On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:蒼い炎II

 昨年のスケカナの直後、羽生君はどんな発言をしていたのか。私の手元にある雑誌・書籍を改めて調べてみました。



 ジュエルズの最新号で明らかにされていますが、昨季の「足の甲の痛み」について、羽生君は、「オータムクラシックの後半に入れた4回転が跳べなかったので、そこをやっきになって練習しました。そのときからです。そこから足の状態がおかしくなりました」と証言しています。スケカナの前から悪かったということですね。にも関わらず、スケカナの後に「血のにじむような猛練習」を詰め込んだというのは、皆さんもご承知の通りです。

 ちなみに、「公表できない怪我」というものがあることを、先日サッカーのマンチェスターシティの試合(ウェストブロム戦)を見ていて、解説の川勝良一さんが言っていました。例えば、「誰それが肉離れを起こして2か月離脱」というのはよく聞きますよね。

 他方、特に怪我等が発表されていないのに、出場どころかベンチにも入っていない選手について、監督が「戦術的理由」と説明することがあります。この「戦術的理由」の中に、言えないことが色々とあるようです。特殊な持病なのか、メンタル的な何かか、プライベートで問題を抱えているとか、契約に関わってくることもあるでしょう。彼らの場合はプロの選手なので、羽生君とは基本的に性質が違うとはいえ、プロスポーツにおいて「怪我が隠される」一例としてご紹介しました。



 さて、まずは、資料としては最も新しい『蒼い炎II』(238~239頁)から。

  「表現力が上がれば、4回転も楽に跳べると思うし、スケーティングが伸びやかになれば、そのスピードがジャンプを助けてくれる。そうやって全部、とにかく全部レベルアップして、『あ、上手くなったな』って思われるくらいになりたい。そんな簡単に上手くなったと思われないんです、フィギュアスケートって。点数を見て『ああ、すごいな』っていうことくらいしかわかりにくいから。でも、点数だけじゃなくて、ファンの方のみならず見ている方々に、『あ、羽生結弦ひと皮むけたな』って思ってもらえるくらいまで、(NHK杯までの)3週間ではそこまで行けないかもしれないですけど、徐々に徐々に、頑張っていく必要があると思います」

 そして、実は昨年のスケカナのEX練習に関して、「難しい入り方の4回転を跳んでみた。競技翌日の午前中という時間帯に、エキシビションの練習とは思えないほどのアグレッシブなジャンプ。3週間後のNHK杯を視野に入れたジャンプ練習だった。スケートカナダからトロントに戻る前にはもう、NHK杯ではショートプログラムで新しい構成のジャンプを跳ぶことを決めていた。」と、記録されています。

 EXのことなんか頭になくて、もう練習モードになっていたことと、「ファンの方のみならず」という所が、もう気負いすぎというか・・・。自分のファンじゃない人、というかアンチであろうと誰であろうと見返してやる!的なモードに入ってるんですよね。しかも、怪我も隠しながら。これはなぁ・・・と。



 つぎに『王者のメソッド』の方も。詳しい方には釈迦に説法ですが、一応、最近のSPのジャンプ構成の変遷について触れておきます。

 そもそも15年のオータムとスケカナの時点では、「バラード」の冒頭は3Aで、4回転は単独の4Tのみ、コンビネーションジャンプは3Lz+3Tでした。それでも、元々14-15シーズンの「バラード」では冒頭に単独の4Tで、その4Tを後半に回すというのが15-16シーズンの挑戦だったのです。

 それを、15年のNHK杯以降、冒頭に4S、コンビネーションジャンプは4T+3T、そして単独で3Aと「難化」させました。今季16-17の「Let's Go Crazy」は「足の甲」への影響も考慮されているとはいえ、冒頭を4Lo、コンビネーションは4S+3T、単独で3Aと、さらなる進化を遂げています。

 15年のスケカナ直後、SPは(構成の難易度を上げずに)確実に点を取るべきと考えるブライアンを、羽生君が説得した経緯が『メソッド』の301頁から詳しく記されています。

 改めて思ったのは、オータムやスケカナで失点した部分をカバーするためだけの猛練習ではなく、SPの難易度を上げること、特に、NHK杯までの3週間でSP冒頭のイーグルサンドの4Sを何が何でも間に合わせるために、無理した部分もあるんだなと思います。



 SPにその4Sを組み込む苦労について、Ice Jewelsのvol.02で羽生君がこう語っています。

  「NHK杯の時はスケートカナダから振付けを変更してまだ3週間でした。あの時はけっこう大変で、最初サルコウをやり始めた時はダブルにもならなかった。タイミングが合わず、アクセルのタイミングになっているんです。僕はジャンプのタイミングを音で覚えるのですが、どんなに調子悪くても『SEIMEI』の曲をかけると反射的にサルコウに入る、パーンと。それくらい覚えちゃうのでジャンプを変えた時に違和感がすごくありました。」

 当時、4Sはあくまでも「SEIMEI」用のジャンプであったこと。そもそも、「バラード」の「冒頭に3A、後半に4T」というのも、実は14年の中国杯で怪我をしていなければ、14-15シーズンから導入するという話だったので(『メソッド』285頁)、それこそ反射的に跳べるレベルにまで練習を積んでいたと思います。そりゃ大変なわけですね。

 じゃ今年は?大丈夫?となりますよね。ただ、怪我をした背景をこうして見てみると、今季はSPにしろFSにしろ、構成の難易度をさらに上げることは考えにくいし、4Tも後半に一本だけだし、しっかりとブライアンの言う事を聞いて、3週間「調整」に励んでくれると信じています。

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 ※今年もまた笑顔でバースデイを迎えてほしいものです。

 では、また明日!

 Jun

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 BSフジのFaOI@札幌の放送(7/17放送)をご覧になりましたか?

 私は、他の選手の「新作」を目の当たりにして、羽生君の16-17シーズンのプログラムははたして間に合うのかどうか心配になっております。

 さて、今日は短く行きます。

 すでに『蒼い炎II』をレビューしましたけども、実をいうと、私が最も引っかかった一節(40頁)があります。

  「・・・あと、今まで応援してきてくださった方に申し訳なくて。応援を受けて奮起して頑張ろうというのはすごく大事なんですけど、母親と話すなかで、応援を受けて頑張ろうじゃなくて、応援をそのまま受け取ろうと思ったんです。ちゃんと受け取って、それをちゃんと力に変えようって。応援の力をそのまま自分の力に取り入れたいなと」

 これは、2012年ニースの世界選手権のSPを終えてから、羽生君がお母さんと交わした問答です。

 実を言うと、この本のレビューを書いた際、この部分はあえて外しました。

 というのも、「応援を受けて頑張る」と「応援をそのまま受け取る」の違いが何なのか、私には読み取れなかったからです。

 そして何よりも、この問答のあとのFPが、羽生君の演技の中でも「伝説」と呼ばれる名演だったことで、いよいよこの対話の意味は何だろうか?ずーっと、その意味が引っかかっていたからです。でも、この話に拘っていると、『蒼い炎II』の最後まで行けないと思ったんですよね。

 じゃ、結局、このディテールはどのような影響を与えたのか?文章の意味の違いは私にもわかりますよ。・・・でも、この違いをパフォーマンスにどう反映できたのか?

 つくづく、親の教育なのかな・・・、

 と思った次第です。細かい部分の違いを感じ取れる信頼関係ってやつですかね。信頼してる人が「違うこと」を言ったとき、それを読み取ろうというマインドになれること。それが、この羽生母子に構築されているというか何というか。

 さて、しつこくやります、マイブームのIssues。実は一番好きなのは、この曲!


 
 リズムが面白い!歌も巧い!と、完全に私の自己満足なんですけどね。フィギュアスケート、とくに羽生結弦選手をサポートする一ファンがこういうものも愛好しているということで。

 では、また明日!

 Jun

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 2016年7月5日発行。私が購入したのは7月1日でした。前作がいわゆるフォトエッセイ的な作りで、つまり「あくまでも写真がメインで、文章はスープとか前菜とかデザート」的だったのに対し、今回は写真と文章が対等のバランス、いや、写真が能登直さんじゃない分、むしろ読ませる比重が上がった内容になっています。「蒼い炎」という名を共に冠しながらも、基本的には別物と考えた方がいいです。



 とはいえ、例えば『王者のメソッド』と比べると、サイズとレイアウトの効果もありますが、かなり読みやすいので、『メソッド』を未読の方、また中断している方は、こちらを先に読んでから、トライしてみると良いかもしれません。



 本書は、羽生君のインタビューを時系列的に再構成したものです。時期的には、2012年のニースのワールドから、2016年のボストンのワールドまでの期間が扱われています。

 インタビューの雰囲気は、例えば、「Cutting Edge」と比べると、明らかに硬め。トロントでの日常やマイブームなどの軽い趣味的な話はほぼ皆無。日本に帰国して被災地を訪れた部分以外は、ほぼ、各大会での自身の演技に関する妥協なき自己分析と自己反省が中心で、この「孤独な闘い」の一端を、羽生君が大いに語ってくれています。

 もちろん孤独とはいっても、例えば数学者のアンドリュー・ワイルズのように自宅の屋根裏部屋に7年間引きこもってフェルマーの最終定理に取り組んだような、あーいうのとは違って、トロントにはお母さんもいて、チーム・ブライアンの面々のサポートを受け、スケ連関係者その他、多くの人びとが彼に関わっています。

 ただ、2014年の中国杯の衝突以降、お腹の病気の治療もあって、長期に渡ってトロントでのブライアンの指導を受けられない厳しい時期に、このような「孤独な自問自答」が生きているのかなと感じました。

 中国杯のあの頭に包帯をグルグル巻きにして演技を続行した姿が日本でも色々と騒がれましたけど、本書を読むと、むしろ、お腹の病気の方が深刻で、読んでいる私までお腹がキリキリくるような錯覚を覚えました。よくぞ試合をキャンセルせずに出てくれたなぁと思います。

 話は前後しますが、2013年カナダのワールドも相当な修羅場だったことが本書で明かされています。両足を負傷して痛み止めを打ちながらも強行出場。なぜなら、この大会の獲得ポイントによって、ソチの代表の枠が決まってしまうから。自分だけの問題じゃなく、国に迷惑がかかってしまう・・・と。SP終わって9位。FSをなんとか踏ん張って4位!結果、羽生君4位、大ちゃん6位、無良君8位で、なんとか3枠を確保。

 羽生君の個人成績的にはあまり注目されていない大会ですけど、ここで大きな責任を果たせた経験と自信が、2014年の中国杯以降の超人的な頑張りを支えたのかなと思います。

 また、2015年のスケートカナダで負けた後、むしろプログラムの難易度を上げて、「血のにじむような練習」の末、300点超えを連発したことは、記憶に新しいですよね。でも、内容ボロボロ・調子最悪な中、ブライアンの反対を押し切ってまで、なぜそんなチャレンジができたのか。これは私のブログでも一時期テーマにしていましたが、そっか!と思ったことがあります。

 それは、羽生君にとって、何よりも辛いことは、スケートができないこと。練習ができないことなんだと。だから、これまでの様々な故障やアクシデント、特に2014年秋以降は壮絶ですが、 そんな苦難に直面しても、

 身体は動けるんだから、徹底的にやってやる!

 落ち込んでなんていられない!もっともっと追い込んでやる!

 そういうぶっ飛んだ発想になれたのかなと、本書で羽生君が語る「怪我の歴史」を一気読みして、そう感じました。

 毎日羽生君の発言を様々な雑誌で読んでいて、トロントに渡る前の発言も、最近のジュエルズやライフのインタも含めて、そこには常に「自己分析と自己反省」があって、ぶっちゃけますけど、

 また同じようなこと言ってるじゃん!

 と、思うこともあるんです。でも、これってアスリートとして理想的ですよね。誰とは言いませんけど、「マネージメントに興味がある」とか「ビジネスに興味がある」とか言いはじめた方々は、ほぼ例外なく選手としてのピークが過ぎているわけで・・・。

 現状に満足せず、俺はもっとやれる!と、自問自答と挑戦をつづける。まだまだとんがっている羽生君を現在進行形で応援できているのは幸せだなと思います。

 あと2点だけ。アイスショーでの、ステファン・ランビエル、ジョニー・ウィアー、ジェフリー・バトル、3人のスタイルの違いに羽生君が言及している部分は面白かったです。曰く、曲を作り出すステファン、曲を盛り立てるジョニー、曲にピタっと揃うジェフ。じゃ、羽生君自身はどう考えているのか?彼が3人のアプローチに対する自分なりの答えをすでに用意していることには感心しました。何と言ってるかは、本書を実際に手にとって確認してみてください。

 最後に、本書のクライマックスもクライマックスという部分で、おっ!と、思わず身を乗り出してしまった発言があります。

  「まだあと4年くらいは僕も技術的に進歩できる」

 正確な時期がクレジットされていないので、あくまでも私の想像ですが、おそらくこれは、2016年4月のワールド後に行われたインタでの一節だと思われます。ということは、2018年2月の平昌後も当然現役を続行し、2022年2月の北京まで頑張ってくれるはず!と期待してしまいます。

 実は、日曜のドクターXスペシャルを見た後に、本書を読み始めたんですが、そういえば、氷室光二郎の年齢が27歳と設定されていて、そこは記事でも触れましたが、個人的に引っかかっていた部分です。

2016-07-04-11-54-35

 記事の中では「テレ朝から羽生君へのエール?」なんてトロいことを書きましたけど、何よりも羽生君本人がこのように意欲と自信を見せてくれてるんで、北京の時の羽生君も27歳だし・・・。これはあるんじゃないの?という気がしています。

 では、また明日!

 Jun

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