On the Back of the Flyer

TOEICテストメモ、羽生結弦選手、日々のアレコレを綴ります。

タグ:Sportiva

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 Sportiva最新号のレビューも今日がラストです。バックナンバーは「こちら」。

 今回は羽生君以外の選手の記事を見ていきます。羽生君の記事が冒頭から55頁まで、その後、56~80頁までがミラノの世界選手権特集で、宇野選手、知子ちゃん、新葉ちゃん、友野君、刑事君の記事。ラストの81~82頁が、真央ちゃんの「フォトエッセイ」出版の告知を兼ねた記事で締められています。

 印象的だったのは、新葉ちゃんと刑事君の記事だったのでご紹介します。



 ミラノワールドってもうずいぶん前のような気がしていますが、銀メダルを獲った新葉ちゃんは、SPでのミスを帳消しにする、最高の「スカイフォール」を披露してくれました。

 このワールドのフリーでは、これまで冒頭に跳んでいた2Aと、前半最後のジャンプの3Sを入れ替えています。正確には、2月のチャレンジカップ(オランダ)からなんですが、フリーの3Sは、ロステレ杯名古屋のファイナル全日本選手権と、ことごとくパンクしていたので(中国杯は成功)、この入れ替えは見事にハマりました。

  「最初のサルコウだけは緊張して跳びましたが、そのあとは本当に落ち着いてできました。3回転ルッツ+3回転トーループを跳んだあとに息を整えて、ダブルアクセルを跳んでまた息を整えて……と、後半に集中できるようにやれました」

 映像を見直してみると、前半から手拍子も起こっていて、お客さんも「これは凄い名演になるぞ・・・」という予感があったのかもしれませんね。

 そして、本題。全日本選手権の後、どう過ごしていたかについて、印象的な発言がありました。

  「大きく変わったことはしていないですが、毎日の練習で完璧を求めるというより、これ以上ひどくならないようにと、少しレベルを落として考えるようにしたら、ちょっとずつよくなってきたんです。やっぱり全日本前は少し背伸びをしていたんだと思います。もうちょっとレベルを落として考えたり、自分が満足できればいいと思いながら滑ればよかったけれど、高いところを見すぎて失敗をしたという感じです」

 このブログの中でもたぶん何回か書いた記憶があるのは、「スカイフォールを平昌オリンピックで見たかった!」ということなんですが、結果論ですけど、それこそ「全日本前のメンタル」のままで代表に選ばれて、それで本番で崩れていたら、各方面から叩かれて、彼女、立ち直れていたかどうか・・・。

 おそらく、「毎日の練習で完璧を求める」という考え方のままなら、ジャンプ構成の入れ替えという柔軟な発想に辿り着かなかったような気がします。よく、「練習でできないことは、本番でできない」ということが言われますが、そもそも「練習でやろうとしていること」がいまの自分自身に見合った内容なのかが問題。

 「昨日できたこと」は、実はマグレでできたことかもしれない。でも、たまたまできたことを日常的な目標に設定して、その後、「昨日できたこと」をできない自分を責めつづけてしまうと、本来できていたはずのことも、できなくなってしまう恐れがある。

 体調やメンタル、あるいは様々な外部環境によって、「自分のできること」というのは、日々変化するもの。だから、つねに毎日の自分自身と向き合うことが大事で、「できることとできないことの振れ幅」を把握し、そこから、悪い条件が重なっても「確実にできること」を導き出して、それを少しずつ大きくしていく。「自分自身との対話」が大事なんだよなぁ・・・と。羽生君も、きっとそこを緻密に計算して、平昌五輪での構成を導き出したんだと思います。

 さて、もう一つは、刑事君。不調の原因について、折山さんの取材ではこう書かれています。

  「田中刑事はスケート靴に苦しめられた。大会(ミラノ)に出発する1週間前に平昌五輪で使っていた靴が使えなくなり、新調した靴も現地入りした初日の練習で壊れてしまう。フリップとルッツを跳ぶ際にしっかり踏み込めない状態のまま、ショートプログラムを迎えることになった」

 靴の問題といえば、CWWで無良君も言ってましたね。ただ、羽生君って、私の知る限り、「靴のトラブル」って聞いたことがありません。そう言えば、「靴のトラブル」って、女子選手よりも男子選手から聞かれることが多い印象です。私の気のせいでしょうか?

 羽生君が試合でミスをした場合、彼は事細かにその原因を分析する人ですから、「靴のトラブル」があるならば、それを隠すはずがない。だから、何足も準備して、トラブルのリスクを未然に防いでいるんだと思いますね。

 ところで、ここ最近の私は、たくさん雑誌が発売されると、雑な読み方をしてしまいがちだったんですが、今回はすべての記事をじっくり読み込むことができて、私自身「収穫」もたくさんありました。明日からは「Life」のレビューを予定しています。

 では、また明日!

 Jun

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 今日も引き続きSportivaです。バックナンバーは「こちら」。今回は、「羽生結弦へのまなざし」という、次の3氏のインタを見ていきます。

 (1)都築章一郎 恩師が見守る成長

 取材は宇都宮直子さん。冒頭部分で都築先生が「昨日見てきたんです」とCWWのパンフレットを宇都宮さんに見せているので、先生が招待されたのが2日目の公演日だったことを考えると、取材日は4月15日(日)だったのでしょうか。

 まず注目すべきは、CWWの「裏話」が少し披露されている点ですね。記者によるレポートは本誌も含めて色々と読める状況ですが、「関係者の証言」は初登場だと思います。

  「羽生だけでなく、昔教えた子たち(佐野稔、川口悠子ら)も出演していて、皆の小さい頃を懐かしく思い出しました」

  「羽生は元気にしておりました。ジャンプは跳ばなかったですが、それなりにきちんと滑りました。・・・演技後は、足を氷で冷やしておりました。だから、まだ完全に回復したわけではないと思います。できる範囲を披露したという感じでした

  「会場から温かい応援をいただいておりまして、羽生も、勇気をもらえたのではないでしょうか。ファンの方々と、喜びを分かち合えているのが、とてもよくわかりました。見守られ、励まされ、また新たな気持ちになれたのではないかな」

 アイシングしていた様子は、今回のテレ朝チャンネルの放送でも映されていて、これを見てファンも心配していたようですね。ただ、FaOIの「全公演出演」も発表されましたし、あのアイシング自体は「ルーティン」ではないかなと思っています。むしろ、ジャンプを跳ばないショーであってもしっかりアフターケアをする、彼が自分の身体を大切にするということは、我々ファンのことを大切に思ってくれていることも意味します。個人的には嬉しく感じました。

 平昌五輪での羽生君についての先生の論評は、すでに他のメディアでも読んでいるので今回は割愛するとして、インタビューの最後のやり取りが印象に残りました。

 都築先生は、かつて羽生君が幼い頃に、「芸術家になりなさい」と語りかけたそうです。そして、今は次のようにお考えのようです。

  「文化というレベルまでフィギュアスケートを高めてもらいたいと思っています。そういうものを彼には追求してもらいたいし、挑戦し続けてもらいたい。この間会ったときは、期限については言わなかったですが、『もう少し、スケートは続けるよ』とは言っておりました。彼の持つ欲望は、挑戦をやめないという宣言ではないかと思います」

 「文化というレベル」というのは、大きな実績を残したマイナースポーツの競技者がよく言いますよね。私の記憶では「なでしこJAPAN」のどなたかがそう語っていた記憶が、瞬間的に頭に浮かびました。

 私見ですけども、私が考える「文化のレベル」というのはシンプルで、「より多くの人にとって、それが生活の一部になること」だと思っています。試合やショーがあればテレビをつける。ヤフーニュースにフィギュアの話題がなくともSNSでなんとなくつぶやく。ショーや試合の会場に足を運ぶ。

 よく、「羽生が引退したら、フィギュアブームも終わり」と言う人がいますが、たしかに私自身も「ゆづファン」というのは、平昌五輪の頃は、「これまで応援してきたファン」のことだと思っていました。

 だから、実を言うと、「ぴょん落ち」という方々がいたことにかなり驚いているのです。「なんで今まで知らなかったの?」って感じですし、そう考えると、いつ誰がハマるか分からない。もちろん、都築先生がおっしゃるように、羽生君が「特別なプロジェクト」をすることも大切だと思いますが、若手選手がどんどん彼に続いてくれて、スケートに打ち込めること。スケーターたちを我々がなんらかの形で応援しつづけること。そんな関係が「継承」されることも、「フィギュアスケートが文化となるため」に必要な要素なのかなという気がします。
 
 (2)ブライアン・オーサー 名伯楽の思い

 取材は野口美惠さん。最近、野口さんってブライアンにインタビューできてるの?と、心配していたんですが、新しい情報が含まれていました。2つご紹介します。

 まずは、羽生君が1月に氷上練習を再開した時の状況について。

  「ケガが再発しないよう、4回転ジャンプの本数は制限していました。結弦は若く、そして挑戦心に溢れているので、こんなケガを抱えた状況でも、ジャンプをたくさん練習しようとします。調子が悪い日にがむしゃらに練習したら、NHK杯と同じ悲劇が起こります。ですから私たちコーチは、結弦がうっかりたくさんジャンプを跳んでしまわないよう、彼のコンディションをよく見極めながら本数制限をしていました

 平昌オリンピックの公式練習で、ブライアンとブリアンがリンクサイドで練習を見ていたように、1月のクリケットのリンクでも、「監視の目」を光らせていたのでしょうね。ケガによるブランクを猛練習で埋めたいと思う競技者と、それにブレーキをかけようとする指導者という構図。ただ、昨日の記事でご紹介したソチ直後の羽生君の「身体のケアについての見解」を思い返すと、いくら「無茶した前科」のある彼であっても、今回は大事な試合ですから、「うっかりたくさん」という気持ちは起こらなかったのでは?と思います。

 もうひとつは、17-18シーズン前の「準備」の部分です。

  「結弦の勝因は、なんといっても、シーズンの早い段階から仕上げていたことに尽きます。まだ昨年夏のことですが、結弦とハビエルとは『夏のうちに練習を貯金しておくこと』を話し合いました。そうすることで、ケガや何かしらのハプニングがあって練習を休み、氷から離れて過ごすようなことがあったとしても、練習の貯金が使えるのです

  「オリンピックシーズンは誰もが普段以上の緊張感のなかで過ごし、無理もしますから、通常のシーズンよりもケガをするリスクが高いのです。これは私の長年の経験上、多くの選手を見てきてそう感じています。ですから夏にいったん仕上げておいたことが、彼の何よりの心の支え、自信になっていたことでしょう」

 これを読んでふと感じたのは、エテリコーチにはこういう発想は無かっただろうな・・・ということですね。「出る試合は全部勝ちなさい」「強い者が勝つのです」という調子で。後輩からの突き上げもある。

 メドちゃんは、羽生君と同様にNHK杯の時から明らかにおかしくて、大阪で精密検査をしていましたよね。その後、休んだのはGPファイナルとロシアナショナルだけで、年明けのユーロは出場しました。練習再開時期と、練習量はどうだったのか。チームも移籍したし、本人も「悪口は言いたくない」と語っていましたが、この辺りの事実も今後明らかになるかもしれませんね。

 (3)吉岡伸彦 4回転半の可能性

 最後に、吉岡さんのインタを。「羽生君の4A挑戦」については、地上波番組でも吉岡さんの見解は紹介されていましたので、省略します。

 一点だけ、男子と女子の比較で興味深い発言があったので、ご紹介します。

  「男子のトップクラスの選手はみんな、これがいいフィギュアスケートだ、というのを目指しているように見えます。ただ女子、特にロシア勢はどうなのか。アリーナ・ザギトワの演技を見たときに思ったのは、あのプログラムは高得点を取るための要素を全部寄せ集めたものなのではないかということです

  「もちろん、現行のルールのもとで勝つために何をすべきかを研究して、それに合わせて作ったという意味では正しいんです。ノーミスだからジャッジも点数を出さざるを得ない。でも、そうやって寄せ集めたのは、本来のいいフィギュアスケートとは少しずれてしまった、フィギュアスケートに似た何かになってしまったような気がしてなりません

 もし、平昌五輪の男子で優勝したのがネイサンだったら、「男子のトップはみんな、いいフィギュアスケートを目指している」と吉岡さんはおっしゃるのか、女子で優勝したのがメドちゃんだったら「寄せ集め」と言えるのか、そこはやや疑問です。

 ただ、ザギちゃんは、ジャンプ全後半というだけでなく、あのせわしない振付によって「寄せ集め感」を覚えてしまうのは否めません。エテリ組の他の選手もジャンプは後半集中型でしたが、すべての選手に「寄せ集め感」があったかというと、少なくとも私はそういう印象は無かったです。

 そもそもここ数年の女子シングルは、「勝つために3Aは必要ない」ことから、4回転必須の男子と比べたら「完成度重視」と言われていたはずなんです。でも、ジャンプの技術的な部分は3回転+3回転で頭打ちになっていたことから、「エテリ組のスタイル」が「頭ひとつ抜け出すための優位性」となり、他方で、クワドの種類・本数で選手によって幅(個性)の生まれた男子よりも、女子の方が「画一化」したように見えてしまいました。

 ルール改正によって、GOEの11段階制導入と、ジャンプ後半化への制限が新たに付け加えられると言われています。もしかりに、女子がジャンプのGOEをもらうために、今まで以上にジャンプにタノが必要になる事態になったら、嘆かわしい限りです。そうなってもらわないでほしいですね。

 そこにくると、やはりクリケット移籍後のメドちゃんがどんなプログラムを滑って、どんな評価を得ることになるのか、ひとつの基準になるような気がします。

 では、また明日!

 Jun

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 Sporivaのレビューの続きです。バックナンバーは「こちら」。

 (1)羽生結弦 平昌オリンピック名場面集・イラストに刻まれた平昌五輪の記憶

 平昌五輪での羽生君のショットが21ページ(もちろん全て能登さん撮影)。これに、『東京喰種』の石田スイさんの描いたSEIMEIのイラストも紹介されています。

 「名場面集」に収録された写真の内訳は、バラ1が4ページ、SEIMEIが8ページ(フリー後の表彰式の2ページ含む)、黒のウェアでの練習風景が4ページ、メダルセレモニーが1ページ、スワンが4ページです。「前号」掲載の写真と比べると、大きめのものが多い印象です。前号では時期的に間に合わなかったスワンもしっかり入っています。

 石田さんの描いたイラストはSNSで拡散されて、当時話題になりましたね。私が日常的に見ているSEIMEIのイメージと比べると、ちょっと肩の筋肉がゴリっとしすぎてるかな?という気がしないでもないですが、でもさすがプロの仕事です。

 個人的には、FFシリーズの天野喜孝さんに「また」描いてほしいですが(※「こちら」を参照)、私自身に「FF補正」がかかっているのもあって、この方はかなり個性的な絵を描くので、人によっては「華奢すぎる」とか「幻想的すぎる」と、好き嫌いは分かれるかもしれません。
 
 (2)羽生結弦との対話 折山淑美

 このテキストの主旨は、ソチ五輪の枠取りのかかった13年のロンドンワールドから平昌五輪までの、羽生君への取材を通じて、その都度、立ちはだかった「壁」に対する、彼の「自己分析能力と対応力の高さ」を再評価するというもの。

 けっこうなボリュームですが、序盤のソチ五輪後のインタビューが面白いです。もしかすると「初出」の内容じゃないのかもしれませんが、少なくとも私は初めて知るやり取りでした。

 折山さんがハンマー投げの室伏広治さんの調整方法について話題を振ると、羽生君から非常に興味深い話を引き出しています。

 どんな話かというと、室伏さんが競技生活の終盤に差し掛かった頃、「細心の注意を払っていたのは、日常の練習をいかに万全な体調でやれるか」ということだったようです。

 これに対して、羽生君は以下のように応答しています。

  「室伏選手はハンマー投げというすごく負荷のかかる競技をやっているけど、僕らも言ってみれば同じように負荷はかかっているんですね。ジャンプで着氷するときに、体が受ける衝撃の大きさは、体重の数十倍とか数百倍と言われているけれど、それを知らない人もいると思います。13年世界選手権のあと、僕は1カ月半くらいスケートを休んでいましたが、それが治って久しぶりにリンクに立ったら、1回転ジャンプを降りるだけでも足の裏が痛いし、甲のほうまでビリビリするくらいでした

  「しっかりオフもとって、万全な状態で技術を上げようという意識になりました。一番怖いのは集中力がなくなること。休養をとると技術が落ちるかもしれないと恐れて練習を続ける人もいますけど、僕は技術向上のためにオフをとって割り切ることも必要だと思います」

  「練習でも120~130%くらいの力を出してしまうタイプだから、余計に休養が必要なのではないか。より高度なものに挑戦するためにも、そのあたりは細心の気配りをしながらやらなければいけないと考えるようになった

 繰り返しますが、これはソチ五輪後のインタビューでの羽生君の発言です。この後、オーバーワークによる左足甲の怪我があって、「この通りにできてないじゃん!」と思う一方で、でも、一番大事な平昌五輪の直前に、練習再開時期を慎重に検討しながら、見事に結果も出せて、素晴らしいと思います。

 しかも、一番最後の「より高度なものに挑戦するために」というくだりは、これから4Aに挑戦する上での日々のトレーニングのあり方を想起させてくれますね。

 もうひとつ重要な発言は、「休養を取らずに、集中力を欠いて練習すること」の弊害を指摘している点ですよね。これはフィギュアスケートやスポーツ全般のみならず、勉強法や仕事術に対してもたいへん示唆的だと思われます。

 まぁ、直近のテストで40点もスコアが落ちた私が言うのも説得力が無いですが、TOEICの勉強も、眠くてやる気のない時にむりやり問題演習することが日常化すると、それがクセになって、本番の試験でもそういう「解き方」をしがちで、ボロボロとミスをしてしまう。体調を整えて、しっかり集中して、全力で問題を解くことが大切です。

 「長時間の猛練習」というのが、あらゆるスポーツの現場で未だに美徳とされていますが、おそらく今後羽生君は、そのような誤った考え方に対して、体系立てて警鐘を鳴らしてくれるのではないでしょうか。それが、若くて未来のあるアスリートたちを助けることにもなるはずです。
 
 では、また明日!

 Jun

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 2018年5月10日発売。税込み価格「1,720円」。Sportivaのバックナンバーについては「こちら」。

 久々の雑誌レビューのような気がします。じっくりゆっくり行きたいと思います。まず、前号「Sportiva 平昌オリンピック特集号 歓喜のメモリー」(3月9日発売)は、あくまでも「平昌五輪特集号」という体裁だったので、羽生君どころか「オール・フィギュアスケート」という誌面構成ですらなかったですから、期待外れ感は否めませんでした。

 そこで本号ですが、全編フィギュアスケートの記事で構成。羽生君関連の記事に限っても、全82ページのうち冒頭から55頁までを占めているので、かなり頑張ってくれたと思います。これは買いで良いと思います。

 (1)【特別寄稿】巻頭エッセイ 高山真

 表2(表紙の裏)に掲載。「たったこれだけなの?本当にこれだけ?」と、目次ページとこのページを、何往復かしてしまいました。

 高山さんの著書『羽生結弦は助走をしない』と比べれば、とても平易で分かりやすい内容に留められています。そんな中で、「上手く書くものだなぁ・・・」と感心したのは、平昌五輪のSEIMEIについての、次の描写。

  「フリーの前半の完璧なジャンプからあふれ出た美しさと、後半のこらえたジャンプに炸裂した意地。どこまでも精緻でありながら、その精緻さを突き破るような気合を感じた」

 最後の3Lzのことを言ってるわけですが、高山さんって、批評はしても悪口になるようなことは絶対に書かない方なので、見習いたいなぁ・・・と思います。

 世の中に、ぴょん落ちならぬ「Continues落ち」なる方がいるかどうか不明ですが、テレ朝チャンネル2での「CWW完全放送」も始まりましたし、あのショーで披露された羽生君の過去の名プロをより深く理解する上で、『羽生結弦は助走をしない』はとても良い本です。私も記事の中で何度かご紹介させていただきました。

 (2)【特別付録】 羽生結弦ピンナップ

 両面ピンナップです。いずれもCWWのショットで、表がツィゴイネの衣装、裏がフィナーレ時の白の衣装です。

 いい写真だなぁ・・・としみじみ思いつつ、「そういえばSportivaに、ポスターってついてたっけ?」と本棚を漁ってみると、実はかなり久々だということが分かりました。

 少なくとも私の所有しているSportivaで言いますと、「羽生結弦から始まる時代」(15年4月)、「羽生結弦 新たなる飛翔」(15年10月)、「羽生結弦 Over the Top その先へ」(15年12月)の3冊のみでした。

 それ以降のSportivaは買い逃していないはずなので、約2年半ぶりのピンナップ復活ということになりますか。本号限定かもしれませんが、「大人の事情」を忖度せずに、ゆづ推しを堂々と誌面で表現してくれるのは、嬉しい限りです。

 (3)Parade in SENDAI / Continues ~with Wings~

 凱旋パレードの写真が6ページ、CWWの写真が3ページ。CWWの写真が両面ポスターを含めると5ページという換算になり、もうちょっと欲しかった気もしますが、まぁ、愛蔵版ブックを待ちましょう。

 凱旋パレードの写真は、表紙からもお察しのように、もちろん能登直さん。凱旋カーに乗り込んだ「選ばれしカメラマンの一人」でしたから、車の上で羽生君を至近距離から捉えたショットが完全に主役です。

 そういえば、地上波番組の編集作業をする中でも気になっていた、凱旋カーに乗り込んでいた例の女性スタッフ。無線(?)のようなもので指示を出していた赤いベストの彼女も収まっています。とはいえ、彼女が何者なのかは、分からないままですが・・・。

 折山淑美さんのテキストが1ページありますが、彼はCWWだけでなく凱旋パレードも取材したようですね。両イベントの様子と羽生君のコメントがコンパクトにまとまっていて、非常に読みやすいです。


 自分も現地(123)で見たCWWの放送をこれからチェックしたいので、今日のレビューはこの辺りで・・・。

 その代わりに、オマケを一つ。何度か通ったことのある場所なんですが、ビックリしました。JR相模原駅近くの「鳥忠さがみの亭」というお店です。まだ国民栄誉賞は正式に決まったわけではないけど、このアバウトさがいいじゃないですか(笑)。このガラス越しに、大将と思しき方が串を焼いていました。夜、これを見かけていたら、ノリで一杯・・・となっていた所です。

 では、また明日!

 Jun

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 2018年3月9日発売。税込み価格「1720円」。Sportivaのバックナンバーのレビューは「こちら」で。

 パラパラとめくっていて、「ああ、そうだったな!」と思わず声を上げたのは、Sportivaの五輪直後の特集号は、フィギュアスケート特集号ではない、ということなんです。

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 4年前のこの時期に発売された、「Sportiva ソチ五輪・速報総集編」を手に取ってみると、羽生君は金メダルを獲ったのに、彼の記事は巻頭から23頁で終了。

 4年の月日を経て、本号は冒頭から39頁まで羽生君特集なので、そりゃ、「いまが当たり前」と思えばコスパは低いかもしれませんが、個人的には感慨深いものがあります。以下、羽生君関連のみ触れておきます。

 (1)「羽生結弦 王者の帰還」(8~39頁)

 ・写真のクレジットは、「能登直(JMPA)とJMPA」と表記→→Sportivaと言えば能登さんなんですが、今回、羽生君の全ての写真が能登さんというわけじゃなさそうです。ただ、写真のクオリティが低いというわけではなく、いつものSportivaの水準を維持しています。

 ・オンアイス(特に競技中)の写真が多め→→バラ1とSEIMEIの写真が中心です。公式練習や代表の白ジャージのショットもありますが、全体的に見開き2ページに何枚かを詰め込んだレイアウトです。ジュエルズのフォトブックに無いものとしては、メダルセレモニーの複数ショットと、メダル授与後の会見前のバックヤードでの様子なども入っています。

 ・演技写真の「白」がちょっと強め→→ジュエルズには感じなかったのですが、リンクの白がけっこう主張しています。もちろん、こういう経験は他の雑誌でも感じたことがありますし、気にならない方は気にならない些細な点かもしれません。

 ・テキストは折山淑美さん→→ジュエルズのフォトブックでも原稿を書いていたので、大変ですね(笑)。ジュエルズよりもボリュームは多め。とはいえ、シーズン前からの動向やロステレでの囲み会見の発言なども入っていて、「すでに知っている情報」が大半です。

 (2)「フィギュアスケートエキシビション 冬の祭典の終わりに」(76~82頁、表3・表4)

 スワンの写真が入っています。平昌五輪のEXの写真というと、「Number 947」の、ホタレックさんに担がれての記念撮影のみでしたから、ようやく登場という感じです。

 上に貼った裏表紙(表4)を含めて、裏表紙の裏(表3)、その他に、79~82頁にスワンの写真があるんですが、1ページに3枚~5枚というレイアウトで、小さい写真を詰め込んでいます。

 このEXの写真のクレジットは「JMPA」とだけあって、能登さんではない「JMPA」のパスをもらったカメラマンということでしょうか。EX前の予行練習で談笑する写真なども入っています。

 実を言うと、本誌でもっとも感銘を受けたのは、冒頭の宇都宮直子さんの特別寄稿(6~7頁)でした。「比較的短めの現地観戦記」ではありますが、彼女の極端に短く切った文体が、この歴史的瞬間を目の当たりにしたことと、その興奮と感動を生々しく伝えてくれて、胸にグッとくる内容に仕上がっています。

 目次からもお分かりの通り、ゆづ目当てということだと、ちょっと物足りないですね・・・。ただ、女子シングルの二人や、団体戦のメンバー、そして他の競技のメダリストのレポートもしっかり入ってますので、その辺りにも興味のある方には満足いく内容かと思われます。

 では、また明日!

 Jun

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