On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:紀平梨花


 FaOIの出演スケーターの人選を改めて眺めてみると、いくつか感じたことがあります。

 まず、羽生君の出演については、みなさんご存じのように、幕張・金沢の出演が4月27日、その後、全公演出演が5月7日に発表されました(長野のショー出演もこの日に発表)。

 当初、右足の状態に配慮して公演数を調整(制限)していたと私は見ていました。ところが、この2度のアナウンスの期間がわずか10日ですから、4月下旬の時点で全部出ることを決めていたのでは?という気がしないでもないです。まぁ、隠すようなことでもないので、そのような質問がメディアからされれば、羽生君も答えてくれそうな気がします。

 そして、昨年は出演していなかった無良君の参加が4月23日に発表されています。CWWがあれだけのお客さんを集めたので、もしかすると真壁さんは、急遽CWW後に無良君にオファーしたのかもしれません。「急」だから、新潟のみになってしまったんじゃないかと。

 一方、中京方面の出演者が減少傾向にありますね。昨年は全公演参加していて、そして今年オリンピックで銀メダルを獲った「凱旋ショー」となるにも関わらず、宇野選手は出演ゼロ。私見ですけども、やはり真壁さんは、園遊会や官邸に呼ばれなかった件などを、シビアに見ているんじゃないかと。また、最近、テレビ・雑誌のみならず、先日のPIWにも出演していた小塚君も出ない。一方、安藤さんとあっこさんは、去年も出演していたので、FaOIの段取りを熟知しているベテランですし、後輩の現役女子にお手本を見せる意味でも、必要な人材なのでしょう。

 現役女子選手は、昨年出ていた真凜ちゃんが不参加なのは残念。神戸の舞依ちゃんと花織ちゃんは今年も参加。そして知子ちゃんが出演。さっとんは怪我が無ければ当然昨年も出ていたはずで、元気な姿を見せてくれるのは嬉しいですね。昨年も出演した紀平梨花ちゃんは、今年全会場出演。彼女には日本女子を引っ張ってもらわなきゃいけませんから、スター勢揃いのFaOIでどんどん度胸をつけてもらいたいと思います。

 ところで、以前も書いたかもしれませんが、梨花ちゃんの誕生日(2002年7月21日)は、藤井聡太七段と2日違い(7月19日)なんです。「羽生世代」も凄いですが、そろそろこの世代も注目されていいんじゃないかと。

 ちなみに、某選手のニュースで話題の河村たかし名古屋市長ですけど、言っちゃ悪いけど、実はフィギュアスケートには大して関心はなくて、それよりも藤井君のことで頭がいっぱいのようです。藤井さんが高校卒業後、東京へ行ってしまうといけない」と、名古屋に将棋会館を建てるという話が、昨日報じられています。

 実は、すでに一年前の29連勝の時期に、「名古屋の生んだ大天才、スーパースター」「ご本人がいやだと言えば別ですけど、いろんなことを考えとる。なんとか藤井さんを名古屋のアインシュタインみたいになるように盛り上げたい。ご迷惑にならん程度にね」と、この一方的なラブコールは、溺愛というか求愛というか、すごい熱の入れようです。ただ、彼ほどの才能の持ち主ならば、60歳、70歳になるまで第一線で活躍するはずで、そりゃ名古屋としても離したくないでしょう。

 ゆづファン的には評判が悪い市長さんですが、まぁ、でも結局のところ、フィギュアに対しては何もしないと思いますよ。ぜひ将棋の普及の方をバックアップしていただきたいです。

IMG_0549

IMG_0551

 さて、この間紹介しきれなかった、無良君のインタの中で、一つ面白い話がありました。無良君の近年のプログラム(昨季は「オペラ座の怪人」)の振付師で、ソチ五輪のアイスダンス金メダリスト、チャーリー・ホワイトからもらったアドバイスを紹介しています。

  「彼(チャーリー)のフリープログラムに対しての考え方を聞いた時に、ああ、確かにそうなのかな、って思ったこともありました。『ショートは完璧にやらなきゃならない、挑戦をしなきゃならない。でも、フリーはクリーンに滑ってこそ、だよね。フリーはいかにクリーンで人を引き込めるかどうか、それが醍醐味だと考えている』って。僕には今までそうした考えがなかった。そのチャーリーの言葉があったから、今季の全日本で、フリーの難易度を下げる決断ができました。難易度を下げる代わりとして、プログラムとして最高のものを出すって」

  「・・・チャーリーからは、他にもいろいろ教えてもらいましたね。ちょっとずつ前に進んでいかないといけないよ、という話の流れで、『フリープログラムって、いかにドラマチックでクリーンなイメージを出せるかだと思うよ。それを求めていければ、競技としてとてもいいと評価してもらえると思う。一つの要素が優れているからではなく、全体がクリーンであることが大切だよ』とか。だからプログラムの振付けでも、高得点を狙ってやりにくい動きをするより、僕がやりやすい方向に、と作ってくれました」


 
 解説の武史さんが「プログラム変えてきましたね」と言ってますが、冒頭に4Tを2本予定だったのが一本に留めて、2本目のジャンプを3Lz+3Tにした部分のことですね。

 パーフェクトとクリーンは、どっちもノーミスって意味なら何が違うの?と一瞬ピンと来なかったんですが、「パーフェクト」というのは技術的に自分の限界まで挑戦しなきゃいけないという意味で、他方で、「クリーン」は、多少構成を落としてもノーミスするという意味なのでしょう。言ってること自体は目新しくないのかもしれませんが、SPとフリーをこのように区別する考え方は、私は初めて目にした気がします。

 チャーリーはアメリカ人ですが、これはブライアンの「トータル・パッケージ」論と通じるものがあって、北米のフィギュアスケート復権の鍵は、クワド競争を牽引することではなく、完成度重視のスケートじゃないの?と。その方向性で指導力を発揮できるコーチもたくさんいそうですしね。

 さて、今日はこの話題一色でしたが、アメフトの会見を見ていて、羽生君に対する記者クラブでの質問や藤井七段の対局後の質問で、マスコミの質問のしょーもなさに慣れているとはいえ、この会見は特に、質問が同じ内容をループ状態で、頭おかしいんじゃないの?と、普段温厚な私(笑)が、苛々しちゃいました。

 質問者の大半は、地上波番組のアナウンサーやリポーターでしたが、おそらく各番組の方針で番組出演者が質問している映像を確保したいがために、あーやって手を上げて中身の無いことを訊いていたのでしょう。この方々が、「どうして監督やコーチの指示に抗えなかったのか?」なんて、どの口が言うのか?と。

 あー、FaOIが待ち遠しいです。羽生君のプログラムがどうなるのか、情報が一切漏れてこないですから、今回は(今回も)まったく読めませんね。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

ceremony

 女子フリーの振り返りです。リザルト関係は「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。



 注目選手を滑走順に。まずは横井さんから。いい演技をしましたね!6位入賞。フリーのスコアに限れば4位の好成績です。正直言って、JGPと全日本ジュニアの成績で考えたら、紀平・山下・荒木の3選手で世界ジュニアを戦うのが妥当に思えたんですけど、全日本で覚醒した横井さんを選んだことが、結果的に大成功でしたね。

 シニアの坂本花織ちゃんとかぶるというか、全日本でベストパフォーマンスを披露した選手を大舞台の代表に抜擢したことで、その調子を本番でも維持し、期待に応えてくれた形になりますか。これを自信にして、来季も頑張ってもらいたいです。



 最終グループに入って、紀平さん。「なぜ6連で成功していた3Aが2本とも抜けたのか?メンタル弱すぎ!」と、ネットではいろんなことを言う人がいるんですけど、私が疑問に感じるのは、3Aを失敗した場合のプランBはどうなってるの?という話なんです。

 この後で見ていくトゥルソワも、JGPシリーズのフリーでは冒頭に4Sを入れていて、当時ほとんど抜け&コケていました。でも、例えば名古屋のファイナルでは、4Sのミスを引きずらずに、その後まとめたから、コストルナヤをわずかにかわして逃げ切れたわけです。

 薬指の怪我の影響もあるかもしれませんが、3Aの失敗を「後に引きずる」ならば、そもそも入れるべきじゃない。スピンやステップでも点を取れる選手だし、4年後を考えるなら、「大事な試合で3Aを失敗してそのまま崩れる」というパターンは避けなきゃいけない。

 シニアに上がれば、3AはSP・フリー合わせて計3本となりますが、1本、2本、3本、あるいは0本と、いろんなパターンを試しながら、ベストな構成を導き出してほしいですね。



 世界を驚かせたトゥルソワ。今季のJGPを見てきた人なら、この子の凄さは分かっていたはずですが、ここに来てクワドの精度が上がってきて、銀河点を叩き出しましたね。「225.52」というスコアがシニア含めて歴代どれぐらい?って話をする人がいますが、あんまり意味はないですね。
 
 今季シニアの試合を見ていて、コストナーのPCSや、ザギちゃんのPCSの急激なアップに見られるように、シニアのPCSの不透明さと比べて、ジュニアのPCSは(たとえ技術的にシニアに匹敵していても)かなり渋いんですよね。もちろん、ジュニアのフリーはコレオシークエンスが無いので、要素も一つ少ない。

 ただ、そういう話を別にしても、この演技は素晴らしい。なにが凄いかというと、4Sと4Tの後も鬼構成で、しかも取りこぼしがない点。したがって、かりにクワドのミスがあったとしても、間違いなく優勝できていたと思います。3Lzと3Fを2本ずつ入れて、しかもルッツにはセカンドループ。スピン・ステップはすべてレベル4。

 私が想像するに、「クワドを跳びたいなら、まず他のことを完璧にやりなさい。話はそれからよ!」と、エテリに日頃から言われてるんじゃないかと。3Aを跳べたら、「天才だ!」と、すぐにフィーバーする日本の環境とあまりに違います。

 トータルパッケージということを重視しているのはエテリ組で、日本は相変わらず「大技信仰」が根強い。困ったものですね・・・。



 山下さんも、SPの勢いそのままに、フリーもノーミスを揃えてくれました。銅メダル獲得は立派です。比較的前半にジャンプを配置している構成ですが、しっかり降りて、スピン・ステップのレベルも取りこぼしがなく、なんだかもはや、シニアで何シーズンも演じているような安定した内容でした。

 昨年末に15歳になったので、年齢的にもスコア的にも来季はシニアに参戦できて、GPシリーズに2戦アサインされる可能性が高い、という噂です。

 ただ、シニアの先輩たちで今季限りで引退する選手はいないはずですから、今季2戦出ていた選手の何人かが1戦に減らされて、山下さんに2戦、ということになるのでしょうか。



 最終滑走のコストルナヤ。ステップはSPに続いてレベル4を取れず、そこはちょっと気になります。

 冒頭の3LzでSOでしたが、これはSPもそうなんですが、前の試合から3Lzをタケノコで跳ぶようになって、まだ苦労しているんだと思います。

 ルッツのエッジに不安のある選手なので、トゥルソワのように2本入れられないのでしょうね。2本入れて両方エラー(アテンション)がつくリスクを取るよりも、まずは一本をタケノコ付きで極めるというプランでしょうか。

 そこは、シニアの同門の先輩と共通している所があって、ルッツ・フリップを2本ずつにセカンドループ付きという部分がザギちゃんとトゥルソワ、一方で、フリップは2本だけどルッツは1本というのは、メドちゃんとコストちゃん。

 「工場」と揶揄されるエテリ組ですが、やはりこのチームは、選手個々人の特性を見て構成を決めつつ、少しずつブラッシュアップさせていく方針なんだと思います。

 明日は、EXの方をザッとご紹介する予定です。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

mako

 リザルト関係は「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。女子シングルには、紀平梨花さん、山下真瑚さん、横井ゆは菜さんが出場しています。

 3月11日(日)はTOEIC受験のため、この記事は前日(10日)のお昼頃に書いています。すでに総合順位は出ているはずですが、今日の記事ではSPのみ、じっくり注目選手を見ておきます。



 まずは、横井さん。全日本選手権での活躍が評価されて世界ジュニア代表を射止めた彼女。最後の3Lzの転倒は残念でしたが、冒頭の3F+3Tは高さもあって、パワフルで躍動感のある演技が彼女の持ち味だと思います。個人的には、もう少し身のこなしに敏捷性が欲しいなと感じますが、これは完全に私の好みの問題です。「59.81」でSPは8位。



 なぜか、コストルナヤとトゥルソワは最終の一つ前のグループに入っていました。内容については、一昨日の記事でも触れた通り、ステップでレベル3、3Lzにアテンションがついて、「71.63」(SP2位)は、やや本人的には不満のあるスコアだった様子。



 ただ、なんか違和感あるなぁと思っていたんですが、SPの単発の3Lzもタケノコで跳ぶようになったんですね。私の記憶では、SPのタケノコは3F+3Tのセカンドトウだけだったんですが、どうやら2週間前のCup of Russia Finalから導入したようです。その試合では、国内とはいえ「73.99」を出していたので、そりゃ、難易度を上げたのに71点台は不満なわけです。



 平昌五輪ではザギちゃんすげー!って話になってましたが、トゥルソワの3F+3Loのセカンドループの回転の速さに、「なにこれ?いま跳んでた?」って感じで、改めてビックリです。そして、ジャンプに関して言えば、コストルナヤより巧いですね。「72.03」でSP首位。

 ただ、PCS(29.54)がコストルナヤ(30.09)よりも出ていないのは、なんというか、言葉は悪いですけど、このガキっぽい曲の印象で0.5点ぐらい損しているような・・・。この曲調により、スケーティングやつなぎがチマチマして見えるので、来季はもっとスローで堂々とした曲も演じてもらいたいところ。



rika

 ここから最終グループです。紀平さんから。事前の情報でジャンプを後半固め打ちにしたことと、そして左手の薬指を骨折しているという話もありました(キスクラの映像で分かりますが、ガッチリ固定していて痛々しいです・・・)。

 しかし、冒頭のレイバックからのコンビネーションスピンの美しいこと。回転の速さ、ポジションの正確さと、ロシア勢にまったく負けていません。こりゃ行けるぞ!と思っていました。

 3F+3Tはセカンドトウの軸が傾いていて、両足着氷の転倒。URを取られて、ちょっともったいなかったです。3Lzと2Aにタノは必要なのか?という議論はありそうですが、その二つのジャンプで転倒したならともかく、しっかり成功してるんだからいいかと。転倒と回転不足がありながら「63.74」のSP4位というのは、すごいことです。



 ロシアジュニア選手権で、SP12位からフリーで驚異の追い上げを見せて3番に入って、代表に滑り込んだコンスタンティノワ。17歳なんですけど、ロシアのシニアの壁は厚く、このカテゴリーで頑張っています。

 この曲を聴くとかなクリを思い出しますが、身長の高さと上半身の硬さが、アメリカのテネルに近い印象を受けます。3F+3TのセカンドトウでURを取られて、「62.63」のSP6位と伸びませんでした。最後のスピンもズリズリとトラベリングしていて、けっこう冷や冷やさせられますね。

 ただ、この子を見ていてホッとした部分もあって、現在のロシアのジュニア選手は決してトゥルソワやコストルナヤみたいな子ばかりじゃないわけですよね。そう考えると、日本の育成もまだまだ希望を持てる気がします。



 韓国のイム・ウンス。実力的には、名古屋のファイナルに残れてもおかしくなかったんですが、細かいミスが出てなかなか殻を破れない印象です。

 アジア人で、ここまで顔が小さくて、モデルみたいな体型のフィギュアスケーターも珍しい。ただ、せっかくの恵まれた体型の持ち主で、しかもジャンプ自体も高くて巧いのに、どうもジャンプの前の助走やつなぎの部分が「ユルく」て、振付に問題があるのかもしれません。「62.96」でSP5位。



 いやぁ、最終滑走の44番目。待たされましたね。正直、山田組(というか樋口組)の指導力ってどうなんだ?って思ってはいるんですが、この山下さんの演技を見ると、彼女の才能に依る部分もあるとはいえ、昨年の試合と比べても、かなり良くなってますよ。

 もともとジャンプが上手いのは知られていましたが、今回は特に、降りた後のスケーティングへのスムーズな移行ですよね。本当に滑らかで、これが例えば、ロシアの選手だと、降りた後の「よっこらせ感」が顕著で、いくら彼女たちに高得点が出ても、そこがつねに不満なんです。

 この移行の美しさは、同じくJGPシリーズで活躍した荒木菜那ちゃんよりも優れています。菜那ちゃんはジャンプの高さはピカイチだけど、降りた後はスピードが落ちてしまう傾向があります。

 「ジャンプはあくまでも演技の一部」と言うのなら、こういう着氷をしてほしいよね、ってぐらい理想的な形です。
「66.79」のショート3位と良い評価を受けました。このクオリティの高さは認めないわけにはいきません。

 金・銀はちょっと難しいと思いますが、銅メダルに紀平さんか山下さんか、どちらかが必ず食い込んでくれると信じています。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加



FullSizeRender

IMG_9991

 世界ジュニア直前企画として、少し前に出た雑誌のインタをいくつかご紹介したいと思います。まずは、紀平梨花ちゃんの名古屋ファイナル直後のインタから(「WFS No.80」50頁、昨年12月10日取材)。

 ―― 世界はどういうふうに捉えてる?

  「自分とはまた違ったいいところとか、こういうふうなところで点を稼ぐ方法とか、たくさん見ていて思ったので、あとは安定感が抜群な選手が本当にロシアにはたくさんいるなと思いました」

 ―― 点数を稼げる部分とは?

  「(ジャンプの)構えの部分が、自分は本当に長いなというふうに今回、思いました。ジャンプの直前にターンを入れたり、あとは着地の部分で難しいかたちにしてたりとか、そういうところです。ジャッジスコアを見ていても、トップの選手とかは本当にたくさん加点がついていたので、加点をもう少し上げれば、また点数も上がるし、ミスなく演技ができればさらに点数も伸びるので、加点の部分が大事というふうに思いました

 ―― 世界ジュニアに向けては。

  「世界ジュニアではとにかくジャンプをミスなく演技するのが、いちばんしなければいけないことで、難しすぎてミスしてしまうっていうのはだめなので、出来る程度に難しく、間に合わせていけたらいいなと思います

 ―― 2個目のアクセルを失敗しないためにはどんな練習がしたいですか。

  「いまの確率を保って、あと今回の経験で、直前にいろんな言葉が出てきてしまって、絶対にそれが原因だったと言い切れるぐらいの確信があったので、そこを確実になくしたい。考えて出てきてしまったという感じだったので、考えなければ考えなくできたのに、っていう感じだったので、次からはジャンプだけを集中したいと思います

 →→すでに、「3Aを降りただけでは勝負にならない」という認識を持っていることが、まさに梨花ちゃんの伸びしろですよね。その意味では、日本女子のシニアの選手よりも上を見据えています。ただ、ジャンプの「入りと出」の部分に工夫をこらしたいという思いと、でも難易度が上がりすぎてミスをしてしまっては元も子もないという、そのジレンマの中にいるようです。今季の「カンフーピアノ」と「道」は良いプログラムですから、まずはきっちりノーミスをして、締めくくってもらいたい。来季のプログラムに、その辺りの「進化」が見られればいいなと思います。

 最後の問答の部分を、もうちょっとWFSのインタビュアーは補足してもらいたかったんですが、「直前のいろんな言葉」というのは、私が推測するなら、3Aを跳ぶ際の「様々な不安要素や迷い」といったところなんでしょうか。ちなみにファイナルのフリーは、冒頭の3A+3Tは成功(GOE+1.86)したんですが、つづく単発の3Aはシングルに抜けてしまいました。全日本ではSP・フリー合わせて計3本成功しています。

 女子のジュニアの試合ではSPに3Aを入れられないので、世界ジュニアでロシア勢を追いかける上で不利ですが、だからこそ、全体の完成度重視で頑張ってもらいたいです。

IMG_9993

FullSizeRender

IMG_9996

 つぎは、須本光希君。まずは、ファイナルのフリー翌々日のインタから(「WFS No.80」26頁、昨年12月10日)。

 ―― キス&クライでの気持ちをもう1回教えてもらえますか。

  「ここに来るまでは、パーソナルベストだったらいちばん下からのチャレンジだったので、表彰台に上がれるっていうことは全然意識していなかったんですけど、ショートの結果がよくて、ここから順位を落としたくないと思って、初めてこの大舞台で表彰台に乗ったら、自分にとっても大きな自信になると思ったので、すごくメダルっていうものを意識しました」

 ―― 感情を表に出さないタイプに見えますが、それが表現に何か影響したりしますか。

  「感情をもっと出してほしいっていうのが、たぶんみなさんの本音だと思うんですけど、何試合か、自分で意識して表現をしようと思って、笑ったりはたまにするんですけど、そういう試合ほどジャンプでちょっと失敗してしまったり。まだジャンプも表現も2つともできる選手ではないので、これからちょっとずつ、シニアに上がるまでに、そのへんを強化していきたいと思います」

 ―― 他の選手で印象に残った選手は?

  「NHK杯を見て、セルゲイ・ヴォロノフ選手のフリー演技にすごく心惹かれて、今回もすごくいい演技だったのですごく感動しました。アイスダンスも本当にみんなスケーティングがうまかったんですけど、印象に残っているのはペアの中国のスイ&ハン選手の『トゥーランドット』が本当に好きで、すごく印象に残っています」

 →→ここでいったん切ります。「みなさんの本音」って誰の本音?と思うんですが、先日の記者クラブでの羽生君の会見を彼も見ているはずで、「まずはジャンプを正確に!」というマインドに切り替えているんじゃないでしょうか。

 ヴォロノフさんに「心惹かれた」というのは、すごく地に足のついた見方をしてるんだなぁと。これから4回転に挑戦していく16歳の若者なんですから、普通に考えたら、ネイサンやボーヤンやヴィンセント君あたりに注目しそうです。でも、今季のヴォロさんは、4Tと3Aだけを武器に、でもそれをキレイに決めて、あとはそのノリで行っちゃうという、見ていて爽快感のあるパフォーマンスでした。

 須本君も、3Aから4Tへという所は現在進行形で考えているはずで、「まずはこれぐらいのレベルを!」という観点で見ているのかもしれません。さらに、アイスダンスやペアも見ているというのは研究熱心で、頼もしいですね。

FullSizeRender

 ファイナル前のインタですが、「Quadruple 2018」(84~85頁)からも少しご紹介します。

 ―― 須本選手はイーグルもすごく美しいですよね。

  「小さい頃は氷の上で遊ぶのが好きで、『〇〇選手の真似をしよう』って言って、イーグルやイナバウアーをやっていました。今シーズンのフリー(『レ・ミゼラブル』)の振り付けのときは、(阿部)奈々美先生が『(須本選手は)イーグルが得意だから、最後はイーグルで締めよう』と言ってくださって

 ―― 美しいスケーティングをたっぷり見せた後のイーグルが、とても印象的ですよね。

  「あそこは自分でやっていてもすごく楽しいです」

 ―― その「レ・ミゼラブル」ですが、曲はどのように決めましたか?

  「曲も振り付けも奈々美先生が決めてくださいました。・・・去年のフリー(ピアノソナタ第8番『悲愴』)からイメージが大きく変わるし、『自分にできるかな・・・?』という思いもあって。でも、やってみたらすごく楽しくて、『あ、こんな曲もできるんだ』という発見がありました」

 ―― 振り付けの阿部奈々美先生からはどんなアドバイスがありましたか?

  「(劇中歌の)『民衆の歌』のところは、『力強く踊ってほしい』と言われました。『もしジャンプを失敗しても、最後は曲が背中を押してくれるから』とおっしゃってくださって、編曲もそういうふうにしてくださいました



 →→最後のイーグルの所、かっこいいですよね。こういう終わり方はちょっと記憶にないので、かなり珍しいんじゃないでしょうか。個人的に山本草太君と並んで、期待している選手です。今回の世界ジュニアはメンバーがキツイので、過度な期待はできませんが、ノーミスを2本揃えて、本人も納得のいく演技をしてもらえたらと思います。

FullSizeRender

 最後にオマケでこの方、エテリ組の振付師、グレイヘンゴーズさん。「WFS No.81」(57頁)でインタが掲載されていたんですが、おそらく本邦初登場だと思います。こちらも、昨年12月のファイナルでの取材です。

 ―― ダニールさんはエテリ・トゥトベリーゼコーチとの協力関係のもと、エフゲーニャ・メドヴェージェワ、アリーナ・ザギトワといった有力選手たちのプログラムを手がけています。まだ26歳の若さですが、振付との出会いは?

  「18歳まではヴィクトル・クドリャフツェフコーチのもとでシングル・スケーターでした。15歳で世界ジュニアに出たこともあります。でも怪我をしてしまって、アイスダンスに転向し、アレクサンドル・ズーリンのところで3年間滑ったのち、引退してコーチになることにしたんです。2014年のソチ・オリンピックの後、エテリと一緒にやり始めました

 ―― 彼女はどんな人ですか。

  「とても厳格な人だと聞かされていたので、最初はびくびくしていました。(笑)でも彼女はぼくにポテンシャルを感じてくれて、多くのことを教えてくれた。プログラムの構成の仕方、練習の組み立て方、みんな彼女から学びました。いまでは信頼し合ういいチームになれていると思います」

 ―― コーチもなさっているんですね。

  「1年のどの時期かによります。オフシーズンはプログラムの振付をしていて、我々のグループには25人もの選手がいますから、つまり40プログラムくらい振付なくてはならないということなんです。エテリもいつもそのプロセスに参加してくれる。でもオンシーズンになれば、エテリと、セルゲイ・ドゥダコフ、ぼく、3人のコーチ体制で臨んでいます。振付のときは、使う音楽の編曲も全部自分でやっていますが、それも楽しんでいる。自分のキャリアの大半をシングル種目で過ごしてきたので、技術的なことも教えられます」

 ―― 理想としているスケーターは?

  「滑っていたころは当然ヤグディンとプルシェンコが理想でした。そのあと、ステファン・ランビエルもいいなと思うようになったし、パトリック・チャンもすばらしい。こうしたスケーターたちが、フィギュアスケートを進化させてくれたと思います。現役では羽生結弦と宇野昌磨も競技を前進させてくれている。そういうことは自分自身にも影響していて、振付をするときも、個々の選手にぴったりと合った性格のプログラムを作ってあげたいと考えている。クラシックが好きな選手にロックを与えても、心の底から表現をすることはできません。だから選手それぞれに、繰り返しに陥らない独自のプログラムを与えたいと思っています」

  ―― ザギトワの「白鳥」や「ドン・キホーテ」、メドヴェージェワの「アンナ・カレーニナ」など、それぞれ個性が際立っています。

  「アリーナの滑りにはバレエ的なものがあります。『ドン・キホーテ』の曲はジャンプのタイミングなどもぴったりです。エフゲーニャのフリーは、もともとエキシビション・プログラムでしたが、そのままにしておくのは惜しいとフリーに作り替えました。彼女自身がこのキャラクターに深い思いを感じていて、すぐに作品を自分のものにしました」

 ―― ・・・日本のスケーターに振付を依頼されたら?

  「まだそういう機会はないですけど、もしあればぜひやってみたいですね。エテリに殺されなければ、だけど。(笑)

 →→26歳って、よくよく考えると、織田君よりも若くて、無良君たちと同じぐらいなんですよね。ちなみに、ブノワ・リショーさんは30歳なんで、それぐらいの世代の振付師がこれからどんどん出てくるのでしょう。

 また、シェイリーンやミヤケンさんを挙げるまでもなく、アイスダンス経験者に優秀な振付師が多い印象ですが、この人も怪我によってアイスダンスに転向したとあります。アイスダンスは、シングルに比べて曲の選択における自由度が高く、その経験が、プログラムの作り手となった時にネタに困らないのかな・・・と、私は勝手に想像しています。

 しかし、25人でも相当多いはずで、これ以上は弟子を増やせないのでは?と思いますが、もしかすると、ジュニアからシニアに上がる時点で振るいにかけるというか、「これぐらいの成績を出せないと、ウチのチームではシニアスケーターとして指導できないよ」ということになってるのかな・・・と。だから、みんな死ぬ気でやってるんじゃないでしょうか。おそろしい・・・。

 世界ジュニアのライスト情報等は「フィギュアスケート速報さん」で、チェックしてみてください。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

trusova

 今日はジュニアの女子フリーのレビューです。シニアのフリーもライスト&地上波両方で見ましたが、明日の記事の方で。

 リザルト関係は「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。

 当然ながら、ジュニアはライストのみの視聴ですが、期待通りのハイレベルなバトルでした。

 滑走順に見ていきます。



 まず、パネンコワ。ジャンプ全後半、漏れなくタケノコ・タノ付きの鬼構成でノーミスの素晴らしい演技。しかし、ショートと順位は変わらず191.16の5位。これだけのことをやって、PCSが意外に伸びません。大会前の私の予想では、実力的にタラカノワとどっこいぐらい?と思っていたんですけど、ジャッジの間で、タケノコへの抵抗感があるんでしょうか。



 梨花ちゃん。冒頭の3A+3T(+1.86)は見事でした。2本目は抜けちゃいましたけど、よく頑張ったと思います。フリップで回転不足があり、うーん、3Aを2本降りていたら、3番までは入れたかな?という所ですか。それでも、192.45の4位は立派です。

 今回勝てなかった3人は、おそらく全員ジュニアに留まるはずですが、この試合はこの試合として、シニアに向けてしっかり準備してもらいたいと思います。全日本も楽しみです。



 サモドゥロワは、エテリ組と比べるとやや構成が弱いので、フリーではアテンションが2つ付きながらも、キレイにリベルタンゴを滑りきりました。順位こそ6位ですが、187.74は十分に高得点です。

 彼女とパネンコワが来季シニアに上がると言われていて、そうなると、GPシリーズにアサインされるためには、国内での争いで勝ち抜くことが最優先。シニアで彼女の演技を見られるのが楽しみです。



 JGPシリーズでのパフォーマンスと比べて、レベルアップしたなぁと思ったのが、タラカノワでした。PBの199.64を出しての銅メダルはお見事です。

 ラストのガッツポーズに象徴されるように、あのワイルドな演技には彼女の気持ちの強さが表れているんだなぁと思いつつ、実を言うと、今回ファイナルに残ったジュニアのエテリ組のなかで、メドベに一番似ているような気もします。まだ13歳なので、来季もジュニアです。



 どうしてもひいき目に見てしまう、コストルナヤですが、フリーも素晴らしかったです。実を言うと、最初の3Lzだけは、JGPシリーズのポーランド大会とイタリア大会では前半扱いだったんですけど、今大会はフリーのジャンプもすべて後半に組み直されていました。フリーのスコアでトゥルソワをわずかに上回ったのも、その影響が出ているのかもしれません。

 ネット上では、このフリーは「メドベみたいな曲」なんて言われてるんですけど、SPがメドベがまずやらないようなタンゴですから、まったくタイプの違う2曲ということで、いいんじゃないでしょうか。私も、だんだんこのフリーが好きになってきました。銀メダル、おめでとう!



 4Sは回転不足&転倒でしたが、ナイストライでした。3Lz+3Loの2ndで乱れたのを見て、「彼女も人間なんだなぁ・・・」としみじみ。

 それでも優勝は間違いないと思っていたんですが、コストルナヤとこれだけ僅差になるとは予想外でした。4Sに挑戦して、しかも2ndループも入っているのに、これで逆転負けしたら、気の毒だったので、トゥルソワの優勝は妥当だと思います。



 一生懸命、通訳なしで英語で話しています。ますます応援したくなっちゃいます。

  このかわいいティッシュケースは、ゆづリスペクトの証。コスちゃんも、ゆづチルドレンということでいいですよね。

 この子たちが、1年後、2年後、どうなっているか分かりません。でも、かりに彼女たちが、シニアで大活躍できなくても、彼女たちが輝いていたこの瞬間を記憶することが大事だと思っています。

 名プログラム、名勝負を届けてくれた、タフな少女たちに、心から拍手を送りたいです。世界ジュニアも楽しみですね。

 では、また明日!

 Jun

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


フィギュアスケート ブログランキングへ
    このエントリーをはてなブックマークに追加

このページのトップヘ