いまさらH&F(BS朝日)感想

いまさらH&F(BS朝日)感想

前のブログの投稿一覧を手元でチェックしてみると、DOIのレビューはやっていたんですが、BS朝日で7月8日に放送のあったH&Fはまだだったようです(※テレ朝チャンネル2では8月中旬~下旬に予定)。テレビを見ながらスマホにメモを残した記憶はあるんですが、ブログ中断のドサクサで無くなったのかもしれません。

このショー自体は、6月8日・9日・10日に開催されて、羽生君は9日と10日に出演しました。FaOI金沢と神戸の間におこなわれ、またこのショーの出演者の何名かはDOIにも参加していたこともあり、前後のショーの演目と多少かぶりがあります。

新プロ優先で、かつ最近ブログで取り上げていなかったスケーターを厳選してみました。

優奈ちゃんの新シーズンのEX「Love is Strange」。八木沼さんが「スケーティングが伸びやか」とコメントしていますが、昨年の全日本で見た時は、「伸びやか」というよりは「かっ飛び」という感じで、猛スピードでリンク全体をカバーしている印象でした。現地で見て、その凄さの分かった選手です。

ジャンプも上手な選手で、とくに着氷後のスケーティングへの移行が早い。例えば、三原舞依ちゃんが、ジャンプ自体に無駄な力と動作の無い、良い意味での「省エネジャンプ」だとすると、優奈ちゃんは、回転スピードの速さでスパっと決めてくるので、またちょっと違ったタイプです。

現状では、同年代のスケーターや、あるいは同門の先輩・後輩と比べて、彼女のポテンシャルを考えれば、やや成績面で物足りなさを感じます。でも、平昌五輪がそうだったように、4年後、誰が成長して、五輪代表になっているか分かりませんよね。焦らず、腐らず、しっかり頑張ってもらいたいです。

奈々美先生振付の新フリー「Mi Mancherai」。山本草太君の昨季SPの「Anthem」に似てるなぁ・・・なんてのんきに思っていたら、同じ人(ジョシュ・グローバン)が歌ってるんですね。アンセムの方は明子さん振付でしたが、日本男子の若手はこういう曲を滑りたいのだなと、興味深く感じました。

ジャンプは、序盤こそ軸が傾いていたりして、彼の本調子から比べるとまだまだかなと思っていると、跳べば跳ぶほどだんだん良くなっていきましたね。プログラムを滑りながら修正していく力があるようです。

今季はジュニアで「力を溜める」一年。「全試合優勝を狙う!」だけでなく、今年こそは彼の念願でもある「羽生選手と同じ試合に出る!」という目標を叶えてくれることを信じています。昨シーズンの水準で3Aが安定すれば、JGPファイナル優勝、全日本で最終グループ、この二つは十分に可能だと思います。

昨日の記事でオータム・クラシックの特集をしていましたが、実は16年のオータムには、山本君もエントリーしていたのです。wikiを見てみると、16-17シーズンの山本君はシニアのGPが2戦アサインされていて(フランス杯、NHK杯)、もちろん本人がいちばん無念でしょうけど、ケガさえなければ・・・と今さらながらに思います。

ただ、過去を振り返ってはいられません。4年後、北京五輪代表となるために、しっかり技術と個性を磨いてほしいのです。まだ十分に時間はあります。

そして、ミヤケンさん振付の新SP「G線上のアリア」。バッハですか・・・。荘厳で格調高い曲調にまったく負けていない、山本君の力強く大きな動きが印象的。転倒してもう一度つまづく場面に一瞬肝を冷やしましたが、何事もなかったようです。

かつてはもっと華奢な印象だったんですけど、この演技を見ていると、「力任せではない力感溢れるスケーティング」というか、「ナチュラルな力強さ」がまず頭に残ります。このタイプのスケーターは日本男子では皆無なので、この方向性はとてもいいと思います。

友野君の新EXの「ダフト・パンク・メドレー」は、4月のPIWでお披露目されていたので、さすがに滑り慣れている部分があるとはいえ、自信と確信に満ちた所作がとにかく印象的。動きに迷いが無いんですよ。ワールド5位がその自信を与えてくれたのかもしれません。

でも、表現面だけでなく、ジャンプの回転も速くて、着氷も安定。須本君や山本君を応援している私から見ても、現状では、まだ友野君の方が「1ランク・2ランク上の実力者」と見るのが妥当かなと思います。GPに2戦アサインされて当然のクオリティの高さだし、ぜひなんとか台乗り目指して頑張ってもらいたいですよ。

まだ競技用プロをしっかり見れていないので、私の推測&希望的観測も込めますが、これだけ充実した動きを見せてくれていると、全日本では3番以内に入ってもらわないといけませんよ!それぐらいガツガツ狙ってもらいたいですね。

https://www.youtube.com/watch?v=qIQTuiC-9ws

ちょっとジャンプの調子が悪かったですけど、このプログラムを長野で20周年のこの瞬間に演じることに意味があるので、しっかり役目を果たしてくれたように思います。

しかし、このプログラムは、いくらショーバージョンとはいえ、ユルい気持ちでのんびり見られませんね。平昌五輪のSEIMEIには及ばないとしても、ヘルシンキワールドのホプレガは、我々も極度の緊張と不安の中で見守っていたわけで、いやな汗がじとっと流れてくるような感じがします。あれは間違いなく、苦難と苦悩の末に達成した「223.20」の世界記録でした。

世間的には、「羽生が引退したら日本男子はもうおしまい」なんて言われますけど、今日取り上げた後輩3人は、まったく個性と強みが違うし、みんなが魅力的です。誰が抜け出して、4年後代表になるのか、私にはまったく分かりません。もっと下の世代、島田高志郎君、壷井達也君、佐藤駿君あたりが急成長するかもしれない。もうそろそろ、JGPのアサインが出てくると思うので、楽しみですね!

では、また明日!

Jun


フィギュアスケートランキング

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村

スポンサーリンク
レクタングル(大)
レクタングル(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル(大)

コメント

  1. アール より:

    私も次世代のスケーターにはぜひ頑張って活躍してほしいと思っています。
    羽生選手が牽引してきたものが、プッツリ途絶えてしまうのは残念ですので。

    メディア的には羽生選手が引退したら、将来的には佐野さん、本田さん、荒川さん、織田さん逹のポジション?に引っ張りだこになるでしょう。

    今の先輩方が、ゴールデンの実況やニュース番組でコメントを求められ引っ張りだこなのも、羽生選手の圧倒的な活躍があってこそだと思います。

    引退後に実況解説しようも、最終グループに日本選手が一人もいないなんて事態にだけはなってほしくありません。

    半分はよこしまな理由なんですが、友野君以下の若手選手にはぜひとも!

    • Jun より:

      アールさま

      羽生君は、引退後、テレビに出ますかね?ドキュメンタリー等の単発番組で取材を受ける可能性はありそうですが、解説やナビのような仕事は受けないような気がします。カナダに拠点を置く方が彼のためになるんじゃないかと。

      今回取り上げた、山本・須本・友野、3選手に限っても、スケーターとしての個性や特徴はかなり浸透してきていますね。あとは、国際大会での台乗りでしょう。結果を出せば、もっと多くの人に知ってもらえると思いますので。

  2. ととちゃん より:

    友野くんは元々エンターテイナーの要素を持っていましたが(犬のお巡りさんとか)、益々磨かれてきた印象です。世選5位は大きかったですね。

    草太くんの衣装に羽生選手のコラボプロが重なりました。偶然でしょうが、好きな選手とは好みも似るのかな、と。彼の滑りは本当に好きなので、今季是非クワドを成功させて欲しいです。N杯エントリーを、期待しています。

    長野公演は、FAOIシリーズの真ん中に全く違う趣旨で開催され、ショーラッシュの折り返しとして新鮮でした。
    当初、羽生選手は出演しない予定だったのかも知れませんが、やはり連覇した現役選手として、出演して良かった。
    コンティニューに通じる、受け継いでいく大切さを感じた、意味深いショーでした。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      たしかに、Wings of Wordsの衣装にデザインが似ていますね。でも、どっちがいいかというと、さすが競技用だけあって、山本君の衣装の方が細部まで凝っているかなと。

      友野君は、佐藤操先生の奇抜なプログラムで「鍛えられた」ところはあると思います。ただ、ややもすると「やらされている」ような印象もあったんですが、昨シーズンの「ウエストサイドストーリー」あたりから、「オレを見ろ!」って感じの「彼の主張」を感じるんですよね。

      今回のダフト・パンクも操先生ですけど、いやぁ、堂々としたものですよ!見違えるほど動きに貫禄が出てきて、今季、個人的には大注目の選手です。

  3. 匿名 より:

    ちょっと気になったのですがパソコンから見たブログ村のランキングサイトではこちらのブログの7/19以降の最新記事のタイトルの更新が止まってしまってるようです。
    ブログ村のランキングサイトから更新を確認して訪問されてる方もいると思うので念のためご連絡します。

    • Jun より:

      匿名さま

      ご連絡いただき、ありがとうございます!ブログ村もブログランキングも、これまで記事更新の通知は手動で行っていたのですが、たしかにブログ村のみ更新が反映されていませんね。

      「自動更新」に設定を変えてみたので、今晩0時の記事アップの際にしっかり反映されるかどうか確認してみようと思います。

  4. sennin より:

    長野はチケット購入の失敗があって金曜日と日曜日弾丸往復しました。友野君のエキシには殻を破ったか?という印象でしたがその後数回見るうち表現しやすいかなあと、私なんかだと飽きてくる…。草太君、須本君のプロは何回でもみたいという印象。完全に好みですね?金曜日は須本君ジャンプの失敗あった?というくらいの出来で同行の友人は「品があるスケートだ」と言ってました。DOIでは「トスカ」でしたが、これまた奈々美先生も高校生に難しいものを選んだものだ。結弦君の時もだったなあ。須本君のバッククロス腕を下ろしてますからね(結弦君をよく研究してます)それだけ上手くなったのですね。
    ところで、長久保門下生って明子さんの上だと荒川さん達ですか?とにかくみんなスケーテイング綺麗なように感じるのですが、クセもない。基礎をしっかり身につけている気がします。壷井君も綺麗ですよね〜。草太君はボルトも抜去したでしょうね 。これからですね。
    須本君はJr.ですが3人の中ではやはり今のところ友野君ですかね3A高いですね!スケートに対する考えも変わったみたいなので挑戦してくるでしょうね。
    結弦君はテレビ放映の日は前日表彰式に出ていて長野にいったい何時についたのか?練習ができないばかりかお疲れだったでしょうによくホプレガをやってくれたものだと嬉しかったですね。私は日曜日を観ましたが4T3Tは見事で3Fも入れましたし、1日で調整してきたのは流石に羽生結弦だと思いました。素晴らしかったです。

    余談ですが、ネイサンのネメシス、あれ凄いいいですね!テレビでみていても音楽は気に入ってたんですが実際はもっといい。終わった後「どこでジャンプ跳んだ?」と思い出せなかったんですよ。曲と演技に圧倒されたのか?ネイサンのジャンプってこじんまりとしている印象なのでインパクトがないからか?自分でもよくわかりません。

    • Jun より:

      senninさま

      この3人だとやはり友野君ですね。これまでの彼は、表現の部分で注目されていて、彼自身もそこが「強み」だと語っていました。

      ところが、ここにきて、ジャンプの質も高く、成功率も上がり、ワールド5位の原動力である「フリーを滑り切るスタミナ」もついてきた。今季どれだけ世界のトップに通用するか、今からワクワクしています。

      H&Fの羽生君は、日曜日はそんなに出来がよかったのですね!テレ朝チャンネルで3日目の放送も予定されているので、楽しみに待ちたいと思います。

      • sennin より:

        7月8日のBSで2日目の放映の後、晶磨君の1日目と3日目、ネイサンの1日目、結弦君の3日目、この3人だけ放映されていました。4T3Tが素晴らしくて足が治って通常運転かと思ったくらいです。会場は悲鳴でしたしランデイングがチョットだったとはいえオリンピック後初めてフリップも跳んでます。土曜はループでやはりフリップの方が曲に合ってるとコメントしていて、足に無理をしたかなとも言ってました。
        テレ朝チャンネルで3日目放映されるんですね。いいなあ~。

        • Jun より:

          senninさま

          テレ朝チャンネル2では、8月にH&Fを全部放送しますね。いま幕張FaOIの未放送公演も、テレ朝チャンネルで始まっているんですが、いかんせん見る時間がありません・・・。

          暇を見つけて、羽生君の部分だけでもザッと確認して、一度記事にまとめてもいいかなと思っています。

  5. マリィ より:

    こんにちは
    それぞれに良い所のある選手達ですね。
    やはり友野くんが堂々と演じてるのが印象的かな。
    須本くんも山本くんも頑張って欲しいですね。
    個人的にG線上のアリア好きだし。
    白岩優奈本当にもっと点数出てもいい演技に見えました。
    スピード感のあるプログラムが合いそうですね。
    羽生くんは転けたのが不満そう。
    世界記録並みの滑りは大変ですよね。
    羽生くん並みに魅了させてくれる演技をする後輩が育ってくれますように。
    でないと羽生くんが引退したらショック過ぎるし。

    • Jun より:

      マリィさま

      白岩さんは、もっと活躍できてもいい選手なんですが、ケガがあったりで、苦労している選手です。ただ、日本女子のトップグループとの差は紙一重だと思っているので、試合でノーミスを積み上げて、すこしずつ評価を上げていけば、チャンスは来るはずです。

      ちなみに、試合の時に、5ちゃんねるの実況スレの書き込みを見ていると、この子は、男性目線ではかなり人気があります。テレビ・マスコミ業界は男社会なんで、成績面で突き抜けると、一気に人気沸騰するかもなぁと思います。ヘンな報道のされ方をする可能性もありますが・・・。