

 では、また明日!

 Jun

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