「フィギュアスケート・マガジン Vol.7 2019-2020」(2)

「フィギュアスケート・マガジン Vol.7 2019-2020」(2)

今日は、北海道厚真町のハスカップ農家の山口善紀さんのインタについて。

本書を私は近所の書店で発売日に入手できたのですが、アマゾンの通常配送だと、発売日から3~4日近くかかるようなので、あえて「羽生さんとの部分」は軽めにして内容をまとめておきます。

マガジンの山口記者と毛受カメラマンが、山口農園を訪れたのは、2019年11月下旬のNHK杯の前。日テレの24時間テレビの放送が8月下旬、収録日は6月下旬。震度7の地震が厚真を襲ったのは2018年9月6日でした。

・今回の企画は、そこまで「フィギュアスケート」している内容ではなく、山口さんがお母さんのハスカップの育種等を手伝うことになったきっかけから、「厚真をハスカップで日本一の産地に!」とビジネスとして本格的に立ち上げた経緯まで、実に丹念に描写されています。

・ただ、日テレの企画の話が来るまでは、けっこう長かったなと感じました。2009年に苗木の供給を始め、厚真がハスカップ生産量日本一になったのは2013年。最初は60軒だったハスカップ農家は100軒に。そして、前述のように2018年9月に震災が発生します。

・震災の直後の9月18日に札幌の物産展に出店を予定していました。運営サイドからは心配する声もいただいたとのこと。しかし、「ここで出店のチャンスを逃したら、震度7の震災のあった町、ということだけで終わってしまう」「この状況をチャンスに変えるには、被災した自分が外に出ていく」。山口さんは、東京の物産展にも積極的に参加し、取材もできるだけ受けました。

・そして、日テレから一本の連絡が入り、「一人のアスリートが厚真を訪れ、それをテレビカメラに収めたい」というのが企画の主旨。それを受けることに山口さんは迷いはなく、「それまでにも、取材は何度も受けていましたし、母が、羽生選手のファンでしたから」と答えています。しかし、そのアスリートが羽生さんだということは、農園のスタッフに伝えたのは収録の1時間前。お母さんには一切伝えずに、本人とのサプライズ対面となったそうです。

ここからは、本誌を手に取って、ご自身の目で内容を確かめてください。

山口さんの「この状況をチャンスに変える」という発想と、震災直後、実際にどう行動していったかというエピソードは、今だからこそ、この記事を読むすべての人たちを勇気づけるだろうなと思います。そして、昨年11月に取材したものを、よくぞこの時期まで「寝かせて」おいてくれたなと、マガジンの山口さんにも感謝ですね。

では、また明日!

Jun


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コメント

  1. 雪女 より:

    マガジン、今読んでいます。書店で買いました。近場の書店がどんどん閉店してしまうので、ネットではなく市内で唯一残った書店で買うようにしています。
    山口農園さんの話、結構しっかり取材されていて興味深かったです。お母さまは羽生選手のファンだった、だからあんなに喜んでいたのですね。東京の物産展で山口さんにお会いして、少しお話させていただきましたが、とてもプラスのエネルギーを感じる方でした。ハスカップはまさに私の好みの酸っぱすぎない酸味で、そのまま食べるのも良いし、ケーキ(ハスカップジュエリー)も美味でした。
    また物産展に行けるように早くなると良いのですが。

    • Jun より:

      雪女さま

      貴重なエピソードをご紹介いただき、ありがとうございます!

      都内住みなので、まだなかなか動けないのですが、チャンスがあれば山口農園の品物を調べてみたいと思っています。通販が確実なのかな・・・。

  2. ととちゃん より:

    今日、到着しました。
    junさんの記事がハスカップだったので、こちらから読み始めましたが、胸が熱くなる内容で泣きそうになりました。

    山口さん、厚真町を訪れた優しい羽生選手と、翌日見た真剣なアスリートとのギャップに驚かれた、と。映像で見るだけの私達でさえ その差に惹かれたのですから、実際に会っていれば感銘はひとしおでしょう。やはり、つくづく特別な存在なのだなと思いました。

    羽生選手効果もあり、さあこれからという時に、こんな状況になってしまいましたが、山口さんなら立ち直れるだろうな、と思います。
    また、いつか近くの物産展に来られたら、今度こそ是非、訪れてみたいものです。

    • Jun より:

      ととちゃん さま

      とっても心温まる内容でしたよね。かつてエッジシャープナーの吉田年伸さんのインタも素晴らしかったように、山口記者は、スケーターに限らず、人間の「人生」を本当にうまく描写してくださる。

      それは、やはり当事者意識を持って、取材対象の方の声に耳を傾けているからなのでしょう。そんな真面目な人柄だからこそ、マガジンもこういう内容になるんですよね。これからもマガジンを応援していきたい!と心から思えるインタでした。