JGPポーランド(女子フリー)感想

JGPポーランド(女子フリー)感想

リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。

岩野さん。103.19の8位。合計157.51で9位。リショーさんも、SPの男臭い選曲から一転して、このフリーでは情感溢れる女性ヴォーカル曲を使っていて、要求するものが高いですよね。でも、それに岩野さんはよく応えていると思います。ただ、回転不足の悩みは、昨シーズンからあって、なかなか容易には修正できないようです。原因はいろいろありそうですが、この演技を見る限りでは、ジャンプに入るまでのスピードがちょっと足りないのかなという気がします。

川畑さん。フリーは110.16の7位。合計177.86で5位。あの奇抜な衣装を、落ち着いたパープルベースのデザインに変更しました。いやぁ、最初の3Lz-3Tがもったいない・・・。壁に近くなってセカンドトウがシングルになってしまったんですが、これが決まっていれば、その後も波に乗れたと思うんですけどね・・・。

容姿にも才能にも恵まれた、日本人離れしたスケーターだと思うのですが、フリーで崩れる要因はどこにあるのか?コーチが悪いのか。本人の意識の問題か。持病があるのか。私には分かりません。彼女より高さも幅もない、つまり質の悪いジャンプを跳ぶスケーターでもノーミスすれば上に行けるのがフィギュアスケートの世界。正直、フリーのノーミスは無理だろうな・・・と覚悟はしていたものの、いざそういう現実を突きつけられると、悲しくなりますね。

タラカノワ。フリーは126.60の3位。合計194.74の3位。ノーミスです。喜びを爆発させていましたが、それに値する内容だったと思います。ジャンプの着氷とか細かいことを言ったらアレですが、それも含めて彼女のワイルドさだと思っています。エテリ組を抜けて、プルさんのチームを経て、いまパノワ組に在籍していますが、コンディションもいいし、充実しているように見えます。エテリの所にいても、下からの突き上げがキツイですからね。スコアを見て本人は首をかしげていて、パノワさんが慰めていましたが、優勝に限りなく近い3位。立派です。

ワシリエワ。フリーは128.95の2位。合計196.47の2位。ロンド・カプリチオーソは、三原さんやシェルバコワが使用していました。正直この子は、タラちゃんみたいな強烈な個性は無いんだけど、相当な運動量を求められるプロを、ノーミスで一気に滑りきった感じですね。よく鍛えられてますよ。エテリ組じゃなくてもこれだけのスケーターを育成できるのだから、あのしょーもないプログラムを押し付けられるぐらいなら、他のチームの方がいいのでは?と、外野の立場からは率直に思います。ロシア大会は3位でしたが「198.79」を出しているので、ファイナルに残ると思います。なんだかんだでロシア女子はどんどん出てきますね。

アリサ。フリーは138.99の1位。合計203.10で優勝。このJGPのアーカイブ動画にはコメントはつけられないんですが、いま(21日・22時)開いたら、「高評価・277」「低評価・258」となっていて、なかなか興味深いことになっていますね。

しかし、ジャンプを跳んだ直後、テクニカルは3Lzでコールしていたんでしょうが、あとで4Lzに修正したんでしょうね。いちおう見た目は「成功風」なのでもうちょっと加点盛ってあげたら?と思ったのですが、やや自重しましたか。

ワシリエワを見た後だと明らかにスピードが足りなくて、そこがジャンプの流れの無さに現れていると思います。あと、顔がちょっと大人っぽく面長になってきて、アジア味が薄れてきましたかね。

ちなみに、アリサのフリーのPCS(55.05)はワシリエワより3点以上低く(58.13)、しかも、川畑さんよりも低いんですね(56.23)。ファイナル進出こそ連勝で決めましたけど,4Lzか3Aで転倒があると、ファイナルは台乗りも厳しいかもしれません。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ととちゃん より:

    和愛ちゃん、綺麗な滑りなのに残念でした。ロシアン女子と戦っていくには、最低ワンミス以内に収めないと難しいですね。
    ジャンプは壁の近くの方が跳びやすいと、どこかで聞きましたが、ちょっと近過ぎたんですね。これだけで、フリップの転倒がなければ随分違っていたかと。それでもPCSで評価されているのは演技自体の質が高いからだと思い、今後に期待したいです。

    アリサちゃんの4Lzはどうなんでしょう。シニア男子が苦労している技が女子に次々決められている(スコア上)現状に、隔世の感を持ってしまいます。どこまでいくのか、とりあえずは次戦を見守りたいと思います。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      この大会のアリサは、「なんちゃって高難度ジャンプ」で何とか逃げ切ったという戦い方でしたが、PCSは出ないし、ジャンプをミスればガクっとスコアは落ちるので、バクチみたいなスケートですよね。

      逆に、ワシリエワは安定した戦い方で、こういう選手が大きな試合でノーミスを重ねると、強敵になると思います。アリサやエテリ組ばかりに目が行きがちですけど、まだまだロシア女子には優秀なスケーターがいるのだなと再認識しました。

  2. Fakefur より:

    川畑さんは、SPで高い完成度を誇り、FSで崩れるパターンが続いていて、予想はしていましたが、現実になると本当に悲しいです。

    フィギュアスケートの王道を行く正しい技術を持ち、盛り込みすぎず、気品にあふれた彼女のクリーンパッケージを期待する人は、日本だけじゃなくて多いと思うんですよね。前回、表彰台にも乗らないのに、テッドもインタビューしてましたし。

    日本だと滑り込みの時間が足りないのかもしれませんね。見える筋肉を見ると、陸トレはしっかりしているように見えます。クラウドファンディングを募ってくれたら、参加するのですが。17歳、大輪の花を咲かせてほしいです。

    • Jun より:

      Fakefurさま

      昨日久々にポゴちゃんの動画を見て、読者の方からも好評でしたので、やはり感じる所は一緒なのだなと思います。

      これはもう、男女の違いとか、国籍の違い関係なく、私はずっとフラストレーションが溜まっていることなんですが、「子どもの曲芸を見たいためにこのスポーツを見てるんじゃない!」ってことなんですよ。

      そこに風穴を開けるようなスケートを川畑さんは披露してくれていると思うので、頑張ってほしいんですけどね・・・。周りの大人はもっと危機感を持って彼女を導いてあげてほしいですよ。