「Quadruple Axel 2020 シーズンクライマックス」(1)

「Quadruple Axel 2020 シーズンクライマックス」(1)

2020年3月13日発売。「1,900」円+税。

この雑誌に私が求めているのは、日本男子のジュニア・ノービスまで含めた有望選手の動向と、彼らが羽生選手をどう見ているか?という部分です。

後者の部分で、発売直後より話題になっていたのが、「友野一希・山本草太・山隈太一朗・須本光希」という4選手の座談会です。ピンポイントで、ノンストップで、なおかつノーカットでいきましょう。

――そして、須本選手は、「羽生選手と一緒の試合に出る」というジュニア時代からの夢が、今年の全日本でようやく実現しました。一緒に写真も撮ってもらったんですよね。

草太 写真、バズってたね(笑)。

光希 素直に嬉しかったですね。4年ぶりに全日本に出てくれて、久しぶりに生で演技が見られて、やっぱりすごいなと思いましたし、人柄もめっちゃやさしいなと思いました。

――「写真を一緒に撮ってください」とお願いしたのですか?

光希 みんなで羽生くんを囲む時間があったんです。1人ずつツーショットを撮らせてもらって、そのあと羽生くんが「全員、集まって!」って、みんなを集めて自ら集合写真を撮ってくれて。

一希 あれは嬉しかったね。

草太 うん、めっちゃ嬉しかった。

太一朗 あのときの羽生くんの対応、すごかったよね。

光希 羽生くんが「どんどん来い!」って人を集めてくれて。本当にすごい人だなと思う。

一希 あの写真は宝物。

草太 フリーのあとで絶対にしんどいやろうに、わざわざ人を集めて撮ってくれて。本当にすごい人だなと思う。

太一朗 人がよすぎる。

光希 記者会見の前で忙しいのにね。

――フリーのあとに、そんな対応をされていたんですね。

一希 もし僕やったら、考えられない。

草太 うん。

太一朗 先輩のああいう姿を見ると、本当に感動する。

一希 今年の全日本は羽生くんがいたからやっぱり違う感じがしたよね。

草太 華やかになる。

一希 うん、試合が締まるというか、ロッカールームに入るだけで雰囲気が変わる。

太一朗 それにしても、オンとオフの切り替えがすごかったね?

光希 すごかった。

一希 練習前と練習後の顔が全然違う。練習のあとはふっと切り替えて。

草太 僕らのレベルに合わせて話してくれる(笑)。

一希 そう。今回、そのオンとオフの切り替えを学ばせてもらえた。

光希 うん。

ここ最近、カムデン君のインタやスケカナでのSP後のプレカンの映像が拡散されて、羽生さんの、シニア1年目の選手に対してもぜんぜんスターぶらない対応が素晴らしい!・・・と話題になっていました。

それが、あの心身ともに疲弊しきった全日本のフリーの後でも、まったくブレていない。この人を応援してきてよかった!と心から思います。

正直、私自身は、「全日本はもういいでしょ?」と何度かこのブログでも発言してきました。採点がアレですし、放送局があそこだし、しかも今季は異常な過密スケジュールだったからです。

でもね、羽生さんは確かにこの試合で負けましたけど、後輩たちが「宝物」をもらったと言い、「感動した」と言い、「学ばせてもらった」と言っている。負けたからこそ、模範的な態度を見せて、それを継承していかなきゃいけない。そうやって自分自身を奮い立たせての神対応だったのだなと思います。

自分が競技するわけでもないのに、「もう全日本はいいでしょ?」と浅はかな発言をしたなと反省しています。羽生さんは、やっぱり素晴らしい!と、改めて感じた次第です。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. おの より:

    Junさま、読みたかった所を、ありがとうございました!
    やっぱり凄い人ですね
    そして大人になったなぁと…
    胸が熱くなりました
    羽生くんがやってきた事は間違ってない
    少なくとも彼らの心には届いていますね
    やれ先輩をリスペクトとか色々言われてますが、本人に会えば彼の素晴らしさは直ぐに分かります
    スケ連や大御所コーチ等見習って欲しいです
    分け隔て無くって羽生くんの事ですよね
    羽生くんも楽しそうでした
    仰る通り全日本の事は思い出したくないです
    でも、この話を読んで全日本に出て良かったと思いました
    羽生くんのファンですって胸を張って言えます
    それにしてもSOIの発表が無いですね
    強行するのでしょうか?
    残念です

    • Jun より:

      おのさま

      スポーツ団体の偉い方々って、今回の東京五輪の「予定通りお客さんを入れて開催」論で固まっていて、アスリートの事情なんてまったく興味ないことバレバレです。スケ連も酷いけど、他もひでぇな・・・と。

      SOIはさすがにそろそろ態度を明確にしないと・・・。今日は、K-1が強行開催されてますけど、もともと格闘技団体なんて反○○的組織とズブズブだから開催自体はあまり驚かなかったですが、さすがにフィギュアスケートはそこまで堕ちていないことを祈るばかりです。

  2. るる より:

    JUN様こんばんは。
    このインタビュー、ホントいいですね。何度も読み返してしまいました。
    先日の世界選手権中止を受けてのコメントといい、舌を巻くというか頭が下がるというか・・・
    それにしても、海外だけじゃなく、やっぱり国内の後輩達もみんな羽生君に憧れてて写真撮りたいんじゃん!!(自称レジェンドも出場してたのにね)っと思いました。
    あの時の写真、みんなすごく楽しそうで、微笑ましかったです。

    • Jun より:

      るるさま

      いろんなしがらみというか、地域の派閥もあるのが日本のフィギュア村ではありますが、さすがにあの場では素が出るのではないでしょうか。

      この後輩たちが指導者になる頃には、日本のスケート現場も今より健全になっていればいいなと思います。

  3. ともこ より:

    はじめまして。
    この記事のことをSNSで知り、読みたくて本屋で探しましたが見つからなくて、(羽生さん表紙の本しか置いてなかった‼)諦めてました。
    読めて嬉しいです。ありがとうございます。
    羽生さん人柄も含め、応援しがいのある選手です。

    • Jun より:

      ともこさま

      はじめまして。コメントありがとうございます。

      おっしゃる通り、表紙が羽生さんじゃないので、入荷しなかった書店もあるかもしれません。ウチの近所でも置いてないお店があって、数軒探すハメになりました。

      単にスケートだけの人じゃない。人間的に素晴らしいから、私たちも羽生さんを気持ちよく応援できますし、誇らしい気持ちになりますね。

  4. ととちゃん より:

    これ、本当に知りたかったんです!
    「ノンストップ」「ノーカット」での掲載、本当にありがとうございます!!

    それにしてもクワドラプル、この号を羽生選手表紙にしていれば、私は買っていたと思うのです。何故この号に限って宇野選手?宇野選手にするなら、全日本後すぐが一番ぴったりくると思うのですが…。

    とりあえず後輩達のこうした忌憚ない意見を載せてくれた点はGJでした。羽生選手は、演技だけでなく振る舞いでも後輩の範たる人なのだと、再認識しました。全日本に出る意味はこういったところにもあったのですね。
    かつて同じことを先輩からして欲しかっただろうなと思いますが、負の記憶を正に変えることの出来る、素晴らしい人だなと、また感動しました。

    • るる より:

      ほんと、良い文化をぜひ継承してほしいですよね!

      • Jun より:

        るるさま

        同感です。そして、少しずつ良い方向に変わっていってくれていると思いますね。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      全日本は正直良いイメージがない大会ですが、後輩が喜んでくれるのだから・・・と、羽生さんも、怪我さえなければ今年も出場してくれそうな気がします。

      しかし、コロナの影響が世界的に物凄いことになっていて、ワールドの秋開催以前に、ヨーロッパや北米がこれだけ大変な状況なのだから、そもそもシーズンは始められるの?という稀に見る異常事態だなと痛感します。

  5. ミライ より:

    私は羽生君が全日本に出ることは他の選手や未来のためにもとても大切だと思っていました
    そして何よりも羽生君が全日本王者として世界選手権に行きたかったのではないかと思います
    羽生君は怪我がなければずっとファイナルも全日本も出たかったようです
    だからファンが無責任に出なくていいと言うのは良くないと思っていました

    羽生君が今回の全日本に出たことで同じ世代の鈴木君や佐藤君の最後に一緒だったり、須本君の夢を叶えることができたのは本当に良かったと思います
    来年も現役を続けるのなら是非全日本に出てほしいと思っています

    • Jun より:

      ミライさま

      ご意見、ごもっともです。私も反省しています。

      しかし・・・全日本の開催時期はなんとかしていただきたい!アメリカやカナダのように、1月開催であれば、スケーターへの負担も減って、良いパフォーマンスを見られると思うんですよね。