「Cutting Edge 2013」(1)(リクエストレビュー)

「Cutting Edge 2013」(1)(リクエストレビュー)

2012年12月19日発売。定価「1,800」円+税。

読者さまのリクエストにお答えして、「Cutting Edge 2013」をご紹介します。2012年12月発売というと、黒パリの衣装からも分かるように、羽生さんがクリケットに移籍して最初のシーズンで、フィンランディア杯(1位)、スケアメ(2位)、NHK杯(1位)までカバーされています。

こちらの雑誌は、「Quadruple Axel」の前身で、いまはもう中古品しか出回っていないので中の写真をすべて貼ろうかと思ったのですが、その中古価格がかなりお求めやすくなっているので、「ベタベタ貼り」は止めることにしました。

まぁ、いまだったらありえない表紙ですが、逆に考えると、高橋さんが日本男子の第一人者だった中、この表紙にしなきゃいけないほど、羽生さんへの期待感は高まっていたのかもしれません。

で、最近のQuadrupleを買って、よくやるのが、「羽生」「結弦」「ゆづ」のようなワードをページをめくりながら探すんですけど、(1)の羽生さんへの単独インタビュー以外に、羽生さん関連の記事がこれだけありました。

(1)羽生結弦「もっと強い結弦を」(16~27頁)→明日やります。

(2)振付師・宮本賢二が語るTeam Japan男子(38頁)→「花になれ」のエピソードを語ってくれています。「羽生選手は何事に対しても、120%で取り組む。そんなところに、僕は心惹かれています。・・・きっとそうんなふうにして、これからどんなことがあっても、いろんなことを全部吸収して、頑張るんかな」と、賢二先生、まるで預言者のようです。

(3)無良崇人「郷の者、柔を制す」(64頁)→練習中、4Sのアドバイスを羽生さんにしたら(無良君自身は跳べなかったそうですが)、その場で羽生さんが跳んでしまって、「ライバルのはずなのに、お互いアドバイスし合ってる」とほっこりエピソードを披露。

(4)美栄の喝!(68頁)→濱田コーチではなく、恩田美栄さんです。「女子スケーターによる喝」企画は、毎号行っていたようです。「『メダルをとらなくてはいけない、この練習をしなければいけない』ではなく、『別に、今ここでチャンピオンにならなくてもいい。今後何年かを見据えて経験して、いつか(メダルを)とっていけばいい』という、より大きな考え方ができる選手に成長してほしい」「自分を縛らないように」とアドバイスしています。そのまったく逆の発想だったからこそ、いまの羽生さんがあるわけで、こういうものを見ると、羽生さんがいかに規格外のスケーターかが分かるというものです。

(5)10年後の自分、10年後のフィギュアスケート(84頁)→羽生さんの部分のみ全文抜粋します。

10年後の自分……クワドアクセルでも、跳んでるんじゃないかな。冗談です(笑)。でも、27歳?体力的に、ちょっと無理かなあ……。僕も22、23歳くらいまでは、このままなんとかなるんじゃないかと思っています。その頃に、引退かな?もし10年後まで続けていたら、やっぱり体力的にはきびしいかも。

10年後はわからないけれど……僕が22、23歳になる頃、もっとフィギュアスケートが進化しているんじゃないかと思います。今、年下の選手にはダンスが上手い選手がいっぱいいますからね。もし彼らがしっかりジャンプを跳ぶようになったら、俺たちの世代は勝てないかも!それに僕は、まだ年齢的にはジュニア世代なので、同世代の選手たちはシニアに上がってきていない。彼らがより力をつけてシニアに上がって……また新たな4回転時代が来るんじゃないかと思っています。そのなかでも僕は、高橋選手やパトリック選手のような存在として、しっかりとトップに立てる選手に最終的にはなっていたいです。

ここはもちろん読んでいたはずなんですが、けっこう久々に開いたので、完全に内容を忘れていました。北京五輪はちょうどその27歳で迎えるわけです。「下の世代」とは言っても、現状で羽生さんを脅かす存在はネイサン一人ですから、もちろんまだトップ選手ですし、まだまだトップでいてくれなきゃ困ります。

(6)選手から選手へ 11人のリレークエスチョン(87頁)→小塚さんから「その細さを保つ秘訣は?」という質問に答え、町田さんに「真面目の秘訣」というクエスチョンを投げています。

(7)日野龍樹「憧れという力」(96~97頁)→「Cutting Edge 2012 +Plus」での、ゆづ・刑事・龍樹座談会に触れています。

(8)2012-2013シーズン 全プログラム徹底解説 コーチからのメッセージ(107頁)→パリ散、ダムパリ、ハロアイについて羽生さん本人のコメントを紹介しつつ、ブライアンからもコメントを取っています。これはなかなか貴重!

・・・と、羽生さんのインタを紹介する前に、他の小さい記事からタイプしていたら、けっこうな量になってしまって、疲れました。最近のものを買うよりも、羽生さんの情報が充実していますよ。まぁ、今のようにクリケットを拠点にして、しかも「生きる伝説」になってしまうと、日本の選手とは交流が無くなりますからね。

特に急ぐ必要もないので、明日また続きをやります。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. みつばち より:

    こんにちは 更新ありがとうございます。

    これは伝説の表紙ですね。このころグランプリファイナルで6人中4人が日本男子選手だったりした、あのころ。

    コロナのせいでスポーツ界だけでなくすべてが視界不良でひとつわかっているのは困難な時代になるということだけ・・・・それも世界規模で。私も他人事ではないんですが。

    しかし羽生さんに限って言えばISUの対応、スケ連の対応が変わりつつあるような気がします。
    対抗馬を売り出そうにも失敗続きで懲りたんですかね、姑息なやり方は通用しないことを悟ったんならいいんですけど。(なぜか上から目線)

    なんちゃらアワードだって不世出のスターありきなんだから、と縁もゆかりもないけどいちおう威張って言ってみます。

    • Jun より:

      みつばちさま

      スケートに限らず、世間は、スポーツを楽しむ余裕が無いですからね。東京五輪も来年の日程が決まりましたが、「へぇ?」という感じでまったく話題になっていません。

      スケートシーズンまでどれぐらいの影響が出るかまったく予想できませんが、まずは私たちの身の周りの健康と安全から。そして、スケーターの皆さんもステイヘルシーであることを祈っています。

  2. ととちゃん より:

    写真を3枚も、その上 内容にもかなり触れて頂いて、ありがとうございます。

    10年後の自分はちょっと想像出来ないようですが、22、3歳でのフィギュア界の進化は当たっていますね。それを促したのは自分なんですが。
    27歳での体力の衰えは、確かにあると思うんです。それでも様々な工夫や今迄の積み重ねでトップは維持出来るはず、と信じています。

    恩田さんのアドバイスは凡百の選手にはあてはまるんでしょうが、羽生選手は別枠ですから(笑)。また、(8)についてもとても興味があります。

    3枚の写真を見て、つくづく男の顔は履歴書だと感じます。この頃に比べて 「出来上がってきて」いますよね。8年という時間、いい時も悪い時も糧にしてきた生き方が、今の羽生選手を作り上げたのでしょうね。感慨深いです。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      「10年後」という質問だったので、27歳という話でしたが、そもそも25歳のいまの自身のスケートのクオリティを、当時の羽生さんは想像していないと思います。

      だから、まずは大怪我をしないこと。あとは羽生さん自身の気持ちの問題ですよね。北京五輪がちゃんと行われるのか、いや、そもそも20-21シーズンというのは例年通り行われるのかどうか・・・。あまり暗いことは考えず、でもいまの羽生さんのスケートはまだまだ進化の途中にあって、そこに立ち会えていることを喜ぶことにしましょう。