
カイジのお話は15:30までです。岡田斗司夫さんと言えば、つねに時代の先を行く人なので、カイジ&ハンチョウを評価されていることに、ちょっとビックリでした。
漫画に何を求めるか?によって、「歴史上一番面白い」という評価基準も当然変わってくるわけですけど、私が思うに、このカイジという漫画は「歴史上誰もやっていない手法でのギャンブル心理戦漫画」と言えるかなと思います。
作者の福本伸行先生はもともと麻雀漫画の「アカギ」とか「天」で知られた漫画家なんですが、1996年にヤンマガで連載を開始したカイジは、まったくの作者オリジナルのギャンブルゲームが物語の中心にあって、それをめぐる心理描写をとことん突き詰めて表現した所にこのシリーズの面白さがあります。
漫画家がキャラクターの心理を描写するにあたって、「さりげない表情」に意味を持たせるような、「絵で表現する」のがプロの技の見せ所かと思います。しかし、福本先生の場合、こう言っちゃアレですが絵はまったくお上手ではないので、「漫画なのに心理描写を徹底的に詳しく言語化(テキスト化)する」点に特徴があります。じゃあ、漫画である必要はないのでは?小説の方が向いてるんじゃない?なんて思う方もいるかもしれません。でも、この絵あってこそのテキストなんですよねぇ。
ただ、とにかく話が進まないので、わざわざヤンマガを毎週買っていたらイライラしてしょうがないはずで、やはり単行本で一気読みがオススメです。
あとは、なにぶん96年に連載開始の作品なので、「カネの無い若者」「借金まみれの若者」が一発逆転のギャンブルに走るというのは、30年後の今の価値観で見ると「違和感」はあるかもしれません。最近の風潮は「コスパ」「タイパ」ですから、それこそ短絡的に「闇バイト」みたいなものに走ってしまうというか・・・。その辺りをテーマにした小説も少しずつ出ているようですが。
では、また明日!
Jun
