On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:4回転ルッツ

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 2017年8月23日発売。おそらくこれから読まれる方もいらっしゃると思うので、以下の記事は、本誌の「冒頭~49頁」までの内容を含んでいます。ご注意ください。

 まず、ポスターについて。両面ポスターが2枚。1枚は、表裏が今年のFaOI幕張で、フィナーレとバラ1です。もう1枚は先日のトロント取材で、表はANAの白のウィンブレを着てスーツケースを引く様子、裏面は表紙の白Tでの別ショットです。

 さて、本誌20頁にもある通り、公開練習の1日目、文字媒体の記者たちに、以下の取材予定表が配布されていました。

 <1日目>
 ・11:00-11:15 トレイシー・ウィルソン会見
 ・11:20-11:50 ブライアン・オーサー会見
 ・14:30-15:30 羽生氷上練習
 ・15:45-16:00 シェイリーン・ボーン会見
 ・17:00-18:00 羽生氷上練習
 ・18:15-18:50 羽生会見

 いつもの私だと、「マガジン」は、頭からそのままひたすら読みふけるんですけど、冒頭の「完全収録」は20頁で一度ストップして、先に3人の関係者のインタを読んでから、「完全収録」に戻ってみました。トロントに押し掛けた取材陣の気分を少しでも追体験したかったからです(笑)。

 今日は、個人的に大注目だった、2つのポイントのみ取り上げてみます。

 (1)SEIMEIにいつから取り組んだのか?

  「ユヅルは4月の国別対抗戦の直後にはトロントに戻ってきて、シェイリーン・ボーンと振り付けをし、それからファンタジー・オン・アイスのために日本に戻りました」(ブライアン、36頁)

  「確かあれはワールドの1カ月後だと思います。『SEIMEIを滑ったらどうか』と勧める手紙を書きました。オリンピックにぴったりだと思ったのです。その後、彼の選択を知り、とてもうれしく思いました。正しい方針だと思います」(シェイリーン、42頁)

  「フリーに関してはもう最初から、先シーズンに入る前から『SEIMEI』を使おうと思っていたので、もう全然迷いなく、今シーズンに向けて本当にあっためといた…というような感じです」(ゆづ、21頁)

 →→FaOIでバラ1の発表があったわけですけど、その前にもうSEIMEIの振り付けに取りかかっていたわけですね。じゃ、国別の後、バラ1に取り組む時間ってどれぐらいあったの?と、むしろそこにビックリです。

 シェイリーンの言う「ワールド」がヘルシンキのことだとすると、「手紙を書いたのがその一カ月後」というのは、ブライアンの言うSEIMEIの振り付けに取りかかった時期とやや合わない気もしますが、その辺りは、二人の記憶や翻訳の問題等による「微差」ということで理解しましょう。

 しかし、けっこうギリギリの依頼なんですね。そうなると、ジェフが「バラ1再登板を知った時期」についても興味がありますが、これは他誌で明らかになることを期待します。

 (2)4Lzについて

  「すべての選手は、私の12歳の生徒もそうですが、みんな新しいジャンプを試し、練習しています。ユヅルは、それがクワドアクセルであろうとクワドルッツであろうと、もちろんいつも新しいジャンプを試しています。クワドフリップはあまりたくさんはやりませんが、もちろんループは素晴らしく、今はとてもうまくいっています。夏のトレーニングの間に、実験的に練習するのは普通のことで、さあ、クワドルッツをやってみよう、クワドアクセルをやってみようという感じですね」

  「というわけで、新しいジャンプをどうするかを決めるまであと2週間ほどあります。また、2月にはオリンピックでどうするかを決めなくてはなりません。どこかで、ジャンプ構成について決定をしなくてはなりません

  確定していることは何もありません。何より、私というよりユヅルの問題なのです。さっき言った、ルッツやアクセルといったジャンプも試してはいます。賢く、戦略的に考えなくてはいけません。重要な年ですし、4回転ルッツやフリップを跳ぶスケーターは他にもいるので、必ずしも我々がやらなくてはいけないわけではない。もっと別に戦える部分はたくさんあると考えています」(以上、ブライアン、36~37頁)

  「『ピ~ウィ~~~』という笛の音がリンクを包む。2シーズンぶりの『SEIMEI』イントロに記者たちは前のめり。羽生はつなぎの部分をチェックしつつも、ジャンプは一度も跳ばずイメトレに終始する。その中には、4回転ルッツと思われる動作も。記者たちは『あるな、これ』『2回目の練習で跳ぶかもしれませんね』とザワつく」(8月8日の氷上練習、15時21分、20頁)

 ―― 4回転ルッツを入れるかどうかが注目されていたのですが。

  「ま、跳べますし。練習でもそこそこ練習していますけれども、でも、今は考えてないです。とりあえず今はこの構成でしっかりきれいにまとめること…きれいにまとめるって言っても、きれいにって言っても、後半3本跳んでるし、去年よりも構成は確実に上がってますし、そういった意味でもまずは、1つの攻めをしっかり確立させたいなと思っています」(ゆづ、21頁)

 →→4Lzについて、というか4Aについてまで、ブライアンが饒舌に語っていたことに驚いています。さすがに「あと2週間ほど(8月中)」で4Lzの投入に踏み切るとは思えませんが、ブライアンと羽生君の発言にやや温度差があるのは、興味深いですね。

 ブライアンは、「まだ決めていないが、ユヅル次第」と、その可能性を排除していないのに対し、当の羽生君は「跳べるけど、いまは考えていない」とピシャっと答えています。同じことを言っているようで、やはりちょっと違う。

 去年の4Loをめぐる二人の見解と比べると、はっきり違いますよね。ブライアンは「本人がやりたいと言ってるから、やらせてるよ」という感じでしたが、羽生君自身は、おそらく4Tを制限されていた焦りもあったのか、「(試合で下りたら世界初だし)何が何でも実戦投入できるレベルまで精度を上げてやる」という感じでした。

 二日間の公開練習の中で、4Lzについては、結局上述の一日目の15:21の「動作」のみだったようですね。現段階での精度についてはまったく読めません。ただ、シーズン前半に「予定構成のノーミス」を達成した際のスコアの出方を見て、それでもライバルとの争いが接戦だった場合に、秘密兵器として五輪までに仕上げる、というような位置づけかもしれません。

 最後にもう二つだけ。毛受亮介カメラマンの、「なんや、想像していたよりちっさいやんか…」(49頁)という、初めてクリケットクラブを見ての、率直な感想が新鮮ですね。

 そして、共同通信の吉田学史記者の短くまとまったリポートの中で、目を引く記述(46頁)がありました。

  「五輪シーズンは初戦から『今季の羽生』をアピールする必要がある。見る者の主観も無視できない採点競技のフィギュアでは、本番で一度、最高の演技をするだけでは物足りない。ジャッジにシーズン序盤からいい印象を植え付け、自身が王者であることを示し続けることが大事なのだ

 →→「見る者」とは、一見すると観客やテレビ視聴者などを指すぼやかした表現のようでいて、当然ジャッジのことも含まれていると読み取れます。つまり、彼らの採点には主観も入っていると言ってるわけです。かなり踏み込んでくれていますね。昨日の記事で私がぶちまけた不満を代弁してくれているようで、嬉しく思いました。

 では、また明日!

 Jun

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 「〔フィギュア〕羽生が感謝の舞い 震災時、救ってくれた横浜のリンクで」(中日スポーツ 2017年8月17日)

  「久々に再会したというこの日は2人(都築章一郎コーチと羽生君)で談笑。『羽生は「4回転ルッツができるようになったから、どこに入れるか自分なりに考えている」と言っていた』と今季の新技投入も示唆されたようだ」

 先日のクリケットでの会見で、こんな話は出なかったし、もちろん公開練習でも跳んでいない。これほどの大ニュースを、名古屋を拠点とする中日スポーツの記者だけが、都築先生からコメントを取れるって、本当かな?という感じ。

 かりに、これが中日スポーツの創作だとしたら、はやくも情報戦が始まっているわけですね。

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 今日も「SEIMEI 応援企画」の2回目です。バックナンバーは「こちら」で。

 SEIMEIをどのような意図を持って作りあげていったのか。今回は、羽生君の発言に注目してみます。『蒼い炎II』から見ていきましょう(221頁)。

  「今シーズン、何か挑戦というか、自分の幅を広げてみようかなという感じがありました。自分に合う曲がないかなといろいろ聴いたり考えたりしているうちに、和モノがいいと思っていろいろ探して、海外の方も観られるものがいいなと、映画の曲にしました

  「あえてローマ字表記にしました。『SEIMEI』って、安倍晴明のことでもありますし、いろんな意味がある。いい響きだなと思ったので、いろんな意味を込めて。すごく日本人的な考え方かもしれないですけど、タイトルとかテーマとかって、そのシーズンのすべてになったりもするので、(いい響きで)いいイメージを持たせるようにという意味もあります」

 この二つのパラグラフの引用は、あえて順番を入れ替えました。一度読んだはずの内容もけっこう忘れているもので、最初から「和モノ」と決めていたわけではなく、「自分の幅を広げてみる」という発想から、結果的に和モノに到達したというのが、まず抑えておきたい点です。

 これはディスりではなく、フィギュアスケートの世界のある種の「文化と伝統」だと思っているのですが、フィギュアスケートの特にシングル曲は、「定番曲の使いまわし」が多いなと。

 誰のどのプログラムとは言わないけど、「あなたもコレをやるの?」というのが、来たるオリンピックに向けた新プロの発表では、本当に多い印象です。

 もちろんかつての羽生君で言えば、ロミジュリやオペラ座もそうです。使いまわしというか持ち回りというか、「どうして同じ曲ばかり?」という素朴な疑問が私にはあります。

 「同じプログラムを2年続けてとか、数年空けて再演」ということが話題ですが、でも、「俺はショパンしかやらない!」「ただし、同じ曲は二度と使わない!」というスケーターがいないのも、また面白い。

 そんなことをあれこれ考えながら、ハッ!と気がついたのは、

  だから、ホプレガは不当なほど評価が低かったのかな・・・

 ということでした。つまり、フィギュアスケートのジャッジの方々は「音楽の許容範囲」という意味ではきわめて保守的で、「聴いたことのない音楽の良し悪しを判定しづらい」というのが、暗黙の了解としてあるのかもしれません。

 いくら日本では有名とはいえ、久石さんの曲を外国人に正確に評価しろというのは、やはり無理がある。例えば、蕎麦やうどんについて饒舌に語り絶賛する外国人がいたら、「おまえホントにわかって言ってんの?」と、私なら思っちゃうからなぁ・・・。

 そこには、「個人的な主観が入りにくい」というメリットもあるのでしょうが、当然ながら、スケーターたちの選曲が定番曲に集中してしまう。よほど、ライバル選手を技術的に圧倒するような構成で、しかも完璧な演技を見せないと、「選曲の時点で不利になる」というのはあるのかもしれません。

 そう考えると、『SEIMEI』というタイトル、たとえ日本の音楽を使うにしても、「海外の方も観られるように、映画の曲にした」という配慮は、カナダを拠点にしているからこそ沸いてきたアイデアといえるでしょうね。

 シェイリーンとのプログラム作りの過程を羽生君が語る部分も、それこそ「ホプレガの件」を踏まえて今改めて読んでみると、興味深い「狙い」が随所に込められていることに気づきます(221~222頁)。

  「僕だからできる繊細さとか和の力強さとか、和の線の使い方とかあると思うので、僕らしいプログラムになればいいなという思いです。あとは、4回転を3つ入れるつもりですので、それもまた自分にとっては挑戦じゃないかなと思います」

  「日本人ではなく(カナダ人の)シェイに『SEIMEI』を振付てもらうことで、世界の方々から見た日本の素晴らしいところをピックアップしてもらえます。狂言や能など日本の伝統芸能をシェイと一緒に観て、いろいろ調べながら振付を一緒に作りました。狩衣(かりぎぬ)のような和服イメージの衣装なので、手の表情や手の動き、手のラインや身体のラインとかで、日本らしい動きを演技に取り入れていけたらいいなと思います。狂言や能には、飛んだり跳ねたりというものだけでなく、姿勢をブラさずに流れるように歩いていくところもあります。その流れ方とか滑らかさが、ちょっとスケートにも通じるところがあるのかなと思っています

 日本の伝統芸能について深く研究しただけでなく、しかし同時に、そこから「ピックアップするもの」については、あくまでもシェイリーンの感性に委ねる。

 「自分の幅を広げる」「挑戦する」としながらも、「国際試合で勝つためのプログラム」として演じるものだから、当初からはっきりとジャッジの目を意識して、そこを狙っている。本当に周到に準備されたのだなぁと。

 将来的に、プロスケーターとしてアイスショーで披露することになる『SEIMEI 3.0』は、そのような「制限」を外した、もっと日本的なものを大胆に取り入れた形になる、そんな気がしてなりません。

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 ちなみに、『王者のメソッド』(286頁)には、和モノの曲のどれかを選ぶ中で、大河ドラマの曲も聴き比べていたこと、映画『陰陽師』は英語版も公開されていること等の情報もありました。

 ほかには、この2015年8月上旬のメディアデーの取材陣は「総勢50名」となっていますね。先日の山口真一さんの記事では「100名近い」とリポートされていたので、五輪シーズンというのもあるとはいえ、2年で倍増とは、恐ろしいことです・・・。

 クワドの本数を含めた技術面での進化については、試合の映像を見ながらの方がいいと思うので、次回の記事で触れることにします。

 では、また明日!

 Jun

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