フランス杯(女子フリー)感想

フランス杯(女子フリー)感想

リザルトは「こちら」。フィギュアスケート速報さんは「こちら」で。プレゼンターのおっさんが、金メダルをベルちゃんの首にかけるという大失態。まぁ、表彰台の3人が和んでいたのは良かったですが。

コストルナヤ。フリーは159.45の1位。合計236.00で優勝。先週の「紀平さん&トゥルソワの振り返り」で、「3Aを3本成功させてノーミスならトゥルソワの241.02を超えるかどうか?」という話をしたんですが、なかなかイイ線いってると思いませんか?

この大会のコストちゃんのSP(76.55)の3Aアンダーローテの判定は誤審ですから、あれだけで3点は損していて、ルッツのアテンションとPCSが渋めだったことを考えると、この試合、完璧なノーミス演技を2本揃えていたら、やはり241~242ぐらいでフィニッシュしていたような気がします。

しかし、「ショートの3Aよりも、フリーの1本目の3Aの方がよっぽど回転足りてないでしょ?」と、いろんな所で言われていて、フリーでいわゆる「帳尻合わせ」的な判定に落ち着いた感はあります。ネット上でこの件はけっこう騒がれていたので、やっぱりガンガン発言した方がいいわけですよ。「判定に文句言うな!」なんて言う連中は、「上司に口答えするな!」というマインドを趣味の世界にまで押し付けてくるような、根っからズブズブの日本人のごく少数だけです。文句を言うのがグローバル・スタンダードなんですよ。

ザギトワ。フリーは141.82の3位。合計216.06で2位。TESの速報値は75.89だったので、7点ぐらい下がりました。この大会は、特に女子に関してはアンダーローテをかなり取っているんですが、ザギちゃんに関していえば、特に昨シーズン以降は危ないジャンプがけっこうあったので、これをきっかけに質を上げていってもらいたいなと思います。

ネットでは、オワコンとかすぐに言う人がいますが、いやね、五輪で金メダルを獲ってもう一生安泰なのに、よく現役を続けていると思います。しかも羽生さんの練習環境と違って、自分よりも高難度のジャンプをポコジャカ跳びまくる後輩たちと毎日顔を合わせなきゃいけない。自分がどんなに頑張ってもできないことを、目の前で軽々と見せつけられる日々。普通だったらストレス溜まって精神的に耐えられないですよ。出社拒否?登校拒否?よく分からないですけど、いまのチームに留まって、毎日屈辱を感じながらもスケートを続けている。偉いと思います。常人には耐えられないことを続けているという意味で、心から彼女を尊敬したいですね。

ベル。フリーは142.64の2位。合計212.89で3位。いやぁ、ベルちゃん、頑張りましたね!キスクラであんまり喜ばないラファが気に入らないですけど、この試合は会心の演技を2本揃えたように思います。

頭身の凄さというか、スタイルはアメリカの女子でもピカイチなんですが、これまでは、回転不足も多く、頼りない印象がありました。彼女はいま23歳なんですが、この覚醒の要因は何でしょうね?いいトレーニングを積んできて、節制してスタイルを維持して、最高のコンディションに仕上げてきたのは確かなのでしょう。

彼女は次戦ロステレなんですけど、この演技が出来たら、メドちゃんを抜いて、トゥルソワに次いで2位という可能性は大いにあるかと。紀平さん、ザギちゃん、リーザ、ユ・ヨンとファイナル行きを激しく争うことになりそうです。

坂本さん。フリーは135.16の4位。合計199.24で4位。ジャンプ得意な彼女からすると、ショートのミスは信じられないものでしたが、このフリーはよくまとめたと思います。ザギちゃんと同様、TESの速報値が74.81から下がっていって、最終的には66.76。回転不足3つに、エラー1つですから、そりゃ、仕方ないですね。

ただ、本人的には手応えと自信を掴んだ様子。ファイナル行きはなくなりましたが、全日本でしっかりいい演技を披露して、ワールド代表目指して頑張ってください。

樋口さん。フリーは109.34の7位。合計174.12で6位。怪我明けの影響がやはり出ていて、フリーではジャンプの抜けが目立ちましたね・・・。昨シーズンから足の調子は思わしくなかったですが、このような状態が続いていると、「本当に治るの?」と心配になります。「怪我明けだから、このスコアでも仕方ない」という状況に慣れてしまわないように、全日本が彼女にとっての刺激になればいいですが。

白岩さん。フリーは98.59の10位。合計161.71で9位。風邪をひいていて練習ができなかったという情報がありましたが、USクラシックも直前で欠場していましたし、「ハマコー、ちゃんと見てあげてんの?」と、文句の一つも言いたくなりますよ。「3-3」を現状では跳べない感じで、調整の遅れが気になりますが、ロステレを復活のきっかけにしてもらいたいです。

うーん、日本勢がこれまで問題なく勝てていた、アメリカのテネルやベルの後塵を拝しているのは気になります。しかも、テネルは21歳、ベルは23歳。年齢を言い訳にはできません。

日本の女子は、今季のJGPでは大惨敗状態で、「こりゃ、北京は紀平さん一人に頼るしかないな・・・」と不安感が募っていたのですが、まさかその状況が2019-2020シーズンで訪れてしまうとは・・・。

ただ、「エテリ3(ワリエワも北京には間に合います)」もみんながみんな北京五輪の時に健康体とは限らないわけで、いまから戦意喪失してちゃいかんよ!と。スケ連も選手も、気合いを入れ直してもらいたいです。

では、また明日!

Jun

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コメント

  1. ととちゃん より:

    ようやく女子フリーの録画を見ました。
    坂本さんのプロ、見終わって気持ちがすっきりしました。ダイナミックなジャンプが演技を盛り立て、爽快感があります。そのジャンプに幾つかミスがあったようですが、本人は受け止めつつ前を向いている様子なので、次戦を楽しみに待ちたいです。とりあえず笑顔で終われて良かったです。

    新葉ちゃん、まだ万全じゃないんですね。最後のステップは素敵でした。全日本に期待です。

    コストルナヤ、2つめの3Aは良かったですね。また、ジャンプだけではない完成度の高さを初戦から見せてもらいました。
    ただ、ザギちゃんの後だったので、どこかあっさりした印象を持ってしまいました。見る方の心情的な部分だと思いますが、ザギトワの演技に女王の悲壮感と孤独のようなものを
    勝手に感じて、今回は技術面度外視でザギ>コスでした。
    NHK杯、紀平さんvsザギコスに今からドキドキします。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      坂本さんは、もしかしたら「舞依ちゃんの分も!」というプレッシャーもあったのかな・・・と、本人は絶対に認めないはずですけど、なんとなく思います。ただ、このフリーを、これから波に乗るためのきっかけにしてもらればいいですよね。

      コストちゃんとザギちゃん、タイプが違うので個人的にどっちが良いとは言えないですが、記事にも書きましたけど、「ザギちゃん、よくやってる!」の一言です。

      これは同情ではありません。不屈の闘志はリスペクトに値します。N杯でも元気な姿を見せてほしいですね。日本にもファンは大勢いますから。