On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:17-18シーズン

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 少し日にちが空きましたが、クワドラプルの続きです。バックナンバーは「こちら」。

 羽生君関連の記事では、すでに、城田さんの特別企画(1)と、佐野先生の解説企画(2)をご紹介しましたが、今日は残りを見ていきます。

 (1)羽生結弦「進化する王者、夢への挑戦」(2~15頁)

 折山淑美さん執筆のレポートで、平昌五輪、CiONTU、仙台パレード、スケ連優秀選手表彰祝賀会、FaOI幕張、そして、国民栄誉賞決定までを駆け足で辿る内容です。「レポート」とはいっても、各イベントでの羽生君の発言の引用がテキストの大半を占めています。もはやオリンピックが、遠い昔のように感じます。

 写真の内訳は、SEIMEI(表彰式、2ページ)、スワン(EXフィナーレ、2ページ)、CiONTU(ツィゴイネ多め、2ページ)、FaOI幕張(オープニング、Wings of Words、フィナーレ、それぞれ2ページずつ、計6ページ)、昨年夏のトロント(白Tシャツ、2ページ)です。

 (2)羽生結弦オリンピック2連覇祝賀パレード・Continues ~with Wings~・Fantasy on Ice 2018(26~35頁)

 仙台パレードに4ページ、CiONTUは3ページ、FaOI(幕張)も3ページ。パレードの部分では、車上でのショットは見開き2ページで大きなものですが、それ以外は、小さい写真を詰め合わせたレイアウトです。

 テキストは、パレードの記者会見、CiONTUは質問コーナーとジョニーとのトークから抜粋。情報としては特に目新しいものはありません。

 (3)[記者の目]五輪レポート「羽生結弦――激闘の記録」(16~19頁)

 産経新聞記者の田中充氏による五輪レポートです。この方のテキストを、私は初めて目にするかもしれません。気になった部分をピックアップしてみます。

 ・長期離脱の影響を感じさせないフォーム

  「氷上での感覚は、『わずか1日だけ練習を休んでも狂う』と話すスケーターもいる。本格練習の再開まで約2ヶ月。なぜ、羽生は長期離脱の影響を受けることなく、きれいなフォームでジャンプを跳べたのか――。そこには幼少期に培った強固な土台があった

  「小学生時代、指導した都築章一郎コーチはこう言って聞かせていた。『男子にはやがて4回転、5回転のジャンプを跳ぶ時代が来る。2回転や3回転を早く跳べるようになっても、基礎ができていないと後で苦労するよ』。」

  「才能を感じ取った師の教えで、トランポリンを使ってジャンプを跳び、軸を整える練習を繰り返した。単調で退屈な練習だったが、しっかりと叩き込まれた基礎が窮地を救ってくれたのだ

 ・氷上に戻る前の陸上トレーニング

  「氷上で滑ることができないなら、陸上でトレーニングをすればいい。足の負傷で下半身に負担をかけられないなら、上半身を鍛えればいい。羽生は滑れない時間を無駄にはしていなかった」

  「氷上に立たずとも、ショート、フリーの曲を流し、上半身だけの動きを繰り返した。ゴムチューブなどを使ってインナーマッスルの強化も怠らず、筋力の低下を防いだ。だからこそ、スタミナは失われることなく、不安要素にはならなかった

 →→NHK杯から平昌五輪までの間、とくに氷に乗るまでの時期、羽生君が具体的に何をしていたのか。羽生君が記者からの質問等に答えての「実際の発言」の中で、私が知る限りでは、徹底したイメトレと、エアロバイクを漕いでいたという2つが、まず頭に浮かびます。

 おそらくこの「チューブトレーニング」というのは、これまで羽生君が取り組んできた陸トレの一部で、「この時期にもやっていただろうな」ということで取り上げたか、あるいはこの記者が関係者から伝え聞いたかのいずれかでしょうね。

 一方、「ジャンプを取り戻せた要因」を、都築先生の元で取り組んだトランポリントレに求めたという視点は、面白いですね。どうも私なんかは、「クリケットで何か特別なことをやっていたに違いない!」と思いがちなんですが、日本にいた頃のトレーニング内容だってもちろん大事なはず。そのあたりに留意しながら、羽生君の昔のインタを再読してみても面白いかもしれません。

 ※4回転アクセルの成功はいつ?

  「ここから先、まずはケガの治療が最優先となる。このため、4回転アクセルを成功させる目標の時期は明言していない。ただ、2019年春の世界選手権は自国開催(さいたまスーパーアリーナ)だ。意識せずともファンの期待は膨らむ

 →→この発想は私にはありませんでした。そして、ずいぶん前のめり気味だなと(笑)。もしかすると、新聞記者さんって(その上司のデスクも含めて)、

  「羽生結弦、来年春さいたまで4回転半成功へ」

 こういうノリで見出しをつけちゃうのかもしれないなと。そう言いたい気持ちもそれなりには分かるんですが、少なくとも、ゆづファンの私や、読者の皆さんも含めて、おそらく誰一人として「さいたまで!」なんて期待は膨らませていないですよね(汗)。勝手に、ファンがそういう期待を膨らませてるなんて書かないでもらいたいですよ。

 べつに悪い気持ちも無いし、怒ってるわけでもないんですけど、そもそも羽生君が4Aの練習をどれぐらいやっていて、どれぐらいの成功率なのかまったく不明ですから、その辺りの情報をキャッチしてから書いてほしいよねと。でも、こういう感じで書いちゃうのか・・・と、面白い事例だなということです。

 最後に、世間話を一つ。サッカーW杯関連です。小柳ルミ子さんが年間2000試合以上サッカーの放送を見ているというのはわりと有名な話で、今大会のフジテレビの放送の副音声にも呼ばれるほどだったんですが、その評判がネットでダダ下がり状態なんです。

 彼女は、バルセロナやメッシのファンであることを公言していますが、バルサの試合が年間2000試合もあるわけがなく、バルサが所属しているスペインリーグ以外の試合も相当見ているようです。

 ところで、先日、メッシ率いるアルゼンチン代表がクロアチアに0-3で敗れました。これについて、彼女は自身のブログで、ミスをしたアルゼンチン代表のキーパーを罵倒し、まだ一次リーグ敗退が決まったわけでもないのに「アルゼンチンは終わった」と落胆し、一方で、守備を免除されているメッシが無得点にも関わらず、盲目的にメッシを擁護しているわけです。ちなみに、クロアチア代表にはラキティッチというバルサ所属の選手がいて、この試合で大活躍したんですが、彼については言及がありません(※リンクは貼らないですが、6月22日の「カバジェロのミス、信じられない」というエントリーです)。

 実は、サッカーファンでもなければ、バルサファンでもない。もちろん、アルゼンチン代表の選手に対するリスペクトもない。なんなのこの人?って、ヤフコメあたりでもけっこう賑わっています。

 これを見ていて思ったのは、フィギュアスケートの世界でもこういう人は、プロのライターさんであれ、素人のブロガーであれ、たくさんの試合や選手を見ているはずの人でも、まぁ、いるっちゃいるかなぁ・・・と。フィギュアで言えば、他選手叩きにはじまり、自分が応援している選手が勝った試合はジャッジを擁護する一方、負けるとジャッジを批判するというような、首尾一貫性を欠く意見を発してしまう方々です。

 でも、逆に、メッシがこれだけダメで、アルゼンチンが崖っぷち状態でも、感情を表に出さない人というのは、いわゆる「全員応援系」で、まったく共感を得られないんですよね。面白くもなんともない。

 もちろん、個人がブログで意見を発信する分には、何を言っても自由です。ただ、私自身は、読者の皆さんの「大切な時間をいただいている」ことを思えば、上で挙げたどちらにも偏ってはいけないなぁと、「人の振り見て・・・」という心境です。私も気をつけたいと思います。

 では、また明日!

 Jun


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 今回もクワドラプルの続きです。バックナンバーのレビューは「こちら」で。

 今日は、佐野稔先生のロングインタビュー「平昌五輪男子シングル金銀獲得に寄せて」(48~51頁)をご紹介しましょう。

 (1)「戦略」の勝利

  「これだけ多種類の4回転が跳ばれるようになった今でも、まだ羽生選手の記録は破られていないわけですよね。肉薄している選手もいない。・・・僕の計算では、4回転ジャンプはサルコウとトウループだけで十分勝負できると考えていました

  「公式練習で(4Loを)跳んだのも1回で、その1回も、なんとか跳べたという感じでした。(フリーの前々日に、記者から4Loを跳ぶか聞かれて『はい』と答えていましたが)おそらく、本人は4回転ループは跳ばないと決めていたと思いますよ。『はい』と答えたのは、もしかしたら戦略だったかもしれない

  「(ほかの選手に)現状を知らせないことによって、いろいろな意味で憶測が生まれるだろうし、ライバルに『どうなっているんだろう』と思わせる。プログラムで何をやるのかも謎めいていました。本人は『フリーの朝に決めた』と発言していましたが、おそらくあれはけっこう前から『これでいこう』という話だったのではないでしょうか。逆に言うと、それしかできないというのも実情だったのでしょう。僕たちは彼が痛み止めを飲んでいることは知らなかったし、回復してしっかり練習を積んできているという前提で考えていました。でも、じつは4回転の練習ができるようになってから非常に日は浅かった。そういう意味での戦略面も見事だったと思います

 →→この部分を、ジュエルズの最新号(Vol.08)の羽生君のインタ(46頁)と照合してみると、4Loはもともと跳ぶつもりだったが、「実際に跳べたのは移動する前の日だった」と明かされていますね。さらに、かりに4Sと4Tの2種類だとしても、ハビには勝てる計算だったが、ネイサンに関しては、「ラファが緻密に計算する人だから、4Loを構成に入れるかどうか悟られないようにした」とも答えていましたね。ただ、羽生君は2種類を完璧にミスなく跳べたのは、今までの頑張りがあったからこそ、とも語っています。

 そのネイサン陣営も、五輪でのジャンプ構成にネイサンママが口出ししていた云々という話が明らかになって、「対・羽生」ということでチームがまとまれていなかったようです。そもそも羽生君の怪我も予想外のアクシデントでしたが、やはり4年に1度のこのビッグイベントに、すべてを完璧に合わせるというのは本当に難しいですね。

 (2)ジャンプ自体がアート

  「今回のフリーに関していえば、最初の4回転サルコウ、それから次の4回転トウループも、それほど複雑なことをやっているわけではないんです。ただ、ジャンプそのものの完成度がズバ抜けていました。いろいろなことをやっているわけではないのに加点3が付くというのは、とんでもないことなんですよ

  「羽生選手のジャンプは、着氷姿勢で力を使っていないんです。すーっと流れていく。ジャンプの回転も揺れない。あれが軸の正確性というところだと思っています。そばで見ていたジャッジも、ジャンプそのものが本当に優雅で、もう芸術と言ってもいいところまで昇華していると感じたのでしょう。ジャンプを跳ぶこと自体が芸術的だと言っていい

  「ジャンプは技術的な部分かもしれませんが、動きそのものはアートですよね。そうでなければ、あそこまで加点3は並ばないと思います。それだけジャンプを自分のものにしているというところがすごいです。ほかの人は真似できないし、今後も330点という点数は簡単には出ない。・・・新シーズンからルールが変わりますから、330点は誰にも破られずに永遠に残るのではないでしょうか

 →→さすが、日本男子のジャンプの先駆者だけあって、羽生君のジャンプの質を高く評価していますね。

 フィギュアスケートにおける「技術と芸術の関係」は、CiONTUのトークショーでも、羽生君にとっての重要なテーマでしたが、「羽生結弦というスケーターは、技術の高さが、もはや芸術の域に達している」というのは、ストンと分かりやすい説明です。

 もちろん、これを羽生君が自認するわけにはいかないですが(笑)、やはり稔先生は心強い応援団だなと。今後、大人の事情を忖度して多少発言がブレることがあっても、温かく見守りたいと思います。

 (3)「バラ1」はゆづのための曲

  「それ(音楽表現)も羽生選手ならではのすごさですね。『バラード第1番』を聴くと、『本当にフィギュアスケートで使えるのかな?』と思うような難しい曲なんです。その曲に乗ってあれだけのことをやってのけるわけですから、本当に……。あの『バラード第1番』という曲自体が羽生選手のために作曲されたかのような錯覚さえ覚えてしまいます

  「激しいパートと緩やかなパートがあるなかで、その曲調をステップで表現したり、あらゆるエレメンツを駆使して曲に合わせています。なかなかあそこまでやりきれる人はいませんね」

 →→「SEIMEI」の、フィギュアスケートの楽曲らしからぬ「難解さ」は、愛蔵版ブックのレビューで私も指摘しましたが、稔先生は「バラ1」も「難しい曲」とおっしゃっていますね。

 それにしても、「羽生選手のために作曲されたかのような錯覚」とは、これ以上ない賛辞ですね。計3シーズン滑ったこともあり、平昌五輪でもノーミスでしたから、プログラムの完成度という点では、やはり「バラ1」の方が「SEIMEI」よりも上回ると、私も思います。

 ただ、あまりにも完璧すぎて、羽生結弦というスケーターの「ワイルドさ」というか「ハラハラさせられる部分」を恋しく思う自分もいます。おそらく今季もSPはジェフだと思いますが、選曲はもちろん、ジャンプ以外の部分でも「バラ1とは違った意味で超難解なプログラム」を準備してくれるはずだと期待しています。

 (4)仙台時代の思い出とCiONTU

  「僕は仙台で2年間だけ教えていたことがあるんですが、そのときに羽生選手のお姉さんが僕のクラスにいました。それで、彼がフィギュアスケートを始めるきっかけになったのが僕だということなんです。・・・当時の羽生くんは、リンクに来て泣いてばかりいたことを覚えています。その後、ノービス時代には目立った存在になっていました。・・・成長はずっと見てきました。それはそれで楽しみにはしていたんですよ。でもまさか、こんなにすごくなるとは思いもよらなかったですね

  「僕がアイスショー(『ビバ!アイスワールド』 ※現在の『プリンスアイスワールド』)を始めた頃は、フィギュアがゴールデンタイムに放映されることなんてなかったんですよ。マイナーなスポーツでしたから、メジャーにしたい、少しでも底辺を広げたいと思ってアイスショーを始めたんですよ。それが今や試合の放送はゴールデンタイムで、チケットも獲れない。国民の大きな関心事になっています。自分が生きている間は、こんなことにはならないと思っていたんです」

  「縁の下の力持ちで、自分が忘れ去られた頃にそういうことが起きればいいなと。まさかこんなに早くフィギュアスケートが親しまれるようになるとは、夢にも思っていませんでした。これはものすごい変革ですよ

 →→「いまのフィギュア人気は、羽生人気。羽生が引退したら終わり」などと、普段の生活でフィギュアスケートに1円もお金を落とさないような連中ほどよく言いますが、これは我々ゆづファンであっても、悩ましい問題です。稔先生がおっしゃっている「変革」が打ち上げ花火的なものであってはいけません。

 村上大介君が引退を表明し、須本君がジュニアに留まることになり、日本男子のシニアの選手層はしばらく流動的になるかもしれません。

 CiONTUの成功で、羽生君がプロに転向しても、おそらく彼の出演するアイスショーが全公演完売という状況は変わらないと思います。ただ、フィギュアスケートの競技人口(とくに男子選手)の維持・拡大を考えるなら、「世界で勝てる選手」をコンスタントに輩出する必要がある。そのためには、有望な若手選手に光を当てて、一人でも多くの人に知ってもらうことが大事です。

 私も微力ながら、ブログを通じて若手選手を積極的に応援していけたらなと思います。

 では、また明日!

 Jun

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 2018年6月14日発売。税込み価格「1,950円」。全128ページ。バックナンバーは「こちら」。

 出版元が「山と渓谷社」となっての新装刊。とはいえ、編集方針に大きな変更は無いだろうと予想して、羽生君関連の記事よりも、日本男子の若手選手の動向をチェックするために購入しました。

 ところが、今回はかなり頑張ってくれています。で、私自身の欲望の赴くままに、気になる部分から読んでみました。

 今日は、とりあえず城田さんの特別企画「羽生結弦、オリンピック2連覇への軌跡」(20~25頁)に集中します。

  「2018年1月上旬の練習再開から約1週間後、私も羽生の状態をチェックするために練習拠点であるトロントのクリケットクラブへ向かいました。五輪本番までは約1ヶ月しか残されていません。実際の滑りを観るのは、ケガをしたNHK杯の公式練習以来、約2ヶ月ぶりでした。トロントへ向かう際、私は誰にも話せない覚悟を持っていました。もし、回復が思わしくなく、五輪で金メダルを獲得できる算段が立たないと感じた場合、『オリンピックに出るのは、やめよう』と告げるつもりだったのです

  「五輪は金メダルを懸けた戦いの舞台です。私は日本スケート連盟の強化部長時代から、一貫してこの考えにぶれが生じたことはありません。歴史に名を刻むことができるのは金メダリストだけです。羽生が連覇を狙うために戦ってきた4年を思えばこそ、金メダルでなければならないのです。所属先の監督としてサポートを続けた私自身、彼を負けさせるわけにはいかないのです。ストップをかけることも、私の役目でもあったのです

 →→城田さんについては、ウチのブログの読者でさえ、抵抗感のある方がいらっしゃるのは、私も承知しています。当時の彼女のこの「覚悟」について、私は賛成も反対もありません。彼女が何を言おうが、最終決定は羽生君に委ねられていたはずですから。このエッセイの冒頭、ソチ五輪で金メダルを獲った際、「ここでやめてもいいんじゃない?」と羽生君に彼女が持ちかけた話も紹介されていますが、彼女なりの金メダルに対する思い入れの強さはよく分かります。

 実を言うと、「3A、4Tあるいは4Sが間に合わなかったら、平昌五輪に出場していましたか?」という質問や、これに対する羽生君の応答を、私は聞いたことがありません。彼の性格を考えると、痛み止めはもちろん、あらゆる手段を使ってでも、五輪のリンクに立っていたような気もしますが、まぁ、実際連覇したのだから、この話はもういいでしょう。

 ただ、CiONTUの愛蔵版ブックで、羽生君は、「この先取り組みたいこと」のために、「金メダルは2つ必要」「クワドアクセルも必要」と語っていましたよね。そう考えると、羽生君って、城田さんに将来的なビジョンをあまり詳しく話していなかったのかもしれませんね。じゃなければ、彼女も「ストップをかける」という発想になっていたのかどうか。

 ところで、キスクラでの稔先生のインタから考えると、五輪前からCiONTUの話は進んでいたはずですが、CiONTUの話は今回の「特別企画」ではまったく出てきません。

 ちょっと脱線しますが、例えば、羽生市にチョコを贈るとか、あーいうのは、トロントメディアデーで色々とお世話をしているANAの方の役目のはずで、だったら、城田さんは羽生君の全てを把握しているのでは?と・・・。まぁ、今日のところは、この企画の原稿がCiONTUの前に出来上がっていたと、理解しておくことにしましょう。

  「期待と不安が入り交じったまま、久しぶりに羽生の滑りを見た瞬間、最悪のシナリオは吹き飛びました。ワンストローク、ワンストロークと慎重に滑り、まだジャンプは1回転、2回転が中心。3回転はトウループだけでした。ですが、ジャンプの軸はぶれていません。『オリンピックに出られる!これなら勝てる!』と思わず興奮しました」

  「そう言い切れる強みがもうひとつ、彼にはあります。日本人があまり持ち合わせていない確固たる勝利への強い意志です。ケガによって弱気へと傾きかねない状況に置かれても、負けず嫌いでもある羽生の『絶対に勝ちたい!』という気持ちの強さが、自らを奮い立たせる原動力となっていたのです。・・・五輪で勝つには、一流の技術と強靭な精神力を併せ持っていなければならないのです

  「平昌五輪の日程は2日連続で組まれていました。このことも羽生の背中を押してくれる幸運でした。たしかに、実戦からしばらく離れた羽生にとって、体力的には厳しい面があったかもしれません。ですが、ケガが回復しないのであれば、首位に立って気持ちも乗った状態で一気にフリーに臨めるほうがメリットになると思いました

 →→ほかにも、慣れ親しんだプログラムだったことで、「多くのことに注意を払う必要がなかった」点も指摘されていますが、「むしろ2日連続だから良かった」という分析は、専門家や記者からもなされてはいなったので、なかなか興味深いですね。

  「ソチ五輪の後と違うのは、『楽しみながら滑りたい』と話していたことです。私はやるからには、休んではいられないと考えています。ですから、挑戦するなら新たなシーズンに照準を定めて始動することになるでしょう。まずは、身体をしっかり休め、再びファンのみなさんの前に強い羽生結弦が戻ってくるまで、少しの間、お待ちいただければと思います」

  「最後に、彼が偉業を成し遂げられた背景には、ご家族の支えが大きかったことを忘れてはいけません。・・・トロントでの彼を生活を支えたお母様はたくさんの苦労をされたと思います。羽生自身の金メダルですが、その半分はお母様の献身によるものといって過言ではないことを、申し添えたいと思います

 →→4月に「週刊女性」(主婦と生活社)が「ゆづママ VS 女帝監督 内紛勃発」なる捏造記事を書いて、ゆづファンの失笑を買っていましたが、「当然、忘れてねーからな!」という城田さんのキツイ一撃で締められています。このような悪質雑誌およびその出版社は、我々もしっかり記憶しておきましょう。

 FaOI神戸の動向も気になりますが、明日も引き続き本誌をご紹介する予定です。

 では、また明日!

 Jun

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 2018年6月13日発売。税込み価格「1,080円」。全83頁。応援ブックのバックナンバーは「こちら」。

 この雑誌の新刊が出ると、いつもこの話から始めますが、4年前のソチ五輪直前に創刊。創刊号でゆづをフィーチャーした誌面構成を組んで、当時マニアの間ではその先見性を驚かれました。その後「写真重視系(ゆづ重視系)雑誌」としてトップを走ったものの、「フィギュアスケートファン通信」の登場に始まり、その他にも優秀な雑誌が次々と出版されて、しだいに影が薄くなっていきました。

 ところが、「通信」が休刊状態になった影響もあるのか、この「応援ブック」がまた息を吹き返してきた感があります。

 この雑誌の最大の弱点は「画質がやや粗い」点で、そこは確かに、CWWの愛蔵版ブックやキスクラには及びませんが、今回はスケ連に忖度せずに、ゆづ尽くしという感じで、全盛期の「通信」のような物量作戦で攻めた誌面になっています。五輪二連覇にして国民栄誉賞受賞のレジェンドを特集しまくってどこが悪い?と、正答な理由があることも、この潔いボリュームの後押しをしているのでしょう。以下、内容をざっと確認していきます。

 表1と表4は画像の通り。表2はFaOIのオープニング&フィナーレゆづ。表3は春の園遊会で羽生善治竜王とのツーショット。奥付はスケ連表彰式です。写真はすべて「フォート・キシモト」とクレジットされています。ポスターは無し。

 (1)FaOI 2018(4~17頁)

 今年のFaOIを取り上げた雑誌としては、キスクラに続いて2番目になります。たしかに画質はやや粗いですが、この計14ページには集合写真的なショットはゼロで、すべてゆづです。しかも、キスクラでは足りなかったフィナーレの写真もけっこう入っているので、あの衣装が好きな方は要チェックです。

 (2)仙台パレード(18~27頁)

 パレードカーのゆづをアップで撮ったショットや、記者会見のショットなど、他誌でも見かけたような写真がある中で、2ページぶちぬきで、沿道の群衆の中(沿道のファン目線)からパレードカーを撮影したショット(20~21頁)が珍しい。私も当日あの現場にいましたから、このカメラマンも炎天下の中、群衆でもみくちゃにされながらこの写真を撮ったのかなと、臨場感に満ちた一枚です。現地に行かれた方は、あの日の興奮と感動が蘇ること間違いなしです。

 (3)CiONTU 2018(28~54頁)

 計27ページの大ボリュームです。ツィゴイネだけで、いきなり10ページの13ショット。黒パリが4ページ、黒Tが4ページ、白Tが3ページ、フィナーレが6ページ。

 トークショーの写真がけっこう細かい部分まで写っていて、羽生君はアシックスのシューズだけどジョニーはナイキとか、質問に来た男の子はニューバランスとか、通訳の新村さんのネイルは凄いな・・・とか、色々と面白かったです。

 (4)ミラノワールド(55~62頁)

 宇野選手、刑事君、友野君、表彰式で、各2ページという構成です。

 (5)平昌五輪<ゆづ>(63~81頁)

 表彰式1ページ、バラ1(白ジャージ含む)6ページ、SEIMEIが4ページ、メダルセレモニーが2ページ、スワン4ページ、EXフィナーレ4ページです。

 最後の一枚、「ザギ虎」ちゃんとの2ショットが超目立っていますが、我々の間では暗黙の常識である「左手の配慮」が輝いていますね。

 以上、全83頁のうち、他の選手は、世界選手権のたったの8ページだけです。キスクラも70ページ近くが羽生君の記事に割かれていましたが、あの雑誌はインタビューやテキストも豊富だったので、純粋に写真の量で言うと、本誌に軍配が上がります。

 しかも価格は、本誌が「1,080円」で、キスクラは「1,728円」ですから、雑誌購入をセーブされている方にとっても、お財布に優しい価格設定ですね。

 明日発売のクワドラプルでは、ゆづ成分は間違いなく薄いはずなんで、新刊発売の予定が比較的少ないことを考えると、この2冊は書店でチェックしてみても良いと思います。

 では、また明日!

 Jun

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 キスクラレビューの最終回です。バックナンバーのレビューは「こちら」で。

 羽生君関連以外で、気になった記事をご紹介します。

 (1)友野君インタ

  「踊ることが好きなんです。会場を一つにできるような表現力を、自分でも少しは持っていると思いますし、今後もっと伸ばしていくべきポイントだと思っています

  「5コンポーネンツの底上げが、今いちばん取り組んでいる部分です。スケーティングスキルや演技力を上げて、もっと点数をもらえるように、毎日練習に励んでいます」

  「理想としては、4回転トウループも組み込んでいきたいんですが、まだ練習中で…。17-18シーズンは、ジャンプの安定感がとても良かったと思います。(4回転サルコウなどの)大技を決めた後に、ほかのジャンプでミスしないように練習しました。決まった大技をムダにしたくない。後半にミスのない滑りというのが、自分の武器だと思っています

 何度も書いていることなんですが、友野君は、いまの日本男子にいないタイプのスケーターだと思っています。会場を盛り上げられること。しかも、ジャンプのミスがあってもそれを忘れさせるようなエンターテイナーの素質を感じます。

 ただ、それは私の「印象」や「イメージ」だけでなく、実際に昨シーズンはミスを連発して崩れるケースがほとんど無かったですよね。このインタでの発言の通り、プログラムをトータルで安定して滑り切るためのトレーニングを積んでいたようですね。

 新ルールは、いわゆる「ジャンプ偏重」に歯止めをかける狙いがあると見られていますが、4回転に前のめりになっていないのは、ルールも踏まえつつ、冷静に自己分析が出来ているのでしょうね。ミーシャ振付のプログラムも楽しみですし、今季はさらに「名前を売る」チャンスになるはず。頑張ってもらいたいです。

 (2)刑事君インタ

  「(昨季は)体が思うように動かない時期もあった。つらかったことが報われて良かった」

  「(2019年さいたま世界選手権の)代表争いは厳しい。オリンピックの切符を取りにいくくらいのつもりで戦う」

 平昌五輪は18位、ミラノワールドは13位と、靴のトラブルもあって大変でした。ただ、まだまだスケートに対する情熱と、この段階で、さいたまワールド代表入りを目標に掲げているというのは、素晴らしいと思います。

 おそらく今月発売の「クワドラプル」でロングインタが読めると思いますが、羽生君がまだやるのだから、刑事君&龍樹君にもまだまだやってもらわないと困ります。一昨年のNHK杯のように、今年は全日本で3人の共演を見てみたいですね。

 (3)まっちーの書き下ろし連載

 14-15シーズンの彼のフリーの「交響曲第九番」(ベートーベン)を、自ら解説する内容です。いかにも大学院生の書く文章だなぁ・・・としみじみ感じつつ、ただ、こういうスタイルのフィギュアスケート評論って、ジュエルズの「舞台芸術としてのフィギュアスケート」ぐらいしか無いので、これはこれで新鮮だと思います。



 私自身、このフリーはまったく覚えていなかったので、先にプログラム制作の背景の部分だけを読んで、「プログラム自体の解説」を読む前に、動画で演技の方を確認してみました。するとまず、冒頭、なかなか動き始めないのが面白いなと。

  「冒頭、天を仰ぐポジションのまま静止して、寄せては返す波のように徐々に高まっていくオーケストラの音を静かに聴くシーンが、十八秒間続く。そして全ての楽器の音が同調し高められた瞬間、人間の生命力の逞しさを表すような動作が立て続けに展開され、覚醒の時を観る者に知らせる」

 こんな調子で解説がなされています。もう一つ、最後の3Lzを跳ぶ前の両手を広げるポージングがかっこいいじゃん!と、ここもツボだったんですが、次のように論評されていますね。

  「コーラスが最後に『歓喜よ、美しき神々のきらめきよ』と高らかに謳い上げた瞬間、十字架を象徴し、天を仰ぐ振付から、この壮大なプログラムの大団円となるトリプルルッツが繰り出され、畳み掛けるようにしてコーダへと至る。そして、歓喜によって満ち足りた魂を宇宙へと解放するように、右手を天高くへと差し出して、四分五十五秒の時空に圧縮された《交響曲第九番》は幕を閉じるのである――」

 2018年のいま見ても感じるのは、町田君の特徴は、「そこまでしなくても」というコテコテな振付で、世界各国のスケーターを見渡しても、こういう選手は出てきてないですよね。そう考えると、演技の内容とこの文章(つまり彼の性格)は表裏一体というか密接不可分だなぁと感じます。

 最後に、興味深い「分析」でこの書き下ろしは締められています。

  「時々、ふとした瞬間に考えることがある。毎日のように滑り込んでいるプログラムだが、果たしてこれと同様の身体運動が無音の状態でも発揮できるのかということを――。実は未だに試みたことは一度たりともないが、この問いへの答えはおそらく『否』である。・・・2014年当時における私自身の身体能力の限界に挑戦するプログラムでもあり、音楽の存在がどれほど私に力をもたらしてくれたか計り知れない。・・・『音楽』は、演技者を鼓舞し、駆り立て、慰撫し、そして最後まで力強く寄り添う根源的な存在となるのである」

 ここで彼が言ってるのは、「かりに音楽なしでランスルーするとして、試合のようにノーミスできるか?」という話で、彼の場合は「できない」とのこと。

 羽生君だとどうでしょうね。イメトレを世界の誰よりもやるスケーターですから、「できますよ」と答えそうだし、でも、音楽を大切にする人だから、「できないですね」と答えるかもしれない。

 ライターさんや記者さんは、羽生君にイメトレについて質問する際に、ぜひこの点も投げてもらえると、面白い内容になるんじゃないかと思います。

 では、また明日!

 Jun

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