

ABEMA将棋チャンネルでの放送は「こちら」。
挑戦者の杉本和陽六段は現在33歳で、今回がタイトル初挑戦。25歳でプロ入りの苦労人で、棋聖戦の挑戦者決定戦(4月26日)では、タイトル戦常連のトップ棋士の永瀬拓矢九段を破っての勝ち上がりでした。
杉本六段は2003年に小学生名人戦で優勝し、将来を嘱望された逸材だったのですが、小学生名人を獲ったとしてもプロ棋士に必ずなれるとは限らないんですよ。ちなみに、藤井聡太さんは小学生名人戦の愛知県大会を突破できず、小学4年の秋にプロ棋士養成機関の奨励会に入会したため、以降アマチュアの大会とは別れを告げました。
杉本六段は振り飛車党の粘り強い棋風で、前述の永瀬戦では三間飛車穴熊で左金を2六の位置に展開させる「新研究」を披露し、私もABEMAの中継を固唾を飲んで見守っていました。その研究自体は消化不良気味で、終盤の競り合いで勝利した形になりましたが、おそらくその「新研究」の改良版をこの棋聖戦五番勝負でもぶつけてくると予想します。当然、藤井棋聖もその対策は準備しているはずで、両者の研究のぶつかり合いに注目しています。
第一局の開催地は栃木県日光市の「日光金谷ホテル」です。150年の歴史を誇る日本最古のリゾートホテルだとか。地理的には東照宮の近くのようですが、私が日光を旅行した時は鬼怒川温泉に泊まったので、まぁでも、日光と言えばそっちだよねと。鬼怒川の方は「廃墟群」の残念なエリアもあって、解体するにもお金がかかるのでそのまま放置されているようです。
ところで、棋聖戦は優勝賞金の大幅増額が発表されて、昨年までは300万円ぐらいだったはずですが、今回から優勝賞金4000万円+特別賞1000万円となり、事実上の総額5000万円となりました。
なぜ4000+1000という形かと言うと、将棋界最高位タイトルの竜王戦が4400万円で、その権威に「配慮」してということらしいです。まぁ、棋聖戦特別協賛のヒューリック株式会社のサポートのおかげで、将棋関係者はヒューリックさんに足を向けて寝られませんね。
33歳のフレッシュな挑戦者と、22歳の無敵の七冠王との五番勝負。非常に面白い組み合わせですので、ぜひチェックしていただければと思います。
では、また明日!
Jun
