音楽雑談(TESTAMENT)

音楽雑談(TESTAMENT)

今日の音楽雑談は、ちょっとうるさい一枚ですが、TESTAMENTの『First Strike Still Deadly』(2001年)です。

「ヘヴィメタルってうるさいし、ゴチャゴチャしてるし、声もキンキン声だし・・・」という先入観をお持ちの方に、なかなかオススメできるかなと。本作は、彼らの80年代の曲をレコーディングし直した作品で、速い曲ばかりなんですが、各楽器がはっきり分離していて音質がめちゃくちゃいいです。

それでいて、エリック・ピーターソンのギターが独特のフレーズを刻んでいて、聴いていて面白いんですよね。例えば、1曲目の「First Strike is Deadly」。ドカドカドカドカっとやかましく始まるんですが、0:32から「ダンダン・ダ・ダ・ダーン!ダンダ・ダーダダン!」というリズムに切り替わる所が面白い。よくこんなの思いつくなー!と、一度聴いたら忘れない印象的な部分です。そのまま突っ走っていきます。

2曲目の「Into The Pit」も、ただ突っ走っているだけじゃなくて、キレよくリズムチェンジしていく部分が心地よい。3曲目の「Trial By Fire」は泣きのギターから始まって、トロそうな駄曲かと思いきや、ガツンと展開していく。5曲目の「The Preacher」の冒頭は、なんだか昭和の時代劇の主題歌のようなコテコテのフレーズを奏でつつも、スパっと切り替える。

彼らの音楽は、ハッとさせるようなアイデアを盛り込んでくるんだけど、基本は速いメタルなんですよね。

チャック・ビリーのヴォーカルも野太く咆哮する歌唱で、この音楽性によくフィットしていて、欠かせない存在です。以前、彼は癌を患って、化学療法で髪が抜けるほどの闘病生活を送りました。しかし、他のバンドがチャリティ・イベントを行って、集まった資金のおかげで、奇跡の生還を果たします。素晴らしい友情だと思いました。先月のライブ映像ですが、元気に活動を続けています。

そして、もう一人のギタリストのアレックス・スコルニック。この人は、メタルを一度離れて、ジャズを学ぶためにニューヨークの学校に通います。そこを、Testamentのメンバーのラブコールにより、メタルの世界に引き戻されたという経緯があります。彼のジャズ仕込みの実験的なギターソロはいいアクセントになっています。左のメッシュを入れている人がアレックスで、右の人がエリックです。

なかなか似たバンドはいないので、たまに無性に聴きたくなる中毒性がありますね。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. みつばち より:

    こんにちは 更新ありがとうございます

    行って来ました。神戸初日。
    オープニングは群舞、続けて宮川大聖さんの「略奪」

    それからバルデさんのキレキレロック、続けてジェイソン。
    今回は日本の若手はいなくて、ベテランをそろえて大人のムードでした。

    北米のツアーから帰国した宮原知子さん、細やかなサトコ、この人の演技はほんと丁寧です。

    ジョニーは前半にもやった緑の衣装のあれはなんというか中近東風の曲。
    ジョニーはユダヤ系だそうなのでルーツプロなのかしら。

    それからウクライナのアクロバット二人組のスワン。
    初めて見るお客さんが多いのか、笑いがもれてました。これはいいことですよね。
    事情を知るファンはウクライナ国旗で後押し。

    田中刑事さんは宮川さんとコラボ、「スターランド」という曲だそう。
    とても軽快で若者らしい。

    織田さんも宮川さんとコラボ、「君色の魔法」これも若者らしい曲です。
    私は宮川さんを「関ジャム」でしか見たことがなかったんですが同行の息子によるとyoutubeで大人気だそうです。
    米津さんや藤井風さんみたいに大物になるのかな?

    カペラノは20世紀初頭風のタキシードとロングスカートでハリウッド映画みたい。
    「道化師」というプロもやりましたが、これイスラエル代表だったビチェンコさんのプロで聞いたことある曲です。

    三原舞依さんは「アメージンググレイス」この人は空気が清涼なんですよね。

    ハビエルは「ラ・マンチャの男」名古屋よりはずっとキレてました。
    プログラムに羽生さんとの対談(6月2日ガイシホールにて)が載ってたんですが、コロナでしばらく氷から遠ざかっていたそうです。スペインはリンクも少ないから確かにたいへんですよね。

    ランビ、ジェフはコリオグラファーとしても有名ですからセルフコレオの独自プロを見せてくれました。
    織田さんのキンキーブーツ、荒川さんのしなやかな演技もほんと完成されてます。

    アクロバットのアルゼンチン男女はカーテン布アクロだったんですが今回座った場所からアンサンブルの人達が紐を引っ張ったり緩めたりしてるのが見れて楽しかったです。

    パパジゼは北京五輪プロでした。氷上に倒れそうにくっつくあの演技、いつみてもすごい。
    歌のゲスト新妻聖子さんがハビエルの「ラ・マンチャ」、ジェイソンの「メモリー」、三原さんの「夢破れて」を歌ったのですがこれみんなミュージカルの名曲です。
    私は劇団四季や帝劇で見てるんですよ・・・・しかし凄い声量。

    ギターの鳥山雄司さん、バイオリンのNAOTOさんも「関ジャム」で知ってます。

    オオトリの羽生さんは宮川さんの「レゾン」これレーゾンデートル(存在理由)からきてるらしいです。
    もちろんキレキレでこれが存在理由ですよねー

    フィナーレは「ユーレイズミーアップ」日本の女子選手4人がまず踊り、そこに日本男子が4人加わり「レッスン・ドルマ」(誰も寝てはならぬ)トゥーランドットですね。
    この組み合わせはトリノの荒川さんを思わせます。

    Faoiはエンターテイメントとして完成されてることを新たに感じました。
    練習気分や手抜きはない。

    Toshlさん、スガシカオさんという一流のエンターテイナーが感心し、また一緒にやりたいね、とお世辞でなく言うのもわかります。

    全体に全員に座長の羽生さんの信念、一期一会の演技を届ける、そういう気持ちがいきわたってます。

    • Jun より:

      みつばちさま

      神戸公演の情報はまだまだ少ないので、大感謝です。本当にありがとうございます!

      羽生さんのプログラムが、宮川さんとのコラボだったのは予想外で、MVもチェックしましたが、難しい曲ですね。レーゾンデートル(レゾンデートル)という言葉はフランス語で、そういえば、学生時代に政治学のテキストで見かけた記憶があります。

      Bツアーのアーティストはそこまで知名度は高くない方々ですが、でも、往年のヒット曲に頼らず、でもミュージカルの名曲で「フィギュアスケートらしさ」も担保して、斬新でありつつ非常にレベルが高かったのだろうなと想像します。はやく映像が見たいですよ。