On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:17-18シーズン

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 2018年4月16日発売。税込価格「1,296円」。本誌のバックナンバーのレビューは「こちら」。

 前号は、2月26日に発売された「2017-2018シーズン終盤号」で、「絶対に買ってはいけない」と注意喚起をしました。なぜかというと、N杯練習中の羽生君の転倒写真を7ページにわたって掲載した、あまりに悪質な誌面が一部あったからです。

 ただ、アマゾンでその件を批判しているレビューも見かけましたし、その辺りを肝に命じて、「改心」してくれたのかどうか。以下、「目次」順に記述しておきます。

 (1)華麗なるエキシビション(8~31頁)

 まず、平昌スワンが14ページ。宇野選手を6ページ挟んだ後、EX出演者との記念撮影が4ページ。写真はアフロ中心で、画質が若干荒いです。平昌五輪のエキシビション狙いなら、「Memorial エキシビションSpecial」を購入すべきで、本誌はインパクトに欠けます。

 (2)平昌五輪の舞台裏(32~55頁)

 EX練習、フリー滑走順抽選プレカン、修造さんが司会をさせられた日本選手団帰国報告会などで構成。ここは、おそらく意図的に、羽生君と宇野選手が一緒に写っている写真を集めた作りです。

 私見ですけども、お花畑ファンを横に置いておくとして、ゆづファン的にも、おそらく宇野選手ファンにとっても、これはどちらも幸せになれない誌面ではないかと。

 ゆづファンはゆづを見たい。宇野ファンは宇野選手を見たい。

  二人がセットの写真は極力目にしたくない。

 そこを把握せずに、フィギュアスケート雑誌の編集をするなんて、致命的な鈍感さと言っていい。ミーシャやハビと写るショットもあるけど、他でも見られるしなぁ・・・。

 (3)YUZURU'S FASHION(56~91頁)

 2018年から2008年へと、羽生君の衣装を遡る企画です。CWWで、羽生君が過去の衣装を着て懐かしのプログラムを滑るというのは、公演初日の13日で明らかになったことなので、この企画は偶然の一致というやつですね。もちろん、黒パリ、旧ロミジュリ、悲愴、ツィゴイネの写真をカバーしてはいますが、決して大きい扱いではないので、これらの衣装の細かい部分を、いま改めてチェックするという意味では厳しいです。

 ただ、こちらの企画、昨年のFaOIオープニングなどのショー限定の衣装を着たショットもあり、そして、どちらかというと、ノービスやジュニア時代の写真の方が「主張」しているのかなという印象です。

 (4)結弦とフェルナンデス 真実の友情(92~98頁)

 「タイトルに偽りあり」とまでは言わないですが、基本的にはハビの紹介記事ですね。平昌五輪のプレカンで羽生君と並んだショット(96~97頁)以外は、ハビの写真のみ。冒頭のスーツ姿の写真がかっこいいんですが、右肩の所がページの谷間になっていて、もったいないです。

 (5)WORLD CHAMPIONSHIP(99~113頁)

 申し訳程度の、ミラノワールドのショット集。内訳は宇野選手5ページ、友野君2ページ、ネイサン4ページ、コリヤダ4ページ。簡単なテキストとスコアも添えられています。

 さて、ちょっと言いたいことがあります。この本の不可解な所は、例えば、平昌五輪EX練習時の羽生君の写真(36~37頁)に、「昔は『勝ちたい』とだけ考えていた。それは僕の向上心の源だから。大事にしつつも、試合では『勝ちたい』と『自分に集中』のバランスが大事。自分だけの方法を今回、確立し切れた」(Number 846号)と、引用元までわざわざデカい文字で載せているんですよね。

 「誰それの発言を、出版物から引用する」のは、二次引用や孫引きと言うんですが、それがジュエルズや蒼い炎のような独占インタ的なものから引用するのなら、分かります。

 ただ、本誌のように、そもそも写真重視系の雑誌ならば、巻末にまとめて引用元を明記すればいいだけの話だし、しかも、Numberのこの846号というのは、2014年1月30日に発売された、ソチ五輪前のものです。なぜ平昌で五輪連覇を達成して、安堵の表情でEXの練習をするショットに、ソチ前の発言を添えて「今回、確立し切れた」はないでしょう。

 羽生君は、平昌五輪の大会期間中の会見で様々な発言をしているのだから(YouTubeなどでナンボでも確認できます)、それを聞いて文字起こしすればいいだけだし、もちろん本人の発言なので引用元なんて明記する必要もない。プロの仕事としてどうなの?と言わざるをえません。

 とはいえ、前号のような「ゆづsage」記事は見当たらないし、昔の羽生君の衣装をすばやくチェックできる「YUZURU'S FASHION」はなかなか便利です。ただ、私には「いろんな部分で合わない」雑誌でした。

 明日は、一日遅れますが、仙台凱旋レポートの現地感想記をアップする予定です。お楽しみに。

 では、また明日!

 Jun

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 Continues初日を現地観戦予定なのですが、記事を土曜0時に間に合わせられる自信が無いので、別のテーマでお許しください。その代わりの「暫定版」と言っては何ですが、羽生結弦展のように「現地からのツイ」はする予定ですので、ご覧いただければと思います。

 これまでの、本書のレビューはこちら(「1」「2」「3」)。

 Continues予習として、本書のプルさんのインタを読んでみました。田村さんによる独占インタビューで、場所は昨年10月下旬のニューヨーク。「アイスシアター・オブ・ニューヨーク(ITNY)」出演に際してのもので、プルシェンコが12年ぶりにNYのアイスショーに出るということでした。

 (1)現在の男子シングル

  「今の男子には、お礼を言いたいと思っている。男子のフィギュアスケートを20年分進化させてくれたから。2010年には、誰も4回転ジャンプを成功させていなかったでしょう」

  「今のトップ男子は(アクセル以外)すべての種類の4回転をやるようになった。ユヅは5本。ネイサンは5種類跳べる。ショウマは4本、時には5本。中国のボーヤンもすごい。彼らになら4+4もできるでしょう。ぼくも現役の当時は3アクセル+4トウループもやっていました。今の世代ならもっとできるはず」

 (2)平昌オリンピックの予想

  「ユヅ、ショウマ、ネイサン、ハビエル、パトリックのうち誰が勝ってもおかしくない。でも金メダルはおそらく、ショウマ、ユヅ、ネイサンの間で争われるでしょう。ハビエルも可能性はあると思う」

  「ただネイサンはジャンプの質がすごく優れているけれど、すべてがちょっとコンパクトにまとまってしまっている。比較するとユヅル・ハニュウはすべての動きが大きいです。ハビエルもスケート、ジャンプともすごく質が高い。4回転の種類は少なくても、ミスなく滑ったら優勝のチャンスはあると思う

  「ボーヤン(の金メダル)はおそらくないと思う。彼はとても優れたスケーターだけど、ショウマやユヅとは違ったレベルだから。まずトランジションが圧倒的に足りない」

  「パトリックのスケーティングはぼくは大好き。とてもクリーンで、美しい。すごく自由で滑りが大きい。4回転はトウループだけだけど、決まれば質が高いし」

 (3)ルールについて

  「今の選手には4回転だけでなく、もちろんトランジション、スピンのエッジチェンジも求められる。彼らがやっているのは、新しいフィギュアスケートだと思う。でもぼくに言わせると、もっと時間が必要だと思う。15秒か30秒プログラムの時間を長くして4回転を跳んだら、少し息をつく間が持てるようになる。もちろん身体は疲れるだろうけれど、逆に楽かもしれない

 当然ここで、田村さんは「男子フリーの30秒短縮とジャンプが減るルール変更」について訊いています。

  「そんなことがうまくいくとはぼくには思えない。もっとジャンプ、コンビネーションを増やしていく方向に行くべきだ。フィギュアスケートはバレエではない。もっと激しいスポーツになっていくべきだとぼくは思う

 これについて、少し補足します。昨年4月発売の「Number PLUS(銀盤の革命者)」のインタで、プルさんは「フリーは30秒~1分長くした方がいい。その方が、ポーズを取ったり、表現したり、振付を意識したり、さらにジャンプをするのも楽になるでしょう」とコメントしていました。

 私の解釈では、これだけクワドの進化が進んでいるのに、演技時間が短くなれば、よけい表現・芸術面がないがしろにされてしまうのではないか?、プルさんはそう警鐘を鳴らしているのではないかと。

 本来、フィギュアスケートは技術と芸術の両面を表現するスポーツであり、おそらくプルさんはこれを「バレエとは違う激しいスポーツ」と言い換えているように見えます。フィギュアスケートが、フィギュアスケートとしての体をなすなら、時間がまったく足りないよ、ということなのでしょう。

 平昌五輪は羽生君やハビが出ていたからともかく、ミラノワールドの後、ネット上では「フィギュアが4回転にトライするだけのスポーツでいいなら、スノボを見るわ!」という書き込みを見かけましたし、ガンディさんも「(曲をBGMとして流しているだけに等しいので)振付師は廃業してしまう」とまで苦言を呈していました。

 GOE11段階制導入があまり効果が無ければ、いよいよ技術系と芸術系の2種目分離ということが現実味を帯びてくるのかもしれません。

 (4)4Lzについて

 上記のように、このインタは昨年10月末に行われており、羽生君がN杯で故障する10日前だったといいます。「なぜ、いまや4Lzを跳ぶ選手が何人も出てきたのか?」という質問が投げられます。

  「ぼくも練習では成功していたんですよ。でも当時は、試合では必要なかった。それにしっかり練習するような時間がなかった。1年試合を休んでジャンプの練習に集中したら、できていたと思う」

 ちなみに、プルシェンコの全盛期の「オフシーズン」はどうだったか。アメリカではフィギュアスケートの人気が今よりも高く、「チャンピオンズ・オン・アイス」なるツアーが行われていて、招待されたトップ選手は、世界選手権終了後からおよそ2ヶ月~3ヶ月に亘って、全米ツアーの長い興行に出ていたと、田村さんは注釈をつけています。

  「毎年新しいプログラムを作って競技に出続けていた当時は、本当に時間に余裕はなかった。それでも練習ではトウループ、サルコウ、ルッツ、ループの4回転を成功させました。フリップはついにダメだったけれど。ルッツ、ループ、トウでは、コンビネーションも降りました。・・・(4回転アクセルは半回転足りない)前降りしたことはあります」

  「ユヅルの回転なら、4アクセルを成功させることができるでしょう。彼のスピード、高さなら。でもとても危険ではありますね」

 (5)ハードスケジュールの代償

  「手術を受けたのは15回。お天気が悪いと、その一つひとつの傷をすべて感じますよ。今朝も起きたら、首が回らなくなっていたんだ。枕が高すぎたのかもしれない。マッサージクリームを塗って、痛み止めを飲んでここに来たんです」

  「I need to skate. 滑り続けないと、逆に筋肉が痛む。これからも、エキシビションで滑り続けます。・・・でも競技はもう十分だけど」

 羽生君には、どうか無理をしてもらいたくないですね。ボルトを何本も入れて・・・という状況を、私は想像したくないです

 Continuesのトークショーでは、「ユヅ、いつまで続けるのか?」という話が、プルさんからだけでなく、他のスケーターからも投げられると予想します。羽生君の性格ですから、マスコミ向けとは違った、本音を語ってくれそうです。いまの怪我の状況も含めて、聞いてみたいような聞いてみたくないような・・・、この点については、ちょっと複雑な気持ちです。

 では、また明日!

 Jun

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 そういえば、水曜日の羽生結弦展での行き帰りに、女子カーリング韓国代表の「メガネ先輩」と似た眼鏡をしている女性を、少なくとも5~6人は見かけた気がします。あの眼鏡自体は韓国のメーカーのもののようですが、「似た眼鏡」は日本のお馴染みのチェーン店でも簡単に作れるみたいですね。

 さて、今日は話題を二つ。一つめは、婦人画報で評判の中谷ひろみさんのウェブコラムの第二弾が、4月6日にアップされていました(第一弾については「こちら」)。

 内容としては、婦人画報(5月号)の204~205頁の海外フォトグラファーの証言を補完するものです。

 まったく同じテキストなのかな?と思ったんですが、本誌と照合してみると、表現が多少異なるというだけでなくエピソードが多少増えている証言もあるので、おそらく本誌収録の際に字数の関係でカットしたものを、こちらではそのまま収録したのかもしれません。

 例えば、フランスのジャン・カトゥフカメラマンの発言の中で、マルセイユのファイナルの話がありますが、これは本誌にはありませんでした。ぜひチェックしてみてください。

 次に、Continuesの方に。まず、グッズの通信販売が発表されました。素晴らしい決断ですね。羽生結弦展とは違って、このアイスショーは東京で3日間のみの開催ですし、ライブビューイングの方、テレ朝チャンネル2と契約された方も含めて、この決定は歓迎されているのではないでしょうか。

 ジョニーのツイジェフのインスタを見て、いよいよだなぁ・・・と感じつつ、特にジェフのジャンプ練習の動画をぜひ見ていただきたいです。

 スマホを氷の上(あるいはアリーナ席の床の上)に縦置きして撮っていると思いますが、このように見上げるアングルだと「スクリーンでかいな!」という感じなんですけど、これ、スタンド席からスクリーンを見ると、天井のスピーカーやシルバーの(鉄骨の?)部分がけっこうせり出していて、かなりの部分が隠れてしまうんですよね。この点については、私の全日本現地観戦記もご参照ください(「1」「2」「3」「4」)。

 「羽生君とのトークショー」の時間帯は、おそらくスクリーンに頼ることになると思うので、これがどう影響するのかは、ちょっと気になります。

 (1)新宿から京王線を使う際の注意点

 もう一つ、現地へのアクセスについて。おそらく多くの方は新宿駅から京王線を使って飛田給まで来られると思います。「京王線使い」としてアドバイスをするなら、まず、京王線の新宿駅は、「新宿駅西口のエリア」に位置しています。新宿駅のJR各線のホームから向かう場合、「京王線」という掲示を見れば来られるとは思いますが、「西口方面・東口方面」という掲示の方が目につくかもしれませんので、その際は、「西口」を目指してください。ちなみに、東口は歌舞伎町やアルタ方面、南口は高島屋方面で、京王線のホームからは離れてしまいます。

 また注意点として、「京王新線」の「新宿駅」というのも、京王線新宿駅とは別の場所(地下深く)にあるんですが、こちらを目指してはいけません。いちおう、飛田給方面まで行けなくはないですが、特急・準特急は無いので、乗ってから「この電車、遅いぞ!」と焦ることになります。

 また、新宿駅(→時刻表)から特急・準特急に乗る場合、「京王八王子行き」あるいは「高尾山口行き」に乗ってください。この他に「橋本行き」の特急・準特急もあるんですが、それだと、調布から多摩・神奈川方面に行ってしまいます。戻ってくるのはけっこう大変です。新宿から橋本行きに乗ったとしても、高等テクニック(?)として、調布で降りて、京王八王子・高尾山口方面に乗り換えれば済む話ではあるんですが、新しくなった調布駅はホームが2層構造になっていて、乗り換えで若干分かりにくさがあります。

 ちなみに、Continues開催期間は、「京王八王子・高尾山口」行きの特急・準特急が飛田給に臨時停車する旨が発表されていますが、終日臨時停車するわけではありません。例えば、グッズを買うために早く現地入りするとして、その時間帯は飛田給に止まらない可能性があります。その際は、調布で降りて、各駅停車に乗り換える必要があります。調布から飛田給までは2駅です。

 (2)現地会場へのアクセス

 どれぐらい混んでいるかにもよりますが、どんなにノロノロと歩いても、飛田給駅から会場の武蔵野の森総合スポーツプラザまで30分かかることは無いと思います。スタスタと歩ければ10分前後で到着できます。

 全日本を観戦した際に困ったのが、フード関係なんですよね。代々木で国別をやる時のような出店は無く、おそらく今回も会場内のカフェの一部商品を、テイクアウトで購入することになると思います。私は、全日本の2日目からは飛田給駅の北口を出てすぐの「セブンイレブン」でお茶や食事を買っていました。今回もここで調達する予定です。

 こんな所ですね。グッズの通販実施がアナウンスされたことで、転売屋が離脱してくれれば嬉しいですが、どうなることか・・・。

 では、また明日!

 Jun

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 田村さんの『挑戦者たち』については、すでに二本レビューを書いているので、そちらの方もぜひどうぞ(「1」「2」)。

 なぜこの本をまたご紹介するかというと、「Continuesも、もう間もなくだし、そういえば、この本には、都築コーチの章があったな・・・。読んでおくか」と、開いてみたのです。すると、この章の内容は、都築コーチのパーソナルストーリーではなく、「都築コーチの見る羽生結弦像」でした。

 田村さんが都築コーチを取材したのは、昨年8月17日。羽生君が横浜銀行アイスアリーナでレッスンイベントを行った翌日でした。

 (1)佐野さんへの指導経験が基礎に

  「佐野が誕生していなかったら、羽生(という選手)は生まれていなかったかもしれない。佐野によって、新しいものが誕生した。ある意味で羽生の存在は先輩たちが残してくれた結果が力になっていると思います」

 以前、宇都宮直子さんのSportiva連載の佐野さんについてのテキストをご紹介したことがありますが、都築コーチが佐野さんを指導していた1970年代は、全てが試行錯誤だったといいます。

  「当時の合宿は山梨だったのですが、羽生(の環境)に比べれば何もないところ。その中でしゃにむにやってきた。教える技術も、日本には手本が何もなくて、そんな中で無駄のある練習の仕方をさせました。当時の佐野は1日8時間も氷の上で練習をしていた

  「それに比べると、羽生の練習量はその3分の1。私には佐野の経験があったので、短期間で吸収させることができたんです

 佐野さんに3回転を教えてきたことが、羽生君を指導をする上での大きな基本になったそうです。

  「特に羽生の正確性を持った3アクセルは、彼が小さいときに2アクセルからやったことが基本になった。まあ、一応私が教えたような気がします」

  「羽生が世界に出ることができた武器は、あのすばらしい流れのある3アクセルだった。あれを武器にして、強豪を相手に勝ってきました。それが4回転の基礎になったんです」

  (2)羽生君の技術習得の特長

   「羽生の場合は最初から覚えがものすごく早い、という生徒ではなかった。でもできあがったときは、どんどん並行してほかのものもマスターしていった」

  「羽生は4回転をやるようになってから、あっと言う間に2種類か3種類の4回転ができるようになった。早いですね。その高いレベルに挑戦できるような精神的、肉体的なバランスをとっていくのが課題になると思います」

  「羽生は小さいときから、イメージというものを大事にするスケーターでした。何かを習得するときにはまずイメージ作りをしてから練習をすると、確率の高い仕上がりになるんです」

  「目から入ってくるものを感覚的にとらえて、それを自分の動きに取り入れるような能力を持っているんです」

 子供の頃に羽生君がよく見ていたのが、プルシェンコのビデオ。そして、現役時代のプルシェンコは、驚くほどミスが少ない選手だったそうです。羽生君は繰り返しそのイメージを焼き付けることで、羽生君の中にあったもともとの能力が覚醒していったと、本書では書かれています。

 そして、このイメージトレーニングというのは、平昌五輪を「ぶっつけ本番」で、ベストパフォーマンスを披露する原動力になったのだと、私は思います。当時、プロスケーターや医療関係者は、本番のどれぐらい前に氷上練習を始めて、どれぐらいの時期からどんなジャンプを跳べていないと間に合わない、そんな持論を展開していましたよね。あとは、フィジカルトレーニングやスタミナの話等々です。

 ただ、彼らの口から「イメージトレーニング」という言葉を聞いた記憶が、私にはほとんどありません。リンクの上でやることが練習。バレエレッスンを受けることが練習。ジョギングやエアロバイクのような有酸素運動が練習。しかし、これらを行うにはしかるべき環境が必要です。

 もしかすると、日本のフィギュアスケーターにとって、リンク不足というハンデに風穴を開けるのが、徹底したイメージトレーニングにあるのかもしれませんね。リンクを貸し切って何時間もダラダラと練習できる環境があっても、汚いジャンプをコケてばかりの選手もいれば、一方で、羽生君のような氷上練習を制限された中でも、本番できっちり決められる人もいる。

 リンクはカネがかかる。でも、イメージトレーニングはタダです。羽生君は一刻も早くこのイメージトレーニングの方法を体系化して、しかるべき時期に、ぜひ指導の現場で役立ててほしいですね。オーバートレーニングによる怪我も防げます。良いことずくめではないかと。

 (3)羽生君を王座に導いたもの

  「彼はかなり精神的に強くて、負けず嫌い。負けるということが嫌いな人間です。環境づくりをしてあげれば、必ずできるようになるので、コーチからするとものすごく安心するんです」

  「彼は自分というものを、かなりしっかり持っている。それだけある意味ではコーチから見るとわがままに見えるかもしれないけれど、私から見ると、それは彼が持っている能力。モチベーションがものすごく高いんです。ジャンプにしても、表現にしてもかなりのモチベーションから創り上げてくる。それは素晴らしいものだと思う

 いわゆる、都築コーチが佐野さんに課したトレーニングというのはスポ根的な指導方法なんですが(宇都宮さんの本にその辺りは詳しいです)、イメトレの重要性をこのように語ってくださっていたり、だからこそ、まもなく80歳にして指導現場に立っている理由のような気がします。

 「結弦が怪我がちなのは鍛え方が足りない」なんて絶対に言いません。むしろ取材時の昨年8月、こう心配していました。

  「羽生は(精神的な)強さを持っていると思うんですが、彼の場合は体がダメージを受けるときがあるので、それがぶつからなければ。いつも大会のたびに何かが起きてるから、それがなければいいなと思っています

 恐れていたことが現実になったわけですが、それももう過去の話です。本書の都築コーチの章はわずか20ページほどなんですが、面白い話が随所にありました。もしかすると、Continuesでの佐野さんとのフリートークでは、この辺りのさらなる裏話も出てくるかもしれません。楽しみですね!

 では、また明日!

 Jun

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 税込価格「1,980円」。全96頁。アマゾンでは取扱されておらず、ご注文は「ヤフーショッピング」からどうぞ(※別途、送料全国一律「60円」)。

 ブログ読者のjadeさまから本書についての情報をいただき、入手いたしました。ありがとうございます!

 奥付を見ると、「写真」の欄に、スポニチのカメラマンの小海途良幹さんと椎名航さんのお二人、「構成」に長久保豊さんの名前がクレジットされているので、写真自体は二人のカメラマンが撮影したもののようです。本書の出版までの様子は、長久保さんのツイに少し情報があります。また、スポニチのHPに氏のコラムもあるので、こちらもどうぞ。

 本書の作りについては、まずNumber PLUSのようにカバーがついていて、一枚目の画像はそのカバーの表紙です。本体の表紙は、最後の画像のスポニチの一面。カバーは、Number PLUSのような両面ではありません。

 誌面は、本書のタイトルの通り、純粋な写真集然としたもので、コラム等のテキストは無し。選手の名前と、小さい文字で写真についての説明が付けられている程度です。

 写真の並びですが、さすがに「Memorial」のような「ゆづぶっ通し」というわけではなく、まず1~25頁で、羽生君のSEIMEI・バラ1・表彰式。そこから、6ページを宇野選手の写真が挟んで、32~33頁に、フリー滑走順抽選のショットで羽生君再登場。34~45頁に、ハビ、刑事君、知子ちゃん、花織ちゃん。

 そして、46~59頁が羽生君で、現地空港到着、サブリンク・メインリンク練習、記者会見、EX練習(サブリンク)のショット。60~81頁は団体戦、ペア、アイスダンス、女子シングル。82~87頁に平昌スワン、88~91頁に他の選手のEXショットを挟んで、92~93頁にホタレックさんに担がれての集合写真。94~96頁は成績一覧と奥付です。

 さて、羽生君の写真は何ページあるだろう?と数えてみると、計49ページが羽生君のショットなので、半分強ということですね。これを多いと見るか少ないと見るかは難しい所ですが、羽生君以外の部分はそれほど「宇野成分」は濃くなくて、知子ちゃん、花織ちゃん、かなクリ、みうりゅうは、大きくて良い写真をしっかり収録。テサモエ、サフチェンコ・マッソー、メドちゃん、EXでのトラ柄ザギちゃんが氷上で怪しく寝そべる写真と、今大会のハイライトをしっかり抑えています。

 写真自体はさすがプロの仕事で、羽生君以外の写真もハイレベルなんですが、レイアウトがどこか懐かしさのある「余計な装飾を極力省いた」もので、海外の美術館の写真集のような、そんな雰囲気があります。

 そうそう、一つ気づいたのは、仁川空港到着時の写真って、実はフィギュアスケート専門誌ではあまり収録されていないんですよね。「マガジン」ぐらいかもしれません。フリーのスポーツフォトグラファーはすでに会場入りしていて、わざわざ空港まで戻る余裕はなかったのかもな・・・と。

 もうひとつ、パラパラとめくっていて思ったのは、羽生君の会見時の表情の違いなんですよね。11日に現地入り、12日にサブリンクで練習。13日にメインリンク練習の後に記者会見がありました。この13日の会見時の表情はやっぱり硬いですね。SP後の滑走順抽選やメダリスト会見とは、当たり前なんですけど、はっきり違う。この辺りの気づきがあったのは、個人的に収穫でした。

 以上、羽生君の写真をある程度たくさん収録しつつ、海外のトップ選手もフォローしてあり、今大会全体を写真のみで振り返るという意味で、本書はオススメです。ただ、写真重視系の雑誌はすでにいっぱい出てるし、これからの出費も考えると・・・激推しはなかなかできないのがツライところ。でも、とってもいい本ですよ。

 では、また明日!

 Jun

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