『YUZURU II』感想

『YUZURU II』感想

2018年10月15日発売。定価「2,300円+税」。

前作の『YUZURU』は2014年10月24日発売でしたので、ちょうど4年ぶりの第二作目ということになります。4年に1作なんて、まるで超大物メガバンドのアルバム制作ペースのようです。ボリュームは18ページ増量して、500円お高くなりました。

私のブログの読者さんで本書を購入されていない方はほぼ皆無だと思いますので、一つひとつのショットをピックアップするよりも、冒頭からページをめくりながら頭に浮かんだ感想を、以下にメモ書きしておきます。

・まず、『YUZURU』との比較で言うと、今回、羽生君の直筆メッセージが無くなったのは残念。まぁ、彼も忙しいですし、特にこの夏以降、他社から次々と写真集が出ているので、今回は難しかったのかもしれません。

14-15シーズンから始まりますが、中国杯の写真がありません。入れる必要はそもそも無いのでこの編集方針自体は賛成です。能登さんといえば、同じく集英社のSportivaですけど、ウチにある14年中国杯の写真を掲載したものだと、「Sportiva 羽生結弦から始まる時代」がありますが、こちらはバラ1と練習着の写真のみでした。

・前作の隠れた注目ポイントだった能登さんの「一言」は、15年バルセロナGPFでようやく登場(34頁)。こんなに少なかったっけ?と『YUZURU』をチェックしてみると、07年全日本ジュニアの「火の鳥」(3頁)から出てきました。ただ、この頃は、「羽生結弦というスケーターを知ってもらう」という目的があったはずで、いまはそんな必要もないですし、本作では「極力削って、写真に語らせる」ということなんだと想像します。

・とはいえ、レックレにもスワンにも「一言コメントは無しかぁ・・・」とちょっとガッカリしつつも、16-17シーズンと17-18シーズンの間、モノクロとセピアの中間のような写真を並べている部分は興味深いですね。前作には無かった試みです。ページ数にして16ページですが、これは何を意味するのか・・・。どういう写真が選ばれているか見てみると、練習着写真が中心ですが、バラ1があり、オペラ座があり、ぼんやりと城田さんが写っていたり、ボストンワールドがあり、そして平昌五輪の一連のショットがある。「平昌五輪までの4年間を別の視点から眺めた」という意図かと思ったら、今年のFaOIに、H&Fもある。能登さんがこの部分について何かコメントしていたのかどうか気になります。

・17-18シーズンについては、もうこれ以上付け加えることがないぐらい、たくさんのことがありました。平昌五輪後も、仙台パレード、FaOI、国民栄誉賞授与式、トロントメディアデーまでカバーされています。そして個人的には、本書の影の主役は、ジスラン・ブリアンコーチだと思っています。平昌五輪でその強烈なキャラが注目されたこともあって、今年のメディアデーのショットではしっかり写り込んでいますね。

https://www.youtube.com/watch?v=pnqEvAS1ltM

私が彼を、羽生君の試合のキスクラで初めて見かけたのは17年の国別対抗戦で、おそらく昨年のNHK杯も(ブライアンが手術をしていたこともあり)、4Lzの怪我が無ければ彼が横に座っていたことでしょう。

そうなってくると、別の写真で、どこかにブリアンコーチは写っているかも?と気になりますが、それを探すのはけっこう大変なので、暇になったらやってみることにします。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. マリィ より:

    こんにちは
    junさんのおっしゃる通り、先ほどYUZURUⅡ届きました。
    素晴らしい写真の数々、見たものや初見のものもあり感動ものでしたが、帯をめくった羽生くんは3Aを跳ぶフリでしょうか?
    ただアマゾンのレビューに書かないといけませんね。皺が出来てる(涙)
    前回の写真集もでしたが、帯を取ると別の写真はサプライズ的かな?
    2014年の中国杯は赤黒の衣装がないのは能登さんの羽生くん愛を感じますね。
    ホプレガの羽生結弦展に使われた写真もあって嬉しいです。
    69ページの握手シーンは能登さんのコメ付きですね。
    個人的にはカレンダーにも使われた48ページの写真が好きです。
    モノクロの写真はこれまで撮影してきた能登さんの振り返りですかね?こみ上げるものがあったのかもしれませんね。
    春よ来いがモノクロ〜と思ったら裏表紙と2枚あったのでホッとしました。
    今やその存在が安心感をわかせるジスランコーチの登場シーンを私も知りたいです。
    能登さん、ジスランコーチの両手ガシッ!の握手も撮って下さいな。

    それはそうと、memorial発売中止ですね。
    これはどこまで続くんでしょうかね?

    • Jun より:

      マリィさま

      アマゾンはそういうことはありますねぇ・・・。私の場合、最近だと将棋の棋書を購入したところ、表紙が若干折れていました。扱っている商品の数が膨大なので、どうしても完璧な状態で欲しい場合は、書店で平積みされているものを狙うのが一番でしょうか。

      FaOIのしかも後半部分が比較的充実していたのも見逃せません。FaOIフォトブックが出てからそんなに経っていないので、よく許可がおりたなぁ・・・とビックリです。

  2. ごろ寝 より:

    何というか、「コアな」は違いますが、こんな感想がありなのですね。能登さんのコメント、前作でも読み流していたことに気づきました。能登さんの写真そのものが好きなので、一気にページを捲り、思い出と共に感傷に浸ってしまいました・・・
    JUNさん目線で見るのも面白いですね。

    もう一冊も良い出来でした、出版社にはいまだ疑心が拭えませんが。友が買ったA5の新刊も見せて貰いましたが、写真がいいですね。テキストもなるほど、です。
    ただ、羽生さん以外は、海外スケーター数人しか興味がない身には買う気にはなりませんけれど。

    肖像権云々も有りなのでしょうが、キスクラの棲み分けも不可解(高橋特集号とやらはOKで羽生本はNOとか、発売日とか)ですし、来季以降のスケート雑誌を暗示している流れなのかと勘繰っております。

    • Jun より:

      ごろ寝さま

      WFSのガイドブックのレビューはしませんが、あまりに文字が小さくて、かなり顔を近づけないと私には読めませんでした。せっかくインパクトのある表紙でも、あのサイズじゃなぁ・・・と。

      キスクラの「羽生号・宇野号・高橋号」の棲み分け出版は、私は好意的に見ている一人です。ただ、島田君のインタが「宇野号」収録なのは残念。羽生号に、須本、山本、そして島田と、3人入っていれば完璧でした。

  3. ととちゃん より:

    「写真に語らせる」今回は、正にその通りだと思いました。
    能登さん自身の呟きは、だから必要最小限に抑えているのかな、と。
    それでも、出陣前の握手シーンをやっと撮れた高揚感など、待って待ってとうとうモノにしたショットについては思い入れもひとしおで、語らずにはいられないんでしょうね。モノクロは、能登さんのこだわりを感じました。

    順を追って記憶を辿っていける構成のため、それぞれの試合の背景まで蘇り、私は最後のページで胸が熱くなりました。ここまで来たのだ、という思いが湧きあがる、本当にいい写真集でした。

    余談ですが今日到着のシーズンガイド(新書館)、表紙及び羽生選手の単独インタビューなどは非常に良かったのですが、いかんせん
    宇野選手推しが随所に見えて、好き嫌いが分かれそうだと思いました。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      能登さんの写真集は、プライベート感のある羽生君の写真もかなりのボリュームを占めているところに特長があると思っています。田中さんのフォトブックは比較的試合重視で、WFSの「魂のプログラム」にいたっては完全に試合とショーのみですから、すべて購入してもそれぞれに持ち味があって、みなさん楽しまれているんじゃないかと

      シーズンガイドはたしかに宇野推しだとは思いますが、表3のボーヤンとネイサンと並んだ写真は、ちょっとこれは・・・と苦笑しました。

  4. sennin より:

    4年間の足跡が凝縮されていてとても感動しました。写真と共に歩んできた道のりをおも出させて貰えて貴重な写真集になりました。能登さんも結弦くんの試合等に参加して大変だったなあと感じましたがそれがないとこの写真集が出来ないのですから有難いことです。集英社で発行ですけど写真のチョイスは結弦君も少しは参加したのかなあ〜と妄想しています。仙台に行って能登さんのお話聞きたかったです。能登さんの呟きが少ないのは奥ゆかしい方ですので遠慮して写真見てねって思いでしょうか?遠くからのショットや能登さんは結構後ろ姿や伏し目等が多くて、他のカメラマンさんとは違う結弦君が見れるので私は好きなんです。今回は、ブリアンとのハグと同級生の写真、春よ来いで氷の花びらを撒いているショットがあってとても嬉しかったです。
    結弦君の直筆メッセージがなかったのは私もガッカリでした。モノクロは構成でしょうね、私も結構モノクロ好きです(笑)能登さんの卓上カレンダーも半分はモノクロでしたので、拘りがあるのかも知れません。中国杯とNHK杯の怪我の写真もないのは結弦君を大事に思っている能登さんならではですね。最後に会場入りが叶わなかったはずの国民栄誉賞の紋付袴で締めてこれは最高でした。着用したあと能登さんは特別だから撮ったのでしょうね。

    ブリアンのキスクラは私も国別が初めてですが、2017のワールドには来ていましたね。(4大陸もきていましたかね?)あのとき何故かランビエールが試合が終わったところにいましたが、違う場所にランビエールとブリアンが並んでたっている写真がありました。また、確かワールドだと思うんですが表彰式の後、花束をブリアンにプレゼントしていたような現地観戦の方の動画で見たように記憶しています。結弦君が2連覇した時、ブリアンと二人の長いハグを見る度に胸が熱くなります。ブリアンにはいつもキスクラに座って欲しいですね。

  5. Jun より:

    senninさま

    能登さんについて、的確な情報提供と分析をありがとうございます。たしかに、袴姿の写真は「一対一」での撮影であると想像できますし、卓上カレンダーの「作り」と照らし合わせることで、能登さんの「作意」をより正確に理解できますね。ありがとうございます。

    ヘルシンキにもブリアンは来ていましたか・・・。「通信」を見たところ見当たらなかったのですが、私の方でも少し調べてみようと思います。