On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:岡部由起子

2017-10-03-16-55-22

2017-10-03-16-55-55



 外出する用事があって、試合のレビューがやや遅れます。今日は、書き溜めておいた「Life Vol.11」の感想の続きです。

 まず、トロントメディアデーの取材記事について。すでに「マガジン」「メモリアル」「キスクラ」「WFS」で、羽生君の会見、ブライアン・トレーシー・シェイリーンのインタはご存知かと思われます。各誌で違うのは、羽生君の独占インタのみで、その「Life版」は前回のレビューで一部引用しました。

 このLifeでは、「バラ1再登板」に関するジェフのインタを神戸で取っている点が目新しいですね。

 聞き手は長谷川仁美さんですが、「FaOI新潟のパンフ」のジェフのインタとは内容のかぶりは無いので、やや短めですがご紹介しましょう(9頁)。

 ―― 羽生選手が『バラード第1番』を再び使うと決めましたが、バトルさんがそれを最初に知ったのはいつでしたか?

  「たしか、ファンタジー・オン・アイスの1か月くらい前だったかな。メールをやりとりする中で、『このプログラムをまた滑りたいと、すごく思っている』と初めて聞きました。あのプログラムに戻すというのは、ユヅ自身の決断だと思います。だから彼の決断を支持しました。もしこれが五輪シーズンでなかったら、何か違うもの、何か新しいものに挑戦した方がいいんじゃないかと思ったかもしれない」

 ―― この5年間で二人の関係はどう変化しましたか。

  「1年目は、ユヅのことは知っていたけれど、お互いに親しいわけではなかった。彼はすでに素晴らしいスケーターだったから、僕は不安でした。・・・だから最初の頃、二人の関係は、『よそよそしかった』という言葉を使おうかな

  「でも『パリの散歩道』の振付をしていくうちに、関係は良くなっていった。・・・『パリの散歩道』の後、『バラード』を振付けた時、彼がすごくナーバスだったのを覚えています。とてもシリアスで、感情的に濃いプログラムだったから。でも彼は僕の選択を信頼してくれた

  「プリンス(『Let's Go Crazy』)の時も同じでした。ショパンからプリンスに移った時も、そこには信頼感があったと思う。・・・1年目は、僕が『これをこうして』と彼に言うことが多かったけれど、だんだん彼が自分で考えた動きをやって、僕が『それいいね!なんとかしてプログラムに入れてみよう』と言うようになりました。今のデイヴィッド(・ウィルソン)と僕との関係に近いものになってきたんです」

 →→ホント、これ内容が短くて、プログラムの手直しはいつやったか?とか、私が知りたかった情報が無かったのは少々残念です。

 ちょっと話は脱線しますが、某所からの「圧力」が「マガジンの山口記者にまで及んでいるのでは?」という心配の声を、TwitterのTLで見かけています。

 そういえば、トロント取材の際にあったBB社のブログの更新が、今回のオータム前後にはまったく無いので、そこは気になっています。

 ただ、「通信」とは違って、ちゃんと現地で取材したテキストで構成されていて、写真も自社のカメラマンが撮っているわけで、「Sportiva」のゆづ度も高かったし、大丈夫だとは思うんですがねぇ・・・。

 いまとなっては的外れな「通信24」の私のレビューも、私自身の戒めのために、そのままの内容で残しておきます。

 もう少しLifeの記事をご紹介しましょう。岡部由起子さんの「シーズン展望記事」(89~90頁)の要所要所で興味深い発言があったので、見ていきます。

  「(平昌五輪の男子シングルの)メダル争いでは、現世界チャンピオンで、前回ソチ五輪でも優勝した羽生結弦選手はまず外せない名前です。そして、宇野昌磨選手。2人の日本人選手は当然有力な候補です」

  「羽生選手の『SEIMEI』は、日本人である彼しか滑りえないプログラムといえるでしょう。宇野選手の滑りは高評価です。振付けの樋口美穂子先生が彼の良いところも弱いところも知り尽くしている上で技術的なコーチでもあるというところが強みだと思います

 →→宇野君のプログラムの振付に関して、ロンバルディア杯女子フリーの感想記事の「コメント欄」で私が書いたことと、主旨としてはかなり似ていることを言っていて、ビックリしました。

  「そしてボーヤン・ジン(中国)やアメリカのネイサン・チェンは4回転をほぼ全種類跳べる選手たち。・・・彼らは当然次の五輪も視野に入れていると思いますので、怖いもの知らずで挑めれば……。彼らは5コンポーネンツの成長が大きなポイントになるでしょう

  「しかし、ネイサンのアイスショーの様子を見ましたが、弱いと言われてきたトランジションも含め、上げてきていると感じました。もともと見せるのが好きという感覚の持ち主なので、楽しみにしたいです」

  「一方、3度目の五輪になるパトリック・チャン(カナダ)やハビエル・フェルナンデス(スペイン)は、ソチで苦い思いをしました。彼らは質の高いジャンプで高GOEを狙ってくるでしょうし、作品全体の完成度という点ではかなり力のある選手たちです」

  「特にパトリックは昨シーズン4回転サルコウをものにして、精度を上げてきているので、蓋を開けてみないと、戦いの行方はまったく見えてきません」

 →→ハビよりもPさんを評価しているのは面白いですね。個人的に、「やらかし」の可能性という点ではPさんの方が不安定じゃないかなぁと感じていて、お互いにノーミスならハビのプログラムの方がスコアは出るはずなので、これは意外な見立てです。

 もう一つ、女子シングルのあの人について、こうコメントしています。

  「金メダル候補というと、2年連続世界チャンピオンのエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)は強いと思います。ちょっと一人抜けている印象です。ただここ数年、少しマイナーな曲でストーリー性のあるプログラムが続いているので、少しイメージチェンジが欲しいかな、とも感じます。今季、どんなプログラムを持ってくるのか、注目したいです」

 →→表現はマイルドですが、つまり、「選曲がワンパターンのマンネリ気味で飽きられてきている」ということを、日本の専門家で初めて発言してくれたような気がします。



 いちおう、ネペラ杯のSPとフリーを貼っておきますが、SPはショパンの「ノクターン」なので、最後の深呼吸(?)はご愛敬として、全体としては、万人受けする伝統的な内容に仕上がっています。おそらく岡部さんも評価するんじゃないかと。



 フリーは、エテリ組の後輩もよくやっている、映画音楽系のツギハギプロなんですよね。このフリーで使われている、ルドヴィコ・エイナウディというイタリア人の音楽家は、タラカノワのSPでもガッツリと使用されていて、映画やCMの音楽をたくさん作っている作曲家らしく、日本で言う、久石譲さんのようなイメージですか。



 まぁ、クリケットでも昨季は、羽生君のフリーがホプレガで、ツルシンちゃんもフリーは「もののけ姫」でしたから、こういうことはあるっちゃあるのでしょうけども。

 ちなみに、JGPでロシアの女子を毎週集中的に見てきて、エテリ組以外でも、後半ジャンプ固め打ち&タケノコ祭りの子はけっこういて、感覚がマヒしてきています。

 ただ、「エテリ組」と一括りにはしがちですが、他のチームから移籍してきた子もいて、例えば、上記のタラちゃんと、ポーランド大会で会心のSPを見せたコストルナヤは、今季からエテリのチームに参加したスケーターという話です。

 それを聞くと、コストルナヤは、特にSPの「アディオス・ノニーノ」という曲自体が「エテリ産」っぽくなくて、タノも控えめで納得するんですが、でも、タラちゃんは同じ今季参加組だけどプログラムは「ギトギトのこってりエテリ味」なので、この辺りは一概には言えませんね。

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 最後に、ブノワ・リショーさんの、(おそらく)日本のスケート雑誌初登場インタをちょっとだけ。個人的には、本号でもっとも価値のある記事と思っているので、この発言だけ触れておきます。

 ―― 最後に、今後振付てみたいスケーターはいますか?

  「ダイスケ(・タカハシ)にもしてみたいですし、ユヅル・ハニュウにも振付てみたいです。日本の男子スケーターと仕事がしてみたいですね。彼らにはまだまだ可能性を感じますし、それをまだ内側に秘めていると思います。僕はそれを引き出してみたいと思います

 →→はぁぁ?大ちゃんとゆづだって?というツッコミはともかく、彼が言う「可能性を引き出すプログラム」というのは、こういうのですよね(笑)。



 ジェレミーは途中で脱いでくれてますけど、羽生君がこういうのをやるんだったら、「写真を減らせ」という圧力への、プロテストプログラムとして、最初から最後までかぶりっぱなしで行ってほしい。

 ・・・まぁ、それは半分冗談として、でも、芸術種目みたいのが本当に北京五輪までにできたら、これぐらい尖がったプログラムで、世界を驚かせてもらいたいです。

 では、また明日!

 Jun

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 今月末に公開されるはずだった「きき湯」のCMがリークされ、動画として上がっていますね。私もためしに、“hanyu bathclin”でググってみると、Facebookの垢にアップしている外国人がいました。すぐに削除されると思いますが・・・。まぁ、慌てなくとも、そのうちお茶の間で何度も見られることでしょう。



 少し日にちが空きましたが、WFS別冊(16-17ガイド)のレビュー第二弾です。前回は羽生君のトロント取材記事のみ取り上げましたが、今回は、それ以外の記事で気になったものを見ていきます。まず、9月以降に発売された他誌と比べてみて、他では読めない記事が3つありました。

 (1) 村上大介選手のインタビューとLA現地レポート
 アメリカを拠点としている選手なので、なかなか取材は難しいですよね。さすがWFSです。現地でのインタビューの中で、村上選手は、来シーズン(17-18)をもって引退すると明言しています。「サルコウ、トウループ以外の4回転を跳ぶ若い選手が出てきて、そのなかで競技を続けるのは厳しいという思いが出てきた」と、その理由を語っていますね。

 でも、18年のオリンピックには「手が届く」「日本代表として出たい」と力強く答えています。ぜひ頑張ってほしいです。

 (2) ジェフリー・バトルとパトリック・チャンの対談
 「THE ICE」出演のために二人が来日した際、8月に行われたものです。個人的に、パトリックの発言に、なるほど!と思わされる所がありました。

 一つは、パトリックはジェフについて、

  「コリオグラファーは自然さを失いがちだけど、ジェフは自分がスケーターでもあるから、ステップを付け加えるよりもここは加速したほうがいい、というスケーターならではの感覚がよくわかっているんだ」

 と評価しています。私は、ここから、なぜ羽生君とジェフの相性が良いのかについて、「五輪で銅、世界選手権で金の実績のあるジェフは、やはりトップレベルの競技者の視点を理解した(あるいは選手の意見を取り入れる)振付を考えてくれるんだな」と想像します。

 もう一つは、対談で真央ちゃんの話題になったとき、真央ちゃんと同世代(ともに1990年生まれ)のパトリックは、

  「ぼくらはどららもたくさんのタイトルを獲得し、何度も勝って、いまは競技スケートがすべてというわけじゃない。人生そのものを楽しんで、練習の成果でもある試合の結果を受け止められる。マオも、成熟し、スケートの純粋な喜びを感じながら滑っているんだなとわかるよ。誰よりもすぐれていることを証明しようとしてはいない。何より、ぼくは1人じゃない、マオも一緒にこのチャレンジに挑んでいるんだと思えるのは心強いし、学ぶことも多いんだ。

 と、共感していますね。

 私は、数日前の記事で、「数字・成績でスケーターを見ようとする自分が嫌になる」という主旨の発言をしましたが、それは他の選手に対してだけでなく、いま「世界で一番強い」と言われている羽生君に対してもそうです。あまり高難度の技や高得点にフィーバーしたくないという気持ちがあります。そういう意味で、彼らのような先駆者たちのスケートに対する向き合い方、考え方の「現在地」に触れることができて、よかったなと思いました。

 (3) ジェイソン・ブラウン&長洲未来インタビュー
 こちらも、「THE ICE」で来日していた二人のインタビューです。個人的にちょっとガッカリさせられた内容です。二人の発言に対してではありません。質問者(取材・文:編集部となっている)に対してです。ジェイソンのインタビューの中での話なんですが、インタビュアーはもうちょっと訊き方に配慮したら?と、軽くプチっときましたね。

 というのも、ジェイソンは昨シーズン、腰の怪我により、エントリーしていた11月のNHK杯、年明けの全米選手権と棄権し、結果的にボストン開催の世界選手権の出場も逃しました。インタビューの中で彼は、苦しいリハビリの日々の末、今では怪我からも回復し日本のショーに参加できる喜びを語っています。そんな彼に、

  「―― 昨シーズンは羽生選手が330点台をマークし、技術面の高度化が進みました。どう捉えていますか。」

 と訊いていまして、ジェイソンの返答は、「健康を保ちながら、今季はまずSPとフリーに4回転トウを入れる。フリーには2本入れられたら理想的」と、いたってポジティブなんですが、いちいち羽生君の名前とスコアまで出して、「高度化が・・・」って、大怪我していた選手に普通言いますか?って、気分が悪くなりましたね。私、おかしいでしょうか?もうちょっとマシな聞き方ってもんがあるでしょうに、と思いました。

 長洲さんは現在23歳ですが、14歳で全米女王になり、しかしその後、スランプで伸び悩む時期が続きました。

  「デビューしたのが早すぎたのかなと思ったこともいっぱいあります。・・・つらい思いを乗り越えて、まだスケートが好きだっていう思いがあるので、それを大事にしたいと思っています。

  と、非常に前向きですね。SPは大忙しのジェフの振付でオータムも勝ちましたし、頑張ってほしいです。

 その他、Life(※記事では言及していませんが)と多少かぶっていますが、アプローチが違うものだと、

 ・ 岡部由起子・ISU技術委員インタビュー

 があります。Lifeの方はルール改正に関する純粋な解説記事で本格的な内容でしたが、こちらは野口美惠さんによるインタビューで、ISUの会長選・役員選にも触れています。ちなみに岡部さんは、現役時代女子シングルおよびペア選手で、ペアでのパートナーは無良君のお父さんの隆志さんでした。

 他には、昌磨君、宮原さん、真央ちゃんのインタビューに、日本スケート連盟シニア・ジュニア強化合宿レポート、合宿に講師として参加したステファン・ランビエルのインタビュー、そして、巻末の有力選手一覧という内容です。

 すべて取り上げるとキリが無いので、一つだけ。巻末特集の「注目スケーター選手名鑑 2016-2017」はたいへん出来がいいです。

 日本編と海外編に分かれていて、男女シングル、ペア、アイスダンスの有力選手をほぼ網羅しています。男女シングルに関しては、ジュニア選手もかなりのマニアックさで、先日出場者がすべて決定したジュニアGPファイナルの男女シングル選手12名のうち、抜けているのは男子のイリヤ・スキルダ(ロシア)だけで、他の11名はカバーしています。

 他誌で言うと、Lifeも強化合宿レポートの中で参加選手たちの「意気込み」を写真付きで紹介しており、オフィシャルガイドブックも海外選手の注目選手をペアやアイスダンスの選手も含めてまとめていました。

 しかし、本誌は両者の良い所取りというだけでなく、探しやすく見やすいレイアウトなので、これさえあれば、選手のデータに関しては困らないんじゃないか?、てか、スマホで調べるよりも速い!、それぐらい充実しています。

 というわけで、16-17シーズンの序盤の雑誌がある程度出そろった感じですね。私の一押しは、内容面でマガジン。羽生君の写真目当てなら通信。これにデータ面で本誌。3冊買えば十分だと思います。

 それにプラスして、日本選手についてもっと知りたいならば、Lifeを。GPシリーズについて頭の中を整理したいならオフィシャルガイドブックという感じですね。
 
 では、また明日!

 Jun

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