「フィギュアスケート・カルチュラルブック 2019-2020」(1)

「フィギュアスケート・カルチュラルブック 2019-2020」(1)

2020年3月9日発売。定価1,650円。

今日はマッシさんの「特別寄稿」をご紹介します。でもね、あまりここで紹介しすぎるのはもったいないぐらい、あえて言うと「羽生さんへの珠玉のラブレター」ともいえる内容なので、ぜひ買ってほしいと思います。

羽生さんに対する、ISUやスケ連からの嫌がらせや、匿名アンチやブラックジャーナリストによる誹謗中傷に心を痛めている方であれば、このマッシさんのエールのためだけに1650円を出しても、決して高くないと思います。今後、羽生さんへのsage採点を目撃することがあれば、私は何度となく本書を開くことになるでしょう。個人的に、特に印象的だったのは、以下の部分です。

彼のような選手は他のスポーツでは「ゲームチェンジャー」と定義される。歴史の流れを変え、自らの競技を進化に導いた選手達。全ての若手選手達にとってある種の指標となる存在。彼らが上達するために模倣しようとする模範。

彼が競技から引退した暁には、羽生の現役前と現役中のフィギュアスケート、そして引退後のフィギュアスケートを区別しなければならない。

・・・スケートを始めたばかりのスケーター達は羽生のあらゆる動きを真似ようと試み、更に上級の選手達は彼のようなトランジションを実施し、彼のように難しい入り方からジャンプを跳ぶことを夢見るのだ。

羽生結弦は、技術的万能と芸術的卓越を融合できる史上最もコンプリートで多様性に富んだスケーターの「最高の形」として歴史に刻まれる。

このように、マッシ節全開です。もちろん、具体的な要素、ジャンプの入りの前のステップの部分、芸術性、身体の細かな動き、そして精神性に至るまで、「羽生結弦、あなたのココが素晴らしい!」という、タラソワさん、あるいはミーシン先生とはまた違った「愛情表現」のように感じました。

ちょっと脱線しますけど、このような称賛を読んでいてふと頭に浮かんだのは、メンズファッションアドバイザーのMBさんが、ユニクロUの監修をしているクリストフ・ルメールについて、熱く語っていたことを思い出しました。

ルメールは世界の5本の指に入るデザイナーと言っても否定できないです。これを否定する人は、洋服の歴史もファッションのデザイナーに関する知識も無いって言ってることと同じぐらい、明らかなことです。これを否定する業界人は誰一人としていません。そのぐらいすごい人なんです

興味があれば、冒頭から7分ぐらいまでご視聴ください。私も発売日の2月21日にフーデッドコートとリブクルーネックセーターを購入してとても気に入っています。コロナの影響で外に出かける機会が激減しているのが残念ですが・・・。

フィギュアスケートに置き換えて考えれば、羽生さんは、世界の5本の指どころか、フィギュアスケートの歴史上を見渡してもトップ中のトップの選手ですから、つまり、

「羽生結弦のスケートを否定する人は、フィギュアスケートの歴史をまったく知らないし、知識がないと言ってるのと同じ」

きっと、マッシさんはそう言ってるのだろうと、私は勝手に解釈しておきます。

さて、ここだけは全文ご紹介しないといけません。最後はこう締められていました。

最後に、この場を借りてトリノのグランプリファイナルにおけるイタリアジャッジの振る舞いについて、大勢の同国人を代表して日本の皆さんに心から謝罪したい。イタリア中の多くのスケートファンからこの大会の判定に対する意見が私の元に寄せられ、多くの人が何よりも日本でイタリアの印象が悪くなることに心を痛めていた。誰もがこの評価に同意できなかったことは言うまでもない。

羽生結弦はこのように過小評価されるべきではないし、氷上で披露された内容からかけ離れたこのような評価は彼に対する敬意の欠如であり、彼はこのような無礼に値しない。本来、このようなことは起こるべきではないのだが、時として起こってしまうこともあるのだ。彼がこの大会で起こったことは気にせず、その先を見据えてくれることを願っている。

マッシさんがここで言及しているのは、ファイナルのJ6に座っていたイタリアジャッジのWalter Toigoについてです。何が「敬意の欠如」であり「無礼」だったかというと、PCSについてです。「SkatingScores.com」を見ると分かりやすいのですが、「SP」では「45.25」という採点で、他の8人が47~48点なので、明らかなsage採点です。PEとINはエイモズを2位にしています。そして「フリー」では「88.50」という低スコア。他の8人は92~95点台ですから、SP以上に際立っています。エイモズの「89.05」よりも低いスコアでした。

もちろん、マッシさんはエイモズや具体的なスコアまで踏み込んではいませんが、ネイサンageではなく、羽生さんよりも明らかに格下の選手のエイモズageということに、マッシさんだけでなくイタリアのスケートファンも怒っていたのでしょう。もちろん、あくまでも私の想像です。

出版元のカドカワさん、よくぞこの部分をカットせずに発売を実現してくれました。心より感謝いたします。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. ととちゃん より:

    マッシさんの「ラブレター」、素晴らしかったですね。読んでいてこんなに溜飲が下がった記事は久々です。よくぞ言って下さった!と最初から最後まで頷きっ放しでした。

    今後フィギュア史が ビフォー羽生、アフター羽生に分けられるのは明らかです。
    正に「ゲームチェンジャー」として刻まれる存在、後続がこうありたいと模倣する存在ですよね。それを否定する極々一部の人は、フィギュアの知識がありませんと暴露しているに等しいと、私も思います。

    ところで、GPFのイタリアジャッジ、詳細は忘れていたので、教えて頂きありがとうございました。マッシさん、気にしてたんですね。今後こういう事が起こったら(起こらないと言えないことが辛いです)私もこの「ラブレター」を読み返します。羽生選手にも是非読んで頂きたいです!

    世界選手権、中止になりましたね。胡散臭いイベントはともかく、ここまでの羽生選手の練習を叶える試合は開催されるよう願っていましたが、仕方ないですね。来季の彼の活躍に期待して待ちます。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      私が紹介した部分はほんの一部です。羽生さんの素晴らしさについて、個々の要素に分割して、その全てをこれでもかと称賛していますので、興味のある方には、一人でも多く本文を読んでほしいなと思っています。

      まぁ、ISUのジャッジって、そもそも職業としてプロでも何でもないですからね。アマチュア・ボランティア(?)ということを隠れ蓑にして、責任逃れのやりたい放題状態。

      おかしいものはおかしいと、世界中のスケオタが明確な証拠とともに声を上げ始めているのは素晴らしいと思います。これを続けないといけませんね。