On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:18平昌五輪

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 Sporivaのレビューの続きです。バックナンバーは「こちら」。

 (1)羽生結弦 平昌オリンピック名場面集・イラストに刻まれた平昌五輪の記憶

 平昌五輪での羽生君のショットが21ページ(もちろん全て能登さん撮影)。これに、『東京喰種』の石田スイさんの描いたSEIMEIのイラストも紹介されています。

 「名場面集」に収録された写真の内訳は、バラ1が4ページ、SEIMEIが8ページ(フリー後の表彰式の2ページ含む)、黒のウェアでの練習風景が4ページ、メダルセレモニーが1ページ、スワンが4ページです。「前号」掲載の写真と比べると、大きめのものが多い印象です。前号では時期的に間に合わなかったスワンもしっかり入っています。

 石田さんの描いたイラストはSNSで拡散されて、当時話題になりましたね。私が日常的に見ているSEIMEIのイメージと比べると、ちょっと肩の筋肉がゴリっとしすぎてるかな?という気がしないでもないですが、でもさすがプロの仕事です。

 個人的には、FFシリーズの天野喜孝さんに「また」描いてほしいですが(※「こちら」を参照)、私自身に「FF補正」がかかっているのもあって、この方はかなり個性的な絵を描くので、人によっては「華奢すぎる」とか「幻想的すぎる」と、好き嫌いは分かれるかもしれません。
 
 (2)羽生結弦との対話 折山淑美

 このテキストの主旨は、ソチ五輪の枠取りのかかった13年のロンドンワールドから平昌五輪までの、羽生君への取材を通じて、その都度、立ちはだかった「壁」に対する、彼の「自己分析能力と対応力の高さ」を再評価するというもの。

 けっこうなボリュームですが、序盤のソチ五輪後のインタビューが面白いです。もしかすると「初出」の内容じゃないのかもしれませんが、少なくとも私は初めて知るやり取りでした。

 折山さんがハンマー投げの室伏広治さんの調整方法について話題を振ると、羽生君から非常に興味深い話を引き出しています。

 どんな話かというと、室伏さんが競技生活の終盤に差し掛かった頃、「細心の注意を払っていたのは、日常の練習をいかに万全な体調でやれるか」ということだったようです。

 これに対して、羽生君は以下のように応答しています。

  「室伏選手はハンマー投げというすごく負荷のかかる競技をやっているけど、僕らも言ってみれば同じように負荷はかかっているんですね。ジャンプで着氷するときに、体が受ける衝撃の大きさは、体重の数十倍とか数百倍と言われているけれど、それを知らない人もいると思います。13年世界選手権のあと、僕は1カ月半くらいスケートを休んでいましたが、それが治って久しぶりにリンクに立ったら、1回転ジャンプを降りるだけでも足の裏が痛いし、甲のほうまでビリビリするくらいでした

  「しっかりオフもとって、万全な状態で技術を上げようという意識になりました。一番怖いのは集中力がなくなること。休養をとると技術が落ちるかもしれないと恐れて練習を続ける人もいますけど、僕は技術向上のためにオフをとって割り切ることも必要だと思います」

  「練習でも120~130%くらいの力を出してしまうタイプだから、余計に休養が必要なのではないか。より高度なものに挑戦するためにも、そのあたりは細心の気配りをしながらやらなければいけないと考えるようになった

 繰り返しますが、これはソチ五輪後のインタビューでの羽生君の発言です。この後、オーバーワークによる左足甲の怪我があって、「この通りにできてないじゃん!」と思う一方で、でも、一番大事な平昌五輪の直前に、練習再開時期を慎重に検討しながら、見事に結果も出せて、素晴らしいと思います。

 しかも、一番最後の「より高度なものに挑戦するために」というくだりは、これから4Aに挑戦する上での日々のトレーニングのあり方を想起させてくれますね。

 もうひとつ重要な発言は、「休養を取らずに、集中力を欠いて練習すること」の弊害を指摘している点ですよね。これはフィギュアスケートやスポーツ全般のみならず、勉強法や仕事術に対してもたいへん示唆的だと思われます。

 まぁ、直近のテストで40点もスコアが落ちた私が言うのも説得力が無いですが、TOEICの勉強も、眠くてやる気のない時にむりやり問題演習することが日常化すると、それがクセになって、本番の試験でもそういう「解き方」をしがちで、ボロボロとミスをしてしまう。体調を整えて、しっかり集中して、全力で問題を解くことが大切です。

 「長時間の猛練習」というのが、あらゆるスポーツの現場で未だに美徳とされていますが、おそらく今後羽生君は、そのような誤った考え方に対して、体系立てて警鐘を鳴らしてくれるのではないでしょうか。それが、若くて未来のあるアスリートたちを助けることにもなるはずです。
 
 では、また明日!

 Jun

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 2018年5月10日発売。税込み価格「1,720円」。Sportivaのバックナンバーについては「こちら」。

 久々の雑誌レビューのような気がします。じっくりゆっくり行きたいと思います。まず、前号「Sportiva 平昌オリンピック特集号 歓喜のメモリー」(3月9日発売)は、あくまでも「平昌五輪特集号」という体裁だったので、羽生君どころか「オール・フィギュアスケート」という誌面構成ですらなかったですから、期待外れ感は否めませんでした。

 そこで本号ですが、全編フィギュアスケートの記事で構成。羽生君関連の記事に限っても、全82ページのうち冒頭から55頁までを占めているので、かなり頑張ってくれたと思います。これは買いで良いと思います。

 (1)【特別寄稿】巻頭エッセイ 高山真

 表2(表紙の裏)に掲載。「たったこれだけなの?本当にこれだけ?」と、目次ページとこのページを、何往復かしてしまいました。

 高山さんの著書『羽生結弦は助走をしない』と比べれば、とても平易で分かりやすい内容に留められています。そんな中で、「上手く書くものだなぁ・・・」と感心したのは、平昌五輪のSEIMEIについての、次の描写。

  「フリーの前半の完璧なジャンプからあふれ出た美しさと、後半のこらえたジャンプに炸裂した意地。どこまでも精緻でありながら、その精緻さを突き破るような気合を感じた」

 最後の3Lzのことを言ってるわけですが、高山さんって、批評はしても悪口になるようなことは絶対に書かない方なので、見習いたいなぁ・・・と思います。

 世の中に、ぴょん落ちならぬ「Continues落ち」なる方がいるかどうか不明ですが、テレ朝チャンネル2での「CWW完全放送」も始まりましたし、あのショーで披露された羽生君の過去の名プロをより深く理解する上で、『羽生結弦は助走をしない』はとても良い本です。私も記事の中で何度かご紹介させていただきました。

 (2)【特別付録】 羽生結弦ピンナップ

 両面ピンナップです。いずれもCWWのショットで、表がツィゴイネの衣装、裏がフィナーレ時の白の衣装です。

 いい写真だなぁ・・・としみじみ思いつつ、「そういえばSportivaに、ポスターってついてたっけ?」と本棚を漁ってみると、実はかなり久々だということが分かりました。

 少なくとも私の所有しているSportivaで言いますと、「羽生結弦から始まる時代」(15年4月)、「羽生結弦 新たなる飛翔」(15年10月)、「羽生結弦 Over the Top その先へ」(15年12月)の3冊のみでした。

 それ以降のSportivaは買い逃していないはずなので、約2年半ぶりのピンナップ復活ということになりますか。本号限定かもしれませんが、「大人の事情」を忖度せずに、ゆづ推しを堂々と誌面で表現してくれるのは、嬉しい限りです。

 (3)Parade in SENDAI / Continues ~with Wings~

 凱旋パレードの写真が6ページ、CWWの写真が3ページ。CWWの写真が両面ポスターを含めると5ページという換算になり、もうちょっと欲しかった気もしますが、まぁ、愛蔵版ブックを待ちましょう。

 凱旋パレードの写真は、表紙からもお察しのように、もちろん能登直さん。凱旋カーに乗り込んだ「選ばれしカメラマンの一人」でしたから、車の上で羽生君を至近距離から捉えたショットが完全に主役です。

 そういえば、地上波番組の編集作業をする中でも気になっていた、凱旋カーに乗り込んでいた例の女性スタッフ。無線(?)のようなもので指示を出していた赤いベストの彼女も収まっています。とはいえ、彼女が何者なのかは、分からないままですが・・・。

 折山淑美さんのテキストが1ページありますが、彼はCWWだけでなく凱旋パレードも取材したようですね。両イベントの様子と羽生君のコメントがコンパクトにまとまっていて、非常に読みやすいです。


 自分も現地(123)で見たCWWの放送をこれからチェックしたいので、今日のレビューはこの辺りで・・・。

 その代わりに、オマケを一つ。何度か通ったことのある場所なんですが、ビックリしました。JR相模原駅近くの「鳥忠さがみの亭」というお店です。まだ国民栄誉賞は正式に決まったわけではないけど、このアバウトさがいいじゃないですか(笑)。このガラス越しに、大将と思しき方が串を焼いていました。夜、これを見かけていたら、ノリで一杯・・・となっていた所です。

 では、また明日!

 Jun

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 ジュエルズの最新号の続きです。バックナンバーのレビューは「こちら」で。

 この雑誌の羽生君のインタでは、取材者のクレジットが無いんですけど、いつも質問が的確でありつつ、他誌ではまず読めないようなデリケートな部分にも踏み込んでくるので、

  もしかすると取材者は存在しなくて、羽生君の自問自答なんじゃないか?

 とさえ感じることもあります。今回取り上げる箇所は、「CWW」という名前こそ出ませんが、CWWに「関連」した部分がやはり気になりました。

 このインタビューが行われたのは「平昌五輪から一ヶ月後(3月下旬)」で、しかも「スケート靴は一度もはいていません」と羽生君が発言していますね。ところが、こんな発言もあります。

  「先日、小さい頃から今までの演技を見直そうと思って(映像を)見ていたのですが、ケガをしている時の方が頑張っているんですよね。窮地に追い込まれている時の方がいい演技をしているのかなと思います」

 テレ朝の関係者とCWWの準備を五輪直後から(靴をはける前から)進めていたと、何日目の公演か忘れましたが、確か羽生君がそう話していた記憶があります。もちろん、「滑るつもり」じゃなきゃ、過去の映像を見るわけがないですよね。

 そう考えると、3日間で9つのプログラムを滑るための準備は、実質半月ほどで仕上げた、ということになりますか。ただ、スケート靴をはかない時期に、それこそ「綿密なイメトレ」で、何をやるべきかしっかりと固めていたのだと思います。

 そして、このインタの最後の部分はとても印象的な発言で締められています。

  「ファンの皆様それぞれに、僕を応援してくださるようになったきっかけの演技があると思うんです。たとえば、ソチオリンピックの演技だったり、ニースの演技だったり、ノービス選手権の演技だったり……。それぞれいろいろなものがあると思うのですが、今まで見てくださって本当にありがとうございます」

  「今回のオリンピックを見て、これからもしかしたら過去の演技を見てくださる方もいるかもしれませんが、ノービスのころからのファンの方は僕の全部のスケートをご存じで、その全部のスケートを好きになってくださっているのが、すごくありがたいなと思っています。プログラム一つひとつにいろいろな思いがあるので、それをちゃんと見ていただけて、とてもうれしいです

 CWWを堪能した後にこの文面を目にすると、もどかしさもありつつ、ただ、この発言は、CWWのことだけを言っていないような気もします。

 あくまでも、私の願望に基づくわがままな推測です。個人的に、羽生君には、他人がやったことのあるような有名曲を、もうプログラムに選んでほしくないんですよね。フィギュアスケートの「王道曲」ではない、マニアックな曲をチョイスしてほしい。ただ、その点、ジェフの「引き出しの豊富さ」を皆さんご存じでしょうし、私もあまり心配していません。

 一方で、羽生結弦というスケーターの中に「生き続けてきたもの」あるいは「受け継がれてきたもの」を堅持してほしいという気持ちもあります。それは、パリ散やM:I-2のようなロックなのか?ロミジュリやオペラ座のような映画(舞台)音楽なのか?そう考えると、今回のCWW用に採用した、少し昔のプログラムを新シーズン用に作り変えるというのも、あるのかもしれない。

 そこで、FaOIの出演決定が意味するものは何か?つまり、FaOIで何をやるの?ということなんです。さすがにスワンは無いだろうな・・・と思いつつも、せっかくCWW用に準備をしたんだから、ジャンプ入りでどれかやってくれるのでは?と。

 CWWで、ジャンプを今にも跳びそうでヒヤヒヤしたといえば、ツィゴイネとロミジュリでしたが、個人的に見たいのは、悲愴です。成熟した大人の男性となった、いまの羽生君が演じても、十分に釣り合いが取れている曲調だし、新しいファンにはあまり馴染みのない曲でもあるので。

 では、また明日!

 Jun

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 2018年4月28日発売。税込み価格「1,836円」。バックナンバーのレビューは「こちら」。

 この雑誌は、事実上「羽生結弦オフィシャルブック」と言っても良い内容で、いわゆる「ぴょん落ち」という方であっても、ぜひ、3月に発売された「フォトブック」と本書を「基本文献」として持っておいてもらいたいですね。

 まず、写真やポスターについては、いちいち注釈をつける必要のないさすがのクオリティ。すべての写真が田中宣明さん撮影のもので、統一感がありつつも、例えば、メダリストセレモニーやEX練習のものは、「こんなのあったんだ!」という意外性のあるショットが随所に見られます。他誌になると、アフロから写真を「借りて」雑誌を作っているので、「これ、どこかで見てるなぁ・・・」という写真被りがけっこうあるんですよね。

 さて、今日は羽生君のインタに集中します。しかも一点のみ!ジュエルズに掲載される羽生君のインタは独占取材なんで、すなわち彼の生の声なんです。だから、とことんまで彼の発する言葉の意味を考えてみたくなるんですよね。

 今回、興味深かった話は、「肉体的に調子が良い時に、良い精神状態で演技できるわけではない」ということです。つまり、「ケガしている時の方が、良い演技ができている」とのこと。

 なぜ、肉体的に調子が良い時は、良い演技につながらないのか。

  「たぶん、調子のいい時って自分の平均の実力よりも高いところにいるので、その高いところからさらに高いところをめざしてしまうから変な力みになって、崩れていくのかなって思います

  「自分自身で追い込むのも大事なんですが、その追い込み方がハイレベルになってしまうのかなと思います。平均値よりも上の状態から追い込むから、肉体的に限界なのかな?自分の実力ギリギリの限界を目指しすぎてしまうのかなと思います

 このインタの中で、「調子が良かった」のが、昨年のロステレ杯の時という話でした。ロステレといえば、フリーで4Lzは成功しましたが、SPはジャンプにミスがあって出遅れましたし、フリーも細かいミスがいくつかあって、ネイサンに負けた試合です。

 おそらく試合前の調整は上手く行っていて、フリーの構成は5クワドで臨んでいました。このような時に、コーチの存在が必要なんだと思います。例えば、練習で4Lzを成功して、フリーのランスルーでも5クワド構成をノーミスできていた、と。しかし、それを試合でできるかどうか、選手本人の性格面も考えつつ、構成を最終的に決定するのでしょう。・・・そこで、ふと思ったのが、練習でめちゃくちゃ選手を追い込んで、試合の構成はやや落とす「エテリ組」なんですけど、羽生君が言ってるのは、その考え方ともちょっと違う気がします。

 ところで、すげーレベルの低い話で恐縮ですが、私は、暇な時に「ぴよ将棋」というスマホの将棋アプリとよく指すんです。で、先日レベル13「ひよな」(初段)に勝利しまして、なんだ俺は初段以上か!と思っていたら、翌日ボロ負け。さらに、連戦連敗。で、以前勝てていたレベル12「ピヨ郎」(1級)にも勝てない。レベル11「ひよえ」(2級)にも負ける。もう将棋なんてやめてやろうかな!と思いつつ、レベル10「ピヨ士」(3級)に快勝。

 これが何を意味するのか。自分にとっての「発見」は、一度でもレベル13に勝てれば、レベル12以下に毎回勝利できるわけではないということ。調子によっては、レベル10でも大接戦になるし、レベル13相手にまぐれで一発入るときもある。そのような3~4レベルの間で、自分の好不調の並も影響しつつ、勝ったり負けたり推移しているのです。ちなみに、最高レベル30の「ピヨ帝」(六段)はめちゃくちゃ強くて、これに勝てると将棋のアマチュア大会で、県代表クラスの実力と言われています。

 ちなみに、将棋の話をしたのは、まったく無関係ではなくて、実は、私が提言したいのは、

  現役選手がフィギュアスケートの解説をすること!

 ということなんですよね。将棋番組の解説というのは基本的に現役のプロ棋士の仕事であって、唯一例外的に、引退したひふみんが呼ばれることもありました。

 対人競技の将棋でさえ、プロ棋士が解説をしているのだから、自分が良い演技さえすれば相手関係なく勝ち負けが決まるフィギュアスケートでできないわけがない。

 例えば、羽生君が出場しないGPシリーズの試合について、羽生君が解説するということは、不可能ではない。自分がテレ朝の関係者なら羽生君を説得したいですね。将棋界、つまり羽生竜王でも普通にやってることなんですよ!と口説きたいです。

 話を戻して、「好不調云々」の件をフィギュアスケートで言うと、どうなのか。4Lzや4Loを跳べる人なら、毎回4Tや4Sを成功できるかというと、そうとは限らない。しかも、羽生君の場合、難しいジャンプを跳べているようなイケイケの時ほど、逆に力んでしまってミスが出てしまう、と。

 今回の平昌五輪は、巷では、「怪我で構成を落として安全策で臨んだから、勝てた」というような話になっていますよね。

 で、もし怪我をしていなければ、4Lzは分からないですが、4Loを入れていた可能性はかなり高いかもしれません。ただ、両方とも入れずに今回と同じ構成だったかもしれません。

 今回の話の面白いところは、足首の不安のまったく無い状態で、バラ1・SEIMEIを今大会とまったく同じ構成で挑んだとしても、今大会以上の演技ができたかどうか分からない、という点なんです。

 もちろん、「ケガをしている時の方がうまくいっている」というのは、羽生君は半分冗談で言っているはずで(ボストンワールドなんてやっぱり厳しかったじゃないですか)、ケガを抱えていながらもうまくいった試合での「自身の精神状態の分析」を、これからの重要テーマにしていくのだろうと思います。それは、単にリハビリ期間の具体的なトレーニングメニューが良かったからか、あるいはケガをしている時に特有のルーティンを何かやっていたのか、おそらくノートにたくさん書き留めていることでしょう。

 これから彼に取材する記者さんたちには、「ケガをしていた時の羽生結弦」にメスを入れる作業をぜひやってもらいたいです。私も、書籍・雑誌等から、そのヒントを探してみようかなと思っています。

 では、また明日!

 Jun

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 昨日につづいてWFSのレビューです。今日も、平昌五輪のジャッジの証言企画です。

 ―― 小塚あゆみさんは、今回女子シングルのショートプログラムでジャッジを担当しました。金メダルのザギトワと銀メダルのメドヴェージェワのフリーは同点。結果的に、ショートプログラムの得点が勝敗を分けました。

  「ショートプログラムでは、じつは私はケイトリン・オズモンド(カナダ)がいちばん素敵に見えました。パワーがあって、スピードも高さもあって、かつ美しさも持ち合わせている。とくに『パリの空の下』の曲想にマッチした演技に高いインタープリテーション(※10.00)をつけました」

  「ロシアの2人は、ジャンプが素晴らしいと思いました。メドヴェージェワ選手は、表現力が高いと思いますが、復帰後は以前より少しスピード感が欠けているように感じました。昨季の世界選手権の頃は、全体的にもっと流れがあった。転ばないためかわかりませんが、セーブしているように見えました」

  「ザギトワ選手は、プログラムに振りを詰め込みすぎかなという印象を私は受けました。彼女のすごいところは、スピードがそれほどでもないにも関わらず、高さと幅のあるジャンプを跳べること。これは他の人にはない能力です

 →→おおむね同感です。ケイトリンについては、あのSPは昨季から安定しているので、特に五輪の演技が素晴らしいとは思いませんでした。メドベについての「スピードが足りない」という指摘は、やっぱりそういう風に見えるよね・・・と思いつつ、私自身は、ジャンプを恐る恐る跳んでいるように見えました。それは、すなわち「スケーティングのスピードが出ていないから」ということなのかもしれません。

 スケーティングについては、ザギはメドベに比べてまだまだ、という評価はいろんな所で目にしましたけど、「スピードが無いのに、ジャンプが上手い。それは他の選手にはない」という見立ては、なるほどという感じです。ザギは、ジャンプの上手さでスケーティングをカバーしているということなのでしょう。

 ―― 宮原選手は団体戦のショートで回転不足判定を受けましたが、個人戦ではクリアして、ショートもフリーも見事な演技を見せ、4位に入りました。3位のオズモンドとの差は、どういったところにあるのでしょうか。

  「今季宮原選手がすごく進化したのはスピード感が出たところだと思います。スポーツとしてのフィギュアスケートは、やはりスピード、パワー、高さ、美しさなどがポイントですが、宮原選手もオズモンド選手も、スピードに乗っていてスケートが上手。でも、パワーに関して言えば、オズモンド選手が圧倒的でした

  「表現に関しては、カラーが違うので比べられませんが、どちらも優れていると思います。宮原選手はより緻密にすべてをパズルのように組み合わせていいものを作り上げている。オズモンド選手は、ときどき雑さがありますが、それが彼女のキャラクターとして許されてしまうような人間くささがあります。これから宮原選手には、作り込んだ世界だけでなく、同時に彼女自身の内面を見せてほしい。もっと感情の起伏や心の揺れを見せてほしいなと思います

 →→知子ちゃんとケイトリンの比較は興味深いですよね。特に知子ちゃんについて、「緻密でパズルのよう」というのは、実に的確だと思います。

 これまで彼女がを「ミス・パーフェクト」とマスコミが評していたのは、ジャンプで転倒しないという部分を言っていたんだと思いますが、この17-18シーズンの彼女のパーフェクトな部分は、振付を正確に表現し、スピンやステップで取りこぼしがない点に尽きると思っています。

 しかし、「感情の起伏や心の揺れ」というのは、難しい注文ですね!このケイトリンとの比較から感じるのは、知子ちゃんの「完璧すぎる」ところが「人間味のなさ」と受け取られてしまうのか?という気がしないでもないです。

 ただ、これはSPとフリーの選曲を対照的なものにすることで、多少クリアできるのでは?と思います。「SAYURI」と「蝶々夫人」というチョイスは、日本人目線で言っても「ややかぶってない?」という部分はあったので。

 選曲ということで言えば、例えば、紀平梨花ちゃんの17-18シーズンは上手く選んだなぁ・・・と思っています。「道」は、フィギュアスケートのプログラムとして実績のある曲であり、他方で、「カンフー・ピアノ」は新しく実験的な音楽で、振付も個性的でした。同じ濱田門下ですし、しっかり相談して、面白いプログラムを見せてほしいですね。

 ―― 坂本花織選手も6位と健闘。2枠を巡る熾烈な闘いを勝ち抜き、初出場を果たしました。

  「宮原選手と坂本選手の2人は、グランプリシリーズのスケートアメリカで一緒だったんです。私はチームリーダーとして帯同していましたが、宮原選手が優勝、坂本選手が初めてグランプリの表彰台にのぼりました」

  「あの試合で、坂本選手は変わったなという印象があります。全日本で2位になっても驚きませんでした。ただオリンピックはとても大きい舞台なので、団体戦のフリーのときは、浮き足立って見えました。ところが、団体戦のあと一度リセットして個人戦に戻ってきた坂本選手は落ち着いていました。日本女子は普段から競い合っているためか、やるときはちゃんとできるんだと思いました。欲を言えば、彼女はもっとできると思いますけれども」

 ―― 平昌オリンピックを経て、日本の女子のこれからについては?

  「今回はロシアに勝てませんでしたが、でも勝てないとは思っていません。3回転+3回転のコンビネーションをかなりの国の選手が跳べるようになっていますが、試合でミスしないレベルを保っているのは、世界中を見渡しても、ロシアと日本だけだと思うのです

  「ロシアの選手たちは、15歳や17歳、18歳でもう1つ上のランクの表現ができています。宮原選手を除いて話すと、次に続く若い選手たちが今、大人のスケーターに変わるところにきているのかなと感じます。彼女たちはプログラムを海外で作りはじめたり、自分たちのいいところを引き出してもらえるようになってきている。もしかしたら、これまでの目標は『エレメンツを決めること』と低かったかもしれませんが、これからは自分のいいところを認識して、それを伸ばしていくべきです」

  「ロシア勢が素晴らしいコーチとコリオグラファーで、得点を叩き出しやすいプログラムを作ってきますが、どれも似たように感じられることもある。日本の選手たちが個性をもっと出して、その個性が優ってくるようになれば、勝つ可能性は十分あると思うのです」

 坂本さんが個人戦で切り替えられたのは、日本国内での女子のレベルの高さ、つまり全日本で修羅場をくぐってきた経験も生きているでしょうね。男子の場合、そこまで代表争いは厳しくないですから、大舞台で崩れる時は崩れてしまう。女子に比べたら競争は無いに等しいので、トップ選手個々人の能力に頼っているという状況ですね。

 女子シングルにおける、ロシアと日本の「差」について、例えば、トゥルソワやシェルバコワがシニアに上がっても、クワドを跳びまっているかどうかは未知数ですから、やはり3回転+3回転が中心になると私も思います。

 「ロシアの素晴らしいコーチとコリオグラフィー」といっても、日本よりはっきり強いのはエテリ組の選手ですから、それ以外のロシア選手との比較で言えば、日本はぜんぜん負けてないですよね。少なくとも、知子ちゃん、新葉ちゃん、舞依ちゃんは真っ向勝負できる実力の持ち主ですし、シーズン前はむしろ実力的に1ランク落ちると思われていた花織ちゃんが、これだけ戦えました。来季は梨花ちゃんも上がってきます。

 そして、この5人に限っても、それぞれの持ち味、「これが樋口新葉だ!」「これが三原舞依だ!」という個性を、すでに見せてくれていると思います。さらに4年かけて、その個性をより確固としたものに進化させてくれると期待しています。

 新シーズンのプログラムは、例年通りだと、DOIからお披露目ですから、7月あたりから、そういう話で盛り上がってくることでしょう。ジュニア、シニアともに、どれだけロシアと戦えるか。2022年まで、4年がかりの日本女子のテーマになると思います。

 では、また明日!

 Jun

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