改めて「アナザーストーリーズ」を見てみた。

改めて「アナザーストーリーズ」を見てみた。

とあるきっかけで、5/5の夜に「アナザーストーリーズ」を再び見ることになりました。最高でしたね。今後、アンチ集団のしょーもないアレコレでモヤることがあったら、私は何度となく見ることになるでしょう。

私が初回放送をレビューしたのは「今年1月31日の記事」で、この時点では、羽生君がさいたまワールドに間に合うかどうかまったく不明という状況でした。しかし、松嶋菜々子さんが出てきて、バックに「Origin」が流れていたことは、まさにあのさいたまでの渾身のOriginを「予言」していたんじゃないか?と思わずにはいられません。

さいたまでネイサンに負けたことを受けて、「戦いの場で完璧な演技をして勝つ」ということが羽生君のモチベーションとなっている今、特に、プルさんの証言が刺さりました。以下、プルさんの発言を引用してみます。

バンクーバーオリンピックの時はケガだらけで正直出られるだけで奇跡だった。負けたのは本当に悔しいし採点にも不満はあるけど、もし僕が出ていなかったら、もっとひどい戦いになっていたと思う。あの頃は戦い続ける選手が少なくて、みんなすぐに引退していく。まだまだ滑れるのに。僕は連覇を逃した悔しさより、戦う相手がどんどんいなくなることが悔しくて仕方なかった。

引退していく選手の気持ちも分からないでもない。メダルを争うようなレベルまで行くと、維持するだけで本当にキツい。あんな苦しみはもうごめんだと思うから、オリンピックや世界選手権でメダルを取った選手は、引退の道を選びがちだ。引退してもショーで滑った時は、メダリストの誰々って紹介してくれるしね。でもそのせいで、オリンピックという最高の戦いのレベルが下がってしまう。おまえもやめるのか?おまえもか?ってね。それが悔しくて。

次のオリンピックまでしばらくありますが、羽生君の出場したさいたまワールドと、それ以外の試合を比較したら、すでにレベルの差が歴然としていますよね。四大陸、GPF、一年前のミラノワールド、どれもヌルくて低調な試合ばかりでした。羽生君が出るか出ないかで、そもそも集客が段違いというのもあるんですが、だからこそ出場選手の緊張感が違ってくるし、演技のクオリティやスコアにも現れていますね。

・・・ユヅルがソチで金を取った後、「引退しない」「次も出る」と言ってくれて、飛び上がるほど嬉しかった。私が去っても、彼が参加し続けることで、オリンピックという最高の戦いのレベルが保たれる。ユヅルは分かっているんだ。最高の演技は試合でしかできないことを。 そして、フィギュアスケートの世界にオリンピックチャンピオンになる以上の喜びは絶対にないっていうことをね。

さいたまで負けはしたものの、Originは魂の演技でした。もちろん、ロステレ杯でのOtonalも素晴らしかった。「最高の演技は試合でこそ見られる」というのを、今季も私たちファンは痛感しました。そしてその先へ・・・。プルさんの言う、「オリンピックで勝つ以上の喜びはない」という言葉の通り、北京への道も歩みそうな気がしてなりません。羽生君は間違いなくプルさんの後継者で、精神的には「一心同体」と言っていいですからね。

勝手に相手がミスすることも多いし、オリンピックならではの緊張感もむしろアドレナリンをくれる。一度金メダルを取っているから、常に「上」に立てるんだ。大事なのは、技じゃなく経験と自信。それを併せ持っているのは、ユヅルしかいなかった。

ユヅルは、オリンピックを連覇した今だって、まだ勝つための進化を止めようとしないだろ?頂点の選手が一番貪欲なんだから、負けるわけが無い。連覇がどれだけ難しいかは、僕は身をもって知っているけど、誰かがやるとしたら世界にユヅルしかいない。だから僕は、あのオリンピックでも、ユヅルがその場に立てさえすれば連覇は間違いないと、断言していたんだよ。

こうやって文字起こしをするだけで、涙が出てきそうです。伝説的なスケーターがここまで称賛してくれているのです。彼は、羽生君が現役を続けていれば、北京五輪前もこう断言してくれるでしょうね。まるで北京五輪に向けてのエールではないかと錯覚します。

余談ですが、4月から朝ドラ「なつぞら」を見ているので、松嶋さんを見ていると、そばに草刈さんや藤木さんがいそうで、ニヤニヤしちゃいました。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ごろ寝 より:

    「文字」から受け取る力、大きいですね。文字起こし、ありがとうございます。

    足のこと、年齢的な体力、井の中で画策する組織・・・これまでの常識、偏見、私見から「もういいや」と思ってしまうことが多くなりました。

    ただのファンと言いながら、我見での「理想像」を作っているのでしょうね。
    反省します。羽生さんの競技生活は、羽生さんのもの。見せて貰えることを素直に喜び、悲しみ、願っていく。原点を遠ざけないでいたいものです。

    • Jun より:

      ごろ寝さま

      羽生君のスケートと、あとは女子をチョロっと見るぐらいでいいと思いますよ。それがいまのフィギュアスケートに対する健全な楽しみ方ですね。
      私も基本的にはそのようなスタンスで19-20シーズンは過ごすつもりです。

  2. マリィ より:

    こんにちは
    文字起こしありがとうございます。
    久しぶりにプルさんのインタを見るとプルさんの五輪での思いが滲み出ているようです。
    やはり同じ土俵で戦う者同士、志を同じくする者同士なのだなと感じます。
    経験と自信と貪欲、精神力、金メダルを獲るにはどれが欠けてもいけませんね。
    この全てを併せ持つのが羽生くんしかいないとプルさんは仰っているんですね。
    試合を見ているとどんな実力を持っていても精神力に左右されるというのがよくわかりますね。
    精神力が追いつかず崩れてしまう選手が多いですよね。
    ネイサンは今年の世選ではそこを克服してきましたね。
    羽生くんにとって成長してきたネイサン、これからが本当の勝負と言えるのではないかと思いますが足首が心配ですよね。
    世選での銀メダルが北京への情熱になってたらいいなと思います。

    私もなつぞら見てます。
    藤木さんはちょっとファンだった時もありましたけど、ゴールデンウィークに娘の長澤まさみ目的で観に行ったキングダム(すごくアニメに忠実でした)で吉沢亮くんのファンにちょっとなりました。
    なつぞらは吉沢亮くんに山田裕貴くんも出てるしほんとに豪華だなと。
    息子が観てたのでついでに観てゴーカイブルーのちょっとファンでした。
    ちょっとばかりですけど、役が変わるとそんなにファンてことでもないんです(笑)
    キングダムですけど、羽生くんて主人公のシンの熱い野望を持つところと、セイの計画的頭脳派と言いましょうか、それの両方を持った稀有な人だと感じてます。
    シンの追い込まれると強いところとか羽生くんみたいです。
    羽生くんはクールに見えるのに中身は熱く煮え滾っていますよね。

    • Jun より:

      マリィさま

      プルさんは、いろんな表情で羽生君について語っているように見えました。最初はライバルとして。そして、後継者として。さらには、自分の教え子たちの目標として。フィギュアスケートの歴史に燦然と輝く彼がそれだけの存在として、羽生君を認めているのです。その現役生活に立ち会えて、しかも応援できる我々は幸せ者ですね。

      「なつぞら」はイケメンばかり出すぎでしょ?という批判もあるようですが、個人的にはドラマの内容さえしっかりしていればいいと思っています。

  3. ととちゃん より:

    プルさま、羽生選手に男子フィギュアの未来を託しているように見えます。もちろん北京に出て欲しいと本気で願っているでしょう。

    プルさまの気持ち、本当によく分かります。junさんが仰るように羽生選手がいる、いないで大会の全てのレベルが違ってくるし、私見ですが 男子の全カテゴリーを見渡しても 羽生選手ほど金メダリストに相応しい選手は、現状、他にいないと思うのです。

    >精神的に一心同体
    私もそう思います。同じ魂を持つ、尊敬するレジェンドから次の五輪を期待されて、羽生選手はどう応えるかと考えたとき、気持ちは決まっていて、後は本当に身体次第なのでは
    と感じています。個人的には出て欲しいです。彼が現役を続けることで、まだフィギュアに希望を繋ぐことが出来ると思うからです。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      羽生君がいつまで現役を続けるか。どのようなレベルを維持できるかによって決まってくると思いますが、そこはクリケットのコーチ陣としっかり相談していると思います。

      「妥協」と言うと聞こえは悪いですが、自分の身体と「対話」しながら、ベストの選択をしてくれると信じていますよ。